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6.闇を見るもの
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瑞穂がその女性に気がついたのは、周囲の温かな雰囲気から外れて、彼女だけがあまりにも疲れ切った顔で席に座っていたせいだ。
よく見ると、斜め左前の席でぽつんと一人、せっかく注文したのにトレーの上に乗せたハンバーガーを食べるわけでもない、それでも異様な熱心さで、指がケチャップで汚れるのもかまわずに、一口ぐらいの小さな塊にちぎり続けている。
その塊が、誰も座っていない女性の前の席に次々と並べられていくのを見て、瑞穂はふいに心臓をぎゅっとつかまれた気がした。
(子どもがいる?)
現実にはそこに子どもは座っていない。
けれども、瑞穂には、あの女性の前の席に、ハンバーガーを一口で食べられないぐらいの、けれど全部食べたいと言い張ってだだをこねているような子どもが一人、女性を見上げながら座っているような気がしたのだ。
女性は薄いブラウスよりもなお薄い体をしていた。地味な茶色のスカートは座りじわがついている。猫背に見えるほど屈めた背筋とぐったりした気配、それでもパンをちぎるほどになぜかほんわりと温かく、優しく淡くほほ笑んでいく表情になる。それが妙な違和感を感じさせた。
なおも女性の様子をじっと眺めて、瑞穂は気がついた。
その女性は、目の前の幻の子どもに話しかけたそうなのに、何だかそれができないみたいなのだ。
周囲を気にしているのではない。かと言って、既に自分だけの世界で生きているふうでもない。
自分の生きている現実の世界と、幻の子どもがいるどこかの世界の境を、踏み越えたくて踏み越えそこねてためらっている、そんな感じがある。
「また、来てるよ、あの人」
瑞穂の耳に微かなささやきが届いてきた。
すぐ後ろのテーブルを拭いたアルバイトらしい女の子が、カウンターの中へ戻ったとたん、こそこそと仲間うちでささやきあっている。
「ずっとだよね、気味が悪いな」
「食べないのかな、ああやって、バーガーちぎってるし」
「必ずきちんと片付けて帰るもんね。騒ぐわけじゃないし、お金も払うし。追い出す理由、ないよね?」
「でも、気味悪いよお」
(ああ、そうか、ずっと、そうなのか)
瑞穂はうなずいた。
やはり、自分の生きている現実を認識しながら、それでも何かの境を越えたところのものと交信しようとしているのだ。けれど、そこが越えられなくて、彼女はずっとあそこで待っている、その最後の一押しをしてくれる人を。
そして、それはきっと、瑞穂にほかならないのだろう。
(でも)
瑞穂はなおもためらった。
もし、そうではなかったら?
瑞穂のこの考えは単なるひとりよがりの妄想で、瑞穂が何かアクションを起こすことで、実は女性に取り返しのつかない変化をもたらしてしまい、それが彼女を、いや、彼女を含む世界を粉々に砕いてしまうことになってしまったら?
(やっぱり、やめておこう)
むやみにおせっかいを繰り返し、傷ついたり傷つけられたりするのは、長部のことだけで十分だ。
それでなくても、瑞穂はもう家族を失っている。万が一の間違いは、今度こそ瑞穂自身が居られる場所を根こそぎつぶしていくだろう。
(きっと、私じゃなくても、もっと力のある誰かがやってくれる。あの人の見えているものを、私よりうまくわかってあげられる誰かがきっと、あたしよりもっとうまく、あの人に納得させてあげられる)
瑞穂は食べ終わった包みやコップをまとめて片付けた。トレーを持ち上げ、テーブルから立ち上がり、女性に背中を向けて通り過ぎていこうとする。
その瞬間、
「とおる…ごめんねえ」
小さな掠れた声が女性の唇からこぼれ落ちた。
(この人は、傷ついている)
瑞穂は雷か何かに打たれたように動けなくなった。
頭の中に、『グリーン・アイズ』の顔と声が激しく点滅する。そこに重なったのは、あの炎の夢だ。
(私は何を怯んでるんだ?)
瑞穂はきつく唇を噛んだ。そのまま進んで、カウンターへ近寄る。
「あの、オレンジジュース下さい」
「あ、はい」
瑞穂の声に慌てたようにジュースを差し出す相手に、にこりと笑って見せる。
(もう、後なんてなかったのに、何を失うって怯えてる?)
追加したオレンジジュースを手にして、瑞穂は席に戻った。
ただし、さっきの席ではなくて、うつむきかげんにハンバーガーをちぎり続けている女性の側に近づいて行く。
視界の端で、「ねえ、ちょっと見てよ」「あれ、何する気?」とささやきながら、カウンターの女の子達が互いにつつきあっているのを感じながら、
「すみません、ここよろしいですか?」
できるだけ静かに穏やかに、相手に警戒心を起こさせないように話しかける。
「はい、あの?」
女性が思ったよりもしっかりとした目で、瑞穂を見上げた。
瑞穂が自分の正面の席ではなくて、その横を指さしているのに、不安そうに周囲を見回して、おずおずと断ろうとする。
「あの、他にもお席があいてますが」
「ええ、邪魔はしません」
瑞穂はじっと相手を見ながら応じた。
(さあ、もう一歩)
少し息を吸い、低くささやく。
「お子さんに食べさせてあげて下さい」
女性は表情を止めた。
呼吸も動きも止めた。
そのまま食い入るように、瑞穂を見上げている。
やがて、
「見えるんですか?」
瑞穂の声よりもっと微かなささやき声で、女性はつぶやいた。
「見えるんですね?」
「よろしいですか?」
瑞穂が繰り返し、女性はようやく瑞穂がずっと立ったままなのに気づいて、うろたえたようにうなずいた。
「ええ、はい、はい、ああ、もちろん、どうぞ」
「ありがとう」
瑞穂は吐息をつきながら席に腰を下ろした。
(まずは一段階)
ゆっくりとオレンジジュースを吸い上げていく。
女性はとりあえず瑞穂を拒まなかったし、幸先はいい。
体の奥に意識を集め、『気配』に深くアクセスし、呼びかける。
(お願い、助けて、導いてね)
『気配』が泉を開いて、その水面を澄み渡らせる。瑞穂はその水面をゆっくりとのぞき込んでいく。
女性は少しためらっていたが、瑞穂がそれ以上話しかけもしないし、何もしようとしないとわかると、一度やめていたパンをちぎる動作を再び始めた。
一口、一口、丁寧にちぎって、そうっと並べていく。早すぎないように、遅すぎないように、心を込めて、とても大切に。
瑞穂はときどきそちらを見た。不安そうに見返す女性にうなずき、ただ彼女の動作を見守った。
けれど、何も言わなかった。
『気配』は言うなと命じていた。
ただ見守るだけでいい、それ以上でもそれ以下であってもいけないのだ、と。
瑞穂は忠実にその声に従った。
「おかしなことをしている、と思われているのでしょうね」
そう女性が唐突につぶやいた。
いつのまにかパンをちぎるのをやめて、じっと目の前の席を眺めている。
瑞穂は答えなかった。
「それとも、あなたには、本当に息子が見えてるんですか?」
この問いは難しい、と瑞穂は思った。『気配』に導きを頼む。
『気配』は静かに首を振った。ウソはよくない、と応じてくれた。
「いいえ」
「そう、でしょうね」
女性は明らかにほっとして、瑞穂を見返した。
「でも、あなたは子どもがいるとおっしゃった。なぜです」
「そう思ったからです」
「誰もいない席にパンをちぎって並べるなんて、おかしなことでしょう?」
問いではなくて挑戦的な声音だった。
瑞穂は黙った。
「頭がどうかしてるんだと思ってるんですか。かわいそうな人だからと? 宗教か何かをすすめようとしてるんですか? 私は何にもすがりませんよ」
女性は少し語気を強めた。射るような目で瑞穂を見る。瑞穂はうなずいた。
「ええ、わかってます」
「同情なら要りません」
「同情じゃありません」
「霊だのは信じてません」
「かまいません」
ことばを繰り返しやりとりしていく間に、女性と瑞穂の間に不思議なリズムと間合いが生まれていく。
「では、なぜ」
「それが、あなたに必要だから」
瑞穂の答えに、初めて女性は戸惑った顔になった。
「私に?」
「必要だからしてるんでしょう? だから、私はあなたがそれを終われるように、ここで見てるんです」
「私に、必要……」
女性は再び黙った。
瑞穂はゆっくりジュースを含んだ。
ジュースの甘酸っぱい味をじっくり味わう。女性の沈黙をジュースの味に重ねるように感じ取ろうとする。
(そう、これは痛みだ)
泉の波紋がそう広がった。
(甘酸っぱくて、不十分な自分の力、失ってしまったものへの憧憬、けれど、もうここでは止まっていられないと、この人にも私にもわかっている)
「私に必要……? 終われるように待っている…」
女性は瑞穂のことばを繰り返して、そこに答えが書かれているように、じっとテーブルの上の並んだパンを見つめた。女性の中で緊張の糸がきりきりと引き絞られていくのが耳に聞こえてくるようだ。
やがて、女性はあきらめたようにゆっくりと肩を落とした。
「とおる、というのは息子です。私の息子、今、幼稚園の年長です」
静かな声がつぶやいた。
「いつも、ここのハンバーガーが大好きで、よく食べに来ました。一個丸まる食べられないのに、絶対今度は食べられるって一個買ってってねだるんです。私、よく怒りました。残すからって。でも、いつも結局負けて、ハンバーガー買ってしまうんです。食べ切れなくなって、お腹が一杯になると、こうやって一口ずつにちぎって食べてました。約束したからねって。絶対食べるからねって。それでも、いつも、食べ切れなくて」
女性はほほ笑んだ。
「ほんとにいつも困らせられてばかり。やんちゃして、毎日走り回って、笑って怒って泣いてだだこねて。幼稚園のお友達を泣かせたり、大事なものを壊したりして、私は謝ってばかり。何だか目が回るほど忙しくて、疲れてました、毎日」
女性はふと何かを思いついたように、トレーの端に載っていた紙ナプキンをテーブルに広げた。
膝の上に置いていたらしい、黒い小さな革のバッグから、同じようにこじんまりとしたシステム手帳を取り出し、中からボールペンを抜き取る。
それから、ナプキンのしわを延ばして、そこに幾本もの線を交差させ、話しながら描き出した。
「この近くに住んでいたんです。ここがとおるの通っている幼稚園、ここがお友達のさっくんのところ、ここがお気に入りのスーパーで、ここにだけ、とおるの好きな合体ロボットのおまけがいつもあるんです」
瑞穂はナプキンをのぞき込んだ。
相手はその瑞穂の動きに対してもナプキンを引き寄せたり隠そうとしたりはしない。あからさまに誘われなくても、これは瑞穂への説明なのだと感じた。
「ここが絵本を借りる図書館で、ここがいつものぞいていくおもちゃ屋で、ここがよく行く公園で、そして、ここが、あの人の家」
唐突に女性のペンの動きが止まった。
目をまっすぐ上げて、どこか遠くを、ここではないどこかの景色を見ている。
「私達、別れたんです」
女性はそっと付け加えた。
「私はとても疲れてて、とおるのことで手一杯で、あの人はそんな家に飽きていたの、知ってました。だんだん帰りが遅くなって、日曜日も土曜日も会社の用事で出掛けるようになってました」
虚ろで疲れた声だった。落ちてきた髪をのろのとかきあげながら、改めてその荒れに気づいたように指を見つめて、けれどすぐに目をそらし、女性は小さく笑った。
「それでも、私はよかったんですよ。とおるのことで疲れてたし、何だかもう、あの人が居ない方が家の中をうまくやれるようになってたし」
一瞬ことばを切って、相手はかたい声で継ぎ足した。
「あの人も別の誰かがいればよかったからようだから」
しばらくそのままで下唇を噛んでいたが、やがて思い直したように、女性は再びナプキンの地図を書き加え始めた。
「別れたとき、私には職がなくて、とおるはあの人が引き取って。でも、何とか仕事を見つけたら、絶対迎えにいくつもりでした。とおるだって、むかいにきてね、って言ってたもの。だから、仕事が決まって初めてのお給料もらって、あの人の家にいくのはいやだったから、直接幼稚園に迎えにいったんです、前みたいに、自転車で」
女性は何か込み上げたものを飲み込むようにことばを切った。一瞬目を閉じ、きっとした表情でもう一度前を見据える。
「そしたら、幼稚園にきてないって言うんです、もう一週間も」
女性の口調に激しいものが混じって、瑞穂は緊張した。何かが始まっている。何か女性にとって大切なポイントが今このときだ。
改めてナプキンの上に丁寧に書かれた地図を見る。
(どこかで、見たような形だ)
大きな通りが二本、囲みの外ですぐに交わるような急な傾きをもって描かれている。それを囲むように交差していく通りが何本か走っていて、女性が説明したいろいろな店は全て、その囲まれた線の中に細かく書き込まれている。
これがただの地図ではないことは確かだ。
この女性は、自分が直接ことばにできない何かをこれで伝えようとしたはずだ。
それが、とおるという子どもについてのことなのは、彼のことが全てここに書き込まれていくように思えるほどの細かさからもわかる。
(けれど、何を?)
そう、胸の奥に問いかけたとたん、『それ』が見えた。
(あ)
瑞穂の体から血の気が引いていく。
それと一緒に、女性がとおるという少年が見えるのか見えないのかにこだわったことや、何にもすがらないといった強い口調がよみがえった。
(知ってる?)
瑞穂が思わず顔を上げると、彼女をじっと見守っていたような女性の視線とぶつかった。
まっすぐな、悲しみに満ちた目だった。
「一週間も幼稚園に来てない、風邪をこじらせて肺炎になったってあの人から連絡があったって言うんです。でも、違います。そんなことじゃ、ありません」
とおる、ごめんねえ。
女性のつぶやきが急に切実な響きで瑞穂の胸を圧迫した。
(気づいている、知っているんだ。だから、ハンバーガーを食べさせにきた、それを認めたくなくて。それを認めるために、誰かに背中を押してほしくて)
瑞穂は目を閉じ、胸でこぶしを握って傷みに耐えた。それから、目を開き、改めて精一杯にっこり笑って答える。
「いっぱい、あるんですねえ」
「はい」
一瞬目を見開いた女性は、瑞穂の笑みにつられたように唇を上げた。まるで天上の裁決を待つような笑み、きれいな弧を描いてつりあがった唇が細かく震えている。
「いっぱい、あったんです」
訴えるように付け加えた。
「そうですよねえ」
瑞穂は深くうなずいた。
「じゃあ、もう行ってあげなくては」
続けたことばに女性はびくっと体を大きく震わせた。
「行っても……構いませんか?」
必死の顔で瑞穂に尋ねる。
「私、あの子のこと、ほうり出したんです。でも、行っても構いませんか?」
「はい、だって」
瑞穂は詰まりかけた声を飲み込み、深く息を吸い込んだ。
これから言うことばの効果も残酷さも十分わかっている。でも、私がこれを言わなくてはならないんだ、と胸の中で繰り返す。
(それが『気配』が望むことならば)
「とおるくん、むかいにきてねって言ったんでしょう?」
「…!」
いきなり、女性の目から涙が吹きこぼれた。ぱたぱたぱた、とテーブルに広げられたナプキンの地図に、花模様にも見える跡が散っていく。
「とおるくん、待ってます」
「待って、ますか?」
「ええ、だって、おかあさんだもの」
「そう、そうですよね、ええ、はい、行きます、私」
女性は言い切ると急に立ち上がった。革のバッグをつかみ、ふいに体の中心に強い力の入った姿勢になって瑞穂を見下ろし宣言する。
「何があっても、とおるを迎えに行ってきます。あの人が拒むなら、ええ、はい、警察でも何でも使います、どんな手だって、どんな手だって…!」
まるで、激しい風に煽られ押されて行くように、女性は席を離れた。急ぎ足で、ついにはほとんど駆け足で、バーガーショップを飛び出して行く。
その後ろ姿を見送って瑞穂は重く苦しいため息をついた。
「あの…」
呼びかけられて振り返ると、店員が不安そうに瑞穂とテーブルの上のパン、ナプキンに書きなぐられたような地図をかわるがわる見ている。
「何か問題でも」
「ああ、大丈夫です、終わったから」
「そう、ですか?」
不審げに後ろを振り返りながら離れていく相手に安心させるように少し笑って、破かないようにもう一度ナプキンを広げ、瑞穂はゆっくりと向きを変えて置いた。
交差した線はナプキンの中央、彼女があの人の家、と言った場所を中心にして、四角で囲まれているように見える。その四角は上の辺を斜めに過る二本の線に区切られている。
それはみんながよく知っている形だ。
この世に別れを告げるためのほほ笑みを封じ込めるもの、葬式のときに飾る遺影の形なのだ。
(ううん、これは、あの人の『気配』がよこした合図)
たぶん、彼女の一人息子は何かの原因で、もう死んでしまっているのだ。
それがどうやら、病気だと幼稚園に偽っている彼女の夫のせいらしいこと、それを彼女が薄々感じていることもわかる。
そして、それを彼女は全て自分のせいだと責めている。
自分が夫と別れなければ、そして、自分が子どもを引き取っていれば、こんなことにはならなかったはずだ、と思っているのだ。
そして、彼女はそこから動けなくなってしまった。
自分の罪悪感と『気配』が知らせる予感、それらと奇妙な一致を見せる現実の符号の前で、何をどう考えればいいのかわからなくなってしまったのだ。
それを一つのつながりで、何かの意味を読み取るもの、同じ合図を示すものとして構成して考えるためには、彼女の居る世界からはみ出た視点が必要だった。
瑞穂はナプキンを折り畳んで、ポケットに入れ、パンとジュースのコップ、置きざられたトレーを片付けて店を出た。
外はもう薄暗くなっている。その中を、静かに足を忍ばせて、ナプキンに書かれた場所に向かう。
本当は当たってほしくない。
瑞穂の感覚は的外れの妄想で、あの女性がオカルトおたくのとんでもない女子高校生にからかわれたと怒りながら、とおるの手を引いて歩いてきてほしい。
だが、そちらへ歩く瑞穂の耳にぎりぎりと神経を逆なでするようなパトカーのサイレンの音が響いてきていた。
瑞穂の真横を白と黒のツートンカラーの車が、先に待っている運命の結末を叫ぶように走って行く。夜の団らんに静まり返るはずの少し先の住宅街から、奇妙な不安なざわめきが広がってくる。
「とおるーっ! いやーっ!」
悲鳴のような叫びが夜を貫いた。
よく見ると、斜め左前の席でぽつんと一人、せっかく注文したのにトレーの上に乗せたハンバーガーを食べるわけでもない、それでも異様な熱心さで、指がケチャップで汚れるのもかまわずに、一口ぐらいの小さな塊にちぎり続けている。
その塊が、誰も座っていない女性の前の席に次々と並べられていくのを見て、瑞穂はふいに心臓をぎゅっとつかまれた気がした。
(子どもがいる?)
現実にはそこに子どもは座っていない。
けれども、瑞穂には、あの女性の前の席に、ハンバーガーを一口で食べられないぐらいの、けれど全部食べたいと言い張ってだだをこねているような子どもが一人、女性を見上げながら座っているような気がしたのだ。
女性は薄いブラウスよりもなお薄い体をしていた。地味な茶色のスカートは座りじわがついている。猫背に見えるほど屈めた背筋とぐったりした気配、それでもパンをちぎるほどになぜかほんわりと温かく、優しく淡くほほ笑んでいく表情になる。それが妙な違和感を感じさせた。
なおも女性の様子をじっと眺めて、瑞穂は気がついた。
その女性は、目の前の幻の子どもに話しかけたそうなのに、何だかそれができないみたいなのだ。
周囲を気にしているのではない。かと言って、既に自分だけの世界で生きているふうでもない。
自分の生きている現実の世界と、幻の子どもがいるどこかの世界の境を、踏み越えたくて踏み越えそこねてためらっている、そんな感じがある。
「また、来てるよ、あの人」
瑞穂の耳に微かなささやきが届いてきた。
すぐ後ろのテーブルを拭いたアルバイトらしい女の子が、カウンターの中へ戻ったとたん、こそこそと仲間うちでささやきあっている。
「ずっとだよね、気味が悪いな」
「食べないのかな、ああやって、バーガーちぎってるし」
「必ずきちんと片付けて帰るもんね。騒ぐわけじゃないし、お金も払うし。追い出す理由、ないよね?」
「でも、気味悪いよお」
(ああ、そうか、ずっと、そうなのか)
瑞穂はうなずいた。
やはり、自分の生きている現実を認識しながら、それでも何かの境を越えたところのものと交信しようとしているのだ。けれど、そこが越えられなくて、彼女はずっとあそこで待っている、その最後の一押しをしてくれる人を。
そして、それはきっと、瑞穂にほかならないのだろう。
(でも)
瑞穂はなおもためらった。
もし、そうではなかったら?
瑞穂のこの考えは単なるひとりよがりの妄想で、瑞穂が何かアクションを起こすことで、実は女性に取り返しのつかない変化をもたらしてしまい、それが彼女を、いや、彼女を含む世界を粉々に砕いてしまうことになってしまったら?
(やっぱり、やめておこう)
むやみにおせっかいを繰り返し、傷ついたり傷つけられたりするのは、長部のことだけで十分だ。
それでなくても、瑞穂はもう家族を失っている。万が一の間違いは、今度こそ瑞穂自身が居られる場所を根こそぎつぶしていくだろう。
(きっと、私じゃなくても、もっと力のある誰かがやってくれる。あの人の見えているものを、私よりうまくわかってあげられる誰かがきっと、あたしよりもっとうまく、あの人に納得させてあげられる)
瑞穂は食べ終わった包みやコップをまとめて片付けた。トレーを持ち上げ、テーブルから立ち上がり、女性に背中を向けて通り過ぎていこうとする。
その瞬間、
「とおる…ごめんねえ」
小さな掠れた声が女性の唇からこぼれ落ちた。
(この人は、傷ついている)
瑞穂は雷か何かに打たれたように動けなくなった。
頭の中に、『グリーン・アイズ』の顔と声が激しく点滅する。そこに重なったのは、あの炎の夢だ。
(私は何を怯んでるんだ?)
瑞穂はきつく唇を噛んだ。そのまま進んで、カウンターへ近寄る。
「あの、オレンジジュース下さい」
「あ、はい」
瑞穂の声に慌てたようにジュースを差し出す相手に、にこりと笑って見せる。
(もう、後なんてなかったのに、何を失うって怯えてる?)
追加したオレンジジュースを手にして、瑞穂は席に戻った。
ただし、さっきの席ではなくて、うつむきかげんにハンバーガーをちぎり続けている女性の側に近づいて行く。
視界の端で、「ねえ、ちょっと見てよ」「あれ、何する気?」とささやきながら、カウンターの女の子達が互いにつつきあっているのを感じながら、
「すみません、ここよろしいですか?」
できるだけ静かに穏やかに、相手に警戒心を起こさせないように話しかける。
「はい、あの?」
女性が思ったよりもしっかりとした目で、瑞穂を見上げた。
瑞穂が自分の正面の席ではなくて、その横を指さしているのに、不安そうに周囲を見回して、おずおずと断ろうとする。
「あの、他にもお席があいてますが」
「ええ、邪魔はしません」
瑞穂はじっと相手を見ながら応じた。
(さあ、もう一歩)
少し息を吸い、低くささやく。
「お子さんに食べさせてあげて下さい」
女性は表情を止めた。
呼吸も動きも止めた。
そのまま食い入るように、瑞穂を見上げている。
やがて、
「見えるんですか?」
瑞穂の声よりもっと微かなささやき声で、女性はつぶやいた。
「見えるんですね?」
「よろしいですか?」
瑞穂が繰り返し、女性はようやく瑞穂がずっと立ったままなのに気づいて、うろたえたようにうなずいた。
「ええ、はい、はい、ああ、もちろん、どうぞ」
「ありがとう」
瑞穂は吐息をつきながら席に腰を下ろした。
(まずは一段階)
ゆっくりとオレンジジュースを吸い上げていく。
女性はとりあえず瑞穂を拒まなかったし、幸先はいい。
体の奥に意識を集め、『気配』に深くアクセスし、呼びかける。
(お願い、助けて、導いてね)
『気配』が泉を開いて、その水面を澄み渡らせる。瑞穂はその水面をゆっくりとのぞき込んでいく。
女性は少しためらっていたが、瑞穂がそれ以上話しかけもしないし、何もしようとしないとわかると、一度やめていたパンをちぎる動作を再び始めた。
一口、一口、丁寧にちぎって、そうっと並べていく。早すぎないように、遅すぎないように、心を込めて、とても大切に。
瑞穂はときどきそちらを見た。不安そうに見返す女性にうなずき、ただ彼女の動作を見守った。
けれど、何も言わなかった。
『気配』は言うなと命じていた。
ただ見守るだけでいい、それ以上でもそれ以下であってもいけないのだ、と。
瑞穂は忠実にその声に従った。
「おかしなことをしている、と思われているのでしょうね」
そう女性が唐突につぶやいた。
いつのまにかパンをちぎるのをやめて、じっと目の前の席を眺めている。
瑞穂は答えなかった。
「それとも、あなたには、本当に息子が見えてるんですか?」
この問いは難しい、と瑞穂は思った。『気配』に導きを頼む。
『気配』は静かに首を振った。ウソはよくない、と応じてくれた。
「いいえ」
「そう、でしょうね」
女性は明らかにほっとして、瑞穂を見返した。
「でも、あなたは子どもがいるとおっしゃった。なぜです」
「そう思ったからです」
「誰もいない席にパンをちぎって並べるなんて、おかしなことでしょう?」
問いではなくて挑戦的な声音だった。
瑞穂は黙った。
「頭がどうかしてるんだと思ってるんですか。かわいそうな人だからと? 宗教か何かをすすめようとしてるんですか? 私は何にもすがりませんよ」
女性は少し語気を強めた。射るような目で瑞穂を見る。瑞穂はうなずいた。
「ええ、わかってます」
「同情なら要りません」
「同情じゃありません」
「霊だのは信じてません」
「かまいません」
ことばを繰り返しやりとりしていく間に、女性と瑞穂の間に不思議なリズムと間合いが生まれていく。
「では、なぜ」
「それが、あなたに必要だから」
瑞穂の答えに、初めて女性は戸惑った顔になった。
「私に?」
「必要だからしてるんでしょう? だから、私はあなたがそれを終われるように、ここで見てるんです」
「私に、必要……」
女性は再び黙った。
瑞穂はゆっくりジュースを含んだ。
ジュースの甘酸っぱい味をじっくり味わう。女性の沈黙をジュースの味に重ねるように感じ取ろうとする。
(そう、これは痛みだ)
泉の波紋がそう広がった。
(甘酸っぱくて、不十分な自分の力、失ってしまったものへの憧憬、けれど、もうここでは止まっていられないと、この人にも私にもわかっている)
「私に必要……? 終われるように待っている…」
女性は瑞穂のことばを繰り返して、そこに答えが書かれているように、じっとテーブルの上の並んだパンを見つめた。女性の中で緊張の糸がきりきりと引き絞られていくのが耳に聞こえてくるようだ。
やがて、女性はあきらめたようにゆっくりと肩を落とした。
「とおる、というのは息子です。私の息子、今、幼稚園の年長です」
静かな声がつぶやいた。
「いつも、ここのハンバーガーが大好きで、よく食べに来ました。一個丸まる食べられないのに、絶対今度は食べられるって一個買ってってねだるんです。私、よく怒りました。残すからって。でも、いつも結局負けて、ハンバーガー買ってしまうんです。食べ切れなくなって、お腹が一杯になると、こうやって一口ずつにちぎって食べてました。約束したからねって。絶対食べるからねって。それでも、いつも、食べ切れなくて」
女性はほほ笑んだ。
「ほんとにいつも困らせられてばかり。やんちゃして、毎日走り回って、笑って怒って泣いてだだこねて。幼稚園のお友達を泣かせたり、大事なものを壊したりして、私は謝ってばかり。何だか目が回るほど忙しくて、疲れてました、毎日」
女性はふと何かを思いついたように、トレーの端に載っていた紙ナプキンをテーブルに広げた。
膝の上に置いていたらしい、黒い小さな革のバッグから、同じようにこじんまりとしたシステム手帳を取り出し、中からボールペンを抜き取る。
それから、ナプキンのしわを延ばして、そこに幾本もの線を交差させ、話しながら描き出した。
「この近くに住んでいたんです。ここがとおるの通っている幼稚園、ここがお友達のさっくんのところ、ここがお気に入りのスーパーで、ここにだけ、とおるの好きな合体ロボットのおまけがいつもあるんです」
瑞穂はナプキンをのぞき込んだ。
相手はその瑞穂の動きに対してもナプキンを引き寄せたり隠そうとしたりはしない。あからさまに誘われなくても、これは瑞穂への説明なのだと感じた。
「ここが絵本を借りる図書館で、ここがいつものぞいていくおもちゃ屋で、ここがよく行く公園で、そして、ここが、あの人の家」
唐突に女性のペンの動きが止まった。
目をまっすぐ上げて、どこか遠くを、ここではないどこかの景色を見ている。
「私達、別れたんです」
女性はそっと付け加えた。
「私はとても疲れてて、とおるのことで手一杯で、あの人はそんな家に飽きていたの、知ってました。だんだん帰りが遅くなって、日曜日も土曜日も会社の用事で出掛けるようになってました」
虚ろで疲れた声だった。落ちてきた髪をのろのとかきあげながら、改めてその荒れに気づいたように指を見つめて、けれどすぐに目をそらし、女性は小さく笑った。
「それでも、私はよかったんですよ。とおるのことで疲れてたし、何だかもう、あの人が居ない方が家の中をうまくやれるようになってたし」
一瞬ことばを切って、相手はかたい声で継ぎ足した。
「あの人も別の誰かがいればよかったからようだから」
しばらくそのままで下唇を噛んでいたが、やがて思い直したように、女性は再びナプキンの地図を書き加え始めた。
「別れたとき、私には職がなくて、とおるはあの人が引き取って。でも、何とか仕事を見つけたら、絶対迎えにいくつもりでした。とおるだって、むかいにきてね、って言ってたもの。だから、仕事が決まって初めてのお給料もらって、あの人の家にいくのはいやだったから、直接幼稚園に迎えにいったんです、前みたいに、自転車で」
女性は何か込み上げたものを飲み込むようにことばを切った。一瞬目を閉じ、きっとした表情でもう一度前を見据える。
「そしたら、幼稚園にきてないって言うんです、もう一週間も」
女性の口調に激しいものが混じって、瑞穂は緊張した。何かが始まっている。何か女性にとって大切なポイントが今このときだ。
改めてナプキンの上に丁寧に書かれた地図を見る。
(どこかで、見たような形だ)
大きな通りが二本、囲みの外ですぐに交わるような急な傾きをもって描かれている。それを囲むように交差していく通りが何本か走っていて、女性が説明したいろいろな店は全て、その囲まれた線の中に細かく書き込まれている。
これがただの地図ではないことは確かだ。
この女性は、自分が直接ことばにできない何かをこれで伝えようとしたはずだ。
それが、とおるという子どもについてのことなのは、彼のことが全てここに書き込まれていくように思えるほどの細かさからもわかる。
(けれど、何を?)
そう、胸の奥に問いかけたとたん、『それ』が見えた。
(あ)
瑞穂の体から血の気が引いていく。
それと一緒に、女性がとおるという少年が見えるのか見えないのかにこだわったことや、何にもすがらないといった強い口調がよみがえった。
(知ってる?)
瑞穂が思わず顔を上げると、彼女をじっと見守っていたような女性の視線とぶつかった。
まっすぐな、悲しみに満ちた目だった。
「一週間も幼稚園に来てない、風邪をこじらせて肺炎になったってあの人から連絡があったって言うんです。でも、違います。そんなことじゃ、ありません」
とおる、ごめんねえ。
女性のつぶやきが急に切実な響きで瑞穂の胸を圧迫した。
(気づいている、知っているんだ。だから、ハンバーガーを食べさせにきた、それを認めたくなくて。それを認めるために、誰かに背中を押してほしくて)
瑞穂は目を閉じ、胸でこぶしを握って傷みに耐えた。それから、目を開き、改めて精一杯にっこり笑って答える。
「いっぱい、あるんですねえ」
「はい」
一瞬目を見開いた女性は、瑞穂の笑みにつられたように唇を上げた。まるで天上の裁決を待つような笑み、きれいな弧を描いてつりあがった唇が細かく震えている。
「いっぱい、あったんです」
訴えるように付け加えた。
「そうですよねえ」
瑞穂は深くうなずいた。
「じゃあ、もう行ってあげなくては」
続けたことばに女性はびくっと体を大きく震わせた。
「行っても……構いませんか?」
必死の顔で瑞穂に尋ねる。
「私、あの子のこと、ほうり出したんです。でも、行っても構いませんか?」
「はい、だって」
瑞穂は詰まりかけた声を飲み込み、深く息を吸い込んだ。
これから言うことばの効果も残酷さも十分わかっている。でも、私がこれを言わなくてはならないんだ、と胸の中で繰り返す。
(それが『気配』が望むことならば)
「とおるくん、むかいにきてねって言ったんでしょう?」
「…!」
いきなり、女性の目から涙が吹きこぼれた。ぱたぱたぱた、とテーブルに広げられたナプキンの地図に、花模様にも見える跡が散っていく。
「とおるくん、待ってます」
「待って、ますか?」
「ええ、だって、おかあさんだもの」
「そう、そうですよね、ええ、はい、行きます、私」
女性は言い切ると急に立ち上がった。革のバッグをつかみ、ふいに体の中心に強い力の入った姿勢になって瑞穂を見下ろし宣言する。
「何があっても、とおるを迎えに行ってきます。あの人が拒むなら、ええ、はい、警察でも何でも使います、どんな手だって、どんな手だって…!」
まるで、激しい風に煽られ押されて行くように、女性は席を離れた。急ぎ足で、ついにはほとんど駆け足で、バーガーショップを飛び出して行く。
その後ろ姿を見送って瑞穂は重く苦しいため息をついた。
「あの…」
呼びかけられて振り返ると、店員が不安そうに瑞穂とテーブルの上のパン、ナプキンに書きなぐられたような地図をかわるがわる見ている。
「何か問題でも」
「ああ、大丈夫です、終わったから」
「そう、ですか?」
不審げに後ろを振り返りながら離れていく相手に安心させるように少し笑って、破かないようにもう一度ナプキンを広げ、瑞穂はゆっくりと向きを変えて置いた。
交差した線はナプキンの中央、彼女があの人の家、と言った場所を中心にして、四角で囲まれているように見える。その四角は上の辺を斜めに過る二本の線に区切られている。
それはみんながよく知っている形だ。
この世に別れを告げるためのほほ笑みを封じ込めるもの、葬式のときに飾る遺影の形なのだ。
(ううん、これは、あの人の『気配』がよこした合図)
たぶん、彼女の一人息子は何かの原因で、もう死んでしまっているのだ。
それがどうやら、病気だと幼稚園に偽っている彼女の夫のせいらしいこと、それを彼女が薄々感じていることもわかる。
そして、それを彼女は全て自分のせいだと責めている。
自分が夫と別れなければ、そして、自分が子どもを引き取っていれば、こんなことにはならなかったはずだ、と思っているのだ。
そして、彼女はそこから動けなくなってしまった。
自分の罪悪感と『気配』が知らせる予感、それらと奇妙な一致を見せる現実の符号の前で、何をどう考えればいいのかわからなくなってしまったのだ。
それを一つのつながりで、何かの意味を読み取るもの、同じ合図を示すものとして構成して考えるためには、彼女の居る世界からはみ出た視点が必要だった。
瑞穂はナプキンを折り畳んで、ポケットに入れ、パンとジュースのコップ、置きざられたトレーを片付けて店を出た。
外はもう薄暗くなっている。その中を、静かに足を忍ばせて、ナプキンに書かれた場所に向かう。
本当は当たってほしくない。
瑞穂の感覚は的外れの妄想で、あの女性がオカルトおたくのとんでもない女子高校生にからかわれたと怒りながら、とおるの手を引いて歩いてきてほしい。
だが、そちらへ歩く瑞穂の耳にぎりぎりと神経を逆なでするようなパトカーのサイレンの音が響いてきていた。
瑞穂の真横を白と黒のツートンカラーの車が、先に待っている運命の結末を叫ぶように走って行く。夜の団らんに静まり返るはずの少し先の住宅街から、奇妙な不安なざわめきが広がってくる。
「とおるーっ! いやーっ!」
悲鳴のような叫びが夜を貫いた。
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