44 / 139
小物達の悪あがき(続)
しおりを挟む
「まだ見つからないのか」
「はい。馬車が捨てられていた地点から四方をくまなく探しているのですが……」
ここは王都の中心地にある第一騎士団の詰め所。ウィル、アンソニー、エラリーは学園からそのままここに駆けつけていた。
「あの親子だぞ、隠れて移動するのは無理がある」
「そうなんですが……」
第一騎士団の副団長が弱り切った顔で答える。
「副団長!父親の方が見つかりました!」
そこに一人の騎士が慌てて駆け込んできた。
「何!見つかったか!」
「報告してくれ」
「はっ、王太子殿下……!これは失礼……」
「今は挨拶などは不要だ。男爵が見つかったのか?」
「は、はい!街へ向かう途中の林の中に倒れていたようです!」
「倒れて……?意識がないということか?」
「それが、首から血を流して倒れていたと。恐らく命はないものかと思われます」
「なんだと……?」
ウィルは眉を顰めた。
そこに、騎士団長であるエラリーの父が現れた。
「王太子殿下、ご報告申し上げます」
「キンバリー伯爵か。頼む」
「コモノー男爵は、鋭利な刃物で首を切られて絶命していました。近くにその刃物を拭ったと思われる、血のついたハンカチが落ちていましたが、そのハンカチは男爵親子が騎士達の意識を奪うのに使ったもののようです。薬物反応が出ました」
「して、男爵の息子の方は?」
「残念ながらまだ見つかっていません。恐らく男爵を殺したのは息子だと思われます」
「ですが、移送前に身体検査をするはずです。ハンカチは見逃しても、刃物を見落とすことはないのでは?」
ウィルの側に控えていたアンソニーが疑問を呈す。
「御者が護身用に持っていたナイフがなくなっていることが、新たにわかりました」
「息子がナイフを奪って逃走したというわけか」
「はい。騎士の剣は鍛錬した者でないと扱えませんが、護身用の小型ナイフなら、力のない者でも容易に扱えますから」
「どうして息子が父親を……」
エラリーが信じられないといった様子で呟く。
「理由は後だ。今は一刻も早く息子を捉えなければ。伯爵、私も捜索に加わる。街へ向かう途中にある家々をしらみつぶしに探すぞ」
「「「「「はっ!」」」」」
騎士達が血眼になって捜索していた頃、コモノー男爵の息子のアグリーは、貸切馬車に揺られていた。
闇に乗じて街へとたどり着いたアグリーは、街外れにある貸し馬車屋に押し入った。
「この子供の命が惜しかったら、俺の言う通りにしろ」
まだ年端もいかない少女の首にナイフを突きつけ、アグリーは貸し馬車屋を脅した。
子供を人質に取られ、貸し馬車屋の夫婦はアグリーの言いなりになるしかなかった。妻に夫を拘束させ、自身に食事を提供させると、アグリーは妻と娘を拘束した。家族三人をバラバラに閉じ込めると、アグリーはゆったりと仮眠を取った。
食欲と睡眠欲を満たしたアグリーは、娘を人質に取ったまま主人を脅し、馬車を中心街へと走らせた。
馬車の窓のカーテンを少しだけ開けて外の様子を伺う。
「……!あれは……」
「ふふふ、探しに行く手間が省けたな」
乗合馬車を降りて一人歩くクラリスを見つけて、アグリーは醜悪な顔をさらに歪めて笑った。
コンコン。
アンソニーが貸し切り馬車屋の家の粗末なドアをノックした。
「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」
返事はない。
「留守か?」
エラリーがドアを少し押すと、呆気なく開く。
「あ、開いた」
開けた本人が一番驚いている。
「鍵をかけずに外出したのか……?」
先に立って家の中に入ろうとするウィルを制して、アンソニーが先頭に立つと、警戒しながら歩を進めた。
「……人の気配がします……」
小声で呟くとアンソニーはエラリーに左側に見える台所を確認するように指示を出し、自分は家の奥へと進んだ。ウィルはその後に続く。
奥のドアのノブに手をかけ、パッと勢いよく開く。誰もいないのを見てホッと息を吐く。
「いませんね」
「……待て。このベッドは使われた跡がある」
ウィルは部屋の中に入るとベッドに手を伸ばした。
「まだ温かい。ここを使った誰かがいなくなってから、まだそれほど時間は経っていない」
ウィルとアンソニーが顔を見合わせて頷いた、その時だった。
「ウィル!アンソニー!来てくれ!女性がいる!」
台所に向かったエラリーが二人を呼ぶ声が聞こえた。
急いで台所へ向かうと、縛られていた縄を解いて、女性を椅子に座らせようとしているエラリーの姿が見えた。
「あなたはこの家の人ですか?」
アンソニーができるだけ穏やかな声で尋ねる。
エラリーが女性に水を差し出しながら、言った。
「何があったのか話してもらえないか」
女性はブルブルと震えるだけで、しばらくは声も出ないようだったが、エラリーが持ってきた水を飲んで一息つくと、ようやくゆっくりと話し出した。
「朝早く、朝食の支度をしていたら、ドアがノックされたんです」
ドアを開けると太った汚い男がナイフを持って押し入ってきて、娘を人質に取られ、夫婦は男の言いなりになってしまったことを話す。
「それで、その男は今どこに?!」
エラリーが意気込んで尋ねるが、女性は力無く首を横に振った。
「わかりません。娘を人質にしたまま、夫に馬車を出させる声は聞こえましたが……」
「何でもいい、男は何と言って馬車を出させていたのか、覚えていることを教えて欲しい」
ウィルも女性を怖がらせないよう、ゆっくり問いかける。
「私はここで縛られて動けなかったので、はっきりとは聞こえなかったのですが、確か、街へ向かえ、と聞こえたような……」
その言葉を聞いてエラリーは外に飛び出した。厩へ走りながら、大声で叫ぶ。
「馬を貸してくれ!代金は後でいくらでも払う!」
貸し馬車屋の厩舎には一頭の馬が繋がれていた。エラリーはその馬を外に連れ出すと、ヒラリと飛び乗った。
「クラリス嬢が危ない!あの親子は以前からクラリス嬢と母親を狙っていたんだ!俺は先に行く!」
唖然としているウィルとアンソニーに向かって、大声で告げると、エラリーの姿はあっという間に見えなくなった。
「やれやれ、短気な奴だ」
「ですが、コモノー男爵令息が街に向かったとなると、確かにクラリス嬢が狙われる可能性があります!」
アンソニーが珍しく焦りながら言う。
「わかっている。ご婦人、この貸し馬車屋の許可番号は何番かな?」
ウィルがドアの前に立つ女性に尋ねる。
王国の貸し馬車は全て登録制で、営業を許可されると許可番号が発行される。どの貸し馬車も、目立つ所にその番号が掲示されているため、その番号が分かれば、男爵令息が乗った馬車を探しやすくなる。
「番号は『960』です!」
「ありがとう。騎士を一人見張りにつけるので、あなたは家で休んでいなさい」
「娘は、娘と夫は大丈夫なんでしょうか……?!」
「もちろん。必ずその卑劣な男を捉えて、娘さんとご主人を助けよう」
(民に害を為す輩は絶対に許さない)
ウィルは王太子の顔でキッパリと言った。
「はい。馬車が捨てられていた地点から四方をくまなく探しているのですが……」
ここは王都の中心地にある第一騎士団の詰め所。ウィル、アンソニー、エラリーは学園からそのままここに駆けつけていた。
「あの親子だぞ、隠れて移動するのは無理がある」
「そうなんですが……」
第一騎士団の副団長が弱り切った顔で答える。
「副団長!父親の方が見つかりました!」
そこに一人の騎士が慌てて駆け込んできた。
「何!見つかったか!」
「報告してくれ」
「はっ、王太子殿下……!これは失礼……」
「今は挨拶などは不要だ。男爵が見つかったのか?」
「は、はい!街へ向かう途中の林の中に倒れていたようです!」
「倒れて……?意識がないということか?」
「それが、首から血を流して倒れていたと。恐らく命はないものかと思われます」
「なんだと……?」
ウィルは眉を顰めた。
そこに、騎士団長であるエラリーの父が現れた。
「王太子殿下、ご報告申し上げます」
「キンバリー伯爵か。頼む」
「コモノー男爵は、鋭利な刃物で首を切られて絶命していました。近くにその刃物を拭ったと思われる、血のついたハンカチが落ちていましたが、そのハンカチは男爵親子が騎士達の意識を奪うのに使ったもののようです。薬物反応が出ました」
「して、男爵の息子の方は?」
「残念ながらまだ見つかっていません。恐らく男爵を殺したのは息子だと思われます」
「ですが、移送前に身体検査をするはずです。ハンカチは見逃しても、刃物を見落とすことはないのでは?」
ウィルの側に控えていたアンソニーが疑問を呈す。
「御者が護身用に持っていたナイフがなくなっていることが、新たにわかりました」
「息子がナイフを奪って逃走したというわけか」
「はい。騎士の剣は鍛錬した者でないと扱えませんが、護身用の小型ナイフなら、力のない者でも容易に扱えますから」
「どうして息子が父親を……」
エラリーが信じられないといった様子で呟く。
「理由は後だ。今は一刻も早く息子を捉えなければ。伯爵、私も捜索に加わる。街へ向かう途中にある家々をしらみつぶしに探すぞ」
「「「「「はっ!」」」」」
騎士達が血眼になって捜索していた頃、コモノー男爵の息子のアグリーは、貸切馬車に揺られていた。
闇に乗じて街へとたどり着いたアグリーは、街外れにある貸し馬車屋に押し入った。
「この子供の命が惜しかったら、俺の言う通りにしろ」
まだ年端もいかない少女の首にナイフを突きつけ、アグリーは貸し馬車屋を脅した。
子供を人質に取られ、貸し馬車屋の夫婦はアグリーの言いなりになるしかなかった。妻に夫を拘束させ、自身に食事を提供させると、アグリーは妻と娘を拘束した。家族三人をバラバラに閉じ込めると、アグリーはゆったりと仮眠を取った。
食欲と睡眠欲を満たしたアグリーは、娘を人質に取ったまま主人を脅し、馬車を中心街へと走らせた。
馬車の窓のカーテンを少しだけ開けて外の様子を伺う。
「……!あれは……」
「ふふふ、探しに行く手間が省けたな」
乗合馬車を降りて一人歩くクラリスを見つけて、アグリーは醜悪な顔をさらに歪めて笑った。
コンコン。
アンソニーが貸し切り馬車屋の家の粗末なドアをノックした。
「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」
返事はない。
「留守か?」
エラリーがドアを少し押すと、呆気なく開く。
「あ、開いた」
開けた本人が一番驚いている。
「鍵をかけずに外出したのか……?」
先に立って家の中に入ろうとするウィルを制して、アンソニーが先頭に立つと、警戒しながら歩を進めた。
「……人の気配がします……」
小声で呟くとアンソニーはエラリーに左側に見える台所を確認するように指示を出し、自分は家の奥へと進んだ。ウィルはその後に続く。
奥のドアのノブに手をかけ、パッと勢いよく開く。誰もいないのを見てホッと息を吐く。
「いませんね」
「……待て。このベッドは使われた跡がある」
ウィルは部屋の中に入るとベッドに手を伸ばした。
「まだ温かい。ここを使った誰かがいなくなってから、まだそれほど時間は経っていない」
ウィルとアンソニーが顔を見合わせて頷いた、その時だった。
「ウィル!アンソニー!来てくれ!女性がいる!」
台所に向かったエラリーが二人を呼ぶ声が聞こえた。
急いで台所へ向かうと、縛られていた縄を解いて、女性を椅子に座らせようとしているエラリーの姿が見えた。
「あなたはこの家の人ですか?」
アンソニーができるだけ穏やかな声で尋ねる。
エラリーが女性に水を差し出しながら、言った。
「何があったのか話してもらえないか」
女性はブルブルと震えるだけで、しばらくは声も出ないようだったが、エラリーが持ってきた水を飲んで一息つくと、ようやくゆっくりと話し出した。
「朝早く、朝食の支度をしていたら、ドアがノックされたんです」
ドアを開けると太った汚い男がナイフを持って押し入ってきて、娘を人質に取られ、夫婦は男の言いなりになってしまったことを話す。
「それで、その男は今どこに?!」
エラリーが意気込んで尋ねるが、女性は力無く首を横に振った。
「わかりません。娘を人質にしたまま、夫に馬車を出させる声は聞こえましたが……」
「何でもいい、男は何と言って馬車を出させていたのか、覚えていることを教えて欲しい」
ウィルも女性を怖がらせないよう、ゆっくり問いかける。
「私はここで縛られて動けなかったので、はっきりとは聞こえなかったのですが、確か、街へ向かえ、と聞こえたような……」
その言葉を聞いてエラリーは外に飛び出した。厩へ走りながら、大声で叫ぶ。
「馬を貸してくれ!代金は後でいくらでも払う!」
貸し馬車屋の厩舎には一頭の馬が繋がれていた。エラリーはその馬を外に連れ出すと、ヒラリと飛び乗った。
「クラリス嬢が危ない!あの親子は以前からクラリス嬢と母親を狙っていたんだ!俺は先に行く!」
唖然としているウィルとアンソニーに向かって、大声で告げると、エラリーの姿はあっという間に見えなくなった。
「やれやれ、短気な奴だ」
「ですが、コモノー男爵令息が街に向かったとなると、確かにクラリス嬢が狙われる可能性があります!」
アンソニーが珍しく焦りながら言う。
「わかっている。ご婦人、この貸し馬車屋の許可番号は何番かな?」
ウィルがドアの前に立つ女性に尋ねる。
王国の貸し馬車は全て登録制で、営業を許可されると許可番号が発行される。どの貸し馬車も、目立つ所にその番号が掲示されているため、その番号が分かれば、男爵令息が乗った馬車を探しやすくなる。
「番号は『960』です!」
「ありがとう。騎士を一人見張りにつけるので、あなたは家で休んでいなさい」
「娘は、娘と夫は大丈夫なんでしょうか……?!」
「もちろん。必ずその卑劣な男を捉えて、娘さんとご主人を助けよう」
(民に害を為す輩は絶対に許さない)
ウィルは王太子の顔でキッパリと言った。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!
くま
恋愛
え?死ぬ間際に前世の記憶が戻った、マリア。
ここは前世でハマった乙女ゲームの世界だった。
マリアが一番好きなキャラクターは悪役令嬢のマリエ!
悪役令嬢マリエの妹として転生したマリアは、姉マリエを守ろうと空回り。王子や執事、騎士などはマリアにアプローチするものの、まったく鈍感でアホな主人公に周りは振り回されるばかり。
少しずつ成長をしていくなか、残念ヒロインちゃんが現る!!
ほんの少しシリアスもある!かもです。
気ままに書いてますので誤字脱字ありましたら、すいませんっ。
月に一回、二回ほどゆっくりペースで更新です(*≧∀≦*)
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜
紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。
第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。
夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。
第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。
最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
乙女ゲームに転生したので、推しの悲恋EDを回避します〜愛され令嬢は逆ハーはお断りです!
神城葵
恋愛
気づいたら、やり込んだ乙女ゲームのサブキャラに転生していました。
体調不良を治そうとしてくれた神様の手違いだそうです。迷惑です。
でも、スチル一枚のサブキャラのまま終わりたくないので、最萌えだった神竜王を攻略させていただきます。
※ヒロインは親友に溺愛されます。GLではないですが、お嫌いな方はご注意下さい。
※完結しました。ありがとうございました!
※改題しましたが、改稿はしていません。誤字は気づいたら直します。
表紙イラストはのの様に依頼しました。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる