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移送作戦【準備】・3
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「それは助かる。今度、礼をせねばならんな」
オルキデアはクシャースラを通じて、セシリアとコーンウォール家にアリーシャに関する口裏合わせをお願いしていた。
今後アリーシャに関して何か起こった際に、話しを合わせてもらう為であった。
「セシリアもセシリアのお義父さんも構わないと言っていたが……。まあ、いいか。その代わり、今度アリーシャ嬢をセシリア達に紹介させてくれ」
「ああ、勿論だ」
セシリアは同年代の友人を欲していたし、セシリアの父親は、セシリア以外にも娘が欲しかったという話を昔聞いた覚えがある。
アリーシャならきっとセシリアの良き友人となり、セシリアの父親を満足させられるだろう。
「それで、いつ実行する?」
「ああ。調べたら丁度……」
オルキデアが話し出そうとした時、部屋の扉が叩かれた。二人が振り返ると、丁度コーヒーを取りに行ったアリーシャが戻ってきたところだった。
「ありがとう。何も無かったか?」
「はい! 大丈夫です!」
オルキデアの言葉に、花が咲いたような笑顔を浮かべてアリーシャは頷く。
芳しい香りが漂う淹れたてのコーヒーを配るアリーシャに、クシャースラはどこかすまなそうにする。
「ありがとうございます。でもすみません。頼んでしまって」
「それも高貴な方に」とクシャースラが呟いた言葉に、アリーシャは首を振る。
「平気です。シュタルクヘルトでもやっていましたし、それに私にはこれくらいしか出来ないので……」
アリーシャの言葉にクシャースラは目を丸くすると、「そうなのか?」という視線を向けてくる。
オルキデアは「そうらしいな」と、肩を竦めることで親友の疑問に答えたのであった。
コーヒーの香りを堪能しようと、オルキデアが目の前のカップに手を伸ばした時、アリーシャの分が無いことに気づいたのだった。
「アリーシャ、君の分はどうした?」
「私はこの場に居ない方がいいのかと思って……。部屋に戻るつもりでした」
空になったトレーを胸の前で抱きしめながら、アリーシャは話す。
「そう遠慮することはない。君に関する話だ。君も同席するんだ」
「いいんですか?」
「ああ。俺の隣に座れ」
おずおずとオルキデアの隣に座ったアリーシャではあったが、遠慮しているのかオルキデアが座っている場所から反対側の端に寄ってしまう。
そんなアリーシャの様子に、オルキデアは眉根を寄せたのだった。
「……もっと、近くに来い」
「でも……」
「遠慮することはないと言ったはずだ。……隣に来い」
オルキデアが軽く隣を叩いて示すと、アリーシャがそっと近づいてくる。
掌一つ分を開けてアリーシャが近づいた時、ふと向かいを見ると、親友は呆れたような顔をしていたのだった。
「本当に大丈夫なのか? 先が思いやられるぞ」
「今だけだ。ここから出たらもっと夫婦らしく見えるように振る舞うさ。なあ、アリーシャ?」
「そ、そうですね……。夫婦らしく見えるように頑張ります」
頬を赤く染めるアリーシャに口元を緩めると、オルキデアはテーブルに置いていた封筒の内、偽の経歴書が入った一通を手に取ったのだった。
「アリーシャ。これが俺と結婚した君の経歴書だ……偽だがな。よく目を通しておいてくれ」
「はい……」
両手で受け取ったアリーシャは、中から偽の経歴書を取り出すとざっと目を通した。全部読み終わる頃には、戸惑い気味な表情を浮かべてオルキデアとクシャースラを見比べたのであった。
「いいんですか……? クシャースラ様やクシャースラ様の奥様、奥様のご両親にもご迷惑がかかるのでは……?」
「おれも妻も、妻の両親も問題ありません。何も心配いりませんよ」
安心させる様に柔和な笑みを浮かべるクシャースラに、アリーシャは「ありがとうございます……」と、はにかみながら礼を述べたのであった。
オルキデアはクシャースラを通じて、セシリアとコーンウォール家にアリーシャに関する口裏合わせをお願いしていた。
今後アリーシャに関して何か起こった際に、話しを合わせてもらう為であった。
「セシリアもセシリアのお義父さんも構わないと言っていたが……。まあ、いいか。その代わり、今度アリーシャ嬢をセシリア達に紹介させてくれ」
「ああ、勿論だ」
セシリアは同年代の友人を欲していたし、セシリアの父親は、セシリア以外にも娘が欲しかったという話を昔聞いた覚えがある。
アリーシャならきっとセシリアの良き友人となり、セシリアの父親を満足させられるだろう。
「それで、いつ実行する?」
「ああ。調べたら丁度……」
オルキデアが話し出そうとした時、部屋の扉が叩かれた。二人が振り返ると、丁度コーヒーを取りに行ったアリーシャが戻ってきたところだった。
「ありがとう。何も無かったか?」
「はい! 大丈夫です!」
オルキデアの言葉に、花が咲いたような笑顔を浮かべてアリーシャは頷く。
芳しい香りが漂う淹れたてのコーヒーを配るアリーシャに、クシャースラはどこかすまなそうにする。
「ありがとうございます。でもすみません。頼んでしまって」
「それも高貴な方に」とクシャースラが呟いた言葉に、アリーシャは首を振る。
「平気です。シュタルクヘルトでもやっていましたし、それに私にはこれくらいしか出来ないので……」
アリーシャの言葉にクシャースラは目を丸くすると、「そうなのか?」という視線を向けてくる。
オルキデアは「そうらしいな」と、肩を竦めることで親友の疑問に答えたのであった。
コーヒーの香りを堪能しようと、オルキデアが目の前のカップに手を伸ばした時、アリーシャの分が無いことに気づいたのだった。
「アリーシャ、君の分はどうした?」
「私はこの場に居ない方がいいのかと思って……。部屋に戻るつもりでした」
空になったトレーを胸の前で抱きしめながら、アリーシャは話す。
「そう遠慮することはない。君に関する話だ。君も同席するんだ」
「いいんですか?」
「ああ。俺の隣に座れ」
おずおずとオルキデアの隣に座ったアリーシャではあったが、遠慮しているのかオルキデアが座っている場所から反対側の端に寄ってしまう。
そんなアリーシャの様子に、オルキデアは眉根を寄せたのだった。
「……もっと、近くに来い」
「でも……」
「遠慮することはないと言ったはずだ。……隣に来い」
オルキデアが軽く隣を叩いて示すと、アリーシャがそっと近づいてくる。
掌一つ分を開けてアリーシャが近づいた時、ふと向かいを見ると、親友は呆れたような顔をしていたのだった。
「本当に大丈夫なのか? 先が思いやられるぞ」
「今だけだ。ここから出たらもっと夫婦らしく見えるように振る舞うさ。なあ、アリーシャ?」
「そ、そうですね……。夫婦らしく見えるように頑張ります」
頬を赤く染めるアリーシャに口元を緩めると、オルキデアはテーブルに置いていた封筒の内、偽の経歴書が入った一通を手に取ったのだった。
「アリーシャ。これが俺と結婚した君の経歴書だ……偽だがな。よく目を通しておいてくれ」
「はい……」
両手で受け取ったアリーシャは、中から偽の経歴書を取り出すとざっと目を通した。全部読み終わる頃には、戸惑い気味な表情を浮かべてオルキデアとクシャースラを見比べたのであった。
「いいんですか……? クシャースラ様やクシャースラ様の奥様、奥様のご両親にもご迷惑がかかるのでは……?」
「おれも妻も、妻の両親も問題ありません。何も心配いりませんよ」
安心させる様に柔和な笑みを浮かべるクシャースラに、アリーシャは「ありがとうございます……」と、はにかみながら礼を述べたのであった。
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