【改訂版】元保育士の異世界物語〜子どものためなら魔王もワンパン!?天職保育士!?創造魔法と神獣召喚で世界の子どもたちを救います〜

イル

文字の大きさ
56 / 96
第四章〜六大魔王復活〜

第56話 〜総力戦!魔王アガリアレプト〜

しおりを挟む
 魔王アガリアレプトが使役しているのは、エレーロギャップという水蛇で、どうやら水の精霊獣のようだった。精霊獣とは妖精の上位に当たる存在で強力な力を持っていると言われている。そして妖精と同じように人にも悪魔にも力を貸す。妖精との違いは、その個体の強さもあるが、実体を持ち、精霊獣自自体が魔法又は、属性攻撃を行使することが出来る。

「さぁエレーロギャップ、目の前の男を血祭りあげておくれ。」

「シャー!」

 エレーロギャップの口からレーザーのような高圧水流がヒイロに向けて放たれた。

「なっ!?まるでレーザー銃だ!?ちっ、妖精魔法 《フェアリーアクア》」

 ヒイロは反射的にエレーロギャップの高圧水流を妖精魔法で相殺しようとしたが、相手の高圧水流の威力によってかき消され、そのままヒイロへと真っ直ぐ貫くように向かっていく。

「ここまで力負けをしてしまうのか!?やっぱり本物の精霊獣みたいだな 」

 ヒイロはかろうじて高圧水流を避けると、体制を立て直し、《神獣ラムウ》と召喚し、神獣合体を行う。

(なんじゃヒイロか……?最近わし使いが荒いのう)

(悪いラムウさん、今すぐ神獣合体して力を貸してくれ!)

(おぉ、それは初めてじゃな!よし、わしの神具は《ミョルニルハンマー》、奥義は覚えておるな?)

(ありがとう!きっとこれで、雷魔法の威力がかなり上がるはず。この状態で妖精魔法を使えば!)

 ヒイロは、神獣合体することで輝くような黄色の生地に黒雷模様が描かれているローブを着て、古い神木で出来た小さな杖のようなハンマー《ミョルニルハンマー》を手にしていた。

 2匹のエレーロギャップは魔王アガリアレプトから離れると、神獣合体により一瞬隙が出来たヒイロに向けて左右から攻撃を仕掛けてくる。

「左右から!?上級雷魔法 《ライトニングバリア》」

 神獣合体を雷属性特化にになったヒイロは神具 《ミョルニルハンマー》から魔法を展開する。ヒイロの予想通り雷魔法は元々の数倍の威力を出していた。それによって先程、力負けしていたエレーロギャップの高圧水流を簡単に跳ね返す。

「何!?エレーロギャップの攻撃が通じない!?ならば、エレーロギャップよ!一つに戻れ!!」

 アガリアレプトの声に反応し、2匹いたエレーロギャップは一つに重なり、大きな水の大蛇となる。大蛇となったエレーロギャップの口から、先程の数倍もの太さとなった強力なレーザー砲とも言うべき高圧水流が放たれる。

「まだだ!妖精魔法 《フェアリーサンダー》」

 ヒイロのミョルニルハンマーから放たれた強力な雷の妖精魔法は、エレーロギャップの高圧水流を押し返し、そのままエレーロギャップの水流を通り、エレーロギャッブへと直撃する。

「ギャーァー」

 直撃を食らったエレーロギャップは、一瞬のうちに蒸発するかのように爆発、霧散した。

「精霊獣エレーロギャップがこんな簡単に!?よくも私の可愛い精霊獣を……こうなったら私が直々にお前を殺してやる」

 アガリアレプトは、霧散したエレーロギャッブの魔力を吸収し、自身の力へと変換させていく。アガリアレプトの身体は徐々に変化し、人間姿をしていたアガリアレプトは、見る見るうちに下半身が蛇の様に変化し、ナーガのような姿へと変わる。そしてアガリアレプトの髪の毛も無数の小さなエレーロギャップの様な蛇の頭になり、先ほどよりも細いが、強力な高圧水流がいくつものムチの様になり、ヒイロを襲う。

 ヒイロは防御魔法を展開しながら、どうにか直撃を避けながら回避していた。だが、その全てを避けきれず水流の一つがヒイロが直撃しそうになった時、エメルのゴーレム がヒイロを庇うように身代わりとなり、爆発する。

「!?」

「ヒイロ!大丈夫!?」

「エメルさん!?……助かりました!そっちは終わったのですか?」

「まぁなんとかね!私のゴーレム が盾になるから、シルフとヒイロは攻撃徹して!」

「わかりました」

「行くわよ、ヒイロ!重力魔法 《グラビティボール》」

「はい!妖精魔法 《フェアリーサンダー》」

「数が増えたところで……舐めるなー!」

 さらにアガリアレプトの口からも大きな高圧水流が放たれる。髪の毛の小さな蛇も、さらに威力を増し、3人がかりのヒイロ達でも、その攻撃の物量差に押されてしまっていた。

 ヒイロも神獣合体をしているが、度重なる連戦でかなりの消耗をしており、エメル、シルフを含めて全員がすでに満身創痍だった。その3人が攻めあぐねていると、アガリアレプトの後方でも攻撃があった。

「遅くなった!」

「さてと……少しはダメージを食らってくれたら良いがの。」

「エングさん!グランさん!」

「あれは……なんだと!?グソイン……それにブエルまでやられたというのか!」

 アガリアレプトは、周りを見渡す。配下の姿は消え、自分だけとなっていた。

「それじゃあワシとヒイロ、シルフで攻撃、エングが牽制、エメルが防御で攻めるぞ!良いか?」

「わかりました!」

「そうだな……今の拙者ではあやつに有効な攻撃を与えるまでには距離がありすぎる」

「私の魔力もそろそろ尽きるわ。今から魔力の残りを全て使って、ゴーレムを出すから、それを身代わりにして一気に攻撃を!」

 エングがアガリアレプトの周りを高速で動き、攻撃よりも牽制を重視し、攻撃を仕掛ける。その間にエメルがゴーレム を出し、その後ろにヒイロ達が隠れられるように指示を出す。

「クリエイトゴーレム  モデル《ポーン》×5、《ルーク》」

「次から次へとちょろちょろと……全員まとめて倒してくれる!」

 アガリアレプトの高圧水流が狙いを定めず弾幕を張るように四方八方に放たれる。その凄まじい弾幕にヒイロ達はかなりの距離を取らされる。どうにかエングがその弾幕を交わしつつ、少しずつ前に近づき牽制する。エメルはゴーレム 《ルーク》で守りを固め、エメルの合図で5体のゴーレム《ポーン》がヒイロ達の前を先行していく。5体の内、2体がエングと同様に、攻撃を受けながらも牽制役となり、残りの3体がヒイロ達の盾となり、真っ直ぐアガリアレプトに向けて突っ込んでいく。

 そして、その3体が原型が無くなるほどボロボロになりながら、ヒイロ、シルフ、グランを魔法の有効射程まで運ぶ。

「ゴーレム!」

 エメルの声と同時に限界を迎えていたゴーレム達が爆発する。

 アガリアレプトはゴーレムの後ろに隠れていたヒイロ達に気付き、高圧水流を前方へと集中させる。だが、その瞬間、アガリアレプトは背中に衝撃を受ける。

「悪いがそちらに攻撃はさせん!」

 エングが地道に近づき、アガリアレプトの意識がそれた瞬間に自身の間合いまで詰めていたのだ。

「みんな!今よ!!」

「超重魔法 《メガグラビティフォール》」

「神雷魔法 《黒雷霆》」

「妖精魔法《フェアリーサンダー》!」

 アガリアレプトがエングに一瞬気を取られた時、シルフの超重魔法がアガリアレプトを押し潰すように動きを止める。そして、グランとヒイロの超強力な雷撃が合わさり、アガリアレプトに直撃する。

「ぐあぁーーーー」

 アガリアレプトは凄まじい雷撃に黒炭のようになり、倒れる。そして、蛇の身体となった下半身から少しずつ消滅していく中で、ヒイロに話しかける。

「……ヒイロと言ったな、もうこの世界が終わろうしているのだ。我ら六大魔王よりも魔神は更に格上……貴様はこの世界の運命を、《最後の神判》を覆すことが出来るのか?」

「……わからない。ただこの世界で生まれて、この時を生きているからには、自分の使命として世界のために、子ども達のために最後まで抗ってみせるさ。」

「そうか……それは楽し……み……だ……」

 魔王アガリアレプトが完全に消滅すると同時に、ダンジョンも消え去り、ヒイロ達は地上に出る。地上にはライス達が休んでいた。

「ヒイロ!魔王を倒したのか?」

「はい……かなり強かったです。皆さん、連戦の蓄積もありますが、5人がかりでやっとでしたよ。」

「ほんとじゃよ……わしはもう限界じゃ。トキオ文明国に、新しいSSランク冒険者が出来たのだろう?わしはもう引退じゃ!」

「またそんなこと言って!ダメよ、引退するのは死んだ時だけよ。」

「エメル、それは少しひどいかも……。」

「でも、ヒイロの援軍はありがたかったわ。正直、4人では倒せなかったかもしれなかった。」

「あぁ、以前倒した魔王より、相性もあるが強かったの確かだ。」

「そうなのか?でも無事に倒せてよかった。残りの魔王は、あと2つ。本当にどうにかなるかもしれないな。」

「……ただその後の魔神も気になります。きっと魔王よりも強い。今回の魔王から興味深い話しも聞きました。後で話しますので、みなさんで共有していた方が良いと思います。」

「わかった。……みんな、本当にご苦労だった。本当に感謝している。ゆっくりサードのギルド本部に戻ろうか。」
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...