【改訂版】元保育士の異世界物語〜子どものためなら魔王もワンパン!?天職保育士!?創造魔法と神獣召喚で世界の子どもたちを救います〜

イル

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第三章〜世界へと旅立つ〜

第30話 〜鬼コーチヒイロ、再び〜

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 今日は、久しぶりに孤児院《海の家》をお手伝いさんに任せ、朝からミーナと一緒に、オオタルの街へと転移魔法で帰っていた。

 そして、そのまま《森の家》へ行き、アルト達を驚かせる。どちらかと言うと、朝はのんびりな生活をしているアルト達はかなり驚いていたが、すぐに話しが盛り上がり、何故か成り行きでそのままヒイロと、アルト、ウルル、イルミ、エイスの5人でオオタルの冒険者ギルドに来ていた。

 アルト達は、まだ全員Eランクだったが、SSランクのヒイロが一緒のため、特例でBランクのクエストを受けさせてもらえることができた。

 そのBランククエストも、常時張り出されているクエストの一つで、イバーラ国の悩みの一つであり、ここオオタルの街の近くでも時々、現れてはかなりの被害を出すBランク魔物《モンスター》のハイドベアー討伐クエストだった。そう言った常時掲示板に張り出されているクエストは少なくなく、低ランクではゴブリン討伐や薬草収集なども同じであり、やればやるほど報酬とクエスト達成実績が加算されていく。

「それじゃあ久しぶりに、俺プレゼンツ、みんなの実力を知りたいコンテストを行いたいと思います!!」

「げっ……また!?ヒイロ兄のテスト厳しいんだもん!」

「あぁー、忘れかけていたあの悪夢を思い出してしまった……」

「ほんと!あれから1週間は、怖くてクエスト行けなかったもんね。」

「まぢか……俺……盾を新しくしたばかりだったのに……」

 アルト達4人は、わかりやすく絶望し、現実逃避に走ろうとしていたが、リーダーのアルトがなんとか踏み止まり、ヒイロに恐る恐る確認をする。

「……それで、ヒイロ兄……今回の条件は?まさか4人でそのまま討伐とか優しいわけないよね」

「はい!その通りです!!よく踏み止まりました!!……今回は~!なんと!2人ずつに分かれてのハイドベアー討伐をしてもらいます!!」

「えー!?ハイドベアーって、4人でもかなりきつい魔物だよね!?」

「うん……Bランクでも、ハイドベアーはかなり難しい方に入るって聞いてる。」

「大丈夫!お前達ならできーる!それではさっそく、ペア発表をいたします。アルトandイルミペアとエイスandウルルペアです!!」

「イルミとオレ!?まぢか回復なしじゃん!」

「はい、こっちも2人とも正アタッカーじゃないので長期戦決定!!」

「じゃじゃん!さぁ、ハイドベアーは俺が探しとくから、それまではまず、各ペアで作戦会議をはじめー!」

 ヒイロの言葉に4人はペアに分かれて話し合う。

「エイスの言う通り長期戦だね。でも私、最近イルミと特訓して、光魔法の他に水魔法を覚えて中級まで、使えるようになったの。」

「すげーじゃん!!よっしゃ!じゃあとりあえず俺が正面から守り主体で、ハイドベアーの体力を削るから、ウルルは回復と攻撃補助で、無理せず地道に行こう」

「うん!エイスの回復メインで、出来るだけ攻撃にも参加していくよ。」

「よし、きまり!」

 アルトとイルミも真剣に話し合う。大体クエストの受注から討伐の流れを決めているのはアルトとイルミだったため、こっちもスムーズに作戦が決まる。

「イルミ、どうする?」

「どうするもなにも、アタッカーオンリーのこっちは、火力で押すしかないでしょ。」

「そうだよな。ハイドベアーは確か接近戦主体の魔物だったはずだから、運良く俺たち2人とも遠距離主体だから、遠回りで左右に分かれて、挟み撃ちにしながら交互に攻撃して、相手に的を絞らせないようにしよう。」

「うん、フットワーク軽めに、無理せず。攻撃したら逃げのヒットandアウェイで行こう!私も時間がかかる上級魔法はやめて、中級で削って行くようにするから。」

「オッケー!回復薬を多めに準備して、お互いに自分のタイミングで飲むしかないな」

「わかったわ」

 そうして、何故か急に始まったヒイロのテストは幕を開ける。まずはジャンケンで負けたアルトandイルミペアの戦いが始まった。前半組はハンデとして、ヒイロがハイドベアーがまだこちらに気付いていない状態での不意打ち先手から始まる。そのためイルミは出来るだけダメージを与えようとしたのか、いきなり炎の上級魔法から唱えていく。

「上級魔法 《フレイムカノン》!!」

 何かを感じ取ったハイドベアーは、魔法の音に反応し、身体を丸め、急所への直撃は避けたもののかなりダメージを受ける。そして、起き上がったハイドベアーがイルミの方向に怒り襲うところを狙って、横からアルトが弓で攻撃していく。イルミは上級魔法の反動ですぐには攻撃出来ず、とりあえず距離を取りながら回り込んでいく。

 アルトの弓は、魔法ほど火力はないが、類稀なる技術と集中力により、的確に急所や肉の薄い関節などに矢が刺さるため、嫌がり足止めされたハイドベアーは、今度はアルトにヘイトを変え、追いかけていく。頑丈で体力もあり、その上ハイドベアーはスピードも速く、本気で追いかけられたら2人ともすぐに追い付かれてしまうため、距離を取りながら攻めたてていく。

「初級魔法 《フレイムウォール》!」

 アルトは、距離を取りながらイルミの魔法攻撃範囲に入るところまでハイドベアーをおびき寄せる。もう少しでハイドベアーがアルトに届きそうになった時、目の前にフレイムウォールが現れ、ハイドベアーはダメージはそこまでないが、目の前の不意の炎に戸惑いを見せた。そして、その間にアルトは自分の射程ギリギリまでの距離を取り、イルミは後方からさらに攻撃しかけていく。

「中級魔法 《フレイムストーム》!」

 中級魔法だが、ハイドベアーは死角からの直撃にかなりのダメージを受けたためか、激怒し、ハイドベアーの最高スキルである遠距離攻撃の《インパクトウォークライ》をイルミに向かって攻撃してきた。

「くっ、間に合うか《フレイムウォール》」

音による衝撃波の攻撃であるため範囲が大きく、イルミは避けきれないと判断し、一瞬でフレイムウォールで直撃は避けたものの、その衝撃に吹き飛ばされ、一瞬気を失った。

「イルミ!?大丈夫か!!スキル 《高速連射》」

 アルトは、攻撃回数を増やし、ハイドベアーに意識を自分に向けさせて、イルミの意識を戻るよう声をかけ続けた。イルミは、ダメージをかなり受けたものの、意識をすぐに戻し、冷静に回復薬を飲んでいく。

「……判断が間違った。音の攻撃だから片面のフレイムウォールよりも全体を守るフレイムサークルを使えばここまでダメージをもらわなかったかもしれない。アルトごめん!」

「良かった。ハイドベアーの動きも鈍くなってきてる。たぶんもうすぐのはずだ。出来るだけ俺が引きつけるから、最後にとどめを頼む!」

「オッケー!」

「《身体強化》からの連続 《高速連射》!!」

 アルトが弓を使い切るかのように猛攻撃を仕掛け、ハイドベアーの意識を自分のみに向けさせ、逃げ回りながらもイルミの攻撃範囲に近づけていく。ハイドベアーもダメージの蓄積でアルトに追いつけないためか、距離のあるアルトに向け《インパクトウォークライ》を放つ。だが、アルトはギリギリ射程外に避け、ダメージはそこまで受けなかったものの、衝撃波の余波に吹き飛ばされる。だが同時に、ハイドベアーの動きもスキルの反動により、一瞬止まったため、イルミがとどめの一撃を放つ。

「上級魔法 《フレイムカノン》!!」

 真横からの強烈な一撃にようやくハイドベアーは倒れた。イルミもアルトも危ない場面はあったものの、結果的には作戦通りにうまく運び、かなりの早さで勝ち切ることが出来たのだ。
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