【改訂版】元保育士の異世界物語〜子どものためなら魔王もワンパン!?天職保育士!?創造魔法と神獣召喚で世界の子どもたちを救います〜

イル

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第三章〜世界へと旅立つ〜

第29話 〜ダンジョン攻略の報酬と妖精魔法〜

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 こうして、ヒイロのタウンセルダンジョンの攻略は、無事にクエスト達成となった。後日、ダンジョンのクリア報酬と、マッピング報酬、そして魔物の素材報酬で130枚にもなる白金貨をタウンセンのギルドマスターであるウォリーが直々に持参し、受け取る事となった。

「お前さんが《神降ろし》か。まだかなり若いな。まぁ大抵Sランクになれる者は、ずば抜けた才能に恵まれているからな、年齢はあまり関係ない。……だが、お前さんは才能だけじゃなさそうだな。……よし、良いだろう。今回、世界最難関ダンジョンの一つであるタウンセルダンジョンの攻略達成とSSSランクのデーモンキングを倒した実績を持って、イバーラ国のSランク冒険者《神降ろし》のヒイロを、本日を持ってSSランク冒険者とする。」

 ミーナと一緒にウォリーを出迎えていたヒイロは、ウォリーの迫力といきなりのランク昇格に戸惑いつつ、今回の報酬をウォリーから受け取る。

「SSランク冒険者は、冒険者ランクの最高位であり、世界でも数名しかいない。これからはその名前も全世界に広がり、世界や国からのクエストを出てくるだろう。その時はよろしく頼む。」

「……わかりました。それ自体は大丈夫ですが、例えばどんなクエストだったりするんですか?正直、国や世界からと言っても無闇に人……いや、どんな人種でも殺したりはしたくない。」

「まぁそれは大丈夫だろう。例えば……国同士の争いには冒険者ギルドは一切関わらない。冒険者ギルドは世界共通の敵、言わば災害級の魔物やダンジョン、そして……魔王とかだな……そう言ったクエストが来ると思ってくれていい」

「良かった。それなら快よく引き受けます。もし、魔王って言うのが出て来たらいつでも言ってください。子ども達の未来を守ることが自分の使命だと思っていますので」

「ありがとな。……そうだ、これは個人的でもあるし、ナガーサ国のギルド全体の意思でもあるが……お前さんのこの家……孤児院とか言う事業は、全面的に支援するつもりだ。何か必要だったり、困った時には俺にも直接でいいから相談してこい。お前さんの功績とSSランク冒険者にはそれぐらいの力がある。」

「本当ですか!?ありがとうございます。すごく心強いです。ぜひこれから、よろしくお願いします」

「あぁ、こちらこそよろしくな。まぁでも、たまには自分や可愛い奥さんのための時間も必要だからな。これを機に少し休め」

 ウォリーは、そう言いながらミーナにウインクをする。ミーナは、顔を真っ赤にしながらうつむきながら首を振る。

「奥さんだなんて……」

 ウォリーは、そのままヒイロの肩を軽く叩き、《海の家》を出ていった。ヒイロは、ウォリーを見送ったあと、もらった報酬を改めて見る。

(確か……白金貨1枚が一千万ぐらいの価値だったはずだから……日本円にしたら……13億!?今までもそうだけど、前世の保育士じゃこんなに稼げなかったよなぁ。てか、めちゃくちゃお給料少なかったし……。てか、前世の俺じゃぁ、どんな宝くじでもここまでは無理か)

 報酬を見ながらぼーっとしているヒイロを見て、ミーナが心配して声をかける。

「ヒイロ大丈夫?すごい大金だね……実家のお店でもこんな大金見たことないよ。……でも、あんまり無理しないでね」

「あ、あぁごめん!大丈夫だよ!それよりもこれで当分は冒険者稼業を頑張らなくてすむぞー!あ、でも一つ試したいことがあったんだ!」

「もう!無理しないでって言ってるのに!!」

「ごめんごめん、少しは休むから大丈夫!!2人の時間も大切にしなきゃだしね」

 それから、ヒイロは言葉通り、ミーナとの2人での時間を大切にしながら、孤児院の整備をタウンセンのギルドマスター、ウォリーと話し合いながら進めていた。

 タウンセルダンジョンを攻略してから約1ヵ月が経って、ヒイロは久しぶりにクエストの受注に来ていた。資金としてはダンジョン攻略での報酬がかなりあったため、心配はないが、今回は、タウンセンの街からかなり離れた森の奥にSランク対象のキマイラが出たと、ウォリーから直接クエストを発注され、ヒイロも久しぶりのSランククエストに喜び、すぐにクエストを受諾した。

「久しぶりにSランクの仕事だ。最近は、AやBランクの魔物だと修行にならなかったんだよなぁ。時間にも余裕あるし、修行として神獣召喚なしでやってみようかな。」

 召喚なしでの戦いとなるとヒイロの場合、我流の剣術より、全属性《セプテット》持ちの魔法メインの戦い方になってくる。ただ、魔法自体は全属性と世界でただ一人だろうと思われる才能はあるものの、上級までしか習得しておらず、その上の超級魔法以上は、加護やユニークスキルになってくるため、諦めていた。だが、創造魔法・スキルでの《神獣合体》作成からヒントを得て、属性魔法を何かの手助けにより強力に出来ないかと考え、思いついたのが、属性魔法の源でもある妖精だった。

「クエスト行く前に、新しい属性魔法を作ってからにしようかな。名前は《妖精魔法》にして、まずは妖精にお願いして力を貸してもらうかな。」

 妖精については幼い頃はよく見えていた記憶があった。普通なら見えることのない妖精に、好かれていたのか一緒に遊んだこともあった。ただ大きくなるにつれ、いつのまにか見えなくなり、気にしなくなっていった。ヒイロは、また見えるように体内の魔力に意識を集中していく。そして、それを身体の外へずらしていき、周りの魔力を敏感に感じとっていく。

 しばらくそうしていると少しずつぼやけていたものが、はっきりと妖精の姿が見えてきた。妖精の大きさは手に乗るくらいの小ささしかなかった。記憶にある幼い頃に見た妖精はもっと大きな感じだったが、それはヒイロ自身が大人になり大きくなったからだった。

「キミは風の妖精さんかな?」

 ヒイロは、一番近くにいた緑の妖精に声をかけた。妖精は、ヒイロの声かけに笑顔で頷いている。

「キミ達に力を貸して欲しいんだ」

 妖精は、ヒイロの声かけに喜んで頷いている。元々ヒイロは魔力に愛されていたから、妖精にも幼い頃から好かれやすかった。だから魔力操作の練習に集中していた幼い頃は妖精の姿がよく見えていたのだ。

「じゃあ行くよ。力を貸して!風の妖精魔法 《フェアリーウインド》!!」

 !?強烈な突風がかまいたちのようになり、目の前にある森の木を扇状に切り倒し、吹き飛ばした。神獣の威力までいかないものの、上級魔法とは比べ物にならない。その後もヒイロは他の属性の妖精も見つけては力を貸してもらえるように話していく。

「よし、次は炎属性の妖精を探してと。」

 ヒイロは、オレンジ色の妖精に声をかけた。

「キミは炎の妖精さんかな?キミの力も僕に貸して欲しいんだ。」

 炎の妖精もすぐに頷いてくれた。

ヒイロ「それじゃあ力を貸して!行くよ!炎の妖精魔法 《フェアリーブレイズ》!!」

 轟音と共に、巨大な火柱が目の前に現れた。先ほどの風の妖精魔法同様、ものすごい威力で森の木が一瞬で跡形もなく燃え尽きていた。

「どうしよう……。さっきから完全に自然破壊だよね……森さん、ごめんなさい!!」

 謝りつつも次の妖精魔法を試していく。

「次は土属性の妖精魔法を試してみよう!土の妖精魔法 《フェアリーストーン》」

 今度は、巨大な岩がまるで大砲のように発射され、森の、木を次々となぎ倒していった。だが、同時にヒイロの周りの木はほとんどなくなってしまった。

「本当にすごい威力……けど、仕方ない。これ以上は本番で試してみるか。」

 ヒイロはさらに森の奥に行き、情報にあった対象のキマイラを探していく。ウォリーの話ではキマイラは、ライオンの頭に、山羊の胴体、しっぽは蛇の身体で強力な炎を使ってくるとのことだった。A、Bランク冒険者達の上級魔法では、ほとんどダメージを与えられなかったらしい。少ししてヒイロの索敵魔法にキマイラらしき物の反応があった。

「よし、見つけた!相手が気付いていないうちに先制攻撃だ!妖精魔法 《フェアリーアクア》!」

 すごい量の水が渦を巻きながらキマイラに向かっていく。キマイラはその威力にかなり吹き飛ばされ、かなりダメージをくらっていたようだが、ヒイロは間髪入れず攻撃を続けていく。

「妖精魔法 《フェアリーサンダーボルト》!!」

 今度はもの凄い豪雷が起きあがろうとしていたキマイラに直撃し、キマイラそのまま動かなくなってしまった。結局、Sランク魔物《モンスター》のキマイラは、たった2発の妖精魔法で倒せてしまった。

「威力もあるけど神獣召喚や神獣合体よりも魔力消費がかなり少ない……よし、これは使えるぞ!」

 ヒイロは、倒したキマイラを収納魔法《ストレージボックス》に収納し、その後も他の魔物で妖精魔法を繰り返し使い、威力を確認してからギルドに戻った。

「さてと報酬をもらって帰りますか。すいませーん。お願いします。」

「あぁヒイロ様、先ほどギルドマスターからご依頼されていたSランククエストですね。もしかしてもう終わったんですか?」

「たまたま早く見つけてね!でも、かなり手強ったよ。」

「そうですか。あまりそんなふうに見えませんが……。それでは、今、素材など含めて報酬を計算してくるのでお待ちください。」

「わかりました。」

 結果、他のA、Bランクの魔物など、妖精魔法の実験台になった魔物の素材と報酬を含め、白金貨1枚になった。白金貨という大金を、もはや金銭感覚を麻痺していたヒイロは、お小遣い感覚で受け取り、帰りに商店街に寄って、ミーナや《海の家》の子ども達、そして手伝ってくれている教会の人達が呆れるほどの大量のお土産を買って帰るヒイロだった。
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