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しおりを挟むこちらは何も言えなくなる。弟子になったのも束の間、不利になることは嫌なので黙秘権を使いたいと思います。まったく勘のいい爺さんは嫌いだよ。某アニメの台詞を言っている余裕はないはずなのに、何やってんだお前ェっ!!!!って感じです。全然懲りてないので誰か俺を止めてください。
黙秘を続けるそんな俺を見てヘンリ爺さんは痛いところをついてきた。
「一番最初に話しかけてくれた子だと言っておったぞ。何、もしかしてエイデンにいじめられておるのか?」
そんなことをするような子ではないんじゃがな~と首を捻るヘンリ爺さん。
いや、逆です。ごめんなさい。俺が主犯なんです。
下手に嘘をついてもいずれバレることだし、もうこうなったら素直に本当のことを言おう。素直に勝るものはないと誰かが言っていた。
「ち、違うんです。逆なんです。前にも言ったとおり俺かなり性格悪くてエイデンに酷いことをたくさんしてきました」
「ほ~?」
「う、疑ってるんですか…。理解しにくいのはわかりますが、聞いてください。そりゃあもうコテンパンにしちゃって…」
後先考えず色々と口走ってしまう。
「ほぉ?」
え、何、そのミジンコのお前がエイデン様をコテンパンにできるわけないだろって目は。だが俺の口は止まらない。
「エイデンの誕生日に頭踏んづけるという悪質な行為をしました!あと悪口は毎日で…それからそれから」
「よくそんな堂々とわしの前で言えたのぉ、大したもんじゃ」
そう言って笑うヘンリ爺さん。
「許されないことをしたのはわかっています。だから今更申し訳なくて避けてたというか…仲良くなるなんて図々しくてできませんでした。エイデンにも言うべきですが本当にごめんなさい」
土下座する勢いで床に頭をつける。煮るなり焼くなり好きにしてください。というか一発殴ってください。
転生したからって俺に関係ないわけない。ルアンの記憶もきちんと保持している。今までも含めて全部俺である。自分のケジメは自分で付けないと。
今の話を聞いて弟子なんてしたくなくなったかな。だって大切にしてきたエイデン…いや重要文化財といってもおかしくない大切にしていたものを陰で壊されたら嫌なはずだ。
どうせ俺なんて序盤で消える悪役ですもんね…。あぁいっそのこと、このまま地面と同化したい。
「顔をあげよ。許されない行為をしたという自覚はあるんじゃな」
「はい…」
「だがな。エイデンは嬉しがっておったんじゃ。誕生日にお前さんからブレスレットをもらったこと」
「あれは別に大したものじゃ…」
見下しながらあげたやつだぞ。周りからは嬉しそうでも内心傷ついているかもしれないだろ。
「何にせよ、本人は仲良くなりたがっておる。今の気持ちを素直に伝えたらええじゃろ?」
「そんな簡単に言わないでください。エイデンは何というか隣にいると眩しくて真っ直ぐで、俺といたらダメなんです」
自分の性格の悪さが浮き彫りになってエイデンに悪影響を与えてしまう。そんなことしちゃだめだ。
「ほぉ…。つまり好きなんじゃな」
ちょおま、どういう解釈。
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