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12話 状況説明
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なぜこのメンバーなんだ?
王宮に到着してお父さんに会えたところまでは良かった。
その流れで話が聞きたいと言うことで今に至るが、そのメンバーがお父さんと僕とシリルさんの3人なのはなぜ?
僕が緊張しないように少人数にしてくれたということなんだろうか。
そしてこの部屋はシリルさんの書斎。壁中に本が並んでいて奥に机がある。
手前には来客用と思われる低めのテーブルとそれを囲うように椅子が2つずつ並んでいる。
僕とお父さんはその椅子に隣同士に座り、シリルさんは僕の向かい側に座っている。
なんか、面接の雰囲気を思い出す。
「まずは改めて。賢者のシリルと申します。」
「あっフランツと申します。」
「お父さんのフレデリックさんには小さい頃からお世話になっています。」
「そうだったんですね。」
「シリルはお父さんの一番弟子ってとこかな。」
賢者がお父さんの一番弟子なの?
お父さんかっこよすぎるよ。
「まずは、どういう経緯であのような状況になったのか教えてもらえますか。」
シリルさんの言い方、本当に面接官みたいだ。
「――ということで、聖女様に助けて頂きました。」
僕は今までの流れを一通り話した。
「なるほど。魔物はあなたをめがけて襲ってきたということですね。」
「はい。」
「ところでその魔物は一体どこから来たか判明したのかな?」
お父さんがシリルさんに話しかける。
「はい。あれは従者契約している魔物でした。飼い主はいきなり襲うのはあり得ないと主張しているそうです。」
「なるほど。確かに従者契約しているのであれば命令しない限り人を襲うことはないか。」
「ええ。ですので、故意的に襲わせた可能性も含めて現在調査中です。」
無言の時間が続く。2人とも何かを考えているようだった。
「フランツ。教えて欲しいんだ。」
お父さんが真剣な表情で聞いてきた。
「うん。」
「フランツは今朝、空に広がる大きな花の話をしてくれたよね。」
「うん。」
「それをやった直後に、襲われるようになった。」
「うん。まぁでも関係あるかは分からないけど、タイミング的にはそうだった。」
「そうだよね。お父さんは現状、それが関係している可能性が一番高いと思っているんだ。」
「うん……。」
なんとなく僕もそんな感じはしていた。
そもそも、ゲームの設定では出来ないようなことをやろうと思って実行した結果が今回のことで、僕みたいなバグを排除するために襲ってきたんじゃないかって。そうすれば辻褄は合う気がする。
「フランツ。実はね、この世界にはフランツがやった魔法は存在しないんだ。そしてそんな魔法は新しく作ることも出来ない。」
やっぱり花火の魔法は存在しないのか。
「えっでも魔法は思いつくことは何でも出来るって……。」
「思いつくことはね。でもなんて説明したら良いか、あれは思いつくはずがないんだよね。」
「なんでそんな言い切れるの?実際僕が思いついているわけだし……。」
「この世界にそんなコードは存在しないんだ。」
「え?それってどういう……。」
「変なこと聞いてると思われるかもしれないけど、フランツは、どこか違う世界の記憶があるんじゃないかな?」
えっ……。それってお父さんもこの世界がゲームの世界ってことを知っているってこと?
さっきコードって言ってたし、そんな言葉知らなきゃ出てこないよね?
「えっと……。」
言ってしまっていいのだろうか。
言ってしまったら、お父さんと僕の関係が変わってしまわないだろうか。
「大丈夫だよフランツ。言ってごらん。」
もしこの場にいるのがお父さんじゃなきゃ言わなかっただろう。
僕はお父さんを信じる。
「うん。ある。」
2人とも少なからず驚いているようだった。
「そっか。じゃあの魔法も?」
「あれは花火っていうんだ。前の世界では魔法は使えないから同じじゃないけどね。もしかしてお父さん達も違う世界の記憶があるの?」
「いや、お父さんはこの世界の事しか知らないよ。」
「えっじゃあなんで僕が他の世界の記憶があるって……」
「うーん。話せば長くなるんだけど、端的に言うとね、お父さん達が魔法の研究をしているとき、何かの拍子で0と1が永遠に続く世界が垣間見えたんだ。」
「0と1?」
「うん。それでその世界の事が気になって調べるようになってね。初めは理解できなかったけど、もしかしたらこの世界は0と1で作られた世界なのではと考えるようになったんだ。」
なるほど。その考えはあながち間違ってない。何らかの拍子で2進数の世界を見たって事だよね。
そんなことあり得るのかは分からないけど。
「それでどうしたの?」
「そこから先にも世界は繋がっていて、0と1の奥には記号のようなものに繋がっていたんだ。お父さん達はそれをコードと呼んでいて、一部は解読出来るようになったんだ。」
「なるほど。」
コードってたまたま同じような呼び方をしてたってことだったのか。
え、待って。解読って……。ということは、もうこの世界の事は知っているってこと?
「そこで解読した中に魔法一覧と推測できるところがあって、一通り確認したんだけど、その花火を上げるような魔法は確認できなかったんだ。」
「そういうことだったんだね。」
「コードが存在しているということから、俺たちはこの世界を作った外の世界があるのではと考えるようになりました。」
「うん。シリルの言う通りで、でもそれはまだ仮説の段階にすぎなくて……。でもフランツの魔法のことがあって、フランツはこの世界の外のことを知っているんじゃないかって思ってさっきの質問をしたんだ。」
「僕が魔法一覧に載ってない魔法を使ったから……。」
「そういうことになるね。フランツ。フランツはどんな世界の記憶がある?この世界の事は知っていた?」
「うーん。なんて言えば良いのかな……。」
違う世界の記憶はあるって言ったけど、この世界はゲームの世界って言ってしまっていいのだろうか?
でも2人がここまで打ち明けてくれているわけだし、僕も……。
「この事を知っているのは、俺とフレデリックさんだけです。俺はどんなことでも受け入れる覚悟があります。」
シリルさん……。僕が迷っているのを見透かされている。
「良かったら、話してくれないかな?」
王宮に到着してお父さんに会えたところまでは良かった。
その流れで話が聞きたいと言うことで今に至るが、そのメンバーがお父さんと僕とシリルさんの3人なのはなぜ?
僕が緊張しないように少人数にしてくれたということなんだろうか。
そしてこの部屋はシリルさんの書斎。壁中に本が並んでいて奥に机がある。
手前には来客用と思われる低めのテーブルとそれを囲うように椅子が2つずつ並んでいる。
僕とお父さんはその椅子に隣同士に座り、シリルさんは僕の向かい側に座っている。
なんか、面接の雰囲気を思い出す。
「まずは改めて。賢者のシリルと申します。」
「あっフランツと申します。」
「お父さんのフレデリックさんには小さい頃からお世話になっています。」
「そうだったんですね。」
「シリルはお父さんの一番弟子ってとこかな。」
賢者がお父さんの一番弟子なの?
お父さんかっこよすぎるよ。
「まずは、どういう経緯であのような状況になったのか教えてもらえますか。」
シリルさんの言い方、本当に面接官みたいだ。
「――ということで、聖女様に助けて頂きました。」
僕は今までの流れを一通り話した。
「なるほど。魔物はあなたをめがけて襲ってきたということですね。」
「はい。」
「ところでその魔物は一体どこから来たか判明したのかな?」
お父さんがシリルさんに話しかける。
「はい。あれは従者契約している魔物でした。飼い主はいきなり襲うのはあり得ないと主張しているそうです。」
「なるほど。確かに従者契約しているのであれば命令しない限り人を襲うことはないか。」
「ええ。ですので、故意的に襲わせた可能性も含めて現在調査中です。」
無言の時間が続く。2人とも何かを考えているようだった。
「フランツ。教えて欲しいんだ。」
お父さんが真剣な表情で聞いてきた。
「うん。」
「フランツは今朝、空に広がる大きな花の話をしてくれたよね。」
「うん。」
「それをやった直後に、襲われるようになった。」
「うん。まぁでも関係あるかは分からないけど、タイミング的にはそうだった。」
「そうだよね。お父さんは現状、それが関係している可能性が一番高いと思っているんだ。」
「うん……。」
なんとなく僕もそんな感じはしていた。
そもそも、ゲームの設定では出来ないようなことをやろうと思って実行した結果が今回のことで、僕みたいなバグを排除するために襲ってきたんじゃないかって。そうすれば辻褄は合う気がする。
「フランツ。実はね、この世界にはフランツがやった魔法は存在しないんだ。そしてそんな魔法は新しく作ることも出来ない。」
やっぱり花火の魔法は存在しないのか。
「えっでも魔法は思いつくことは何でも出来るって……。」
「思いつくことはね。でもなんて説明したら良いか、あれは思いつくはずがないんだよね。」
「なんでそんな言い切れるの?実際僕が思いついているわけだし……。」
「この世界にそんなコードは存在しないんだ。」
「え?それってどういう……。」
「変なこと聞いてると思われるかもしれないけど、フランツは、どこか違う世界の記憶があるんじゃないかな?」
えっ……。それってお父さんもこの世界がゲームの世界ってことを知っているってこと?
さっきコードって言ってたし、そんな言葉知らなきゃ出てこないよね?
「えっと……。」
言ってしまっていいのだろうか。
言ってしまったら、お父さんと僕の関係が変わってしまわないだろうか。
「大丈夫だよフランツ。言ってごらん。」
もしこの場にいるのがお父さんじゃなきゃ言わなかっただろう。
僕はお父さんを信じる。
「うん。ある。」
2人とも少なからず驚いているようだった。
「そっか。じゃあの魔法も?」
「あれは花火っていうんだ。前の世界では魔法は使えないから同じじゃないけどね。もしかしてお父さん達も違う世界の記憶があるの?」
「いや、お父さんはこの世界の事しか知らないよ。」
「えっじゃあなんで僕が他の世界の記憶があるって……」
「うーん。話せば長くなるんだけど、端的に言うとね、お父さん達が魔法の研究をしているとき、何かの拍子で0と1が永遠に続く世界が垣間見えたんだ。」
「0と1?」
「うん。それでその世界の事が気になって調べるようになってね。初めは理解できなかったけど、もしかしたらこの世界は0と1で作られた世界なのではと考えるようになったんだ。」
なるほど。その考えはあながち間違ってない。何らかの拍子で2進数の世界を見たって事だよね。
そんなことあり得るのかは分からないけど。
「それでどうしたの?」
「そこから先にも世界は繋がっていて、0と1の奥には記号のようなものに繋がっていたんだ。お父さん達はそれをコードと呼んでいて、一部は解読出来るようになったんだ。」
「なるほど。」
コードってたまたま同じような呼び方をしてたってことだったのか。
え、待って。解読って……。ということは、もうこの世界の事は知っているってこと?
「そこで解読した中に魔法一覧と推測できるところがあって、一通り確認したんだけど、その花火を上げるような魔法は確認できなかったんだ。」
「そういうことだったんだね。」
「コードが存在しているということから、俺たちはこの世界を作った外の世界があるのではと考えるようになりました。」
「うん。シリルの言う通りで、でもそれはまだ仮説の段階にすぎなくて……。でもフランツの魔法のことがあって、フランツはこの世界の外のことを知っているんじゃないかって思ってさっきの質問をしたんだ。」
「僕が魔法一覧に載ってない魔法を使ったから……。」
「そういうことになるね。フランツ。フランツはどんな世界の記憶がある?この世界の事は知っていた?」
「うーん。なんて言えば良いのかな……。」
違う世界の記憶はあるって言ったけど、この世界はゲームの世界って言ってしまっていいのだろうか?
でも2人がここまで打ち明けてくれているわけだし、僕も……。
「この事を知っているのは、俺とフレデリックさんだけです。俺はどんなことでも受け入れる覚悟があります。」
シリルさん……。僕が迷っているのを見透かされている。
「良かったら、話してくれないかな?」
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