【改訂版】元保育士の異世界物語〜子どものためなら魔王もワンパン!?天職保育士!?創造魔法と神獣召喚で世界の子どもたちを救います〜

イル

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第四章〜六大魔王復活〜

第68話〜ベヒーモス vs 森の家パーティー〜

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 アルト達 《森の家》パーティーは、魔王配下と戦うヴァンジャンス、グラン、エメルのSS冒険者達に代わりに、スタンピードの中、他の冒険者達を引っ張り、S、SSランクの魔物を最優先に倒していく。

 魚鱗の陣形の最先端にいるアルト達は、一番衝突が激しい場所であったが、意識を向けるのは前方のみで良く、後ろはライス達がおり、左右もSランクパーティーだったため、戦い方としては難しくなかった。

「エイス!次はあいつだ!」

 エイス、イルミ、ウルルの後ろからアルトが指示を出す。天職・狩人の能力の一つはその広い視野である。さらにその広い視野を、上から全体を見るように、俯瞰して見ることが出来るスキル《鷹の目》も持っている。5000というとてつもない数の魔物の中でも、的確に状況を読み取りながら戦うことが出来るのもそのスキルのおかげだった。

 スタンピードの大半はBからCランクの低ランクの魔物であり、パーティーの戦闘に、邪魔になりそうな低ランクの魔物はアルトが的確に排除していく。その上で全体の状況を見ながら、危険度の高い魔物からエイス、イルミ、ウルルに指示を出し、効率よく倒していく。

「う~ん、どう考えても次はアレだよなぁ……仕方ない、どっちみちやるっきゃないしな!お~い、みんな、も次はでかいのいくぞ~、お前ら気合い入れろよ~!」

 アルトが次に標的にしたのは、後方に無数にいる魔物の中でも一際目立つ、SSランクのベヒーモスだった。他の魔物を後方から弾き飛ばしながら真っ直ぐアルト達のところに向かっている。その暴走ぶりがエイスの視野にも嫌でも入ってくる。

「げっ!あれやるの!?……アルト兄、マジかぁ……」

「仕方ないわよ!SSランクのヒイロ兄達以外で相手にできるのはきっと私達ぐらいだもん。」

「大丈夫よエイス!!今、回復と防御力上げるからね!《パーフェクトヒール》《ディフェンスアップ》」

「サンキュー、ウルル!!そんじゃぁ……覚悟決めますか!まずはあの突進を正面から止める!ウルル、そのままフォロー頼む!スキル《イムプレグナブル ウォール》」

 エイスは、ドラゴンの大楯を正面に構え、自身の最硬度の防御スキルを発動させる。

「任せて!上級魔法 《ウォーターバリア》×2!」

 ウルルがエイスと自身を包み込むように防御魔法を二重に展開する。そして更にアルトが《鷹の目》スキルを応用して、ベヒーモスの後ろ足を狙い、弓矢を放つ。

「スキル《シューティングスパイラルアロー》」

 アルトは他の魔物がいて、狙いずらい正面では無く、何故か空中に弓矢を連発する。その放たれた矢は、凄まじい回転がかかっており、空高く放たれるとそのまま高速回転をしながら弧を描き、鋭く抉るようにベヒーモスの後ろ脚に抉るように突き刺さる。死角からのダメージに、ベヒーモスは大きな悲鳴を上げながらも、そのまま突進し、アルトと正面からぶつかる。

 周辺には凄まじい衝撃音が鳴り響き、周りにいた低ランクの魔物はその衝撃波に吹き飛ばされる。そしてエイスに正面からぶつかったベヒーモスも硬い岩盤に頭をぶつけたかのように、錯乱状態に陥り、動きを停止させる。

「ナイス、みんなー!めんどくさいから一気にこれでトドメを刺すわよー!超級魔法 《アトミック……》」

 イルミは自身の頭上にとてつもなく大きな炎の塊を作りだし、更に魔力を練り込んでその炎の塊を大きくしていく。

「えっ!?あっ!ちょっと待ってイルミ!その魔法は危ないって!!ねぇ、早く!エイス離れなきゃ!」

「大丈夫だよ、ウルル!!それじゃあアルト兄、合わせてよー!!スキル《ハイシールドバッシュ》」

 エイスは、大楯で巨大なベヒーモスを後方へと弾き飛ばす。その衝撃の反動でベヒーモスも正気を取り戻し、動き出そうとするが、今度はアルトが、ベヒーモスの両前足を狙って矢を放つ。

「スキル《ストライクアロー》!今だウルル、ベヒーモスの周りに防御魔法をかけろ!」

「!?、わかったアルト兄!!上級魔法 《ウォーターバリア》」

 アルトの矢は動き出そうとしたベヒーモスの前脚の付け根に、何本も刺すように突き刺さり、そのままベヒーモスの動きを止める。そしてその直後に、ウルルがベヒーモスを周りを筒状に防御魔法を展開させる。それはもちろんベヒーモスを守るわけではなく、イルミの魔法で周り魔物はともかく、仲間の冒険者達に被害を及ぼさないためだった。

「イルミー!!」
「オッケーウルル!これでもくらえ!!《……フレイムボームッ》!!」

 次の瞬間、筒状に展開されたウルルの《ウォーターバリア》の上の部分から、イルミの超巨大な炎の塊がベヒーモスの頭上へとゆっくりと落下し、大爆発を巻き起こす。

 イルミのその超級魔法は、放つまでに術者本人は無防備になり、尚且つ連発も出来ず、時間もかかり、更にはスピードも遅い欠陥だらけの新しい魔法だったが、威力破壊力だけなら、雷帝グランの神雷魔法にも匹敵する威力を持っていた。

 かなりの魔力を込めて展開したウルルの《ウォーターバリア》が、火と水で、絶対的な相性もあるはずなのに、簡単にひび割れ、今にも爆炎が溢れ出そうになる。

「だよ……ね!なら、もう2枚!上級魔法 《ウォーターバリア》!!」

 ウルルは更にもう一度、今度は丸ごと覆うようにバリアを二重に展開させる。その2枚のバリアも亀裂が入ったものの、どうにか耐えきった。そして、爆煙が落ち着く頃には黒焦げとなり、炭と化したベヒーモスがその場で倒れていたのだった。

 どうにか周りに被害を及ぼすことなく、倒すことができたイルミとウルルはその様子を見て、一息入れる。もちろんその間、アルトとエイスが2人を守るように魔物達を倒している。

「2人とも大丈夫か?少し休んだら次の大物に行くぞ!」

「あ~い!」
「は~い!」

 何事なかったかのように、次の高ランクの魔物を一方的に倒していく《森の家》パーティーを見て、他の冒険者達は、唖然としながらも鼓舞され、勢いに乗っていく。3人のSSランク冒険者が一旦離れ、不利な状況となるはずが、アルト達のおかげで、なんとか膠着状態を作り出すことが出来ていたのだった。



 そして、そのころ魔王城に侵入したヒイロ達は、次々と出てくる魔物を倒しながら先を急いでいた。探知系の魔法も使えるヒイロが先頭に、その後ろ左右にエングとロイ、更にその後ろにシルフとイスカリオテが並ぶ。城の内部は特に強い個体しかそろえていないのか、S、SSランクの魔物が多く、外の負担を考えると出来るだけ倒していく必要があり、時間はかかるものの出来るだけ倒しながら進んでいく。

 それぞれ、ロイとイスカリオテ、エングとシルフが前後でペアとなり、魔物を倒していく中、さらに魔力を含めた全体の能力がかなり伸びているヒイロだけは、一人、それもほとんど一撃で魔物を倒していた。

「ヒイロさん……もしかしてまた強くなりましたか?」

「そうかもしれない……(フッフッフ、なんせつい最近、心の師匠に出会ってしまったからな……)まぁでも、ロイも精霊獣を見つけたり、エングさんのところで、かなり修行したんだろ?」

「はい!新しいスキルも使えるようになりました。少しヒイロさんに似ていますよ。あとエングさんとの剣の修行はとても勉強になりました。今までは身体能力で剣を振っていたように反省するほど、剣の技というものを教えてもらいました」

「やはりロイは勇者だけあって筋がいい。身体能力はもちろんだが、目と応用力なら俺よりも上だ。」

 目の前でエングに褒められたロイは嬉しそうに照れている。

「確かに……エングさんから見たら俺もきっと我流だし、身体能力に任せた剣技なんだろうな。いいなぁ、俺も今度エングさんに教えてもらおうかな」

「いや、ヒイロに教えることはない。お前の場合、身体能力がありすぎて、剣術がどうのよりもその能力を最大限に活かした方が効率がいい。」

 弟子入りを即却下されたヒイロは、内心一人凹む。

「やっぱりそうなんですね……(やはり俺の師匠はあの人しか……)」

 後方を警戒していたシルフが言葉を挟む。

「ねぇそれより、ここ結構広くない?」

 同じく後方を確認していたイスカリオテもヒイロに意見を仰ぐ。

「そうですね、ヒイロさんはどう思われますか?」

「そうだな。入った限りでは、ダンジョンでは無さそうだから、外から見た高さを考えても一番上の階でも5階程度だと思う。ただ、もしかしたら何かしらのトラップやモンスターハウスがあるかもしれないから油断せずに行きましょう」

「わかったわ」

 それから順調に進んでいき、とうとう四階まで上がると、そこには大広間があり、魔王の姿はなかったものの、かわりに二桁を超える数のSSSランクの魔物が集まっていたのだ。その圧力にイスカリオテが動揺する。

「魔王の手前って感じですね。」

「あぁ、そうかもしれない。みんな、出来るだけ魔力や制限のある技は温存しながら戦うんだ!」

「あぁ!」
「はい!」
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