僕がどこにいても、君をいちばん愛してる

彩柚月

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 盛り上がりが終わると、やっぱり現実が見えてくる。急速に瑠奏るかなのことが気になりはじめた。

 「どうしたの?」
 蓮がきいてくる。
 「瑠奏るかなを裏切った気がして。」
 「ああ……仲良いもんね。」
 「うん。」
 
 「でもさ。僕は、今ここで陽葵ひまりちゃんに振られたとしても、瑠奏るかなには陽葵ひまりのことが好きだって言うつもり。」
 「そんなの……。」
 「僕だって、瑠奏るかなとは友達のつもりだよ。だからこそ、瑠奏るかなの気持ちに遠慮して自分の気持ちを隠すのは違うと思う。陽葵ひまりちゃんはどう?もしも僕が瑠奏るかなを好きで、陽葵ひまりちゃんの気持ちを知ってるからって瑠奏るかなが遠慮したら。」
 「哀れまれてるみたいで嫌だ。」
 「でしょ。遠慮する方が瑠奏るかなに失礼だと思う。もしそれで友情が壊れても、隠してるよりずっと良いよ。きちんと話すことが大事だと思う。僕達っていう前例もあるし。」
 「そっか。そうだね。」
 
 蓮が言う。
 「日が昇ったら瑠奏るかなをここに連れてくるよ。それで、2人できちんと瑠奏るかなに話そう?」
 「うん。」

 もう、朝までそれほど時間もない。でも、2人で並んで寝ることにした。寝ることにしたのに、また蓮は話しかけてくる。

 「ねえ陽葵ひまりちゃん。やっぱり、これだけは聞いておきたい。気になっちゃって眠れないんだ。」
 「どうしたの?」
 「そっちの世界の僕、どうやって死んだの?」
 「あ……えっと、交通事故、なんだけど、自分から飛び出したって……」
 「え!?自殺?」
 「いや、わからない。でも、目撃者の人はそう見えたって。」
 「僕が自殺……?」
 「いや、ほら、でも別人だから。」
 「うん。でも、基本的な所は同じだと思うんだけどな。」
 嘘をつくべきだったかな。せめてボカすべきだったかも。でも、さっき、本当のことを話した方が良いっていう話をした後だったから、流れで気持ちが正直になってしまっていた。睡眠不足も手伝って聞かれたことに素直に答えてしまった。何か悪いことを言ってしまった気がして、話を変えようと、

 「あ、えっと、私は?どうやって死んだの?」
 「僕を庇って。」
 「え?」
 「グルグルジャングルが、倒れた時に、僕は咄嗟に庇ったつもりだった。実際、僕の体は上になってたんだけど。」

 そうだ。あの時、蓮は私を庇ってくれた。
 「でも、陽葵ひまりの手が僕の頭を庇うように下から伸びていた。」
 「あ、そうだった、かも。庇ってくれた蓮の後ろにグルグルジャングルが見えて、咄嗟に手を出した気がする。」
 
 「やっぱり庇ってくれたんだ。」
 と、蓮。私は先を促す。
 「それで?」
 「その時は、僕が少し頭を切っていたくらいで、目立つ怪我は他になかったんだ。でも、陽葵ひまりは頭を地面に打ちつけたんだろうな。帰ってから少し寝るって言って部屋に入ったまま、ごはんの時間になっても降りてこないから、お母さんが見に行ったら、死んでたって。」
 「打ち所が悪かったってヤツ?」
 「……多分。」
 
 私は、それを聞いて、ひとつの可能性を思いついてしまった。でも、これは、元の世界で言わないと意味がない。そう考えていたら、

 「僕は、陽葵ひまりを守れなかった。でも、そっちの僕は陽葵ひまりちゃんを守れたんだね。良かった。」
 
 そう言ったと思ったら、スゥスゥと寝息が聞こえ始めた。
 「蓮くん寝ちゃったの?」
 「……スゥスゥ」
 疲れてるし、もう朝だし、寝つきも良くて当然か。と、私も目を瞑った。

 ——蓮は、もしかしたら、自殺じゃない。

 そのことに気付いた私は眠れないかと思ったが、体は正直で、すぐに眠りに落ちた。

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