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どうして・2
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「身体検査へのご協力ありがとうございます。それでは手続きをしますので、兵士の名前を教えて頂けますか?」
「はい、オルキデア・アシャ・ラナンキュラス少将です」
オルキデアの名前を挙げた途端、兵士は後ろにいた兵士ーー身体検査を受けている間に、いつの間にか増えていた。と、顔を見合わせると、顔色を変えたのだった。
やはり、オルキデアの身に何かあったのだろうか。
アリーシャが「あの……」と言いかけると、兵士は先程と同じ顔に戻って告げたのだった。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。……お引き取りを」
「ど、どうしてですか!? オル……ラナンキュラス少将に何かあったんですか!?」
前屈みになりながら、アリーシャは問い詰めるが、兵士は顔色一つ変えずに「答えられません」とだけ告げる。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。お引き取り下さい」
「そんな……。夫の身に何かあったんですか!? 私、ラナンキュラス少将の妻のアリーシャです」
「ラナンキュラス少将の妻」という単語に、兵士たちは一瞬目を大きく見開いて驚くと、どこか悲し気な顔になる。
「奥様でもお会いになれません」
「夫に会えないなら、せめて夫の部下か友人に会わせて下さい。アルフェラッツさんやラカイユさん、クシャースラ様に……!」
「それも出来ません」
兵士が後ろに目を向けると、後ろにいた兵士がアリーシャの元にやってくる。
アリーシャが女性なので手荒な真似はしないが、出入り口に促すように声を掛けてくる。
「待って下さい! オルキデア様に何があったんですか!? もう三日も連絡が取れないんです!!」
そんなアリーシャの叫びも虚しく、兵士はただ「ラナンキュラス少将はお会いになれません」と冷淡なまでに端的に繰り返すと、アリーシャの腕を掴み、外に連れ出したのだった。
「オルキデア様に何があったんですか!? オルキデア様の部下かクシャースラ様に会わせて下さい!! オルキデア様の妻のアリーシャが会いに来たと伝えて下さい!!」
北扉に連れて行かれる間も、アリーシャは叫び続けたが、反応するのは通路を歩く他の兵士たちだけであり、北扉を警備する兵士もどこか悲しむ様な、哀れむ様な目でアリーシャを見つめただけであった。
そして、アリーシャの腕を引っ張っていた兵士は北扉の外にアリーシャを連れて行くと、ようやく解放してくれたのだった。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。お引き取り下さい」
「やっぱり、何かあったんじゃ……」
「お答え出来ません」
「でも……」
更にアリーシャが言い募ろうとした時だった。「アリーシャ嬢?」と呼ばれたかと思うと、北扉に背を向けた兵士の後ろから同じ軍服を纏った別の兵士が焦った様に走ってきたのだった。
「ラカイユさん!」
オルキデアの部下のラカイユは、兵士の脇をすり抜けるとアリーシャの側にやって来る。
「一体どうしたんですか? 軍部に来るなんて……」
「あの、オルキデア様に何かあったんですか!? もう三日も連絡が取れないんです! 私、心配で……」
アリーシャが泣きそうな顔になりながら早口気味に尋ねると、ラカイユはアリーシャを引っ張ってきた兵士の顔を伺ってから、「こちらへ」とアリーシャの肩を支える様にして軍部の外に連れ出そうとした。
「外までお送りします」
「オルキデア様は……」
「お送りします。来て下さい、アリーシャ嬢」
何処か深刻な顔をしたラカイユに連れられて、アリーシャは軍部を後にしたのだった。
「はい、オルキデア・アシャ・ラナンキュラス少将です」
オルキデアの名前を挙げた途端、兵士は後ろにいた兵士ーー身体検査を受けている間に、いつの間にか増えていた。と、顔を見合わせると、顔色を変えたのだった。
やはり、オルキデアの身に何かあったのだろうか。
アリーシャが「あの……」と言いかけると、兵士は先程と同じ顔に戻って告げたのだった。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。……お引き取りを」
「ど、どうしてですか!? オル……ラナンキュラス少将に何かあったんですか!?」
前屈みになりながら、アリーシャは問い詰めるが、兵士は顔色一つ変えずに「答えられません」とだけ告げる。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。お引き取り下さい」
「そんな……。夫の身に何かあったんですか!? 私、ラナンキュラス少将の妻のアリーシャです」
「ラナンキュラス少将の妻」という単語に、兵士たちは一瞬目を大きく見開いて驚くと、どこか悲し気な顔になる。
「奥様でもお会いになれません」
「夫に会えないなら、せめて夫の部下か友人に会わせて下さい。アルフェラッツさんやラカイユさん、クシャースラ様に……!」
「それも出来ません」
兵士が後ろに目を向けると、後ろにいた兵士がアリーシャの元にやってくる。
アリーシャが女性なので手荒な真似はしないが、出入り口に促すように声を掛けてくる。
「待って下さい! オルキデア様に何があったんですか!? もう三日も連絡が取れないんです!!」
そんなアリーシャの叫びも虚しく、兵士はただ「ラナンキュラス少将はお会いになれません」と冷淡なまでに端的に繰り返すと、アリーシャの腕を掴み、外に連れ出したのだった。
「オルキデア様に何があったんですか!? オルキデア様の部下かクシャースラ様に会わせて下さい!! オルキデア様の妻のアリーシャが会いに来たと伝えて下さい!!」
北扉に連れて行かれる間も、アリーシャは叫び続けたが、反応するのは通路を歩く他の兵士たちだけであり、北扉を警備する兵士もどこか悲しむ様な、哀れむ様な目でアリーシャを見つめただけであった。
そして、アリーシャの腕を引っ張っていた兵士は北扉の外にアリーシャを連れて行くと、ようやく解放してくれたのだった。
「ラナンキュラス少将にはお会いになれません。お引き取り下さい」
「やっぱり、何かあったんじゃ……」
「お答え出来ません」
「でも……」
更にアリーシャが言い募ろうとした時だった。「アリーシャ嬢?」と呼ばれたかと思うと、北扉に背を向けた兵士の後ろから同じ軍服を纏った別の兵士が焦った様に走ってきたのだった。
「ラカイユさん!」
オルキデアの部下のラカイユは、兵士の脇をすり抜けるとアリーシャの側にやって来る。
「一体どうしたんですか? 軍部に来るなんて……」
「あの、オルキデア様に何かあったんですか!? もう三日も連絡が取れないんです! 私、心配で……」
アリーシャが泣きそうな顔になりながら早口気味に尋ねると、ラカイユはアリーシャを引っ張ってきた兵士の顔を伺ってから、「こちらへ」とアリーシャの肩を支える様にして軍部の外に連れ出そうとした。
「外までお送りします」
「オルキデア様は……」
「お送りします。来て下さい、アリーシャ嬢」
何処か深刻な顔をしたラカイユに連れられて、アリーシャは軍部を後にしたのだった。
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