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3.シーン306(2)
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飛び込んできたのは、目鼻立ちのはっきりした女性だった。そう、かなり情熱的な美しい女性、女優、友樹雅子。そういう認識しか修一には湧かない、実の母親だと言うのに。
相手もそうだったのだろう、部屋のインテリアにちらりと一瞥をくれた、その程度の視線を投げ、すぐに何か気がかりなことを思い出したのか、ドアをきちんと閉めた後、無言でソファの毛布を払い落として座る。
毎晩自分を温めてくれているそれが、ぐしゃりとゴミのように彼女の足下に落とされるのを眺め、修一は羽織りかけたジャケットを脱いだ。一瞬の戸惑いは胸の奥に押し込める。これもまた一つの演技と考えれば、動作は途切れることなく滑らかに続く。
母親の正面に腰を降ろし、小首を傾げて問いかけた。
「どうしたの、おかあさん」
「…」
相手は答えず、苛ついた仕草でセカンドバッグから煙草を取り出した。金と黒の細身のライターを取り出す時に、何かが絨毯の上に落ちたような気がしたが、雅子は気づかない。
「…紅茶、飲む?」
「いらないわ」
断るとは思ったが、つっけんどんな口調で雅子は修一の問いを撥ねつけた。そのまま苛々と煙草に火を点け、慌ただしく吸い始める。膝を上下に揺する仕草は何かに集中しようとしてしかねている癖だ。
(今は『炎の女』の録画撮りじゃなかったっけ)
雅子は時計を気にする様子はない。赤い唇に銜えた煙草を命綱のように忙しく吸い続ける。目の辺りに薄黒い隈があり、乱れた髪に片手を差し入れた表情は、いつもの華やかさを幾分欠けさせている。
(珍しいな)
たとえ修一の前であっても、雅子は勝ち気で激しい『女』の姿を崩すことはない。いつも圧倒的な勝者であること、それが彼女の信条だ。華やかで派手で鮮やかで。大輪の薔薇の花束に例えられるそのキャラクターは、実生活でも健在だ。なのに、今日は気怠げで、仕事の疲れではない、どこか老けた印象がある。
「…仕事、どうしたの」
「どうでもいいでしょう」
今度も雅子は修一のことばを叩き落とした。
「子どもがちょっとばかり仕事をしてるからって、親にそういう尋ね方をするもんじゃないわ」
「あ…うん」
(親、ね)
便利なことばだと思う。『親』と口にするだけで、産んだ以外の何かをしてくれたような気がする。もちろん、世の見識者は『産んでもらったことがありがたいんだ』と言うのだろうが、それが『自分のため』ではないという保証などない。
それにしても。
(何があったんだろう)
修一はそっと雅子を透かし見る。
この雰囲気は何だろう。修一に腹を立てているわけではない。修一のことなど意にも介していない。けれど、苛ついている、今にもヒステリックに叫びながら、物を投げてきそう。ああそうだ、殺気立っている。
(お母さんをこんなに苛々させる人なんて居たかな)
修一が今の収録に関わっているスタッフの顔を思い浮かべ始めた矢先、部屋の電話が鳴った。瞬間、まるで怪鳥のような素早さで、雅子はソファから飛び上がり突っ走り、電話の受話器を掴み取った。耳に当てるのももどかしく、一気にことばを吐き出す。
「もしもしっ、あたしですっ、えっ、ええ、そうよ、現金よ、すぐに…えっ」
壁を凝視した目が見開かれる。
「そんなの、今までの10倍じゃないっ…いいえっ! 欲しい、欲しいわ! わかった、いつもの所ね、8時に、ええ、きっと、とにかくもう、限界なの!」
悲鳴じみた声だった。懇願と哀訴がないまぜになった声、友樹雅子の、演技の中ではない現実の、これほど悲痛な声を今まで誰が聞いただろうか。
だが、受話器の向こうの人間はそれを重く受け止めなかったようだ。うろたえた様子で頭を振る雅子を見ていたように、微かな高笑いが響いた気がした。
がしゃん、と放り投げるように受話器を置いた雅子は、すぐにソファに取って返し、灰皿に放置した煙草を見向きもせず、セカンドバッグを掴んで身を翻す。
「おかあ」
「急いでるの! お金なら佐野に言いなさい!」
修一を振り返ることはなかった。部屋の中を駆け抜け、外へ飛び出していく。すぐにばんっ、と激しくドアが閉まる音が響き渡った。
「……何だろ…」
茫然と雅子を見送った後、のろのろとソファに戻り、燻っている煙草を押しつぶして消した修一は、真下に落ちているものに気づいた。
「…何か、落としていったね、『ると』」
『ると』は毛布と一緒に容赦なく転がされていたが、ちょうど寝そべった状態で落下物を眺めているような格好だ。
その視線に促されるように、修一は手を伸ばして丸く固いものを拾い上げた。
透明な小瓶だ。指先より少し太い。中に粉っぽいものが入っていたのか、内側はうっすらと白く曇っていて、底の方に薄青い細かな欠片のようなものがこびりついている。
「これ…? …っ!」
再び電話が鳴った。
「おかあさん?」
何か忘れたのだろうか。それとも修一にあまりにも邪険に当たり過ぎたと、冷静になって連絡をしてくれたのだろうか。
いそいそと受話器を取り上げる修一の耳に、粘りつくほど甘ったるい響きの声が囁いた。
『もしもし…わかるぅ? あたし、わ・か・こ。若子、よ』
「…番号をお間違えのようですが」
(またいたずら電話かよ)
佐野にきっちりしてもらわなくちゃ、と受話器を耳から離しかけたとたん、
『間違ってなんか、ないわぁ』
嘲笑うように声が応じて眉を寄せた。
『あなた、誰ぇ?』
「…どちら様でしょうか」
『あ、はぁん……修一くんだ? あの人の息子。そうでしょ』
(あの人?)
『ねえ、もう帰ってるぅ?』
脳裏を掠めた顔に修一は目を細めた。
「誰のことですか」
『決まってるじゃない、陽一よ、よ・う・い・ち。いないのぉ?』
隠してるんでしょう、と言いたげな含み笑いに吐息する。
「いません」
『嘘はだめよ。若子だって言ってくれれば、すぐにわかるわ、坊や』
「いないのに、伝えようがないでしょう」
周一郎ばりの冷ややかさだな、と思った。
『そう…残念。また掛けるけど……あなたでもいいわよお、修一くん、あたし、年下の子との相性もいいんだぁ、わりと体だって…」
がちゃんっ!
修一は受話器を叩きつけた。そのまま数秒、押さえつけている手から血の気が引くまで押さえ続ける。その分上った頭の熱を、唇を噛み締めて堪え、徐々に息を吐いて力を抜く。
「……わかこ、だってさ、『ると』」
ずきずきするのは頭か胸か、それともこの間切った指先か。
脳裏を過った別の顔に、思わずほう、と息をついた。
(垣さん)
くるりと向きを変え、修一はジャケットを羽織った。
外出時には高野か佐野に連絡するのがルールだったが、この分じゃ母親か父親かに佐野がついているだろう。ましてや、今のぎらぎらした顔を高野に見られるのは嫌だった。1人で歩いて、気を逸らしたい。
「垣さんを呼んでくるね」
転がっていた『ると』をそっと抱き上げ、ぽんぽんと埃を叩き、ソファに座らせる。雅子が踏みつけた毛布は洗濯籠に放り込み、新しい毛布を出してきて『ると』を包んでやった。
「大人しく留守番してろよ」
軽く片目をつぶって笑いかけ、部屋を出て行く。
「…」
垣は自室のドアを開け、電気をつけようとして、しばし思いとどまった。
部屋の中に人の気配がする。
(宮田だ)
こんなことを考えるのはあいつしかいない。また垣を脅かそうとしているのだ。
何があってもびっくりしないように、深呼吸を一つしてからスイッチに手を伸ばす。だが、今度はぴっとりとくる嫌らしい感触はない。
パチっ。
「よっ」
点いた灯の下で、こちらに向かって敬礼をした宮田を、垣はわなわな震えながら睨みつけた。宮田の手にはカップ・ラーメン、温かく湯気を上げているそれは、確か買い置きしてあった最後の一品……。
「もらったからな」
「お、の、れ、は、な…」
「ん?」
「食うなら電気つけて食え!」
垣の罵声に宮田はにっこりと笑う。
「いや、それがさ」
「何だ!」
「小さい頃、母親がラーメン嫌いでね」
何の関係がある、となおも睨みつける垣に、まあまあと手を振ってみせ、
「いつもこっそり食べるのに必死だったんだ」
「それで!」
「それで、押し入れの中でよく隠れて食べたんだよな」
「あー?」
「だから、暗い中で食わんとラーメンの気がしない」
「……」
ぐったりと思わず座り込む垣の肩を、宮田がポンポンと優しく叩きながら慰める。
「まあ、いつかいい日も来る…」
「おのれが消えりゃ、すぐに来るわい!」
がばっと起き上がる垣の目の前に、宮田は手帳に書いた人名を突き出した。
「あ?」
「読めるか?」
「…あ、ああ。友樹、雅子」
修一の母親、誰だって知っている大女優だ。
「何か知らんか?」
「何かって」
宮田は垣に質問を投げたまま、元の場所に座り直し、放置したラーメンを啜り出す。ずるずるずるっと、お世辞に品がいいとは言えない音が狭い部屋に響いた。
「この前、修一と一緒には暮らしてないって言ったよな、宮田」
ずるずるっ。
「それから、今、『炎の女』の録画撮り中で…」
ずるるっ。
「後はそう…」
ずるるるるっっ。
「ええい、やめんか、このっ!」
尋ねたんなら人の話をちゃんと聞けっ、そう怒鳴った垣を、宮田はそよ風が吹いた程度にも感じない顔で見上げた。
「それじゃ、一緒に暮らしてないって事しか、わかんないのか、お前は」
「ま…まあ…」
ごくごくごくごく、ぷはっ。
「それで、父親の方もそこにはいない、と」
ちっちっち、と面倒くさそうに舌を鳴らす。
「うん、修一は大抵一人だと言ってた」
事実、あの部屋にはほとんど人が暮らしている気配がなかった。ダイニングキッチンにも、調味料とか洗剤とか、そういうものは一切なかったし。
「ったく……あんまり手がかりにならんなあ」
ほんとに使えない男だな、お前は。
宮田は深々と溜め息をつきながら首を振る。
「お前、修一と一緒に暮らせ」
「は?」
「お前のケーアイする友樹陽一にも会えるかも知れんぞ」
「やめてくれ、修一のご機嫌取りをずっとやらせる気か?」
そのうち絶対胃に穴が開くに決まってる。
「俺は困らない」
「当たり前だろうが!」
平然とした顔の宮田を罵って、垣は腰を降ろす。
「でも、どうしてそんなに友樹に拘る?」
「新聞、ないのか」
「話を逸らすな!」
「逸らしとらん」
空になったラーメンの容器を放り出し、宮田は部屋の中を見回した。
「ほんっとに何にもない部屋だな」
「…時計を勝手に質にいれたのは誰だ?」
「あれは驚いたな、あんなものでも質草になるとは」
「誰だって聞いてる!」
「俺だぞ。何か言いたいのか?」
心底に不思議そうに真顔で見返す宮田に、垣はひらひらと手を振った。
「わかった、話を続けてくれ」
「新聞があれば話しやすいんだが……おっと、署に戻らんと」
「食い逃げさせるか!」
ひょいと立ち上がる宮田に、垣は慌てて立ち上がった。構わず部屋を出て行こうとする宮田を追う。
「だからだなー……お前、ほんとに知らんわけ?」
「オレは警察じゃない」
「俺だって『警察』じゃないぜ、俺は『刑事』」
「!!!!!」
「わかったわかった。最近、芸能人の間にかなりのヤクが出回っているのは知ってるか?」
「まあ…何となく」
「ふん」
宮田は牛乳ビン底眼鏡を押し上げ、開いたドアから通りを見渡し、少し声を低めた。
「それで、ウチの方でも薬の販売ルートを洗ってるんだが、ある売人がヤクをかなりな高値で売りさばいている組織があるってゲロした。大きな声じゃ言えないが、綾野コンツェルンってあるよな?」
「ああ、あの『皆様のアヤノ、アヤノ産業でございます』ってやつ」
「そう、『お子様に夢を与えるアヤノ玩具、豊かな食生活を築くアヤノ食品グループ、よりよい生活をエンジョイするお手伝いをさせて頂くアヤノレジャー・センター、アヤノ総合株式会社、明日をお約束するアヤノ…』」
「いいかげんにしろ」
「ほいほい、と。ま、その綾野コンツェルンが裏で覚醒剤を流通させているという情報を手に入れた。他にも、芸能界の薬使用者、つまり上得意様、を漏らしたんだが、その中に友樹雅子の名前があった」
「まさか!」
「声が大きいぞ」
「だって、あの人がそんなことするわけが…」
茫然とする垣に、宮田は悪魔的な笑みを浮かべてみせる。
「君は人間を信じ過ぎてるよ、『滝君』」
「ぐっ」
身を翻してドアを擦り抜けていく宮田を、それとなく垣は追いかけた。まだ何か話してくれそうな気もしたからだが、それきり宮田は黙ったまま、垣も話の接ぎ穂を見つけられないまま、二人で通りを歩いていく。
「お」
ふいに宮田が立ち止まり、垣を振り返って映画館前のTV画面の予告編を示す。現在上映中の映画、というやつだ。
「ほら、やってるぜ」
「…ああ」
映し出されていたのは『京都舞扇』の一場面だった。
ちょうど、清に、良紀と京子の死が周一郎のせいではないかと疑われ、落ち込んだ周一郎が雨の中を一人歩いていく場面だ。画面が白く見えるほど叩きつける雨の激しさも一切感じていないかのように、周一郎は淡々と歩いている。通りすがりの子どもが、傘の下から訝しげな顔で周一郎を見上げていく。
と、画面が切り替わって、垣が傘を片手に雨の中を走っている場面になった。
「でたでた」「よせよ」
嬉しげにぱちぱちと手を叩きかける宮田を制し、気恥ずかしさに落ち着かない思いをしながらも、垣は画面に見入った。
『周一郎!』
画面の中の垣ーー滝志郎が、周囲を見回しながら走っている。子どもに尋ね、不安げな顔で振り返り振り向き、それでも何かに引きずられるようにまっすぐに。
いよいよ京都ロケの松尾橋のシーンだ。カメラは滝の視点になっている。遠くに霞む小さな人影、はっとして駆け寄ったような急なズーム・アップ、前方の人影が振り返る。小柄な少年の姿、雨に穿たれ砕かれそうな脆い気配、た・き・さ・ん、と唇が動いたが、白く凝った表情は生気がない。
ふいに、周一郎は唇を綻ばせた。
髪が張りつく濡れた顔、微かに細められた瞳が描く気弱な笑み。その笑みを見た誰もが思うだろう、こいつは誰だ、と。何かの異変を感じる、極めて鋭い危うい均衡。
『周一郎っ!』
はっとしたような画面の外から響く滝の声は、観客の心の代弁だ。その声とほとんど同時に、立ち止まった周一郎の背後から、とん、と男がぶつかる。当たられた周一郎が少しよろける、と、大波に持ち去られるように体を泳がせた少年は、不思議そうな表情で川面を覗き込み、やがて微かな安堵の顔になる。そして、欄干へと身を任せてそのまま…。
『周一郎っっっ!!』
続く意味を為さない喚き声をBGMに、周一郎の体がスロモーションで欄干を越える。カメラが第三者の視点に戻って喚き散らす滝の顔をアップにする。こちらもずぶ濡れになっている滝の顔に、新たな光が溢れて流れる。
「げ」
垣は思わず画面から目を背けた。
その前の修一の、欄干の向こうへ崩れる場面が詩的なほど整っているだけに、自分の顔のアップがどうにもこうにも仕方ないほどみっともない。涙だけじゃなくて鼻水まで出てるようにしか見えないなんて最悪だ。こんなものをアップにされて、観客も思わず目を伏せただろう。
思わず向きを変えて通りへ目を向けたとたん、ちょうど通りの向こうの歩道を、今画面の中で見たばかりの顔が過っていくのに気づく。
「へ?」
(周一郎? いや……修一、か)
一瞬の戸惑いはすぐに消えた。あれほど目立つキャラクターが、群衆の中でよくも誰にも気づかれずに擦り抜けていけると感心する。
修一は手にした紙切れらしいものを見ながら、ちょうど青に変わった信号に横断歩道を渡り始める。とほぼ同時に、信号無視か、1台の乗用車がブレーキ音を響かせながら横断歩道に突っ込んできた。驚きに立ち止まる歩行者、同様に修一も立ち止まり、突っ込んでくる車をただただ見つめている。その修一へ車はまっすぐに滑り込んでいく。
「っ!」「ああ!」「わぁっ!」
何人かの声が交錯した。立ち止まったはずの修一の体が、寸前、どん、と誰かに押されたように前へのめる。ぎょっとした顔で口を開いて振り向きながら、たたらを踏んで数歩前へ、修一が道路へ崩れる上に、近づいた乗用車が容赦なく飛びかかっていく。
相手もそうだったのだろう、部屋のインテリアにちらりと一瞥をくれた、その程度の視線を投げ、すぐに何か気がかりなことを思い出したのか、ドアをきちんと閉めた後、無言でソファの毛布を払い落として座る。
毎晩自分を温めてくれているそれが、ぐしゃりとゴミのように彼女の足下に落とされるのを眺め、修一は羽織りかけたジャケットを脱いだ。一瞬の戸惑いは胸の奥に押し込める。これもまた一つの演技と考えれば、動作は途切れることなく滑らかに続く。
母親の正面に腰を降ろし、小首を傾げて問いかけた。
「どうしたの、おかあさん」
「…」
相手は答えず、苛ついた仕草でセカンドバッグから煙草を取り出した。金と黒の細身のライターを取り出す時に、何かが絨毯の上に落ちたような気がしたが、雅子は気づかない。
「…紅茶、飲む?」
「いらないわ」
断るとは思ったが、つっけんどんな口調で雅子は修一の問いを撥ねつけた。そのまま苛々と煙草に火を点け、慌ただしく吸い始める。膝を上下に揺する仕草は何かに集中しようとしてしかねている癖だ。
(今は『炎の女』の録画撮りじゃなかったっけ)
雅子は時計を気にする様子はない。赤い唇に銜えた煙草を命綱のように忙しく吸い続ける。目の辺りに薄黒い隈があり、乱れた髪に片手を差し入れた表情は、いつもの華やかさを幾分欠けさせている。
(珍しいな)
たとえ修一の前であっても、雅子は勝ち気で激しい『女』の姿を崩すことはない。いつも圧倒的な勝者であること、それが彼女の信条だ。華やかで派手で鮮やかで。大輪の薔薇の花束に例えられるそのキャラクターは、実生活でも健在だ。なのに、今日は気怠げで、仕事の疲れではない、どこか老けた印象がある。
「…仕事、どうしたの」
「どうでもいいでしょう」
今度も雅子は修一のことばを叩き落とした。
「子どもがちょっとばかり仕事をしてるからって、親にそういう尋ね方をするもんじゃないわ」
「あ…うん」
(親、ね)
便利なことばだと思う。『親』と口にするだけで、産んだ以外の何かをしてくれたような気がする。もちろん、世の見識者は『産んでもらったことがありがたいんだ』と言うのだろうが、それが『自分のため』ではないという保証などない。
それにしても。
(何があったんだろう)
修一はそっと雅子を透かし見る。
この雰囲気は何だろう。修一に腹を立てているわけではない。修一のことなど意にも介していない。けれど、苛ついている、今にもヒステリックに叫びながら、物を投げてきそう。ああそうだ、殺気立っている。
(お母さんをこんなに苛々させる人なんて居たかな)
修一が今の収録に関わっているスタッフの顔を思い浮かべ始めた矢先、部屋の電話が鳴った。瞬間、まるで怪鳥のような素早さで、雅子はソファから飛び上がり突っ走り、電話の受話器を掴み取った。耳に当てるのももどかしく、一気にことばを吐き出す。
「もしもしっ、あたしですっ、えっ、ええ、そうよ、現金よ、すぐに…えっ」
壁を凝視した目が見開かれる。
「そんなの、今までの10倍じゃないっ…いいえっ! 欲しい、欲しいわ! わかった、いつもの所ね、8時に、ええ、きっと、とにかくもう、限界なの!」
悲鳴じみた声だった。懇願と哀訴がないまぜになった声、友樹雅子の、演技の中ではない現実の、これほど悲痛な声を今まで誰が聞いただろうか。
だが、受話器の向こうの人間はそれを重く受け止めなかったようだ。うろたえた様子で頭を振る雅子を見ていたように、微かな高笑いが響いた気がした。
がしゃん、と放り投げるように受話器を置いた雅子は、すぐにソファに取って返し、灰皿に放置した煙草を見向きもせず、セカンドバッグを掴んで身を翻す。
「おかあ」
「急いでるの! お金なら佐野に言いなさい!」
修一を振り返ることはなかった。部屋の中を駆け抜け、外へ飛び出していく。すぐにばんっ、と激しくドアが閉まる音が響き渡った。
「……何だろ…」
茫然と雅子を見送った後、のろのろとソファに戻り、燻っている煙草を押しつぶして消した修一は、真下に落ちているものに気づいた。
「…何か、落としていったね、『ると』」
『ると』は毛布と一緒に容赦なく転がされていたが、ちょうど寝そべった状態で落下物を眺めているような格好だ。
その視線に促されるように、修一は手を伸ばして丸く固いものを拾い上げた。
透明な小瓶だ。指先より少し太い。中に粉っぽいものが入っていたのか、内側はうっすらと白く曇っていて、底の方に薄青い細かな欠片のようなものがこびりついている。
「これ…? …っ!」
再び電話が鳴った。
「おかあさん?」
何か忘れたのだろうか。それとも修一にあまりにも邪険に当たり過ぎたと、冷静になって連絡をしてくれたのだろうか。
いそいそと受話器を取り上げる修一の耳に、粘りつくほど甘ったるい響きの声が囁いた。
『もしもし…わかるぅ? あたし、わ・か・こ。若子、よ』
「…番号をお間違えのようですが」
(またいたずら電話かよ)
佐野にきっちりしてもらわなくちゃ、と受話器を耳から離しかけたとたん、
『間違ってなんか、ないわぁ』
嘲笑うように声が応じて眉を寄せた。
『あなた、誰ぇ?』
「…どちら様でしょうか」
『あ、はぁん……修一くんだ? あの人の息子。そうでしょ』
(あの人?)
『ねえ、もう帰ってるぅ?』
脳裏を掠めた顔に修一は目を細めた。
「誰のことですか」
『決まってるじゃない、陽一よ、よ・う・い・ち。いないのぉ?』
隠してるんでしょう、と言いたげな含み笑いに吐息する。
「いません」
『嘘はだめよ。若子だって言ってくれれば、すぐにわかるわ、坊や』
「いないのに、伝えようがないでしょう」
周一郎ばりの冷ややかさだな、と思った。
『そう…残念。また掛けるけど……あなたでもいいわよお、修一くん、あたし、年下の子との相性もいいんだぁ、わりと体だって…」
がちゃんっ!
修一は受話器を叩きつけた。そのまま数秒、押さえつけている手から血の気が引くまで押さえ続ける。その分上った頭の熱を、唇を噛み締めて堪え、徐々に息を吐いて力を抜く。
「……わかこ、だってさ、『ると』」
ずきずきするのは頭か胸か、それともこの間切った指先か。
脳裏を過った別の顔に、思わずほう、と息をついた。
(垣さん)
くるりと向きを変え、修一はジャケットを羽織った。
外出時には高野か佐野に連絡するのがルールだったが、この分じゃ母親か父親かに佐野がついているだろう。ましてや、今のぎらぎらした顔を高野に見られるのは嫌だった。1人で歩いて、気を逸らしたい。
「垣さんを呼んでくるね」
転がっていた『ると』をそっと抱き上げ、ぽんぽんと埃を叩き、ソファに座らせる。雅子が踏みつけた毛布は洗濯籠に放り込み、新しい毛布を出してきて『ると』を包んでやった。
「大人しく留守番してろよ」
軽く片目をつぶって笑いかけ、部屋を出て行く。
「…」
垣は自室のドアを開け、電気をつけようとして、しばし思いとどまった。
部屋の中に人の気配がする。
(宮田だ)
こんなことを考えるのはあいつしかいない。また垣を脅かそうとしているのだ。
何があってもびっくりしないように、深呼吸を一つしてからスイッチに手を伸ばす。だが、今度はぴっとりとくる嫌らしい感触はない。
パチっ。
「よっ」
点いた灯の下で、こちらに向かって敬礼をした宮田を、垣はわなわな震えながら睨みつけた。宮田の手にはカップ・ラーメン、温かく湯気を上げているそれは、確か買い置きしてあった最後の一品……。
「もらったからな」
「お、の、れ、は、な…」
「ん?」
「食うなら電気つけて食え!」
垣の罵声に宮田はにっこりと笑う。
「いや、それがさ」
「何だ!」
「小さい頃、母親がラーメン嫌いでね」
何の関係がある、となおも睨みつける垣に、まあまあと手を振ってみせ、
「いつもこっそり食べるのに必死だったんだ」
「それで!」
「それで、押し入れの中でよく隠れて食べたんだよな」
「あー?」
「だから、暗い中で食わんとラーメンの気がしない」
「……」
ぐったりと思わず座り込む垣の肩を、宮田がポンポンと優しく叩きながら慰める。
「まあ、いつかいい日も来る…」
「おのれが消えりゃ、すぐに来るわい!」
がばっと起き上がる垣の目の前に、宮田は手帳に書いた人名を突き出した。
「あ?」
「読めるか?」
「…あ、ああ。友樹、雅子」
修一の母親、誰だって知っている大女優だ。
「何か知らんか?」
「何かって」
宮田は垣に質問を投げたまま、元の場所に座り直し、放置したラーメンを啜り出す。ずるずるずるっと、お世辞に品がいいとは言えない音が狭い部屋に響いた。
「この前、修一と一緒には暮らしてないって言ったよな、宮田」
ずるずるっ。
「それから、今、『炎の女』の録画撮り中で…」
ずるるっ。
「後はそう…」
ずるるるるっっ。
「ええい、やめんか、このっ!」
尋ねたんなら人の話をちゃんと聞けっ、そう怒鳴った垣を、宮田はそよ風が吹いた程度にも感じない顔で見上げた。
「それじゃ、一緒に暮らしてないって事しか、わかんないのか、お前は」
「ま…まあ…」
ごくごくごくごく、ぷはっ。
「それで、父親の方もそこにはいない、と」
ちっちっち、と面倒くさそうに舌を鳴らす。
「うん、修一は大抵一人だと言ってた」
事実、あの部屋にはほとんど人が暮らしている気配がなかった。ダイニングキッチンにも、調味料とか洗剤とか、そういうものは一切なかったし。
「ったく……あんまり手がかりにならんなあ」
ほんとに使えない男だな、お前は。
宮田は深々と溜め息をつきながら首を振る。
「お前、修一と一緒に暮らせ」
「は?」
「お前のケーアイする友樹陽一にも会えるかも知れんぞ」
「やめてくれ、修一のご機嫌取りをずっとやらせる気か?」
そのうち絶対胃に穴が開くに決まってる。
「俺は困らない」
「当たり前だろうが!」
平然とした顔の宮田を罵って、垣は腰を降ろす。
「でも、どうしてそんなに友樹に拘る?」
「新聞、ないのか」
「話を逸らすな!」
「逸らしとらん」
空になったラーメンの容器を放り出し、宮田は部屋の中を見回した。
「ほんっとに何にもない部屋だな」
「…時計を勝手に質にいれたのは誰だ?」
「あれは驚いたな、あんなものでも質草になるとは」
「誰だって聞いてる!」
「俺だぞ。何か言いたいのか?」
心底に不思議そうに真顔で見返す宮田に、垣はひらひらと手を振った。
「わかった、話を続けてくれ」
「新聞があれば話しやすいんだが……おっと、署に戻らんと」
「食い逃げさせるか!」
ひょいと立ち上がる宮田に、垣は慌てて立ち上がった。構わず部屋を出て行こうとする宮田を追う。
「だからだなー……お前、ほんとに知らんわけ?」
「オレは警察じゃない」
「俺だって『警察』じゃないぜ、俺は『刑事』」
「!!!!!」
「わかったわかった。最近、芸能人の間にかなりのヤクが出回っているのは知ってるか?」
「まあ…何となく」
「ふん」
宮田は牛乳ビン底眼鏡を押し上げ、開いたドアから通りを見渡し、少し声を低めた。
「それで、ウチの方でも薬の販売ルートを洗ってるんだが、ある売人がヤクをかなりな高値で売りさばいている組織があるってゲロした。大きな声じゃ言えないが、綾野コンツェルンってあるよな?」
「ああ、あの『皆様のアヤノ、アヤノ産業でございます』ってやつ」
「そう、『お子様に夢を与えるアヤノ玩具、豊かな食生活を築くアヤノ食品グループ、よりよい生活をエンジョイするお手伝いをさせて頂くアヤノレジャー・センター、アヤノ総合株式会社、明日をお約束するアヤノ…』」
「いいかげんにしろ」
「ほいほい、と。ま、その綾野コンツェルンが裏で覚醒剤を流通させているという情報を手に入れた。他にも、芸能界の薬使用者、つまり上得意様、を漏らしたんだが、その中に友樹雅子の名前があった」
「まさか!」
「声が大きいぞ」
「だって、あの人がそんなことするわけが…」
茫然とする垣に、宮田は悪魔的な笑みを浮かべてみせる。
「君は人間を信じ過ぎてるよ、『滝君』」
「ぐっ」
身を翻してドアを擦り抜けていく宮田を、それとなく垣は追いかけた。まだ何か話してくれそうな気もしたからだが、それきり宮田は黙ったまま、垣も話の接ぎ穂を見つけられないまま、二人で通りを歩いていく。
「お」
ふいに宮田が立ち止まり、垣を振り返って映画館前のTV画面の予告編を示す。現在上映中の映画、というやつだ。
「ほら、やってるぜ」
「…ああ」
映し出されていたのは『京都舞扇』の一場面だった。
ちょうど、清に、良紀と京子の死が周一郎のせいではないかと疑われ、落ち込んだ周一郎が雨の中を一人歩いていく場面だ。画面が白く見えるほど叩きつける雨の激しさも一切感じていないかのように、周一郎は淡々と歩いている。通りすがりの子どもが、傘の下から訝しげな顔で周一郎を見上げていく。
と、画面が切り替わって、垣が傘を片手に雨の中を走っている場面になった。
「でたでた」「よせよ」
嬉しげにぱちぱちと手を叩きかける宮田を制し、気恥ずかしさに落ち着かない思いをしながらも、垣は画面に見入った。
『周一郎!』
画面の中の垣ーー滝志郎が、周囲を見回しながら走っている。子どもに尋ね、不安げな顔で振り返り振り向き、それでも何かに引きずられるようにまっすぐに。
いよいよ京都ロケの松尾橋のシーンだ。カメラは滝の視点になっている。遠くに霞む小さな人影、はっとして駆け寄ったような急なズーム・アップ、前方の人影が振り返る。小柄な少年の姿、雨に穿たれ砕かれそうな脆い気配、た・き・さ・ん、と唇が動いたが、白く凝った表情は生気がない。
ふいに、周一郎は唇を綻ばせた。
髪が張りつく濡れた顔、微かに細められた瞳が描く気弱な笑み。その笑みを見た誰もが思うだろう、こいつは誰だ、と。何かの異変を感じる、極めて鋭い危うい均衡。
『周一郎っ!』
はっとしたような画面の外から響く滝の声は、観客の心の代弁だ。その声とほとんど同時に、立ち止まった周一郎の背後から、とん、と男がぶつかる。当たられた周一郎が少しよろける、と、大波に持ち去られるように体を泳がせた少年は、不思議そうな表情で川面を覗き込み、やがて微かな安堵の顔になる。そして、欄干へと身を任せてそのまま…。
『周一郎っっっ!!』
続く意味を為さない喚き声をBGMに、周一郎の体がスロモーションで欄干を越える。カメラが第三者の視点に戻って喚き散らす滝の顔をアップにする。こちらもずぶ濡れになっている滝の顔に、新たな光が溢れて流れる。
「げ」
垣は思わず画面から目を背けた。
その前の修一の、欄干の向こうへ崩れる場面が詩的なほど整っているだけに、自分の顔のアップがどうにもこうにも仕方ないほどみっともない。涙だけじゃなくて鼻水まで出てるようにしか見えないなんて最悪だ。こんなものをアップにされて、観客も思わず目を伏せただろう。
思わず向きを変えて通りへ目を向けたとたん、ちょうど通りの向こうの歩道を、今画面の中で見たばかりの顔が過っていくのに気づく。
「へ?」
(周一郎? いや……修一、か)
一瞬の戸惑いはすぐに消えた。あれほど目立つキャラクターが、群衆の中でよくも誰にも気づかれずに擦り抜けていけると感心する。
修一は手にした紙切れらしいものを見ながら、ちょうど青に変わった信号に横断歩道を渡り始める。とほぼ同時に、信号無視か、1台の乗用車がブレーキ音を響かせながら横断歩道に突っ込んできた。驚きに立ち止まる歩行者、同様に修一も立ち止まり、突っ込んでくる車をただただ見つめている。その修一へ車はまっすぐに滑り込んでいく。
「っ!」「ああ!」「わぁっ!」
何人かの声が交錯した。立ち止まったはずの修一の体が、寸前、どん、と誰かに押されたように前へのめる。ぎょっとした顔で口を開いて振り向きながら、たたらを踏んで数歩前へ、修一が道路へ崩れる上に、近づいた乗用車が容赦なく飛びかかっていく。
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