43 / 139
小物達の悪あがき
しおりを挟む
*暴力的な描写があります。
「お、おい!アグリー!お前、まさか、殺したのか?!」
目の前で倒れている騎士を見て、コモノー男爵は息子のアグリーを問い詰めた。アグリーは、ハンカチで御者の鼻と口をふさぎながら、冷たい声で答えた。
「大丈夫ですよ。死にはしません」
しばらく抵抗していた御者の体がやがてぐったりとなり、アグリーはまるで汚いものでも触ったかのように抱えていた御者の身体を投げ捨てた。
が、ふと思い出したかのように、御者の体をまさぐると、御者が腰に差していた小型のナイフを奪う。
「たいした物ではないが、ないよりマシだろう」
親子は暗闇に紛れ、身を隠しながら街へと向かった。
「それにしても、騎士達が阿保供で助かりましたね」
「ふん、我々を侮るからだ」
逃走を防ぐためか、裁判所の騎士団がコモノー男爵家に来たのは、夜もだいぶ更けてからだった。そのため、親子の移送が真夜中になってしまったことが、男爵親子にとっては幸運だった。
また、その晩は月のない夜で、こんな闇の中でこれだけぶくぶく太った親子が、騎士達を倒して逃げるとは誰も考えなかった。そのため、常に人手不足の裁判所が、騎士を二人しかつけなかったことも親子に有利に働いた。
(それに、屋敷から連行される前に、これを仕込めたのは僥倖だったな)
屋敷に踏み込まれた際、最近取り扱いを始めたばかりだった、無臭の違法薬物を染み込ませたハンカチだけは、騎士団に見つからずにポケットに忍ばせることができた。
(数滴で効き目があると言うところを一瓶まるまる使ったからな。おそらくしばらくは目が覚めないだろう)
若い騎士達は腕に覚えがあるらしく、最初から油断していた。剣を握るどころかろくに動いたこともなさそうな親子に、まさか自分達が負けるとは夢にも思わなかったのだろう。
人気のない並木道に差し掛かった所で、アグリーが、小用をたしたいから外に出たいと頼むと、騎士達は馬車を停めさせ、アグリーの縄を外した。
本来なら容疑者を移送中の護送馬車は何があっても途中で停めてはならない。たとえ本当に用を足す必要があっても、車内でそのまま、だ。
当たり前だが、停めてしまったら逃亡する可能性が高くなるからだ。
だから、騎士達だけでなく護送馬車の御者も「移送中は裁判所に着くまでは絶対に馬車を停めない」と叩き込まれていたはずだった。
だが、若い騎士達はこの親子相手で取り逃すことは絶対にないと考えたのだろう。渋る御者を半ば脅すようにして、馬車を停めさせてしまっただけでなく、あろうことか、手足を拘束していた縄まで外してしまう。
「ほ、本当に停めるんですか?」
「ああ、停めてくれ。ただでさえ臭いのに、これ以上車内が臭くなっては叶わん」
「どうせこいつらが逃げようとしても無駄なことだからな」
「も、もう我慢できない、早く停めてください!」
猛スピードで走っていた馬車が完全に止まると、年上の方の騎士がコモノー男爵の首元に剣を突きつけながら言う。
「おい。変な真似をしたら、こいつの命はないぞ。わかっているな」
「は、はい。それはもう」
「どうせ何もできやしないよ。ほら、さっさと歩け」
年下の騎士がアグリーを連れて馬車から離れて行く。辺りは真っ暗で、馬車から少し離れただけで、すぐに姿が見えなくなる。
と、アグリーが突然立ち止まった。すぐ後ろからついてきていた騎士は、急には止まれず、アグリーにドンとぶつかった。
「おい!急に立ち止まるな……ん!ん!ん……」
アグリーは躊躇わずに、騎士の顔に違法薬物たっぷりのハンカチを押し付けた。まさか攻撃されるとは思っていなかった騎士は抵抗する間もなく、すぐに意識を失ってしまった。
「ふ、ふはは、やったぞ……!」
アグリーは騎士をその場へ置き捨てると、足音を忍ばせて馬車へと戻り、馬車のドアの横の暗闇に隠れた。
「遅いな。まだ戻らないのか?」
しばらく経っても戻って来ない二人に、さすがに怪訝に思った年上の騎士が、馬車の入り口から少しだけ顔を出した。
と、息を潜めて隠れていたアグリーが、すかさずハンカチを騎士の顔に押し付ける。
「な、何だ!き、貴様……」
力の抜けた騎士の体が馬車のドアからゆらりと落ちてくるのを、アグリーは必死になって支えると、音の出ないように静かに地面に横たえた。
「さあ、父上、急ぎますよ」
馬車に戻り、父の拘束を解くと、二人は右と左から御者台に回り込んだ。
「はあ、絶対に停まらないようにって言われてるんだけどなあ。それにしても遅いな、まだか……うわ!」
右側から突然現れたコモノー男爵に、御者は驚いて左にのけぞった。左側から忍び寄ってきたアグリーが、その体をすかさず抱き抱えると、後ろから顔にハンカチを当てた。
「んぐっ、んぐっ、ん!ん!ん……」
三人目ともなると効き目が弱くなるのか、御者は少し抵抗してバタバタしたが、じきにぐったりとした。
「は、はは!よくやった!息子よ!」
「さあ、急ぎましょう」
親子は馬車から離れ、来た道を戻り始めた。
「だが、これからどこへ向かうのだ?屋敷は既に抑えられているぞ」
ハアハアと荒い息を吐きながら、父親が尋ねた。普段全く歩き慣れていない男爵には、普通の速度で歩くのもつらかった。
「何か策はあるのか?」
「……」
答えはない。
無理もない。もとより行くあてなどあるはずがないからだ。
(逃げ切れるとでも思っているのだろうか)
男爵より少しは頭が働く息子の方は、これが束の間の自由であることを知っていた。
(どうせ捕まるんだ。それなら、捕まる前にせめて、我々をこんな目に合わせた奴らに思い知らせてやりたい)
だが、今回の告発者であるオストロー公爵家もドットールー侯爵家も、屋敷の守りは厳重だ。そう簡単に侵入できるとは思えない。
「……そうだ。確かオストロー公爵には娘がいたな」
「ん?何の話だ?オストロー公爵令嬢のことか?確かにいるぞ。王太子の婚約者じゃないか」
「そうでした、そうでした。高慢そうな顔をした娘でしたね」
「そうだな。美人ではあるがな」
「その娘を狙いましょう」
「娘を狙う?どうやって?公爵令嬢だぞ?護衛が周りを固めているに決まっている」
「確かにそうですね……」
「大体、公爵の屋敷までどうやって行くのだ?まさか、歩いてか?わしはもう膝が痛いぞ」
「今の我々に歩く以外の手段があるとでも?」
馬車の操縦などしたこともないし、馬にも乗れないことから、馬車も馬も捨ててきたのだ。移動手段は徒歩しかない。
「何だと!父親に向かって何という言い草だ!」
置かれている状況を全く把握していないどころか、更に状況を悪化させそうな父親を見て、アグリーはイライラを募らせていた。
(この男は邪魔だな)
「おい!アグリー!聞いているのか?!」
男爵が前を歩く息子の肩を捕まえた時だった。
「?!」
振り向きざまにアグリーは男爵の首にナイフを突き刺した。
何が起きたのかわからないといった顔の男爵の首に刺したナイフを一気に横にスライドさせると、男爵はドサッと倒れて、動かなくなった。
「ふん。役立たずが」
薬が染み込んでいたハンカチでナイフを拭うと、ハンカチはその場に捨て去る。
「公爵令嬢がダメならクラリスだ!最後にあの女をものにしてやる!」
既に合理的な判断ができなくなっていたアグリーは、狂気の宿った目を街に向けた。
「お、おい!アグリー!お前、まさか、殺したのか?!」
目の前で倒れている騎士を見て、コモノー男爵は息子のアグリーを問い詰めた。アグリーは、ハンカチで御者の鼻と口をふさぎながら、冷たい声で答えた。
「大丈夫ですよ。死にはしません」
しばらく抵抗していた御者の体がやがてぐったりとなり、アグリーはまるで汚いものでも触ったかのように抱えていた御者の身体を投げ捨てた。
が、ふと思い出したかのように、御者の体をまさぐると、御者が腰に差していた小型のナイフを奪う。
「たいした物ではないが、ないよりマシだろう」
親子は暗闇に紛れ、身を隠しながら街へと向かった。
「それにしても、騎士達が阿保供で助かりましたね」
「ふん、我々を侮るからだ」
逃走を防ぐためか、裁判所の騎士団がコモノー男爵家に来たのは、夜もだいぶ更けてからだった。そのため、親子の移送が真夜中になってしまったことが、男爵親子にとっては幸運だった。
また、その晩は月のない夜で、こんな闇の中でこれだけぶくぶく太った親子が、騎士達を倒して逃げるとは誰も考えなかった。そのため、常に人手不足の裁判所が、騎士を二人しかつけなかったことも親子に有利に働いた。
(それに、屋敷から連行される前に、これを仕込めたのは僥倖だったな)
屋敷に踏み込まれた際、最近取り扱いを始めたばかりだった、無臭の違法薬物を染み込ませたハンカチだけは、騎士団に見つからずにポケットに忍ばせることができた。
(数滴で効き目があると言うところを一瓶まるまる使ったからな。おそらくしばらくは目が覚めないだろう)
若い騎士達は腕に覚えがあるらしく、最初から油断していた。剣を握るどころかろくに動いたこともなさそうな親子に、まさか自分達が負けるとは夢にも思わなかったのだろう。
人気のない並木道に差し掛かった所で、アグリーが、小用をたしたいから外に出たいと頼むと、騎士達は馬車を停めさせ、アグリーの縄を外した。
本来なら容疑者を移送中の護送馬車は何があっても途中で停めてはならない。たとえ本当に用を足す必要があっても、車内でそのまま、だ。
当たり前だが、停めてしまったら逃亡する可能性が高くなるからだ。
だから、騎士達だけでなく護送馬車の御者も「移送中は裁判所に着くまでは絶対に馬車を停めない」と叩き込まれていたはずだった。
だが、若い騎士達はこの親子相手で取り逃すことは絶対にないと考えたのだろう。渋る御者を半ば脅すようにして、馬車を停めさせてしまっただけでなく、あろうことか、手足を拘束していた縄まで外してしまう。
「ほ、本当に停めるんですか?」
「ああ、停めてくれ。ただでさえ臭いのに、これ以上車内が臭くなっては叶わん」
「どうせこいつらが逃げようとしても無駄なことだからな」
「も、もう我慢できない、早く停めてください!」
猛スピードで走っていた馬車が完全に止まると、年上の方の騎士がコモノー男爵の首元に剣を突きつけながら言う。
「おい。変な真似をしたら、こいつの命はないぞ。わかっているな」
「は、はい。それはもう」
「どうせ何もできやしないよ。ほら、さっさと歩け」
年下の騎士がアグリーを連れて馬車から離れて行く。辺りは真っ暗で、馬車から少し離れただけで、すぐに姿が見えなくなる。
と、アグリーが突然立ち止まった。すぐ後ろからついてきていた騎士は、急には止まれず、アグリーにドンとぶつかった。
「おい!急に立ち止まるな……ん!ん!ん……」
アグリーは躊躇わずに、騎士の顔に違法薬物たっぷりのハンカチを押し付けた。まさか攻撃されるとは思っていなかった騎士は抵抗する間もなく、すぐに意識を失ってしまった。
「ふ、ふはは、やったぞ……!」
アグリーは騎士をその場へ置き捨てると、足音を忍ばせて馬車へと戻り、馬車のドアの横の暗闇に隠れた。
「遅いな。まだ戻らないのか?」
しばらく経っても戻って来ない二人に、さすがに怪訝に思った年上の騎士が、馬車の入り口から少しだけ顔を出した。
と、息を潜めて隠れていたアグリーが、すかさずハンカチを騎士の顔に押し付ける。
「な、何だ!き、貴様……」
力の抜けた騎士の体が馬車のドアからゆらりと落ちてくるのを、アグリーは必死になって支えると、音の出ないように静かに地面に横たえた。
「さあ、父上、急ぎますよ」
馬車に戻り、父の拘束を解くと、二人は右と左から御者台に回り込んだ。
「はあ、絶対に停まらないようにって言われてるんだけどなあ。それにしても遅いな、まだか……うわ!」
右側から突然現れたコモノー男爵に、御者は驚いて左にのけぞった。左側から忍び寄ってきたアグリーが、その体をすかさず抱き抱えると、後ろから顔にハンカチを当てた。
「んぐっ、んぐっ、ん!ん!ん……」
三人目ともなると効き目が弱くなるのか、御者は少し抵抗してバタバタしたが、じきにぐったりとした。
「は、はは!よくやった!息子よ!」
「さあ、急ぎましょう」
親子は馬車から離れ、来た道を戻り始めた。
「だが、これからどこへ向かうのだ?屋敷は既に抑えられているぞ」
ハアハアと荒い息を吐きながら、父親が尋ねた。普段全く歩き慣れていない男爵には、普通の速度で歩くのもつらかった。
「何か策はあるのか?」
「……」
答えはない。
無理もない。もとより行くあてなどあるはずがないからだ。
(逃げ切れるとでも思っているのだろうか)
男爵より少しは頭が働く息子の方は、これが束の間の自由であることを知っていた。
(どうせ捕まるんだ。それなら、捕まる前にせめて、我々をこんな目に合わせた奴らに思い知らせてやりたい)
だが、今回の告発者であるオストロー公爵家もドットールー侯爵家も、屋敷の守りは厳重だ。そう簡単に侵入できるとは思えない。
「……そうだ。確かオストロー公爵には娘がいたな」
「ん?何の話だ?オストロー公爵令嬢のことか?確かにいるぞ。王太子の婚約者じゃないか」
「そうでした、そうでした。高慢そうな顔をした娘でしたね」
「そうだな。美人ではあるがな」
「その娘を狙いましょう」
「娘を狙う?どうやって?公爵令嬢だぞ?護衛が周りを固めているに決まっている」
「確かにそうですね……」
「大体、公爵の屋敷までどうやって行くのだ?まさか、歩いてか?わしはもう膝が痛いぞ」
「今の我々に歩く以外の手段があるとでも?」
馬車の操縦などしたこともないし、馬にも乗れないことから、馬車も馬も捨ててきたのだ。移動手段は徒歩しかない。
「何だと!父親に向かって何という言い草だ!」
置かれている状況を全く把握していないどころか、更に状況を悪化させそうな父親を見て、アグリーはイライラを募らせていた。
(この男は邪魔だな)
「おい!アグリー!聞いているのか?!」
男爵が前を歩く息子の肩を捕まえた時だった。
「?!」
振り向きざまにアグリーは男爵の首にナイフを突き刺した。
何が起きたのかわからないといった顔の男爵の首に刺したナイフを一気に横にスライドさせると、男爵はドサッと倒れて、動かなくなった。
「ふん。役立たずが」
薬が染み込んでいたハンカチでナイフを拭うと、ハンカチはその場に捨て去る。
「公爵令嬢がダメならクラリスだ!最後にあの女をものにしてやる!」
既に合理的な判断ができなくなっていたアグリーは、狂気の宿った目を街に向けた。
0
あなたにおすすめの小説
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に転生するも魔法に夢中でいたら王子に溺愛されました
黒木 楓
恋愛
旧題:悪役令嬢に転生するも魔法を使えることの方が嬉しかったから自由に楽しんでいると、王子に溺愛されました
乙女ゲームの悪役令嬢リリアンに転生していた私は、転生もそうだけどゲームが始まる数年前で子供の姿となっていることに驚いていた。
これから頑張れば悪役令嬢と呼ばれなくなるのかもしれないけど、それよりもイメージすることで体内に宿る魔力を消費して様々なことができる魔法が使えることの方が嬉しい。
もうゲーム通りになるのなら仕方がないと考えた私は、レックス王子から婚約破棄を受けて没落するまで自由に楽しく生きようとしていた。
魔法ばかり使っていると魔力を使い過ぎて何度か倒れてしまい、そのたびにレックス王子が心配して数年後、ようやくヒロインのカレンが登場する。
私は公爵令嬢も今年までかと考えていたのに、レックス殿下はカレンに興味がなさそうで、常に私に構う日々が続いていた。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる