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温もりと記憶。
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リーシャ、ミア、ローニャ。
ミアハにセシリア、ラーナ、シャリス。
ロウズ執事長。
アリアメイド長。
ディオン料理長。
ハンスにアンリにリュートにロナウド。
ニナ、クリスティー、ケイト、フィアーナ、ルーシィ。
リスティナ奥様。
アンドリュース旦那様。
アル様。アルシェイド坊ちゃん。
お嬢様。リスメイア様。
レニー。レニー。レニー。
ハルトバレル候爵家のタウンハウス。
そこに与えられた自室のベッドの上で、私は掛布を頭から被った状態で膝を抱えている。
膝を抱えて、目を固くつぶって、ひたすら身近な人の顔と名前を頭の中で一致させていく。
我ながら酷い一日を終えて、どうにかこうにかハルトバレル家にお嬢様とともに帰宅して、こうして部屋に籠もらせて頂いている。
周りには月のものが重くて貧血とお腹痛、と言っているが、現実はそんなありきたりなものじゃない。
リーシャ。
私が名を忘れてしまった少女の名前。
思いだせたわけではなく、他のコが呼んでいたのを聞いただけだ。
聞いた後も、リーシャだったか。とは思ってもだったな、とはならなかった。
やはり私の中にその名前が記憶としてなかったから。
私の記憶力は元からよろしいとは言い難い。
記憶力とか頭脳とかいうのはたぶん大半を母さまの腹の中に置いてきて弟のレニーにあげちゃったんじゃないかってその昔に冗談で言ってたくらいだ。
それでも一応貴族の家に生まれたから、最低限以上の教育は受けさせてもらってたし、ハルトバレル家に来てからはお嬢様の専属メイドとして恥ずかしくない程度の教養は身に着けてきた。
時に社交の場に付き従うことだってある立場なだけに、人の顔と名前と地位を覚えることは必須。
いまいち顔と名前を覚えるのが苦手なお嬢様のフォローをすべく、私は人の顔と名前を覚えることに関してだけは散々努力したり工夫したりを繰り返して得意と言えるほどになった、はず。
なのに、ごく稀にサロンや夜会で挨拶を交わす相手でもなく、ほぼ毎日のように顔を合わせ親しく声を交わす相手。その人の名がまったく出てこないなんて。
ルドルフの件もある。
返事がほしいと要求されたのだから、私に返事をするべき何事かを伝えたはずで。
けど私にはその何事かの記憶がない。
その後も何か言ってたみたいだけど、そちらについては覚えてないのではなく聞いてなかったので、記憶云々はこの際関係ないな。
「……うぬぬぬん」
頭を抱え、掛布の中で唸り声を上げる。
抱えた頭の中にちらりと浮かぶのは、とある症状。
痴呆症。
おじいちゃんおばあちゃんが朝ごはん食べたのに「ごはんは?」とか言っちゃうアレである。
大抵は年老いてからなるもの。
だけどごくごく本当に稀に若くてもその症状が現れることがあると、聞いたことがある。
「いやいやいや、まさか……」
ああいうのって大きな事故とかで脳に損傷を負ったとかでなるのよね?
私、ここ数年事故にあった覚えはない、よね?
もし万が一事故った記憶がないにしてもそれなら怪我の痕なりがあるはず。
「………………」
私はゴソゴソと掛布の中で自分の頭を両手で探ってみた。
ハゲなし、みみず腫れなし、それらしいキズ痕なし!!
ゴソゴソスリスリペタペタ。
それでもなお探り続いていた指先が、左耳の裏側で止まった。
かすかに柔らかい皮膚を刺激する小さな、本当に小さな指先ほどの凹凸。
それは10年以上前の事故のキズ痕。
3人もの死者を出したその事故で、私が小さなキズのいくつかだけで無事だったのは奇跡とまで言われた。
間接的には、私がーー私と弟のレニーがハルトバレル家に引き取られる原因となった事故。
とはいえキズ自体は浅く切っただけで血管や神経を傷つけるようなものではなかった。
今ではこうして指で触れてみてもわずかに違和感がある程度のものだ。
10年以上前のキズ。しかもごく小さな切りキズでこのような症状が出るものでもあるまい。
やっぱこれは関係ないよね、と思いつつも指先はしつこくその周囲を彷徨い続ける。
ほんのわずか、もう痛むはずもないそれが、ツキンと指すように痛んだ気がした。
しばらくそうしてゴソゴソしていた私は、ふと聞こえてきた音に顔を上げる。
コンコン、という軽い音は誰かがドアをノックしたものだろう。
そう思って目の前から掛布を取り去ろうとして、上げた手を止めた。
自室に戻った時、外はまだ明るかった。
けれど秋から冬にだんだんと移り変わろうというこの時期、日が落ちるのは日を追って早くなっている。
まして私たち使用人が使用する北側の一角はもとより日が入りにくい。
つい先程までは掛布から透けて微かな明かりが見えていたように思うのに。
ーーたぶん、この薄い布の向こうは真っ暗だ。
ゾッと覚えのある冷たい感触が背筋を這う。
「……ぁ」
またコンコン、と音がする。
それと「ルー、いないのか?」という聞き慣れた声。
いえいえいないのなら返事はできませんよ?なんて、頭の隅でツッコミを入れる。
だけどそんなのはたいして役にも立たない逃避だ。
だって、どんどん指先が冷たくなって、ひくんと喉の奥がひきつる。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせてみる。
あぁ、こういう時、私はどうしていたっけ?
おかしい。
息が、吐くことはできるのに。
どんどん、どんどん。
早くなる呼吸が、上手くできない。
出ていくばかりで、苦しい。
「……は、は……は」
暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。
暗い。暗くて何も見えない。
あぁ。
指先にヌルリとした感触がした。
ヌルリとして、少し温かい。
でもすぐにひやりと冷たくなる。
そばにある、私を抱きしめてくれている身体のように。
柔らかい腕と胸の感触。
柔らかい肌。柔らかい布地のドレスの感触。
なのに、触れ合う肩の下あたり、柔らかいはずのそこからギザギザとした硬い何かが突き出ているのはなんなのだろうか。
そこからずっと温かな何かが溢れている。
溢れて、溢れて、私の身体を手を顔を濡らす。
違う。
違う。違う。
ここはハルトバレル候爵家の私の自室で。
何も、私を濡らしてはいない。
私は小さく首を振る。
何度も、何度も、首を振る。
苦しい。辛い。
勝手に両の目から涙が出て頬を滑り落ちた。
「…………ひ、ひゅっ」
大丈夫。
初めてのことじゃない。
ここ数年は気をつけていたからなかったけれど、それ以前は頻繁にあったこと。
だから、思い出せ。
私は、どうやって息をした?
昔ーー昔は、意識を失うまでこのままだった。
でも、ここに来てからは、
「ルー?」
ドアごしに呼ぶ声に思い出す。
ここに来てからは、いつも苦しくなったらギュッと温かい身体で抱きしめてくれた。
抱きしめて、確かなぬくもりをくれた。
背中を、頭を私が落ち着くまでずっと撫でてくれて、大丈夫だって何度も言って、明るい場所に連れ出してくれた。
「……た、すけ…………て」
外になんて聞こえはしないだろう。
私の喉をからくも抜け出した声は、そんな掠れてほそぼそとした声で。
だけど、聞こえたはずもないのに、ドアの外にいたその人は。
ドアを開けて、大股の常にない乱暴な足音を響かせて、近づいてくると私を覆う掛布を取り払い、私を胸に抱き寄せる。
ギュッと抱きしめられて痛いくらい。
触れた身体は熱い。
トクトクと、確かな心臓の音がして、温かい。
「ア……ル、さま……」
記憶にあるよりも大きな身体、大きな手、強い力。
だけど私の頭を抱き込む左手と、宥めるように私の背中を撫でる右手と、頬に触れる胸のぬくもりは同じ。
「大丈夫だ。もう大丈夫」
小さな子供に言い聞かせるような口調で、アル様が繰り返す。
大丈夫。大丈夫、と。
繰り返しながら、私の身体を抱き上げて、部屋の外へ連れ出した。
部屋の外は、壁に取り付けられたランプの火が灯されていて部屋の中よりは明るかった。
私を抱き上げたアル様はそのまま廊下に腰を下ろす。
私はアル様の膝の上に抱えられた状態で、それこそ小さな子供みたいに与えられるぬくもりに縋りついた。
いつの間にか呼吸は少しずつ落ち着いて。
だけど、まだ冷たい指先がぬくもりを求めてフラフラと彷徨う。その手を握られたと思うと、持ち上げられて、アル様の唇に押しあてられる。
私はその感触を懐かしく思いながら、すん、と鼻を鳴らして目深を閉じた。
ミアハにセシリア、ラーナ、シャリス。
ロウズ執事長。
アリアメイド長。
ディオン料理長。
ハンスにアンリにリュートにロナウド。
ニナ、クリスティー、ケイト、フィアーナ、ルーシィ。
リスティナ奥様。
アンドリュース旦那様。
アル様。アルシェイド坊ちゃん。
お嬢様。リスメイア様。
レニー。レニー。レニー。
ハルトバレル候爵家のタウンハウス。
そこに与えられた自室のベッドの上で、私は掛布を頭から被った状態で膝を抱えている。
膝を抱えて、目を固くつぶって、ひたすら身近な人の顔と名前を頭の中で一致させていく。
我ながら酷い一日を終えて、どうにかこうにかハルトバレル家にお嬢様とともに帰宅して、こうして部屋に籠もらせて頂いている。
周りには月のものが重くて貧血とお腹痛、と言っているが、現実はそんなありきたりなものじゃない。
リーシャ。
私が名を忘れてしまった少女の名前。
思いだせたわけではなく、他のコが呼んでいたのを聞いただけだ。
聞いた後も、リーシャだったか。とは思ってもだったな、とはならなかった。
やはり私の中にその名前が記憶としてなかったから。
私の記憶力は元からよろしいとは言い難い。
記憶力とか頭脳とかいうのはたぶん大半を母さまの腹の中に置いてきて弟のレニーにあげちゃったんじゃないかってその昔に冗談で言ってたくらいだ。
それでも一応貴族の家に生まれたから、最低限以上の教育は受けさせてもらってたし、ハルトバレル家に来てからはお嬢様の専属メイドとして恥ずかしくない程度の教養は身に着けてきた。
時に社交の場に付き従うことだってある立場なだけに、人の顔と名前と地位を覚えることは必須。
いまいち顔と名前を覚えるのが苦手なお嬢様のフォローをすべく、私は人の顔と名前を覚えることに関してだけは散々努力したり工夫したりを繰り返して得意と言えるほどになった、はず。
なのに、ごく稀にサロンや夜会で挨拶を交わす相手でもなく、ほぼ毎日のように顔を合わせ親しく声を交わす相手。その人の名がまったく出てこないなんて。
ルドルフの件もある。
返事がほしいと要求されたのだから、私に返事をするべき何事かを伝えたはずで。
けど私にはその何事かの記憶がない。
その後も何か言ってたみたいだけど、そちらについては覚えてないのではなく聞いてなかったので、記憶云々はこの際関係ないな。
「……うぬぬぬん」
頭を抱え、掛布の中で唸り声を上げる。
抱えた頭の中にちらりと浮かぶのは、とある症状。
痴呆症。
おじいちゃんおばあちゃんが朝ごはん食べたのに「ごはんは?」とか言っちゃうアレである。
大抵は年老いてからなるもの。
だけどごくごく本当に稀に若くてもその症状が現れることがあると、聞いたことがある。
「いやいやいや、まさか……」
ああいうのって大きな事故とかで脳に損傷を負ったとかでなるのよね?
私、ここ数年事故にあった覚えはない、よね?
もし万が一事故った記憶がないにしてもそれなら怪我の痕なりがあるはず。
「………………」
私はゴソゴソと掛布の中で自分の頭を両手で探ってみた。
ハゲなし、みみず腫れなし、それらしいキズ痕なし!!
ゴソゴソスリスリペタペタ。
それでもなお探り続いていた指先が、左耳の裏側で止まった。
かすかに柔らかい皮膚を刺激する小さな、本当に小さな指先ほどの凹凸。
それは10年以上前の事故のキズ痕。
3人もの死者を出したその事故で、私が小さなキズのいくつかだけで無事だったのは奇跡とまで言われた。
間接的には、私がーー私と弟のレニーがハルトバレル家に引き取られる原因となった事故。
とはいえキズ自体は浅く切っただけで血管や神経を傷つけるようなものではなかった。
今ではこうして指で触れてみてもわずかに違和感がある程度のものだ。
10年以上前のキズ。しかもごく小さな切りキズでこのような症状が出るものでもあるまい。
やっぱこれは関係ないよね、と思いつつも指先はしつこくその周囲を彷徨い続ける。
ほんのわずか、もう痛むはずもないそれが、ツキンと指すように痛んだ気がした。
しばらくそうしてゴソゴソしていた私は、ふと聞こえてきた音に顔を上げる。
コンコン、という軽い音は誰かがドアをノックしたものだろう。
そう思って目の前から掛布を取り去ろうとして、上げた手を止めた。
自室に戻った時、外はまだ明るかった。
けれど秋から冬にだんだんと移り変わろうというこの時期、日が落ちるのは日を追って早くなっている。
まして私たち使用人が使用する北側の一角はもとより日が入りにくい。
つい先程までは掛布から透けて微かな明かりが見えていたように思うのに。
ーーたぶん、この薄い布の向こうは真っ暗だ。
ゾッと覚えのある冷たい感触が背筋を這う。
「……ぁ」
またコンコン、と音がする。
それと「ルー、いないのか?」という聞き慣れた声。
いえいえいないのなら返事はできませんよ?なんて、頭の隅でツッコミを入れる。
だけどそんなのはたいして役にも立たない逃避だ。
だって、どんどん指先が冷たくなって、ひくんと喉の奥がひきつる。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせてみる。
あぁ、こういう時、私はどうしていたっけ?
おかしい。
息が、吐くことはできるのに。
どんどん、どんどん。
早くなる呼吸が、上手くできない。
出ていくばかりで、苦しい。
「……は、は……は」
暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。暗い。
暗い。暗くて何も見えない。
あぁ。
指先にヌルリとした感触がした。
ヌルリとして、少し温かい。
でもすぐにひやりと冷たくなる。
そばにある、私を抱きしめてくれている身体のように。
柔らかい腕と胸の感触。
柔らかい肌。柔らかい布地のドレスの感触。
なのに、触れ合う肩の下あたり、柔らかいはずのそこからギザギザとした硬い何かが突き出ているのはなんなのだろうか。
そこからずっと温かな何かが溢れている。
溢れて、溢れて、私の身体を手を顔を濡らす。
違う。
違う。違う。
ここはハルトバレル候爵家の私の自室で。
何も、私を濡らしてはいない。
私は小さく首を振る。
何度も、何度も、首を振る。
苦しい。辛い。
勝手に両の目から涙が出て頬を滑り落ちた。
「…………ひ、ひゅっ」
大丈夫。
初めてのことじゃない。
ここ数年は気をつけていたからなかったけれど、それ以前は頻繁にあったこと。
だから、思い出せ。
私は、どうやって息をした?
昔ーー昔は、意識を失うまでこのままだった。
でも、ここに来てからは、
「ルー?」
ドアごしに呼ぶ声に思い出す。
ここに来てからは、いつも苦しくなったらギュッと温かい身体で抱きしめてくれた。
抱きしめて、確かなぬくもりをくれた。
背中を、頭を私が落ち着くまでずっと撫でてくれて、大丈夫だって何度も言って、明るい場所に連れ出してくれた。
「……た、すけ…………て」
外になんて聞こえはしないだろう。
私の喉をからくも抜け出した声は、そんな掠れてほそぼそとした声で。
だけど、聞こえたはずもないのに、ドアの外にいたその人は。
ドアを開けて、大股の常にない乱暴な足音を響かせて、近づいてくると私を覆う掛布を取り払い、私を胸に抱き寄せる。
ギュッと抱きしめられて痛いくらい。
触れた身体は熱い。
トクトクと、確かな心臓の音がして、温かい。
「ア……ル、さま……」
記憶にあるよりも大きな身体、大きな手、強い力。
だけど私の頭を抱き込む左手と、宥めるように私の背中を撫でる右手と、頬に触れる胸のぬくもりは同じ。
「大丈夫だ。もう大丈夫」
小さな子供に言い聞かせるような口調で、アル様が繰り返す。
大丈夫。大丈夫、と。
繰り返しながら、私の身体を抱き上げて、部屋の外へ連れ出した。
部屋の外は、壁に取り付けられたランプの火が灯されていて部屋の中よりは明るかった。
私を抱き上げたアル様はそのまま廊下に腰を下ろす。
私はアル様の膝の上に抱えられた状態で、それこそ小さな子供みたいに与えられるぬくもりに縋りついた。
いつの間にか呼吸は少しずつ落ち着いて。
だけど、まだ冷たい指先がぬくもりを求めてフラフラと彷徨う。その手を握られたと思うと、持ち上げられて、アル様の唇に押しあてられる。
私はその感触を懐かしく思いながら、すん、と鼻を鳴らして目深を閉じた。
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