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51 幸せ過ぎて怖い

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 レイが俺の上に乗って淫らに腰を振る姿は妖艶すぎた。一晩中盛ってしまい、レイは足腰が立たず今日はホテルでのんびり過ごすことになった。ホテルで二人で過ごす時間は堪らなく幸せだ。すぐ横にレイがいて、微笑んでくれる。幸せ過ぎて怖くてほの暗い感情が湧いてくる。
 家に囲ってしまいたい。誰にも見せないように縛りつけてしまたい。毎日抱き潰してベッドから出さないようにしたい。そんなバカなことを思ってしまう。レイは魅力的過ぎて行くところ行くところで人を魅了してしまうからだ。でも、そんなことをしたらレイに嫌われてしまうし、色々なことに表情が変わる姿を見ることが出来なくなってしまうから絶対にしない。だが、俺だけを見て笑いかけて貰いたい。他の奴等をみて欲しくない。今は俺が好きかもしれないがもっと好みの良い男を見つけてしまうかもしれない。

「ディランさん、何考えてる?良くないこと考えてるだろ」

「いや」

 レイは人の感情に敏感だ。俺のほの暗い思いを察知しているみたいだ。嫌われたくない、この幸せを誰にも渡したくない。

「そう。一つ謝っておく。俺は、嫉妬深い。だから、ディランさんがこの世界ではモテない容姿で嬉しい」

 レイはそんなこと言うが嫉妬深いのは俺の方だと思う。こんな感情が俺の中にあったのかと思うほどだ。俺は容姿がかなりの悪い、はっきり言って底辺だ。だが、レイはこの容姿が好きらしい。この醜い容姿がずっと嫌だった。俺は前世で何か悪いことをしたのか悩んだ。身長がデカイ、体がデカイ、髪や目が黒いなど忌み嫌われる物が全て揃っている俺は家族以外から愛されることは一生ないと思っていた。そこに、美人過ぎて人形のような妖精のような人が俺をカッコいいって言ってくれ、好きだと言ってくれている。俺は、ありえなさ過ぎて信じられないし、恋愛をしたことがないためポンコツ過ぎて誤った行動をとってしまったことがあった。もうあの日々のようなことにならないようにしている。もう、この幸せを手放せない。手放さないためなら俺は、何でもすると思う。悪魔に魂を売ることさえ厭わないだろう。
 俺の嫉妬はレイの嫉妬深いとは次元の違うものだと思う。人を愛し人に愛される喜びを知った俺は、幸せは甘いだけでなく人を変えてしまうぐらい少し怖いものだとわかった。
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