「君の魔力はゴミだ」と婚約破棄された聖女ですが、拾われた先の辺境で氷の公爵様に溺愛されています。今さら国が滅びそうと言われても知りません

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第5話 氷の公爵様は、意外と甘党らしい

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ノースエンドでの生活が始まって数日。
私は、アレクセイ様の執務室で新しい仕事を任されることになった。

「ここにある書類を、日付順と重要度別に分類してくれ。重要度の基準は、このリストにある通りだ」
「はい、承知いたしました」

執務室は、城の中で最も日当たりの良い南向きの部屋にあったが、それでも窓の外は分厚い雪雲に覆われている。
暖炉では薪がパチパチと音を立てて燃え、部屋全体を快適な温度に保っていた。
天井まで届く本棚には、膨大な数の資料が整然と並んでいる。

アレクセイ様は巨大なマホガニーの机に向かい、羽ペンを走らせていた。
その速度は驚くほど速い。
次々と持ち込まれる決済書類に目を通し、的確な判断を下し、サインをしていく。
眉間にわずかな皺を寄せ、冷徹な瞳で文字を追う横顔は、まさに「氷の公爵」の名にふさわしい威厳に満ちていた。

(仕事をしているアレクセイ様、素敵だな……)

私は自分の手元の書類を整理しながら、つい彼の姿を目で追ってしまう。
私を拾ってくれた命の恩人であり、恐ろしい噂とは裏腹に、驚くほど情の深い人。
温室での一件以来、彼は私をさらに大切にしてくれるようになった。
「豊穣の聖女」という私の力については、「まだ公にするのは早い。君の身の安全が第一だ」と言って、城内でも極一部の信頼できる使用人以外には秘密にしてくれている。

「エミリア。手が止まっているぞ」
「はっ! も、申し訳ありません!」

アレクセイ様に見つかり、私は慌てて視線を書類に戻した。
恥ずかしい。見惚れていたのがバレただろうか。

「……疲れたか? もう一時間も作業をしている。休憩にしよう」
「いえ、全然疲れていません! これくらい、神殿での写本作業に比べれば……」
「私が疲れたのだ」

アレクセイ様はそう言ってペンを置き、ふぅと小さく息を吐いた。
そして手元の呼び鈴を鳴らす。

「お茶を頼む」

すぐに扉がノックされ、メイド長のマーサさんがワゴンを押して入ってきた。
銀色のティーポットからは芳醇な香りが漂い、三段重ねのケーキスタンドには色とりどりのお菓子が並んでいる。

「本日は、領内特産のベリーを使ったタルトと、濃厚なチョコレートケーキをご用意いたしました」
「うむ。ご苦労」

アレクセイ様はソファセットの方へ移動し、手招きで私を呼んだ。
私も向かいの席に座る。

マーサさんが手際よく紅茶を淹れ、ケーキを切り分ける。
私はベリーのタルトを頂いた。
宝石のように赤いベリーがたっぷり乗っていて、見た目にも可愛らしい。

「いただきます」

一口食べると、甘酸っぱい果汁とカスタードクリームの甘さが口いっぱいに広がった。
美味しい。
思わず頬が緩んでしまう。
ふと顔を上げると、アレクセイ様もケーキに手を伸ばしていた。
彼が選んだのは、チョコレートケーキだ。
それも、見るからに濃厚そうで、ずっしりと重そうな一切れ。

(……アレクセイ様、あんなに甘そうなものを召し上がるんだ)

意外だった。
彼のイメージからすると、ブラックコーヒーだけを飲み、甘いものは一切受け付けないような気がしていたからだ。
しかも、よく見ると彼の手元には、小さな銀色のポットがある。
中にはとろりとしたミルクのようなものが入っているようだ。

アレクセイ様は、そのポットの中身――練乳を、あろうことかチョコレートケーキの上にたっぷりとかけ始めた。

(えっ!?)

私は目を疑った。
ただでさえ甘そうなケーキに、さらに追い練乳?
真っ黒なチョコケーキが、雪化粧をしたように白く染まっていく。
アレクセイ様は、それをフォークですくい、優雅に口へと運んだ。

もぐ、もぐ。

咀嚼する彼の表情が、みるみるうちに緩んでいく。
眉間の皺は消え去り、氷のような瞳がとろりと蕩けるように和らいだ。
その顔は、まるで無邪気な少年のようで、あるいは日向ぼっこをする大型猫のようでもあった。

「……ん」

満足げな吐息。
彼は続けて紅茶を一口飲むと、至福の表情で二口目のケーキへ向かう。

私はフォークを持ったまま、その光景に釘付けになってしまった。
あの恐ろしい「氷の死神」が、練乳たっぷりのケーキを食べて、こんなに幸せそうな顔をするなんて。
ギャップが凄まじい。
そして何より、可愛い。

「……なんだ。私の顔に何かついているか」

私の視線に気づいたアレクセイ様が、フォークを止めてこちらを見た。
口元に、ほんの少しだけクリームがついている。

「あ、いえ! その……アレクセイ様は、甘いものがお好きなんですね」
「……」

彼は一瞬、しまったという顔をした。
そして、咳払いを一つして、居住まいを正す。

「頭脳労働には糖分が不可欠だ。これは効率的なエネルギー補給の一環であり、決して私が個人的な嗜好で甘味を欲しているわけでは……ない」
「ふふっ」

言い訳がましく早口でまくし立てる姿がおかしくて、私はつい笑ってしまった。

「笑うな。……これでも、領民の前では威厳を保つために控えているのだぞ」
「はい、わかっています。誰にも言いません。……でも、美味しそうに食べていらっしゃるお姿、とても素敵ですよ」

私が素直に伝えると、アレクセイ様は耳まで真っ赤にして顔を背けた。
そして、無言で自分の皿の上のイチゴをフォークで突き刺し、私の皿へと移した。

「……やる。ビタミンも必要だ」
「えっ、いいんですか? アレクセイ様もお好きなのでは?」
「私はチョコがあればいい。……それと、口元についているぞ」

「え?」

慌てて手で拭おうとすると、アレクセイ様がテーブル越しに身を乗り出した。
長い指が伸びてきて、私の唇の端をすっと拭う。

「ここだ」

指先についたクリームを、彼は何のためらいもなく自分の舌で舐め取った。

「あ……」

思考が停止する。
今、何を?
私の口についていたクリームを?
舐めた?

「……ふむ。やはり君の食べているタルトも美味そうだな」

彼は何事もなかったかのように呟き、再び自分のケーキに向き直った。
私はと言えば、顔から火が出るどころか、全身が沸騰しそうだった。
無自覚なのだろうか。それとも確信犯なのだろうか。
この公爵様、心臓に悪すぎる。

「さて、休憩は終わりだ」

ケーキを完食し、紅茶を飲み干すと、アレクセイ様は瞬時に「氷の公爵」の顔に戻った。
私も熱い頬を冷ますように深呼吸をして、仕事に戻る。

午後の業務は、領内の各村から上がってきた報告書の確認だった。
私は分類済みの書類の中から、特に緊急性が高いと思われるものをピックアップしてアレクセイ様に渡す役割を仰せつかった。

「……これは」

一枚の報告書を手に取り、私は手を止めた。
それは、領地の西側にある農村からの嘆願書だった。

『寒波の影響により、冬小麦の生育が絶望的。備蓄も底をつきかけており、このままでは餓死者が出る恐れあり。至急の支援を求む』

文字の震えから、書いた村長の切実な思いが伝わってくる。
ノースエンドは土地が痩せていて、作物が育ちにくい。
アレクセイ様が私財を投じて他領から食料を輸入し、なんとか凌いでいるのが現状だ。
だが、今年は魔境からの瘴気の影響もあり、輸入ルートにも魔物が出没して物流が滞っているらしい。

「どうした、エミリア」

アレクセイ様の声に、私はハッとして報告書を差し出した。

「西の村からの報告です。食料事情が深刻なようで……」
「ああ、知っている。既に手配は進めているが、輸送隊の到着があと数日遅れる見込みだ。……頭の痛い問題だ」

アレクセイ様は眉根を寄せ、苦渋の表情を浮かべた。
どんなに強い力を持っていても、どんなに賢くても、自然の猛威と飢えという現実の前には無力感が漂う。

(私に、何かできないだろうか)

私の胸の中で、あの温室での感覚が蘇る。
枯れかけた植物を蘇らせた、あの温かい光。
アレクセイ様は「豊穣の聖女」の力だと言ってくれた。
もし、その力が本当なら。
温室だけでなく、外の畑にも影響を及ぼすことができるのではないか。

「あの、アレクセイ様」
「なんだ」
「私を、その村へ連れて行っていただけませんか?」

アレクセイ様の手が止まった。
彼はゆっくりと顔を上げ、私を凝視する。

「……何をするつもりだ」
「私の力が、役に立つかもしれません。温室の時みたいに、畑の作物を元気にできるかも……」
「駄目だ」

即答だった。
冷たく、拒絶するような声。

「外は危険だ。魔物も出るし、寒さもお前の体には毒だ。それに、お前の力が知れ渡れば、王都の連中が黙っていないだろう」
「でも! 村の人たちが困っているんです。餓死者が出るかもしれないって……」
「支援物資は送る。私が直接出て、魔物を蹴散らしてでも届ける。だから、お前が出る必要はない」

アレクセイ様は頑なだった。
それは私を守るためだということは痛いほど分かる。
けれど、彼一人に全ての負担を負わせたくない。
彼は領主として、領民の命を守る責任がある。
そして私は、その領主に拾われた人間として、恩返しがしたいのだ。

「私、守られてばかりはいられません。アレクセイ様が私を『ゴミ』じゃないと言ってくれたこと、証明したいんです。あなたのために、あなたの領民のために!」

私が必死に訴えると、アレクセイ様は驚いたように目を見開いた。
そして、ふっと小さく笑った。

「……頑固だな、お前は」
「アレクセイ様譲りです」
「いつから似たんだか」

彼は立ち上がり、私の前まで来ると、ぽんと頭に手を置いた。

「分かった。だが、条件がある」
「条件、ですか?」
「絶対に私の側を離れないこと。そして、少しでも危険を感じたらすぐに撤退すること。……いいな?」

「はい! 約束します!」

私が力強く頷くと、彼は満足そうに目を細めた。

その時だった。
私が書類を片付けようとして手を伸ばした瞬間、紙の端で指先をすっと切ってしまった。
鋭い痛みが走り、赤い血がぷくりと浮かぶ。

「あっ」
「エミリア!」

小さな声をもらしただけなのに、アレクセイ様の反応は劇的だった。
彼は稲妻のような速さで私の手首を掴み、傷口を凝視した。

「怪我をしたのか! どこだ、見せろ!」
「え、あ、ただの紙で切った傷です。たいしたことありません」
「血が出ているじゃないか! これは由々しき事態だ。おい、誰か! 至急、治癒師を呼べ! 最高級のポーションを持ってこさせろ!」
「アレクセイ様、大げさです!」

廊下に向かって怒鳴る彼を、私は慌てて止めた。
たかが数ミリの切り傷に、城中の治癒師を動員されてはかなわない。

「これくらい、唾をつけておけば治りますから」
「唾だと? ばい菌が入ったらどうする。破傷風にでもなったら……そうだ、切断することになったら大変だ」
「なりません!」

彼は本気で青ざめている。
スノーイーターの群れを前にしても眉一つ動かさなかった人が、私の指先の傷一つでパニックになっている。
その過保護ぶりに、呆れると同時に、胸の奥がくすぐったくなった。

「本当に大丈夫です。ほら、もう血も止まりました」
「……本当に痛くないか?」
「はい」
「……念のためだ」

アレクセイ様はポケットから小さな小瓶を取り出すと、中身の透明な液体を一滴、傷口に垂らした。
とたん、傷は跡形もなく消え去った。

「これは?」
「エリクサーだ」
「エ、エリクサー!?」

私は仰天した。
エリクサーといえば、死にかけの人間すら蘇らせるという伝説級の秘薬だ。
国宝級の価値があり、一滴で家が建つと言われている。
それを、紙で切った傷に?

「もったいないです!」
「お前の体に傷が残るよりマシだ。……二度と怪我をするな。私の寿命が縮む」

彼は本気だった。
私の手を握りしめ、安堵のため息をつくその姿を見て、私は確信した。
この人は、本当に私を大切に思ってくれているのだと。
そして、私もこの人のことが――。

(……好き、なのかもしれない)

自分の感情に気づきかけ、私は慌ててその想いに蓋をした。
まだ早い。
私はまだ、何も返せていないのだから。

「ありがとうございます、アレクセイ様。……大切にします、この指」
「ああ、そうしてくれ」

私たちは互いに少し照れくさそうに笑い合った。
執務室の窓の外、雪雲の切れ間から、ほんの少しだけ青空が覗いていた。

一方その頃、王都サンクチュアリ。
王城の食堂では、不穏な空気が流れていた。

「なんだこれは! 不味い! 不味すぎるぞ!」

カイル王子が、皿を床に叩きつけた。
飛び散ったのは、かつては美味だったはずの高級シチューだ。
しかし今のそれは、野菜が煮崩れてドロドロになり、肉はパサパサで、味付けもどこか変質している。

「申し訳ございません、殿下! しかし、最高級の食材を使っているはずなのですが、調理するとすぐに味が落ちてしまい……」
「言い訳など聞きたくない! 料理長を解雇しろ!」

カイルの隣では、新しい聖女ソフィアも不満げに顔をしかめていた。

「カイル様ぁ、私、お腹空いたぁ。こんなゴミみたいなご飯、食べられなーい」
「ああ、すまないソフィア。すぐに別のものを用意させる。……おい、果物はどうした! 新鮮なフルーツを持ってこい!」

侍従が青ざめた顔で進み出る。

「そ、それが……。市場から果物が消えておりまして……。近郊の農園でも、原因不明の立ち枯れ病が蔓延し、収穫量が激減しているのです」
「なんだと?」

カイルは苛立ちを隠せない様子で貧乏ゆすりをした。
エミリアを追放してから数日。
なぜか、王都の食事が日に日に不味くなっている。
花瓶の花はすぐに枯れ、空気もどこか淀んでいるような気がする。

「まさか、あの女の……」

一瞬、脳裏にエミリアの顔がよぎる。
だが、カイルはすぐにそれを打ち消した。

「いや、ありえん。あいつは魔力ゼロのゴミだ。これはただの気候不良だ。ソフィアがいれば、すぐに解決するはずだ」
「そうよぉ。私が光魔法でパァーッとやれば、きっと元通りになるわ」

ソフィアが無邪気に笑う。
だが、彼らはまだ気づいていなかった。
これは単なる不作などではなく、国の根幹を支えていた大いなる加護が失われたことによる、崩壊の序曲であることを。

続く
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