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どうして・1
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夢の中で、アリーシャはペルフェクトの街を歩いていた。
前日の夜に雨が降ったからか、日陰はまだ渇いておらず、道端には水溜まりが残っていた。
前日の影響か今朝は風が冷たく、吐く息は白かった。
信号待ちをしている間、アリーシャは手袋を嵌めた握り合わせながら、眉を顰めていた。
(オルキデア様……)
オルキデアと連絡が取れなくなり、三日になろうとしていた。
一日目は忙しくて連絡をする暇が無いのだろうと思った。けれども、二日目の夜になっても何も音沙汰が無いので、アリーシャは不安になった。
本当に仕事が忙しいだけで、連絡をしていなかっただけならいい。
けれども、何か事件に巻き込まれてはいないか、怪我を負って身動きが取れなくなっていないか、急な病気で寝込んでいないか。
ただそれだけが心配であった。
信号が変わると、人混みに紛れるようにしてオルキデアから教わった軍部への道を歩いて行くーー契約結婚をしたばかりの頃、軍部から屋敷に移送される時は遠回りして屋敷に向かったので、後程屋敷から軍部までの最短の道を教わった。
(急に軍部に伺ったら迷惑かもしれない。忙しいだけなら、お仕事の邪魔になるかもしれないし……)
ただ昨夜に、アリーシャが軍部のオルキデアの執務室に電話をかけたところーー電話番号もオルキデアから教わった。誰も電話口に出なかったのが気掛かりであった。
オルキデアが忙しく手が離せないのなら、部下のアルフェラッツかラカイユが出ても良さそうだが、二人共、不在にしているのだろうか。
時間帯が遅かったので、帰宅した後だった可能性も考えられるが……。
軍部に辿り着くと、顔を俯き気味に伏せながら中に入って行く。
すれ違う兵たちが訝しむようにアリーシャを見てくるが、それに気づかない振りをして、軍部の北扉へと近づいて行ったのだった。
「あの……」
アリーシャは北扉の前に立つ兵士に声を掛けると、オルキデアやクシャースラより年嵩の兵はアリーシャを見下ろす。
「はい?」
「軍部に居る夫に会いたいんですが……」
「兵士のご家族ですか? こちらで手続きをして下さい」
年嵩の兵に案内されると、扉側にある控え室の中に連れて行かれる。
どうやら、手前にテーブルが置かれており、兵が席についているが、その奥は机が並んでおり、書類が乱雑に置かれ、飲みかけのコーヒーらしきものが入ったカップや食べかけのパンが置かれていた。
以前、オルキデアの執務室から屋敷に引っ越す際には、何の部屋か分からなかったが、どうやら、この部屋は北扉を警備する兵たちの控え室になっているらしい。
テーブルに付いていた黒髪の若い兵士はアリーシャの姿に気がつくと、その場で立ち上がった。
驚いたアリーシャが小さく頭を下げると、兵士は敬礼をしてきたのだった。
「まずは手続きをする前に、身体検査をさせて下さい。危険物の持ち込みが無いか、確認します」
アリーシャは持っていたハンドバッグを預けて中身を確認させると、次いで「失礼します」と言われて、洋服のポケットを確認された。
(軍部に入るのって、こんなに厳しいんだ……)
軍部から出た事はあっても入った事はなかったので、徹底した軍部の身体検査にアリーシャは瞠目する。
さすがに服の内側には触れてこなかったが、危険物を隠し持っていないか、危険物でなくても何か隠していないか出すように再三言われたのだった。
それが終わると、身体検査から解放されて、ようやく手続きに入れたのだった。
前日の夜に雨が降ったからか、日陰はまだ渇いておらず、道端には水溜まりが残っていた。
前日の影響か今朝は風が冷たく、吐く息は白かった。
信号待ちをしている間、アリーシャは手袋を嵌めた握り合わせながら、眉を顰めていた。
(オルキデア様……)
オルキデアと連絡が取れなくなり、三日になろうとしていた。
一日目は忙しくて連絡をする暇が無いのだろうと思った。けれども、二日目の夜になっても何も音沙汰が無いので、アリーシャは不安になった。
本当に仕事が忙しいだけで、連絡をしていなかっただけならいい。
けれども、何か事件に巻き込まれてはいないか、怪我を負って身動きが取れなくなっていないか、急な病気で寝込んでいないか。
ただそれだけが心配であった。
信号が変わると、人混みに紛れるようにしてオルキデアから教わった軍部への道を歩いて行くーー契約結婚をしたばかりの頃、軍部から屋敷に移送される時は遠回りして屋敷に向かったので、後程屋敷から軍部までの最短の道を教わった。
(急に軍部に伺ったら迷惑かもしれない。忙しいだけなら、お仕事の邪魔になるかもしれないし……)
ただ昨夜に、アリーシャが軍部のオルキデアの執務室に電話をかけたところーー電話番号もオルキデアから教わった。誰も電話口に出なかったのが気掛かりであった。
オルキデアが忙しく手が離せないのなら、部下のアルフェラッツかラカイユが出ても良さそうだが、二人共、不在にしているのだろうか。
時間帯が遅かったので、帰宅した後だった可能性も考えられるが……。
軍部に辿り着くと、顔を俯き気味に伏せながら中に入って行く。
すれ違う兵たちが訝しむようにアリーシャを見てくるが、それに気づかない振りをして、軍部の北扉へと近づいて行ったのだった。
「あの……」
アリーシャは北扉の前に立つ兵士に声を掛けると、オルキデアやクシャースラより年嵩の兵はアリーシャを見下ろす。
「はい?」
「軍部に居る夫に会いたいんですが……」
「兵士のご家族ですか? こちらで手続きをして下さい」
年嵩の兵に案内されると、扉側にある控え室の中に連れて行かれる。
どうやら、手前にテーブルが置かれており、兵が席についているが、その奥は机が並んでおり、書類が乱雑に置かれ、飲みかけのコーヒーらしきものが入ったカップや食べかけのパンが置かれていた。
以前、オルキデアの執務室から屋敷に引っ越す際には、何の部屋か分からなかったが、どうやら、この部屋は北扉を警備する兵たちの控え室になっているらしい。
テーブルに付いていた黒髪の若い兵士はアリーシャの姿に気がつくと、その場で立ち上がった。
驚いたアリーシャが小さく頭を下げると、兵士は敬礼をしてきたのだった。
「まずは手続きをする前に、身体検査をさせて下さい。危険物の持ち込みが無いか、確認します」
アリーシャは持っていたハンドバッグを預けて中身を確認させると、次いで「失礼します」と言われて、洋服のポケットを確認された。
(軍部に入るのって、こんなに厳しいんだ……)
軍部から出た事はあっても入った事はなかったので、徹底した軍部の身体検査にアリーシャは瞠目する。
さすがに服の内側には触れてこなかったが、危険物を隠し持っていないか、危険物でなくても何か隠していないか出すように再三言われたのだった。
それが終わると、身体検査から解放されて、ようやく手続きに入れたのだった。
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