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11話 聖女
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「あの建物の中に避難しましょ。」
お母さんは近くのお店を指さした。
「わかった。お母さんとジュリアンは先に行ってて!」
「お兄ちゃんも一緒!」
「分かってるよ。ほら、お兄ちゃん飛べるからちょっと時間稼ぎしようかなって思って。」
それに確かめたいこともあるし。
「絶対来てね!」
お母さんとジュリアンは手を繋ぎながら建物の方に駆け寄る。
2人が建物の方に近づいているにもかかわらず、奴らは進路を変えずこちらに向かってきている。
やっぱり狙いは僕なのか?
僕が建物とは反対の方向に走ると、今度は進路を変えて僕の方に向かってくる。
やっぱり僕か。花火のせいか?
とりあえず今はこの状況をなんとかしないと。
ゲームでは雑魚キャラだったけど、僕に倒せるのか?
鍛えているとはいえ、自己流だし、本格的に魔物を前にして戦うのは初めてだ。
いや、いつまでも逃げていたら僕の体力が持たない。
よし。道だと狭いからあそこの広場でやろう。
僕が止まると、奴らも止まった。
すごく唸っているし、全身からは黒いもやみたいなものが出ている。
こうやって対峙すると、迫力満点だな。
今僕が使える武器は魔法くらいだ。
確かゲームではシルバーウルフは火が苦手だったはず。
先手必勝!ひとまずこれで燃えてしまえ!
シルバーウルフの全身を火で包むように……え?火効かないの?
僕が放った火から、何事もなかったかのように抜け出すと一目散に僕の方に飛びかかってくる。
とっさに後方に飛び攻撃をかわす。
ゲームの知識が役に立たないのか?それとも単純に僕の火力不足?
思った以上に強いのかもしれない。
どうしよう。逃げた方が良いのか?いや、でもずっと襲ってくるよな。
うわっ。さっきから避けるので精一杯だ。
しまった。足が滑って……。
避けきれないっ。
え?今何が起きた?
目の前まで迫っていたシルバーウルフが一瞬で塵になって消えた。
「大丈夫?」
尻餅をついたまま思考が追いつかない。
今話しかけてきた女性が僕に手を差し伸べている。
彼女は白いローブを身にまとって、吸い込まれるようなブルーの瞳に、透き通る白い肌で――。
僕は天使を見ているのだろうか。
「僕は死んだの?」
「え?生きてるよ。さっきのやつはもう倒したから大丈夫。1人でよく頑張ったね。」
なんだろう。この気持ちは。いろんな感情が渦巻いている。
「セシリア。1人で突っ走るな。」
彼女を追ってきただろう青年が彼女に話しかける。彼女から差し伸べられた手は自然と引っ込み、向かってきた彼の方を振り向く。
「ごめん。アルバート。でも突っ走らないと間に合ってなかったよ?」
追ってきた青年は20代前半くらいで、赤茶色の髪と瞳で、立派な衣装を身にまとい腰に剣を据えている。
おそらく彼女の仲間なのだろう。
というか、僕は彼を知っている。彼はゲームの攻略対象の勇者だ。
ということは格好からしても、彼女が聖女?
またこちらに人が向かってきて、彼女に話しかけている。彼も見たことがある。
勇者の次に来たのは賢者だろう。彼は20代半ばで青みがかった銀の髪にグレーの瞳で、
魔法使いのようなローブを身にまとっていて、すごく頭が良さそうな顔をしている。
次におそろいの鎧を身にまとった騎士団と思われる数人がやってきた。
その1人と目が合った。数年前に王宮を案内してもらったルーカスさんだ。
ルーカスさんだけ他の人と少し格好が違う。少し豪華だ。もしかして騎士団長になったのかな?
「もしかしてフランツか?大きくなったな。」
ルーカスさんも僕のことを覚えていてくれたらしく、僕の目線と合う様に座り込んで話しかけてくれている。
「はい。あのルーカスさんですよね。」
「あぁ。大丈夫か?怖かったよな。ごめんな。遅くなって。」
「いえっ。大丈夫です。あの方に助けて頂いたので。あの、彼女はもしかして聖女様ですか?」
「そう。彼女は聖女のセシリア様で、まだ式の最中だってのに初の任務だっていって飛び出していっちゃってな。」
「そうだったんですか。でもそのおかげで助かりました。」
「それは良かった。あとちなみにあの剣持ってる方は勇者のアルバートで、ローブ着てる方は賢者のシリルだ。」
「なんかそうそうたるメンバーですね。」
「あぁ。この国を背負っていく若者達だからな。」
「皆さん若そうなのにすごいです。」
「確かに、みんな俺より年下だな。でもああ見えて子供っぽいところもあるんだぞ。」
「そうなんですか。」
「話していくうちに分かるさ。よし。行くか。」
ルーカスさんに抱きかかえられる。
「あ、あの僕自分で……。」
「あぁ。ついな。あの時の記憶のままで。悪い悪い。」
ルーカスさんに下ろしてもらうと、足に力が入らなかった。やばいと思いルーカスさんに抱きつく。
自分では分かってなかったけど、腰抜かしてたんだ。
「やっぱこうの方がいいな。」
ルーカスさんも察してくれたのかまた抱えられた。
少し恥ずかしいけど、今はこれが正解みたい。
「あの、僕まだ聖女様にきちんとお礼を言えてなくて。」
「じゃ、一緒にお礼を言いに行くか。」
「ありがとうございます。」
そう言うとルーカスさんは聖女の方に向かっていった。
「セシリア様。彼が言いたいことがあるとがあるらしいですよ。」
勇者のアルバートさん、賢者のシリルさん、聖女のセシリアさんの3人で何か話しているようだったがルーカスさんは関係なしに話しかけに行く。
「聖女様、助けて頂きありがとうございました。」
「そんな畏まらなくて大丈夫だよ。私のことは聖女様じゃなくてセシリアでいいよ。」
彼女は微笑みながら返事をしてくれた。なんかドキドキする。
「セシリア様……、ありがとうございました。」
「どういたしまして。君がシルバーウルフを弱らせておいてくれたから簡単に倒せたよ。ありがとね。」
「いえ。とんでもないです。」
なんだろう。この気持ち……。
――もしかして、これは恋なのか?
「話が聞きたいので、城まで来てもらえますか?」
賢者のシリルさんに話しかけられた。
さっきまでのドキドキが別のドキドキに変わり少し緊張する。
「はい。」
「シリル、もう少し優しい顔出来ないのか?フランツが怖がってるぞ?」
「えっいや、ルーカスさん。僕は大丈夫です。」
ルーカスさん。余計なことは言わなくて良いのに。
「申し訳ない。元々こういう顔で。」
「あっいえ。大丈夫です。すみません。あっあの途中まで母と弟と一緒だったんですが……。」
「あぁ。それは心配しなくて大丈夫だぞ。こっちに来る途中で他の騎士達が保護したから、王宮に行ってるはずだ。お父さんも居るしな。」
「そうだったんですか。ありがとうございます。」
「そういえばフランツ、弟君いたんだな。最初はさ、弟君をフランツと間違えそうになったんだよ。」
「似てますか?」
「うん。雰囲気が。でも流石にあの時のまま成長してないって事はないだろうしって思って言うのはやめたんだけど、正解だったな。」
「正解でしたね。」
「あっそうだ。俺、フランツのお陰で騎士団の団長になったんだ。」
「おめでとうございます!でも、ルーカスの実力ですよね?」
「いや、あの時フランツが俺は団長かって聞いてきたの覚えてるか?」
「はい。なんとなくは。」
「それがあったから、俺団長目指そうって思ったんだ。」
「え、そうなんですか?」
「2人とも。ここだと目立つので王宮に戻りましょう。」
少し呆れた口ぶりでシリルさんに言われる。
周りを見渡すと、確かにギャラリーが少しずつ集まってきている。
「了解。シリルは一見怖そうに見えるけど、本当は優しいやつなんだ。」
ルーカスさんは僕の耳元でささやいた。
お母さんは近くのお店を指さした。
「わかった。お母さんとジュリアンは先に行ってて!」
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「分かってるよ。ほら、お兄ちゃん飛べるからちょっと時間稼ぎしようかなって思って。」
それに確かめたいこともあるし。
「絶対来てね!」
お母さんとジュリアンは手を繋ぎながら建物の方に駆け寄る。
2人が建物の方に近づいているにもかかわらず、奴らは進路を変えずこちらに向かってきている。
やっぱり狙いは僕なのか?
僕が建物とは反対の方向に走ると、今度は進路を変えて僕の方に向かってくる。
やっぱり僕か。花火のせいか?
とりあえず今はこの状況をなんとかしないと。
ゲームでは雑魚キャラだったけど、僕に倒せるのか?
鍛えているとはいえ、自己流だし、本格的に魔物を前にして戦うのは初めてだ。
いや、いつまでも逃げていたら僕の体力が持たない。
よし。道だと狭いからあそこの広場でやろう。
僕が止まると、奴らも止まった。
すごく唸っているし、全身からは黒いもやみたいなものが出ている。
こうやって対峙すると、迫力満点だな。
今僕が使える武器は魔法くらいだ。
確かゲームではシルバーウルフは火が苦手だったはず。
先手必勝!ひとまずこれで燃えてしまえ!
シルバーウルフの全身を火で包むように……え?火効かないの?
僕が放った火から、何事もなかったかのように抜け出すと一目散に僕の方に飛びかかってくる。
とっさに後方に飛び攻撃をかわす。
ゲームの知識が役に立たないのか?それとも単純に僕の火力不足?
思った以上に強いのかもしれない。
どうしよう。逃げた方が良いのか?いや、でもずっと襲ってくるよな。
うわっ。さっきから避けるので精一杯だ。
しまった。足が滑って……。
避けきれないっ。
え?今何が起きた?
目の前まで迫っていたシルバーウルフが一瞬で塵になって消えた。
「大丈夫?」
尻餅をついたまま思考が追いつかない。
今話しかけてきた女性が僕に手を差し伸べている。
彼女は白いローブを身にまとって、吸い込まれるようなブルーの瞳に、透き通る白い肌で――。
僕は天使を見ているのだろうか。
「僕は死んだの?」
「え?生きてるよ。さっきのやつはもう倒したから大丈夫。1人でよく頑張ったね。」
なんだろう。この気持ちは。いろんな感情が渦巻いている。
「セシリア。1人で突っ走るな。」
彼女を追ってきただろう青年が彼女に話しかける。彼女から差し伸べられた手は自然と引っ込み、向かってきた彼の方を振り向く。
「ごめん。アルバート。でも突っ走らないと間に合ってなかったよ?」
追ってきた青年は20代前半くらいで、赤茶色の髪と瞳で、立派な衣装を身にまとい腰に剣を据えている。
おそらく彼女の仲間なのだろう。
というか、僕は彼を知っている。彼はゲームの攻略対象の勇者だ。
ということは格好からしても、彼女が聖女?
またこちらに人が向かってきて、彼女に話しかけている。彼も見たことがある。
勇者の次に来たのは賢者だろう。彼は20代半ばで青みがかった銀の髪にグレーの瞳で、
魔法使いのようなローブを身にまとっていて、すごく頭が良さそうな顔をしている。
次におそろいの鎧を身にまとった騎士団と思われる数人がやってきた。
その1人と目が合った。数年前に王宮を案内してもらったルーカスさんだ。
ルーカスさんだけ他の人と少し格好が違う。少し豪華だ。もしかして騎士団長になったのかな?
「もしかしてフランツか?大きくなったな。」
ルーカスさんも僕のことを覚えていてくれたらしく、僕の目線と合う様に座り込んで話しかけてくれている。
「はい。あのルーカスさんですよね。」
「あぁ。大丈夫か?怖かったよな。ごめんな。遅くなって。」
「いえっ。大丈夫です。あの方に助けて頂いたので。あの、彼女はもしかして聖女様ですか?」
「そう。彼女は聖女のセシリア様で、まだ式の最中だってのに初の任務だっていって飛び出していっちゃってな。」
「そうだったんですか。でもそのおかげで助かりました。」
「それは良かった。あとちなみにあの剣持ってる方は勇者のアルバートで、ローブ着てる方は賢者のシリルだ。」
「なんかそうそうたるメンバーですね。」
「あぁ。この国を背負っていく若者達だからな。」
「皆さん若そうなのにすごいです。」
「確かに、みんな俺より年下だな。でもああ見えて子供っぽいところもあるんだぞ。」
「そうなんですか。」
「話していくうちに分かるさ。よし。行くか。」
ルーカスさんに抱きかかえられる。
「あ、あの僕自分で……。」
「あぁ。ついな。あの時の記憶のままで。悪い悪い。」
ルーカスさんに下ろしてもらうと、足に力が入らなかった。やばいと思いルーカスさんに抱きつく。
自分では分かってなかったけど、腰抜かしてたんだ。
「やっぱこうの方がいいな。」
ルーカスさんも察してくれたのかまた抱えられた。
少し恥ずかしいけど、今はこれが正解みたい。
「あの、僕まだ聖女様にきちんとお礼を言えてなくて。」
「じゃ、一緒にお礼を言いに行くか。」
「ありがとうございます。」
そう言うとルーカスさんは聖女の方に向かっていった。
「セシリア様。彼が言いたいことがあるとがあるらしいですよ。」
勇者のアルバートさん、賢者のシリルさん、聖女のセシリアさんの3人で何か話しているようだったがルーカスさんは関係なしに話しかけに行く。
「聖女様、助けて頂きありがとうございました。」
「そんな畏まらなくて大丈夫だよ。私のことは聖女様じゃなくてセシリアでいいよ。」
彼女は微笑みながら返事をしてくれた。なんかドキドキする。
「セシリア様……、ありがとうございました。」
「どういたしまして。君がシルバーウルフを弱らせておいてくれたから簡単に倒せたよ。ありがとね。」
「いえ。とんでもないです。」
なんだろう。この気持ち……。
――もしかして、これは恋なのか?
「話が聞きたいので、城まで来てもらえますか?」
賢者のシリルさんに話しかけられた。
さっきまでのドキドキが別のドキドキに変わり少し緊張する。
「はい。」
「シリル、もう少し優しい顔出来ないのか?フランツが怖がってるぞ?」
「えっいや、ルーカスさん。僕は大丈夫です。」
ルーカスさん。余計なことは言わなくて良いのに。
「申し訳ない。元々こういう顔で。」
「あっいえ。大丈夫です。すみません。あっあの途中まで母と弟と一緒だったんですが……。」
「あぁ。それは心配しなくて大丈夫だぞ。こっちに来る途中で他の騎士達が保護したから、王宮に行ってるはずだ。お父さんも居るしな。」
「そうだったんですか。ありがとうございます。」
「そういえばフランツ、弟君いたんだな。最初はさ、弟君をフランツと間違えそうになったんだよ。」
「似てますか?」
「うん。雰囲気が。でも流石にあの時のまま成長してないって事はないだろうしって思って言うのはやめたんだけど、正解だったな。」
「正解でしたね。」
「あっそうだ。俺、フランツのお陰で騎士団の団長になったんだ。」
「おめでとうございます!でも、ルーカスの実力ですよね?」
「いや、あの時フランツが俺は団長かって聞いてきたの覚えてるか?」
「はい。なんとなくは。」
「それがあったから、俺団長目指そうって思ったんだ。」
「え、そうなんですか?」
「2人とも。ここだと目立つので王宮に戻りましょう。」
少し呆れた口ぶりでシリルさんに言われる。
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