僕がどこにいても、君をいちばん愛してる

彩柚月

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 「あーびっくりしたなあ。まさか瑠奏るかなが蓮のことを好きだったなんて。」

 なんだか、幼馴染が先に大人になったようで、ほんの少し、寂しい。私の知らない蓮のことを知ってたんだなあと思うと、ちょっぴり悔しい気持ちもある。

 「いや、なんで悔しいのよ。」

 ここ数日、私が蓮のことを気にしたのも、もしかしたら恋心の赤ちゃんだったのかな。と思ったけれど、友達が好きな人を好きになるのはルール違反だ。気のせいだったと思って忘れよう。

 今日は金曜日。5時間までしかない

 ふと思いだして、山の上の神社に行ってみた。遊具は今もそのまま、設置されていた。

 私が子供の頃は、夕方には子供が集まって遊んでいたのに、今は誰もいない。

 最近の子供はこういう遊具で遊ばないらしいし、他の地区では事故もあったとニュースで見たことがある。この頃は親達がここで遊んじゃダメって言われているのかもしれない。

 よく見たらブランコの鎖など、金属部分は錆びていたりもするし、腐食も進んでいるのかもしれない。

 「懐かしいなあ。」

 触るとチャリッという懐かしい音に、ギシッと言う音もした。やはり老朽化しているのだろう。グルグルジャングルを回してみようと力を入れたが、ギギギと、音がしてパラパラと鉄錆が落ちるような音もした。

 「油が切れているのかな。」
あの頃は、住職さんが手入れしてくれていたのかもしれない。

 「登るなよ。」
 「うひゃあ!?」

 急に声をかけられて驚いた私は、変な声が出てしまった。振り返ると蓮が半分埋まったタイヤに腰掛けていた。

 「なんて声出してるんだ。」
 「いや、普通にびっくりするでしょ!何でここに居るのよ。」
 「陽葵ひまりこそ。」

 久しぶりに近くで見る蓮は、何だか体つきが男らしくなっている気がした。肩幅もあるし、投げ出した足も何だかしっかりしている。

 「ちょっと、懐かしくなって。」
 「そっか。危ないから立ち入り禁止って看板あったと思うけど、悪いヤツだな。」
 「蓮だってここに居るから悪いヤツじゃん。」
 「共犯でことでよろしく。」
 
 にやっとイタズラっぽく笑う蓮に、昔のように話せるようになるかもという期待と、懐かしさを覚えた。

 「陽葵も座れば?」
 「う、うん。」

 大中小のタイヤの半分が、点々と並んでいる。これが何のためにあるのか、本当に半分埋まっているのか、どうやって遊ぶものなのかわからないが、私たちは、跳び箱のように飛んだり、ハードルのように飛び越えて競争したり、上に乗って渡ったり、天国と地獄という鬼ごっこの時は重宝した。

 何となく横に座ることを躊躇して、モジモジしていると、

 「どうしたん?ああ、登りたいの?これ好きだったもんな。でも陽葵の体重を支えられるようにできてないから諦めろ?」
 「はあ!?私が重いって言うの!?」
 「あはは、ごめんごめん。腐食してて危ないからさ。まあ座れって。」

 気分を害したおかげで、躊躇する気持ちが消えて、蓮の座っているタイヤの横のタイヤに、ドカッと音を立てて座った。

 「へこんだんじゃないか?そんな音がしたぞ。」
 「まだ言うか!?」
 「ぷっ」
 
 2人で笑った。こんな風に蓮と話すのはいつぶりだろう。

 「蓮は、ここへはよく来るの?」
 「走り込みするついでに、時々な。」
 「へえ……。私、小学校卒業してから初めてだよ。」
 「みんな、そんなもんさ。」

 「あれ。そういえば、今日は部活ないの?」
 「いや。サボった。」
 「悪いヤツ。」
 「……あのさ。陽葵。」
 「うん?」




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