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お泊まり②マサキ
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仕方なくユウキは自分の部屋にタスクを連れて行った。
寮の2階の1番奥がユウキの部屋だった。
元ホテルであったこの建物を少々改装して
今はとある運送会社の社員寮として使っていた。
2階はユウキ以外は子どもがいる家族用の住居となっていた。
ユウキの部屋にはホテル時代からの備え付けのベッドと机くらいしかなかった。
室内の床は畳が敷かれ、居候の弟マサキの布団がたたまれて部屋の隅にあった。
意外と質素な暮らしをしているんだな、とタスクは思った。
机の上に写真立てがあり、
ユウキと客室乗務員の機内でのツーショット写真が見えた。
ユウキは慌てて写真立てを伏せたがタスクは見逃さなかった。
なんだ、CAとの写真かよ。ユウキさんもそういう系の女が好きなんだ。
タスクは勝手にがっかりしていた。
タスクは床に座るとそこで残りのスナック菓子をあけて缶酎ハイを飲み始めた。
そして、自分はいかに凄いかを語り出した。
お人好しのユウキは肯定も否定もせずタスクの話を聞いていた。
早く帰って欲しいと思いながら。
アルコールのせいで眠くなったタスクは
そのまま畳の上で寝転がって寝てしまった。
夜になってもタスクは起きなかった
ユウキが起こしても起きなかった。
ユウキはマサキの布団にタスクを寝かせた。
疲れていたユウキは弟マサキにタスクが来たことを知らせるのを忘れて
入浴後ベッドで寝てしまった。
いつもより帰宅が遅くなったマサキがユウキの部屋に帰って来ると
床の布団で誰かが寝ていた。
豆球の明かりの中
机上の写真立てが伏せられているのに気づいたマサキは
「お、女⁇」
見てはいけないものを見てしまったマサキが部屋を出ようとした時、
足下の履物に目がいった。
明らかに女性ものの履物ではなかった。
「どゆこと? 風呂入りながら考えよう。」
ここにいてもどうにもならないので、
マサキはとりあえず寮内の大浴場へと歩いて行った。
大浴場の前でマサキははなおばあちゃんとばったり会った。
「おかえり。お風呂にしては荷物が多いわね。」
マサキは兄の部屋で今夜は眠れそうにないことを話した。
「まぁ、そうだったの。よかったら私たちの部屋に来たらいいわよ。」
「でも。」
「犬もいるし。ひとりくらい増えても大丈夫よ。」
「オレは犬と同じレベルなのか?」
と思いながらマサキは風呂に入った。
はなおばあちゃんが待っていてくれたので、
一緒にエレベーターに乗り部屋へ向かった。
女子寮は男子禁制である。
マサキがひとりで入るわけにはいかなかった。
「あら、はなさん堂々とオトコ連れ込んで。」
エレベーターの中で他の女子スタッフに会っても、
はなおばあちゃんと一緒なので皆笑っていた。
はなおばあちゃんの部屋には、マツ、ナミおばあちゃんがいるが、
もちろん大歓迎だった。
マサキはベッドをひとつ借りてぐっすり眠れた。
翌朝
はなおばあちゃんがマサキが起きるのを待っていてくれた。
はなおばあちゃんと一緒にエレベーターで降りる。
はなおばあちゃんと一緒に食堂に入った時のことだった。
サーシャがお怒りだった。
(サーシャはマサキのことが大好き。)
「マサキ!どうして私に言ってくれなかったの!」
「どうして、と言われても。急なことだったし。
女子寮は男子禁制なんだよ。サーシャの部屋には泊まれないんだよ。」
「こんなババァたちの部屋に泊まるなら私の部屋にくればいいじゃない‼︎」
「ちょっとアンタ、口が悪いよ。美人だから何言っても許されると思うなよ!」
マツおばあちゃんが言った。
周りの人々は、口が悪いって、アンタもじゃないか、と伝えたかったが、黙って見ていた。
寮の2階の1番奥がユウキの部屋だった。
元ホテルであったこの建物を少々改装して
今はとある運送会社の社員寮として使っていた。
2階はユウキ以外は子どもがいる家族用の住居となっていた。
ユウキの部屋にはホテル時代からの備え付けのベッドと机くらいしかなかった。
室内の床は畳が敷かれ、居候の弟マサキの布団がたたまれて部屋の隅にあった。
意外と質素な暮らしをしているんだな、とタスクは思った。
机の上に写真立てがあり、
ユウキと客室乗務員の機内でのツーショット写真が見えた。
ユウキは慌てて写真立てを伏せたがタスクは見逃さなかった。
なんだ、CAとの写真かよ。ユウキさんもそういう系の女が好きなんだ。
タスクは勝手にがっかりしていた。
タスクは床に座るとそこで残りのスナック菓子をあけて缶酎ハイを飲み始めた。
そして、自分はいかに凄いかを語り出した。
お人好しのユウキは肯定も否定もせずタスクの話を聞いていた。
早く帰って欲しいと思いながら。
アルコールのせいで眠くなったタスクは
そのまま畳の上で寝転がって寝てしまった。
夜になってもタスクは起きなかった
ユウキが起こしても起きなかった。
ユウキはマサキの布団にタスクを寝かせた。
疲れていたユウキは弟マサキにタスクが来たことを知らせるのを忘れて
入浴後ベッドで寝てしまった。
いつもより帰宅が遅くなったマサキがユウキの部屋に帰って来ると
床の布団で誰かが寝ていた。
豆球の明かりの中
机上の写真立てが伏せられているのに気づいたマサキは
「お、女⁇」
見てはいけないものを見てしまったマサキが部屋を出ようとした時、
足下の履物に目がいった。
明らかに女性ものの履物ではなかった。
「どゆこと? 風呂入りながら考えよう。」
ここにいてもどうにもならないので、
マサキはとりあえず寮内の大浴場へと歩いて行った。
大浴場の前でマサキははなおばあちゃんとばったり会った。
「おかえり。お風呂にしては荷物が多いわね。」
マサキは兄の部屋で今夜は眠れそうにないことを話した。
「まぁ、そうだったの。よかったら私たちの部屋に来たらいいわよ。」
「でも。」
「犬もいるし。ひとりくらい増えても大丈夫よ。」
「オレは犬と同じレベルなのか?」
と思いながらマサキは風呂に入った。
はなおばあちゃんが待っていてくれたので、
一緒にエレベーターに乗り部屋へ向かった。
女子寮は男子禁制である。
マサキがひとりで入るわけにはいかなかった。
「あら、はなさん堂々とオトコ連れ込んで。」
エレベーターの中で他の女子スタッフに会っても、
はなおばあちゃんと一緒なので皆笑っていた。
はなおばあちゃんの部屋には、マツ、ナミおばあちゃんがいるが、
もちろん大歓迎だった。
マサキはベッドをひとつ借りてぐっすり眠れた。
翌朝
はなおばあちゃんがマサキが起きるのを待っていてくれた。
はなおばあちゃんと一緒にエレベーターで降りる。
はなおばあちゃんと一緒に食堂に入った時のことだった。
サーシャがお怒りだった。
(サーシャはマサキのことが大好き。)
「マサキ!どうして私に言ってくれなかったの!」
「どうして、と言われても。急なことだったし。
女子寮は男子禁制なんだよ。サーシャの部屋には泊まれないんだよ。」
「こんなババァたちの部屋に泊まるなら私の部屋にくればいいじゃない‼︎」
「ちょっとアンタ、口が悪いよ。美人だから何言っても許されると思うなよ!」
マツおばあちゃんが言った。
周りの人々は、口が悪いって、アンタもじゃないか、と伝えたかったが、黙って見ていた。
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