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連載
引きこもりのきっかけ。
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更新遅くなってすみませんm(__)m
近状報告で告知していたように、ここからの内容を変更、入れ替えしました。
旅までに女子たちの出番を作っておきたくなって無理矢理もとの予定を変えて入れようとしたのですが、やはり無理矢理感があるので、当初の構成に戻しました。新キャラ二人はお蔵入りではなくまたもっと後で出てくる形になります。
どのように出てくるか、お楽しみにして頂ければと思います。ひとまず変更分五話一気更新。
できれば夜にでも最低一話更新する予定です。
ーーーーーーーーーーーーー
暗綺さんにあることをお願いした私は馬車の座席に凭れ、ふう、と一つ息を吐いて目を瞑った。
行動すると決めた。
そう、決断したはずだ。
だけど。
一度行動を起こしたらもう引き返せない。
そう思うと、やはり怖い。
教会の言う通りに行動して、従順に『教会の聖女』になればきっととても楽だ。
殺されることもなくて、苦労もしなくてすむ。
乗り心地の良い場所や船に乗って、護衛に守られながら旅をする。
考えてもみれば、今の私の状況というのは、『クラ乙』における第二部冒頭部、教会によって聖女と認定されたヒロインーーカノンが四聖獣に会いに行くシーンととても似通っている。
いや、実際には全然違うんだけど。
ゲーム内では第一部恋愛ルートでカノンが落とした攻略対象を勇者に教会や国の騎士を護衛として聖域のある国を回る。
そうしてそれぞれの聖獣から暗黒竜を封印するための古代魔法を授けられる。
時期的には今から凡そ半年と少し先。
カノンや私、エリカ・オルディスが二学年に上がるという頃だ。
もっともゲーム内のエリカは一年の途中から引きこもりでほとんど通学しないし、出番もない。
『クラ乙』のエリカ・オルディスという悪役令嬢は実のところ恋愛ルート前半と、あとはエピローグ間際に断罪されるシーンしかまともに出てこない。
今頃思い出してもって話だけど。
そういえば校外授業のイベントってエリカが本格的に引きこもりになるキッカケなイベントだったのを私は終わってからちゃんと思い出してしまった。
ここまでは引きこもりの不登校ながらも一応はたまーに出てくるんですよ。
貴族の令嬢が不登校ってのは外聞が悪いからね。
数日に一度程度は登校してただ授業だけ受けて帰宅する。
ゲーム内のエリカはそれでも何かにつけてカノンに嫌みを言うのだけはやめなかったけど。
それが完全に不登校になるキッカケ。
それが校外授業イベント。
主なシナリオとしては突然襲ってきた魔物の襲撃にヒロインであるカノンが怪我をした生徒や兵士たちを癒して回るというもの。
その中で攻略対象や周りの生徒たちの信頼と尊敬を高めていくというものだ。
カノンの魔力が尽きかけた頃に皇太子が酷い怪我をする。
これ以上癒しの魔法を行使すれば身体が持たずに倒れるだろうその状態で、カノンが皇太子に告げる台詞が「それでも私は必要だと思えば癒します」と、「……ごめんなさい。私にもっと力があれば」の二択。
ちなみに「それでも……」を選べばそれまでの好感度ポイントが順調なら皇太子ルート最短攻略になる。
これは攻略情報でも有名で、よほどひねくれているか別ルートオンリーを狙っているのでない限り選択は一択だ。
そうしてカノンの対象攻略及び聖女としての株を上げるこのイベント。
ゲーム内のエリカはというと。
何もしない。
「私は侯爵令嬢で聖女候補なのよ。砦の内で守られているのが当然でしょう!」
ってな感じである。
そりゃ倒れるまで皆を癒して回るカノンと何もしないエリカでは生徒や兵士の皆がカノンを支持するのは当然で。
イベント後はカノンこそ聖女という声と、エリカを非難する声が学校中に満ちることになり……。
(……カノンよ、手ぇ抜きすぎでしょ)
これまでの世界ではちゃんとゲームのように皇太子以外も癒してたのかも知れない。
名台詞も言ってたのかも知れない。
けど。
皇太子と攻略対象だけで充分、とばかりに他の生徒や兵士はほったらかし。
まあ、私、暗殺計画に気を取られてたってのもあるかもだけど。
私はゲームのカノンとこの世界のカノンの落差にゲッソリした気分になった。
ともかく、だ。
このイベントをキッカケにエリカはより引きこもり完全な不登校になり、カノンの評価はウナギ登りになる。
(……カノンの評価があがるイベントなのは覚えてたんだけどね)
今の私の状況はこの逆パターンというか、エリカとカノンの立場が逆転していると言えなくもない。
時期が早すぎてまだ何の兆しもない上に教会よりも先に聖獣に聖女認定されちゃったせいで教会からは聖女認定されるどころか胡散臭い紛い物扱いだけど。
近状報告で告知していたように、ここからの内容を変更、入れ替えしました。
旅までに女子たちの出番を作っておきたくなって無理矢理もとの予定を変えて入れようとしたのですが、やはり無理矢理感があるので、当初の構成に戻しました。新キャラ二人はお蔵入りではなくまたもっと後で出てくる形になります。
どのように出てくるか、お楽しみにして頂ければと思います。ひとまず変更分五話一気更新。
できれば夜にでも最低一話更新する予定です。
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暗綺さんにあることをお願いした私は馬車の座席に凭れ、ふう、と一つ息を吐いて目を瞑った。
行動すると決めた。
そう、決断したはずだ。
だけど。
一度行動を起こしたらもう引き返せない。
そう思うと、やはり怖い。
教会の言う通りに行動して、従順に『教会の聖女』になればきっととても楽だ。
殺されることもなくて、苦労もしなくてすむ。
乗り心地の良い場所や船に乗って、護衛に守られながら旅をする。
考えてもみれば、今の私の状況というのは、『クラ乙』における第二部冒頭部、教会によって聖女と認定されたヒロインーーカノンが四聖獣に会いに行くシーンととても似通っている。
いや、実際には全然違うんだけど。
ゲーム内では第一部恋愛ルートでカノンが落とした攻略対象を勇者に教会や国の騎士を護衛として聖域のある国を回る。
そうしてそれぞれの聖獣から暗黒竜を封印するための古代魔法を授けられる。
時期的には今から凡そ半年と少し先。
カノンや私、エリカ・オルディスが二学年に上がるという頃だ。
もっともゲーム内のエリカは一年の途中から引きこもりでほとんど通学しないし、出番もない。
『クラ乙』のエリカ・オルディスという悪役令嬢は実のところ恋愛ルート前半と、あとはエピローグ間際に断罪されるシーンしかまともに出てこない。
今頃思い出してもって話だけど。
そういえば校外授業のイベントってエリカが本格的に引きこもりになるキッカケなイベントだったのを私は終わってからちゃんと思い出してしまった。
ここまでは引きこもりの不登校ながらも一応はたまーに出てくるんですよ。
貴族の令嬢が不登校ってのは外聞が悪いからね。
数日に一度程度は登校してただ授業だけ受けて帰宅する。
ゲーム内のエリカはそれでも何かにつけてカノンに嫌みを言うのだけはやめなかったけど。
それが完全に不登校になるキッカケ。
それが校外授業イベント。
主なシナリオとしては突然襲ってきた魔物の襲撃にヒロインであるカノンが怪我をした生徒や兵士たちを癒して回るというもの。
その中で攻略対象や周りの生徒たちの信頼と尊敬を高めていくというものだ。
カノンの魔力が尽きかけた頃に皇太子が酷い怪我をする。
これ以上癒しの魔法を行使すれば身体が持たずに倒れるだろうその状態で、カノンが皇太子に告げる台詞が「それでも私は必要だと思えば癒します」と、「……ごめんなさい。私にもっと力があれば」の二択。
ちなみに「それでも……」を選べばそれまでの好感度ポイントが順調なら皇太子ルート最短攻略になる。
これは攻略情報でも有名で、よほどひねくれているか別ルートオンリーを狙っているのでない限り選択は一択だ。
そうしてカノンの対象攻略及び聖女としての株を上げるこのイベント。
ゲーム内のエリカはというと。
何もしない。
「私は侯爵令嬢で聖女候補なのよ。砦の内で守られているのが当然でしょう!」
ってな感じである。
そりゃ倒れるまで皆を癒して回るカノンと何もしないエリカでは生徒や兵士の皆がカノンを支持するのは当然で。
イベント後はカノンこそ聖女という声と、エリカを非難する声が学校中に満ちることになり……。
(……カノンよ、手ぇ抜きすぎでしょ)
これまでの世界ではちゃんとゲームのように皇太子以外も癒してたのかも知れない。
名台詞も言ってたのかも知れない。
けど。
皇太子と攻略対象だけで充分、とばかりに他の生徒や兵士はほったらかし。
まあ、私、暗殺計画に気を取られてたってのもあるかもだけど。
私はゲームのカノンとこの世界のカノンの落差にゲッソリした気分になった。
ともかく、だ。
このイベントをキッカケにエリカはより引きこもり完全な不登校になり、カノンの評価はウナギ登りになる。
(……カノンの評価があがるイベントなのは覚えてたんだけどね)
今の私の状況はこの逆パターンというか、エリカとカノンの立場が逆転していると言えなくもない。
時期が早すぎてまだ何の兆しもない上に教会よりも先に聖獣に聖女認定されちゃったせいで教会からは聖女認定されるどころか胡散臭い紛い物扱いだけど。
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