10 / 35
3.月と死神(3)
しおりを挟む
そんな時からか。
胸の中で呟く。
そんな時から、自分は1人だと思っていたのか。
どんなに哀しかったろう。自分が他の誰にも必要じゃないと思い続けて、ようやく、能力(ちから)を認めてくれた相手は、いつでも自分を見殺しに出来るのだと思い知らされるってのは。
いつの間にか、目の前に開けたタホ河は、緩やかな流れをゆったりと広げていた。
日本とは川は川でもサイズが違う。広さが違う。
だからこそ、こんな広い景色の中で、ああそうか、どんなに頑張ってもどんなに有能であっても、やっぱり自分は誰にも要らないんだなと必死に飲み込もうとしている9歳の子どもと言うのは、ただただ痛々しくて、辛くて。
それでもな、周一郎。
もう、そこには立っていない少年の姿に呼びかける。
それでも、俺は、お前が生きててくれた方が嬉しいんだからな。馬鹿なことを考えるなよ。自分で自分を諦めちまうなよ。何の役にも立てん俺だって、スペイン語どころ英語もろくに出来んし、電柱にぶつかるし自分の足に蹴躓くしバイトは馘になるし、テストは白紙だし女には振られっぱなしだし、オタオタするしか能のない俺だが、お前の八つ当たりの場所ぐらいにはなってやれるんだから。
「一体…どこへ…」
滲むように高野の声が響いた。
「どこへ行かれたんでしょう」
「暢子!」「っ」
答える術なく黙り込んだ俺は、次の瞬間響き渡った声にぎょっとして振り返った。
日本語だ。
「観光客、のようですね」
「ああ、そうだな」
「待ってくれ、暢子!」
植え込みの向こう、木立の端に一組の男女が言い争っている。
「あれ? あいつ…」
肩に触れるぐらいの茶髪の男は、離れようとする女の手首を掴み、激しい勢いで怒鳴る。
「馬鹿なことはやめるんだ!」
「何が馬鹿なこと?!」
負けず劣らず激しい語調で叫び返し、振り返った女が男を睨み付ける。
「あなたとのことはもう終わったのよ! 私に指図なんかしないで!」
「見てられないんだ」
苦しげな声で男が唸った。
「君だってわかってるはずだ。そんなことをして、君に何が残る?」
「わからないわ! わかりたくもない!」
女は怒りと憎悪を込めた目で男を凝視している。
「後に何が残ろうと構わないわ! 破滅だと言うなら、それでも喜んで受け入れるわ。あなたにはわからないでしょうけど」
「…君は取り憑かれているんだ」
男は疲れたように重く応じた。
「この国の影に毒されて、自分を見失っているんだよ」
「構わない、と言ったでしょう」
女は手首を掴んだ男の手を、汚らわしいもののように振り払い、皮肉な笑みに唇を歪める。
「自分なんていらないのよ。私は、ただ…」
目鼻立ちのはっきりした異国的な顔立ちに細めた瞳、表情のそこここで凶暴な光がちろちろと炎の舌を吐く。にっこり笑った唇が、酔うように甘く一言紡いだ。
「滅びたいの」
「君は…」
「でも、1人ではごめんだわ。『彼』を巻き込んで、もろともに堕ちて行きたいの。あなたが居たいと言うならば拒まないけど、その代わり、最後まで私の堕ちていくのを見届けてちょうだいね。一瞬でも目を逸らせたら…」
冷たい光がとってかわり、女は笑みを引っ込めた。
「絶対に許さない」
「暢子…」
男は哀れなほど肩を落とした。のろのろと首を振りながら、
「君はまるで魔物(ドゥエンデ)だよ」
「魔物(ドゥエンデ)?」
は、と嘲るように嗤って、女は肩をそびやかせた。
「そうだ。とても人とは思えない」
「違うわ」
男のことばを途中できっぱり遮る。
「人だからこそ、魔物(ドゥエンデ)にもなれるのよ。人でない魔物(ドゥエンデ)なんて…」
白い歯を見せて妖しく笑う。
「御伽噺にもなりゃしない」
「……」
「いい? これが最後よ。私の邪魔をしないで」
一言もない男に言い捨て、くるりと身を翻らせて女は足早に立ちさった。残された男は重い溜息を吐いて、立ち竦んでいる。
「…行こう」
「はい」
俺は高野を促してその場を離れた。ただでさえ、面倒ごとに飛び込んじまってるのに、この上、他人の痴話喧嘩に巻き込まれる気は毛頭なかった。
「ご存知の方ですか?」
十分遠ざかってから、高野が問い掛けてくる。
「ご存知って言うほどご存知でもないんだが……大学の奴だよ。名前は確か……上尾、とか言ったはずだ」
「それは…奇遇なことで」
「奇遇ね…」
奇遇、奇遇か。奇遇なら、俺はひじょーに嬉しいのだが、この妙なもやもや感をどう説明すればいいのだろう。何となく、嫌な予感がする。背後霊どころか、守護霊もおいでおいでをしだした気がする。二度ある事は三度あるという奴の、いよいよ三度め、と言った感じだ。
それに、あの女、どこかで見たような気がする。それも、そんなに昔のことじゃない、割と最近だ。紅い唇が笑う、その後ろにあったイメージ、炎と燃えた瞳の色、どことない異国的な顔立ち……。
(どこでだ? どこで見ている?)
別にわからなくてもどうと言うことはないに違いない。知り合いと言っても、学園祭で一方的に見掛けただけの男の痴話喧嘩。首を突っ込む必要もないのだ。だが、何かが引っ掛かる。何か、ひどく重要なこと。
「うー」
呻いて俺は頭を掻きむしった。高野がぎょっとしたように、珍動物でも見るように俺を見る。
「どうなさったんですか」
「いや……脳味噌のマーボードーフを何とかピラフにできないかと…」
「は?」
高野はきょとんとした。
「つまり……その……いやーな予感がするんだ」
「いやーな予感、ですか」
「そう、そのいやーな予感……」
ズドッ!! ビシッ!
「ひっ」
突然耳の側を何かが通り抜けていき、目の前の木の幹に食い込んだ。
「 Señor!!」「ぐわっ」
ほとんど同時に、甲高い、よく通る声が後頭部を殴りつけた。続いて、思い切りよく叩きつけられた両手が、俺を前へつんのめらせる。もちろん、素直な俺が倒れないはずがない。
ドウッ! ドウッ、ドウッ!!
「な、何だ何だ!」
「銃声です」
「んなこた、俺でもわかる!」
地に伏せながら、冷静な高野の声に噛み付く。
「要はどーしていきなり撃たれてんのかってことで…んぎゃ!」
「¡Cuidado con la cabeza!」
きびきびした男の声とともに、俺は頭を地面に押し付けられた。高くもない鼻を思い切りぶつけ、目から火花が出る。
「¡Perdóname! Hasta pronto.」
この野郎、と喚こうとした次の瞬間、男は銃声の途切れた間を狙って立ち上がり、言うやいなやで駆け出して姿を消した。それを追うように、見る見る銃声も遠ざかっていく。
辺りが再び元の静けさに戻ると、高野は感極まったように、地面で果てている俺に頷いた。
「なるほど。滝様の予感とはよく当たるものですね」
「あ、あのな…そこに感心するか、今?」
俺は再びその場で果てた。
胸の中で呟く。
そんな時から、自分は1人だと思っていたのか。
どんなに哀しかったろう。自分が他の誰にも必要じゃないと思い続けて、ようやく、能力(ちから)を認めてくれた相手は、いつでも自分を見殺しに出来るのだと思い知らされるってのは。
いつの間にか、目の前に開けたタホ河は、緩やかな流れをゆったりと広げていた。
日本とは川は川でもサイズが違う。広さが違う。
だからこそ、こんな広い景色の中で、ああそうか、どんなに頑張ってもどんなに有能であっても、やっぱり自分は誰にも要らないんだなと必死に飲み込もうとしている9歳の子どもと言うのは、ただただ痛々しくて、辛くて。
それでもな、周一郎。
もう、そこには立っていない少年の姿に呼びかける。
それでも、俺は、お前が生きててくれた方が嬉しいんだからな。馬鹿なことを考えるなよ。自分で自分を諦めちまうなよ。何の役にも立てん俺だって、スペイン語どころ英語もろくに出来んし、電柱にぶつかるし自分の足に蹴躓くしバイトは馘になるし、テストは白紙だし女には振られっぱなしだし、オタオタするしか能のない俺だが、お前の八つ当たりの場所ぐらいにはなってやれるんだから。
「一体…どこへ…」
滲むように高野の声が響いた。
「どこへ行かれたんでしょう」
「暢子!」「っ」
答える術なく黙り込んだ俺は、次の瞬間響き渡った声にぎょっとして振り返った。
日本語だ。
「観光客、のようですね」
「ああ、そうだな」
「待ってくれ、暢子!」
植え込みの向こう、木立の端に一組の男女が言い争っている。
「あれ? あいつ…」
肩に触れるぐらいの茶髪の男は、離れようとする女の手首を掴み、激しい勢いで怒鳴る。
「馬鹿なことはやめるんだ!」
「何が馬鹿なこと?!」
負けず劣らず激しい語調で叫び返し、振り返った女が男を睨み付ける。
「あなたとのことはもう終わったのよ! 私に指図なんかしないで!」
「見てられないんだ」
苦しげな声で男が唸った。
「君だってわかってるはずだ。そんなことをして、君に何が残る?」
「わからないわ! わかりたくもない!」
女は怒りと憎悪を込めた目で男を凝視している。
「後に何が残ろうと構わないわ! 破滅だと言うなら、それでも喜んで受け入れるわ。あなたにはわからないでしょうけど」
「…君は取り憑かれているんだ」
男は疲れたように重く応じた。
「この国の影に毒されて、自分を見失っているんだよ」
「構わない、と言ったでしょう」
女は手首を掴んだ男の手を、汚らわしいもののように振り払い、皮肉な笑みに唇を歪める。
「自分なんていらないのよ。私は、ただ…」
目鼻立ちのはっきりした異国的な顔立ちに細めた瞳、表情のそこここで凶暴な光がちろちろと炎の舌を吐く。にっこり笑った唇が、酔うように甘く一言紡いだ。
「滅びたいの」
「君は…」
「でも、1人ではごめんだわ。『彼』を巻き込んで、もろともに堕ちて行きたいの。あなたが居たいと言うならば拒まないけど、その代わり、最後まで私の堕ちていくのを見届けてちょうだいね。一瞬でも目を逸らせたら…」
冷たい光がとってかわり、女は笑みを引っ込めた。
「絶対に許さない」
「暢子…」
男は哀れなほど肩を落とした。のろのろと首を振りながら、
「君はまるで魔物(ドゥエンデ)だよ」
「魔物(ドゥエンデ)?」
は、と嘲るように嗤って、女は肩をそびやかせた。
「そうだ。とても人とは思えない」
「違うわ」
男のことばを途中できっぱり遮る。
「人だからこそ、魔物(ドゥエンデ)にもなれるのよ。人でない魔物(ドゥエンデ)なんて…」
白い歯を見せて妖しく笑う。
「御伽噺にもなりゃしない」
「……」
「いい? これが最後よ。私の邪魔をしないで」
一言もない男に言い捨て、くるりと身を翻らせて女は足早に立ちさった。残された男は重い溜息を吐いて、立ち竦んでいる。
「…行こう」
「はい」
俺は高野を促してその場を離れた。ただでさえ、面倒ごとに飛び込んじまってるのに、この上、他人の痴話喧嘩に巻き込まれる気は毛頭なかった。
「ご存知の方ですか?」
十分遠ざかってから、高野が問い掛けてくる。
「ご存知って言うほどご存知でもないんだが……大学の奴だよ。名前は確か……上尾、とか言ったはずだ」
「それは…奇遇なことで」
「奇遇ね…」
奇遇、奇遇か。奇遇なら、俺はひじょーに嬉しいのだが、この妙なもやもや感をどう説明すればいいのだろう。何となく、嫌な予感がする。背後霊どころか、守護霊もおいでおいでをしだした気がする。二度ある事は三度あるという奴の、いよいよ三度め、と言った感じだ。
それに、あの女、どこかで見たような気がする。それも、そんなに昔のことじゃない、割と最近だ。紅い唇が笑う、その後ろにあったイメージ、炎と燃えた瞳の色、どことない異国的な顔立ち……。
(どこでだ? どこで見ている?)
別にわからなくてもどうと言うことはないに違いない。知り合いと言っても、学園祭で一方的に見掛けただけの男の痴話喧嘩。首を突っ込む必要もないのだ。だが、何かが引っ掛かる。何か、ひどく重要なこと。
「うー」
呻いて俺は頭を掻きむしった。高野がぎょっとしたように、珍動物でも見るように俺を見る。
「どうなさったんですか」
「いや……脳味噌のマーボードーフを何とかピラフにできないかと…」
「は?」
高野はきょとんとした。
「つまり……その……いやーな予感がするんだ」
「いやーな予感、ですか」
「そう、そのいやーな予感……」
ズドッ!! ビシッ!
「ひっ」
突然耳の側を何かが通り抜けていき、目の前の木の幹に食い込んだ。
「 Señor!!」「ぐわっ」
ほとんど同時に、甲高い、よく通る声が後頭部を殴りつけた。続いて、思い切りよく叩きつけられた両手が、俺を前へつんのめらせる。もちろん、素直な俺が倒れないはずがない。
ドウッ! ドウッ、ドウッ!!
「な、何だ何だ!」
「銃声です」
「んなこた、俺でもわかる!」
地に伏せながら、冷静な高野の声に噛み付く。
「要はどーしていきなり撃たれてんのかってことで…んぎゃ!」
「¡Cuidado con la cabeza!」
きびきびした男の声とともに、俺は頭を地面に押し付けられた。高くもない鼻を思い切りぶつけ、目から火花が出る。
「¡Perdóname! Hasta pronto.」
この野郎、と喚こうとした次の瞬間、男は銃声の途切れた間を狙って立ち上がり、言うやいなやで駆け出して姿を消した。それを追うように、見る見る銃声も遠ざかっていく。
辺りが再び元の静けさに戻ると、高野は感極まったように、地面で果てている俺に頷いた。
「なるほど。滝様の予感とはよく当たるものですね」
「あ、あのな…そこに感心するか、今?」
俺は再びその場で果てた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
紅蓮の鬼神と華印の乙女〜神隠しにあった穢れモノの私が、最愛に出逢うまで〜
五城楼スケ(デコスケ)
キャラ文芸
──人とあやかしたちが混在する、大正時代に似たもう一つの世界。
名家、天花寺(てんげいじ)家の娘である琴葉は14歳の頃、十日もの間行方不明になったことがあった。
発見された琴葉にその間の記憶は一切なく、そればかりか彼女の髪の毛は雪のように真っ白に変わってしまっていた。
そんな琴葉を家族や使用人たちは、人目に付かないよう屋敷の奥深くに隠し、”穢れモノ”と呼び虐げるようになった。
神隠しに遭った琴葉を穢らしいと嫌う父からは使用人より下に扱われ、義母や双子の義姉弟たちからいじめられていた琴葉が、十六歳の誕生日を迎える直前、ある転機が訪れる。
琴葉が十六歳になった時、天花寺家の遺産を琴葉が相続するように、と亡くなった母が遺言で残してくれていたのだ。
しかし、琴葉を狙う義兄と憎む義姉の策で、琴葉は絶体絶命の危機に陥ってしまう。
そんな彼女を救ったのは、どこか懐かしい気配を持つ、妖しくも美しい青年だった。
初めて会うはずの美青年は、何故か琴葉のことを知っているようで……?!
神聖な実がなる木を守護する家門に生まれながら、虐げられてきた少女、琴葉。
彼女が十六歳の誕生日を迎えた時、あやかしが、陰陽省が動き出す──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる