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第四章〜六大魔王復活〜
第65話《閑話》 〜とある日の日常〜
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とある日の出来事……
ヒイロ家族やアルト達が住んでいる、イバール国オオタルの街にもギルド支部がある。今まではかなり規模が小さく、取り扱っているクエストのほとんどが、Dランク以下の田舎ギルドだったが、ヒイロを始めアルト達の本拠地として、若いファンのような冒険者たちにとって密かに話題を集め、最近大きくなりつつあった。
そのため、ヒイロやアルト達以外に、今までほとんど訪れたことがない高ランクの冒険者も少しずつ訪れるようになっていたのだ。しかし元々、そこまで危険度が高くない地域であるため、いくら高ランクの冒険者が来たところで、それに見合うようなクエストは、オオタルの支部から出るクエストにはほとんどなく、オオタルのギルド支部の職員もその対応に困っていた。
何故ならヒイロやアルト達は、Sランク以上のため、どのみち国やギルド本部からの指名クエストがほとんどである。いくらオオタルの冒険者ギルドが本拠地と言っても、経由して受注するだけで、オオタルのギルド支部から直接クエストを受注することは全くなかった。特にヒイロは、いつも転移魔法で、直接ミトの冒険者ギルドの本部に行くため、情報やクエストの確認のために、アルト達が定期的に利用していたぐらいだった。
実際、ヒイロ達の働きおかげで、間接的な仲介料でギルドが潤い、ある程度規模が大きくなっても、発注出来るクエストは変わらず、良くてCランク、Bランク以上は滅多になく、あったとしても首都ミトのギルド本部から降ろされたクエストを張り出しているだけで、受注する冒険者もほぼいなかった。
今日は、たまたまそのオオタルのギルド支部で、若い女性の冒険者が、Bランク以上のクエストをまとめて貼ってあるギルド本部の掲示板を眺めていた。受付の職員や馴染みの冒険者は、いつもの風景として、特に驚くこともなく、ただ荒っぽい冒険者の中では目立つ存在であり、その優れた容姿から視線が集まっているのも確かであった。
時を同じくして、このオオタルの街にナガーサ国から流れてきた、Bランクパーティーの《鬼ごろし》と言う、中年男だけの荒っぽいパーティーが来ていた。Bランク以上となると、オオタルの街では、ある若いパーティーを除いては見ることはなく、Cランクパーティーでも珍しかったため、オオタルのギルドでは一目を置かれた。
そして、その注目のパーティーが今まさに、オオタルのギルド職員ともめていた。
「も、申し訳ありません。ここオオタルのギルド自体では滅多にBランク以上のクエストは発注しておらず、最高でもCランクまでのクエストとなっております。」
「なんだそれ!?せっかくBランクパーティーの《鬼ごろし様》が、わざわざこんな田舎のギルドまで来てやって、誰も受注できないようなクエストをやってやるって言ってのによ。」
「……すいません。オオタルの街付近には滅多に高ランクの魔物も出なく、出たとしても、その……すぐになくなってしまうので……。」
「すぐに無くなるだと?どー言うことだよ!!たくっ……しけてんなぁ。んじゃぁよ、あっちの若いねーちゃんが見てる掲示板は一体なんなんだ?」
「あ、あちらは……ある意味、特定の方々専用の掲示板でして、首都ミトからのBランク以上のクエストが張り出されています。」
「はぁー?こんなCランクまでのクエストしかねぇしょぼいギルドにそんな掲示板を作ったって誰も利用しないだろうがよ!まぁいい、仕方ねぇーから俺たちが引き受けてやるよ。」
「あ、でも……間にあって……ま……」
「おら、そこの若いねーちゃんよ!興味本位で見てたって邪魔なだけだ、どけ!」
「……さっきから、うだうだうるっさいわねぇ!《鬼ごろし》??冗談は、パーティー名だけにしときなよ。こんな田舎で強がったって、誰もウケないわよ!」
「……あぁ!?おめーこのBランクパーティーの《鬼ごろし》様にケンカ売ってんのか?」
「売るわけないでしょ!私、弱い者いじめが嫌いなの!」
「弱い者いじめって……?俺たちが誰かをいじめたか?ただ、しけたギルドって文句を言ってただけじゃねーか」
「バカね、あなた達じゃないわ。わ、た、しが弱い者いじめをしたくないの!」
「……どーいう意味だ!?テメーが弱い者いじめって……俺たちが弱い者みてぇな言い方じゃねーか!」
「そー言ってるの!わかったら、静かにしてくれる?今、どれにしようかすごく悩んでるんだから!」
「なんだと!?てか、てめー見てぇなガキがその掲示板を見ること自体、間違ってんじゃねーか?そこは、俺らみてーな、Bランク以上が見る掲示板だって、今聞いたばかりだぜ!」
「だから見てるんじゃない!うるさいなぁ、もう黙ってて!」
「ぐっ……さっきから大人しくしていれば、クソ生意気な女だな!!テメー、こら!ぶん殴られてーのか!?」
「……アンタらこそ消し炭になりたいの?」
一触即発の場面で一人の背の高い、ガタイの良い青年がギルドに入ってきた。そしてその若い女を見つけると近寄ってきた。
「おーい、イルミあったかー?アルト兄が遅くて心配してたぞ!」
「だって、私達が出来るクエストで楽なヤツがないんだもん!!それにさっきから……うるさい奴らがいるし!」
「あぁ!ケンカ売ってきてんのはお前だろーが!!」
「あ、あはは。すいません、うちのもんがなんか無礼を働いたみたいで……。」
「その通りだよ!ぶん殴られたくなきゃ土下座して詫びさせろ!」
「まぁまぁ、ちょっと口は悪いけど、悪いやつじゃないんで許してあげてくださいよ。」
「あぁ?テメーもこのBランクパーティー《鬼ごろし様》を舐めてんのか?」
「そんなことないですよ!じゃぁ仲直りの握手ということで!」
若い大きな男が、右手を差し出す。それを見ていた、鬼殺しのパーティーの中で一番ガタイのいい大男が前に出てくる。
「待て、じゃぁ俺が代わりに握手をしてやるよ。」
他のメンバー達も何かに気付いて、笑いながらその手を譲る。
「おい、思いきり手を潰してやれ。」
「おらよ、今後は気をつ、け……ろ、よ……あぁ~!???て、手がぁ……」
次の瞬間、その大男は顔を真っ赤にしながら握手をしている右手を押さえながらひざまづく。それに対し、若い男の方は何事もなかったかのように笑顔で返す。
「お、おいどうした?ま、まさか!?Aランクの奴らにも力なら負けないお前が……」
《鬼ごろし》のメンバーが動揺している間に、若い女性がクエストを決めたようで、受付の方に走って行く。
「あ、これにしよう!職員さーん、これにしまーす!」
「それじゃぁこの辺で!ほら、終わったらイルミ行くぞ!」
若い女性と青年がギルドから出て、帰ろうとするところを、ギルドから走り出てきた、《鬼ごろし》の一人が呼び止める。
「おい、テメーらこのままじゃ許さねー!こうなったら俺の魔法で後悔させてやる!くらえ、上級魔法 《フレイムカノン》!」
その魔法使いらしき男は魔力を時間をかけながら練り上げ、上級魔法を唱えて行く。それを見た若い男が苦笑いをしながら、隣でキレている女性を見る。
「本当しっつこいわね!そんなに消し炭になりたいならしてやるわよ。超級魔法 《マキシマムフレイム》!」
鬼ごろしの一人が、両手で杖を持ち、時間をかけて放った上級魔法は、若い女性が魔法媒体でもある杖も持たずに片手で適当に唱えた超級魔法に、あっさり飲み込まれ、その数十倍以上の炎が若い女の手の先で、今にも放たれようとしていた。
その魔法使いらしき《鬼ごろし》の男も、後からギルドから出てきた仲間達も、その炎の大きさに震えあがり、血の気が引き、腰を抜かしてしまった。
「ストーップ!!もうやめてあげなよ!これ以上は弱い者いじめみたいになっちゃうよ!」
「ふん、わかってるわよ!私、弱い者いじめは嫌いだから許してあげるわ!ただし、また私達が世話になってる、このオオタルのギルドで、職員さん達に迷惑をかけてたら、今度こそ消し炭にしてやるから!」
「わ、わかった!!ゆ、許してくれ!」
「ほら、じゃあ行こう、ウルルもアルト兄も待ってるよ!」
こうして、Bランクパーティー《鬼ごろし》はなんとか生き延びることが出来た。しばらくして、落ち着いた《鬼ごろし》のパーティーは、大人しく受付にいた。
「……あの小僧の握力といい、今のとんでもない魔法といい……一体あいつらは何なんだ?」
「あ、やはり知らなかったのですね。このオオタルの街である一人を除いて、唯一のBランク以上の冒険者パーティー、Sランクパーティーの《森の家》のメンバーです!」
「え、Sランク!?」
「はい!ちなみに今の女性は《獄炎の魔女》と言われ、若くして炎の超級魔法を使う才女で、もう一人の青年は《鉄壁》という二つ名で呼ばれる、紛れもないSランク冒険者ですよ!」
その事実にまた腰を抜かしている《鬼ごろし》のメンバーに対し、自慢気にドヤ顔をするギルド職員だった。そして、これに懲りた荒くれ者で評判のBランクパーティー《鬼ごろし》は二度とオオタルの街に近づかなかったという……お話しです。
ヒイロ家族やアルト達が住んでいる、イバール国オオタルの街にもギルド支部がある。今まではかなり規模が小さく、取り扱っているクエストのほとんどが、Dランク以下の田舎ギルドだったが、ヒイロを始めアルト達の本拠地として、若いファンのような冒険者たちにとって密かに話題を集め、最近大きくなりつつあった。
そのため、ヒイロやアルト達以外に、今までほとんど訪れたことがない高ランクの冒険者も少しずつ訪れるようになっていたのだ。しかし元々、そこまで危険度が高くない地域であるため、いくら高ランクの冒険者が来たところで、それに見合うようなクエストは、オオタルの支部から出るクエストにはほとんどなく、オオタルのギルド支部の職員もその対応に困っていた。
何故ならヒイロやアルト達は、Sランク以上のため、どのみち国やギルド本部からの指名クエストがほとんどである。いくらオオタルの冒険者ギルドが本拠地と言っても、経由して受注するだけで、オオタルのギルド支部から直接クエストを受注することは全くなかった。特にヒイロは、いつも転移魔法で、直接ミトの冒険者ギルドの本部に行くため、情報やクエストの確認のために、アルト達が定期的に利用していたぐらいだった。
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今日は、たまたまそのオオタルのギルド支部で、若い女性の冒険者が、Bランク以上のクエストをまとめて貼ってあるギルド本部の掲示板を眺めていた。受付の職員や馴染みの冒険者は、いつもの風景として、特に驚くこともなく、ただ荒っぽい冒険者の中では目立つ存在であり、その優れた容姿から視線が集まっているのも確かであった。
時を同じくして、このオオタルの街にナガーサ国から流れてきた、Bランクパーティーの《鬼ごろし》と言う、中年男だけの荒っぽいパーティーが来ていた。Bランク以上となると、オオタルの街では、ある若いパーティーを除いては見ることはなく、Cランクパーティーでも珍しかったため、オオタルのギルドでは一目を置かれた。
そして、その注目のパーティーが今まさに、オオタルのギルド職員ともめていた。
「も、申し訳ありません。ここオオタルのギルド自体では滅多にBランク以上のクエストは発注しておらず、最高でもCランクまでのクエストとなっております。」
「なんだそれ!?せっかくBランクパーティーの《鬼ごろし様》が、わざわざこんな田舎のギルドまで来てやって、誰も受注できないようなクエストをやってやるって言ってのによ。」
「……すいません。オオタルの街付近には滅多に高ランクの魔物も出なく、出たとしても、その……すぐになくなってしまうので……。」
「すぐに無くなるだと?どー言うことだよ!!たくっ……しけてんなぁ。んじゃぁよ、あっちの若いねーちゃんが見てる掲示板は一体なんなんだ?」
「あ、あちらは……ある意味、特定の方々専用の掲示板でして、首都ミトからのBランク以上のクエストが張り出されています。」
「はぁー?こんなCランクまでのクエストしかねぇしょぼいギルドにそんな掲示板を作ったって誰も利用しないだろうがよ!まぁいい、仕方ねぇーから俺たちが引き受けてやるよ。」
「あ、でも……間にあって……ま……」
「おら、そこの若いねーちゃんよ!興味本位で見てたって邪魔なだけだ、どけ!」
「……さっきから、うだうだうるっさいわねぇ!《鬼ごろし》??冗談は、パーティー名だけにしときなよ。こんな田舎で強がったって、誰もウケないわよ!」
「……あぁ!?おめーこのBランクパーティーの《鬼ごろし》様にケンカ売ってんのか?」
「売るわけないでしょ!私、弱い者いじめが嫌いなの!」
「弱い者いじめって……?俺たちが誰かをいじめたか?ただ、しけたギルドって文句を言ってただけじゃねーか」
「バカね、あなた達じゃないわ。わ、た、しが弱い者いじめをしたくないの!」
「……どーいう意味だ!?テメーが弱い者いじめって……俺たちが弱い者みてぇな言い方じゃねーか!」
「そー言ってるの!わかったら、静かにしてくれる?今、どれにしようかすごく悩んでるんだから!」
「なんだと!?てか、てめー見てぇなガキがその掲示板を見ること自体、間違ってんじゃねーか?そこは、俺らみてーな、Bランク以上が見る掲示板だって、今聞いたばかりだぜ!」
「だから見てるんじゃない!うるさいなぁ、もう黙ってて!」
「ぐっ……さっきから大人しくしていれば、クソ生意気な女だな!!テメー、こら!ぶん殴られてーのか!?」
「……アンタらこそ消し炭になりたいの?」
一触即発の場面で一人の背の高い、ガタイの良い青年がギルドに入ってきた。そしてその若い女を見つけると近寄ってきた。
「おーい、イルミあったかー?アルト兄が遅くて心配してたぞ!」
「だって、私達が出来るクエストで楽なヤツがないんだもん!!それにさっきから……うるさい奴らがいるし!」
「あぁ!ケンカ売ってきてんのはお前だろーが!!」
「あ、あはは。すいません、うちのもんがなんか無礼を働いたみたいで……。」
「その通りだよ!ぶん殴られたくなきゃ土下座して詫びさせろ!」
「まぁまぁ、ちょっと口は悪いけど、悪いやつじゃないんで許してあげてくださいよ。」
「あぁ?テメーもこのBランクパーティー《鬼ごろし様》を舐めてんのか?」
「そんなことないですよ!じゃぁ仲直りの握手ということで!」
若い大きな男が、右手を差し出す。それを見ていた、鬼殺しのパーティーの中で一番ガタイのいい大男が前に出てくる。
「待て、じゃぁ俺が代わりに握手をしてやるよ。」
他のメンバー達も何かに気付いて、笑いながらその手を譲る。
「おい、思いきり手を潰してやれ。」
「おらよ、今後は気をつ、け……ろ、よ……あぁ~!???て、手がぁ……」
次の瞬間、その大男は顔を真っ赤にしながら握手をしている右手を押さえながらひざまづく。それに対し、若い男の方は何事もなかったかのように笑顔で返す。
「お、おいどうした?ま、まさか!?Aランクの奴らにも力なら負けないお前が……」
《鬼ごろし》のメンバーが動揺している間に、若い女性がクエストを決めたようで、受付の方に走って行く。
「あ、これにしよう!職員さーん、これにしまーす!」
「それじゃぁこの辺で!ほら、終わったらイルミ行くぞ!」
若い女性と青年がギルドから出て、帰ろうとするところを、ギルドから走り出てきた、《鬼ごろし》の一人が呼び止める。
「おい、テメーらこのままじゃ許さねー!こうなったら俺の魔法で後悔させてやる!くらえ、上級魔法 《フレイムカノン》!」
その魔法使いらしき男は魔力を時間をかけながら練り上げ、上級魔法を唱えて行く。それを見た若い男が苦笑いをしながら、隣でキレている女性を見る。
「本当しっつこいわね!そんなに消し炭になりたいならしてやるわよ。超級魔法 《マキシマムフレイム》!」
鬼ごろしの一人が、両手で杖を持ち、時間をかけて放った上級魔法は、若い女性が魔法媒体でもある杖も持たずに片手で適当に唱えた超級魔法に、あっさり飲み込まれ、その数十倍以上の炎が若い女の手の先で、今にも放たれようとしていた。
その魔法使いらしき《鬼ごろし》の男も、後からギルドから出てきた仲間達も、その炎の大きさに震えあがり、血の気が引き、腰を抜かしてしまった。
「ストーップ!!もうやめてあげなよ!これ以上は弱い者いじめみたいになっちゃうよ!」
「ふん、わかってるわよ!私、弱い者いじめは嫌いだから許してあげるわ!ただし、また私達が世話になってる、このオオタルのギルドで、職員さん達に迷惑をかけてたら、今度こそ消し炭にしてやるから!」
「わ、わかった!!ゆ、許してくれ!」
「ほら、じゃあ行こう、ウルルもアルト兄も待ってるよ!」
こうして、Bランクパーティー《鬼ごろし》はなんとか生き延びることが出来た。しばらくして、落ち着いた《鬼ごろし》のパーティーは、大人しく受付にいた。
「……あの小僧の握力といい、今のとんでもない魔法といい……一体あいつらは何なんだ?」
「あ、やはり知らなかったのですね。このオオタルの街である一人を除いて、唯一のBランク以上の冒険者パーティー、Sランクパーティーの《森の家》のメンバーです!」
「え、Sランク!?」
「はい!ちなみに今の女性は《獄炎の魔女》と言われ、若くして炎の超級魔法を使う才女で、もう一人の青年は《鉄壁》という二つ名で呼ばれる、紛れもないSランク冒険者ですよ!」
その事実にまた腰を抜かしている《鬼ごろし》のメンバーに対し、自慢気にドヤ顔をするギルド職員だった。そして、これに懲りた荒くれ者で評判のBランクパーティー《鬼ごろし》は二度とオオタルの街に近づかなかったという……お話しです。
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