僕がどこにいても、君をいちばん愛してる

彩柚月

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 隣の家のれん陽葵ひまりは幼馴染。物心ついた頃には、お隣さんとして家族同士仲良くしている。子供の頃は一緒によく遊んだのに、大きくなるにつれ距離ができて、中学生2年生になった今となっては、顔を合わせても挨拶すらしない。

 放課後、同じく幼馴染で親友の瑠奏るかなと雑談をしながら一緒に帰る。

 「幼馴染なんてそんなもんよね。」
 「あら、それは近すぎて見えないってやつかもよ?」
 
 同じく幼馴染の瑠奏るかなとは今でも仲良しなのに、蓮と私は仲良くない。
 
 「男と女だからな?」
 「それもあるかもね。でも、蓮くん、人気あるんだよ?」
 「あんなの。サッカーなんてチャラチャラした部活やってるから5割り増しに見えるだけよ。」
 「今、全国のサッカーファンを敵に回したね。」
 「う……ごめんなさい。」
 「わかればよろしい。」

 瑠奏るかなの言うとおり、蓮は女の子に人気がある。誰々が蓮を好きだの、誰々に蓮が告白されただの、噂だけなら何度も聞いた。小さい頃は一緒に泥だらけになって遊んでた相手が、手の届かない高いところへ行ってしまったようで、なんだか悔しい。

 あの頃、私達は、みんな同じだったはずなのに。

 「でも、蓮くん、実際カッコよく育ったよね。子供の頃はあんなにヤンチャだったのに。」
 「そうよ!あいつ、私のスカート破ったのよ!」
 「えー、あれは陽葵ひまりを助けようとしたんだし、仕方なくない?」
 「そうだけど!その後、私、ずっとあんな渾名で呼ばれてすっごい嫌だったんだから!」
 「それは蓮くんもじゃ……」

 苦笑いする瑠奏るかなを横目に、膨れてみせる。

 「瑠奏るかなも呼んだよね。あの渾名で。子供心に傷ついたんだから。」
 「ごめんごめん。ちょっとノリで良いかなって。悪かったわよ。皆にバッチリ見られたもんね。クマさんのパンツ」
 「言わないでぇぇぇえ!」
 
 
 あの頃、私達には遊び場が少なかった。法律で取り締まられたり、事故があったりで、公園の遊具はだんだん撤去されていき、少しだけ置かれている鉄棒や滑り台は大きい子達が占領している。

ボールを使って遊ぼうにも、何もないだだっ広い場所は、スケボーなど、自前の遊具を持っている子達が占拠してしまう。

仕方なく家でゲームに興じる子達も多かった。

そんな中、少し小高い丘にある小さな寺の広場に、今はもうどこにも置いてない公園遊具が設置されているのを、幼馴染の1人が見つけたのだ。

 個人の庭だから、まだ撤去命令が出ていないのだと言って、解放してくれた。

場所が場所だけに、最初は恐る恐る入ったのだが、住職さんが、いつでもおいでと言ってくれた。

 本当は、良いことではなかったのかもしれない。でも、私達は喜んで遊びに行った。

私のお気に入りは、グルグル回る球体のジャングルジム。正式名称はと言うらしいが、子供の私はグルグルジャングルと呼んでいた。


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