悪役令嬢な眠り姫は王子のキスで目を覚ます

永江寧々

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最悪のファーストキス

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「では次の問題をヘザリントン……は、また眠っているのか」

 病気かどうかもわからないのでは教師達もティファニーをどう扱っていいのかわからず困っている。学園長から『ティファニー・ヘザリントンの眠りに関してはお咎めなしで頼む』と言われているため誰も注意は出来ないし起こす事も出来ない。

「先生、ヘザリントンだけ注意しないってのはおかしくないですか?」
「贔屓だ」

 生徒達から不満が上がるのも教師たちは理解している。だからこそ謎だった。この学園のトップである校長が何故ヘザリントンだけを特別扱いするのか———

「ヘザリントンは眠り病だ」

 教師も困って病気だと嘘をつく事にしている。

「眠り病じゃなくて居眠り病だろ」
「もしくは怠け病な!」

 クラス中に笑い声が響き渡ってもティファニーは目を覚まさない。自分がクラス中から馬鹿にされている事をティファニーは知らない。

「やめて」

 そして———

「ティファニーは病気なの。読みたい本も読みたい所まで読めないし、ご飯だって眠ってる間に下げられてるから食べたかどうかも覚えてないし、いつ眠ったか自分でも覚えていないの。今こうして寝ているのも本人の意思に反してよ。寝たくて寝てるんじゃない。それを笑ったりしないで」

 マリエットが点数を稼いでいる事も知らない。

「いつもやられてるのに庇うのかよ」
「幼馴染だもの。彼女がどれだけ辛い思いをしてきたか私はよく知ってる。だからお願い。理解出来ないならしなくていい。その代わり悪くも言わないで。無関心でいて」

 声を震わせ、口を押さえ、そして極めつけはキラリと光る涙を見せれば効果は抜群だ。あんなに笑い声が響いていたクラスが静かになり、何故か拍手が起こった。

「先生、中断してしまってすみません。続きをお願いします」

 拍手を否定するように首を振った後、涙を拭って教師に向かって微笑むマリエットは今日も大きく株を上げた。

「……また……」

 もう口癖となっている目覚めの第一声である『また』は言うだけ馬鹿馬鹿しいが言ってしまう。

「ティファニー、今日のお茶会忘れずに来るのよ」
「マリエット様、ティファニー・ヘザリントンは呼ぶ必要ないのでは……」
「そんなこと言わないで。彼女本当はお茶会が大好きなの。仲良くしてあげて」
「マリエット様がそうおっしゃるのであれば……」

 ハッキリした頭でなら理解出来るマリエットの周りにいる令嬢達の嫌そうな顔。嫌悪感剥き出しな表情で見られたところでマリエットは「わ、私はいいよ」とは言わない。涎が垂れていないか手の甲で口を拭いながら上半身を起こすと拭った手をそのまま口端に当て鼻で笑う。

「マリエットがどうしても来てほしいとお願いしているのに行かないのは失礼でしょう? もちろん行かせていただきますわ。楽しいお茶会になりそうですものね」

ティファニーの言い方は〝何かする〟そう宣言しているようなもので、警戒心剥き出しの表情は解除されることなく多くの取り巻き達がマリエットを半ば強引にエスコートするように引っ張っていった。

「ぬるめの紅茶を用意しないと」

 誰もいなくなった静かな教室でお茶会に出席する際に絶対に必要である紅茶の音頭を呟けば「面倒くさい」と呟きたかったが、ドアの向こうにマリエットが隠れていて盗み聞きでもされていたら大問題だと心の中だけで呟いた。

「そこはもう復習済み」

 黒板に残されてある今日の学習範囲もティファニーは既に復習まで終わっているためノートもペンも必要なかった。だからこそ教師達は余計に何も言えない。成績が悪いのであれば問題だと校長に言う事も出来るがティファニーは父親の教育のおかげで成績は上位。学校で眠っていようと問題ないと校長に判断されていた。

「わたくしのために残してくださらなくてもよくってよ」

 残されていると最終的に消すのは自分で面倒くさいためさっさと消してほしいが親切心で残してくれているためいつも同じことを呟きながら消すことになるのが至極面倒だった。

「悪役令嬢も楽じゃないですわ」

 自分では上手く出来ているかわからない悪役令嬢も父親に怒られていない事で成功している事を実感する。
 悪役令嬢といえどヒロインと対峙して本気で火花を散らすのではなく、あくまでもヒロインをヒロインたらしめるために存在するだけ。だから本気で熱い紅茶をかけるわけにはいかないし、顔にパイを投げつけて汚すのも許されない。汚していいのはドレスだけ。
 マリエットのための悪役令嬢。だから箇条書きにされた条件が山のようにあって、時々更新だってされる。やりたいようにやって認められるには程遠い悪役令嬢をやっていた。






「ティファニー・ヘザリントン! 遅刻ですわよ!」
「主役は遅れて登場するもの。ご存知なくて?」
「主役はマリエット様よ! あなたが主役になれるはずないでしょ!」

 胸を突き刺すような言葉に一度口を閉じてしまうが自慢の縦ロールを後ろに払って席についた。

「ティファニー、今日はあなたの好きなロイヤルブレンドを用意したわ」
「今日はダージリンの気分でしたのに」
「でもロイヤルブレンド好きでしょ?」
「知ったような口振りはやめていただけませんこと?」
「知ってるもの」

 何を言われても笑顔で返すマリエットは心が広いと褒められていた。あのマリエット・ウインクル公爵令嬢が気を遣ってくれているというのにティファニーの態度は許されたものではないとも。
 何故マリエットがティファニーを誘うのかわからないという顔をするが誰もマリエットに誘うなとは言えず、マリエットもそれをわかっているためいつもティファニーを誘って自分の優しさを見せつける。自分が持つ地位を上手く利用して生きるずる賢い人間。

「毒を入れられるかもしれないと思って自分で用意してきましたの。なのでロイヤルブレンドは結構ですわ。喉が渇いている彼女達にわたくしの分まで振舞って差し上げて」

 学校の給仕係に運ばせてきた紅茶を自分の前に置かせるティファニーに『失礼だわ』と声が聞こえるが目を伏せて笑うだけで噛みつきはしない。

「わたくしの大好きな苺タルト! いただきますわ!」
「ちょっと!」

 一番上に乗っているナパージュによって輝く苺タルトを手に取って自分の皿に置くティファニーにさすがに声を上げた令嬢。我慢ならないと怒気を含ませた声に皆が黙り込み、同じようにティファニーを睨み付けていた。

「サンドイッチから食べるのがマナーよ!」
「でもサンドイッチの気分ではありませんの」
「それでもマナーは守りなさいよ!」
「サンドイッチ、スコーン、ペストリーを食べた後にディナーだなんて豚じゃないんですからムリですわ。まあ、あなた達は問題なく食べてしまいそうですけど」
「なんですってぇ!」

 アフタヌーンティーのルールを守らないティファニーに怒鳴る令嬢の顔が赤くなるのは侮辱されたからだけではなく人の話を真面目に聞くどころか苺タルトを食べながら聞いていたせい。
 マナーもルールも無視するティファニーはこの場に相応しくないと誰もが思っているがマリエットが誘った以上は誰もそれを指摘できない。だからティファニーもそれを利用して皆を不快にする。
 ヒロインを目立たせるために悪役令嬢はどこまでも嫌われなければならないのだ。

「ティファニー、もしサンドイッチもスコーンも気分じゃないのならせめて皆に一言断ってから食べなきゃダメよ」
「どうして食べたい物を食べるのに彼女達の許可が必要なんですの? わたくしはわたくしの食べたい物をわたくしの判断で食べる。それだけですわ」
「でも皆で楽しむ場所なんだから気遣いは必要でしょ?」
「今日の紅茶もとても美味しいですわ」
「あなたねぇ!」

 マリエットの言葉さえ無視して紅茶を口にするマリエットに我慢ならなくなった令嬢が感情のままにテーブルを叩いた瞬間、ちょうどカップをソーサーに置こうとしていたのが振動でソーサーが浮き上がりカップに当たってティファニーの手を離れてしまった。

「キャアッ!」
「マリエット様!」

 隣に座っていたマリエットの膝の上にこぼれ、ミルクティーがドレスを染め上げる。

「大変! 早く医務室へ!」
「私のカップが……! このっ……!」
「キャアッ! な、なにするのよ!」

 皆がマリエットの火傷を心配する中、ティファニーだけが自分のカップが割れてしまった事を気にしていた。それを睨み付ける令嬢のもとに早足で寄ると怒りを顔に思いきり手を振り下ろして頬を叩いた。

「あなたのヒステリーのせいでわたくしが大事にしていたカップが割れてしまいましたのよ!」
「あなたがマリエット様に失礼な態度を取るからでしょ!」
「自分のせいでそのマリエット様が火傷を負う事になってさぞ気分が良い事でしょうね!」
「私がワザとやったって言いたいの⁉」
「マリエットに怪我を負わせればこの場は解散となり、わたくしを見ずに済みますもの。そのためなら事故を装うぐらいするんじゃありませんこと?」

 顔を真っ赤にして怒る令嬢の手が振り上げられるのを見ながらもティファニーは目を閉じようともそれをガードしようともしなかった。あえてそれを受け止めようとした時

「やめてっ」

 マリエットの声に振り下ろされるはずの手が止まった。

「私なら大丈夫だから喧嘩はしないで。ティファニー、今日はあなたが悪い……ッ!」
「ティファニー・ヘザリントンのことはいいですから早く医務室へ行きましょう!」

 ぬるめに作らせていた紅茶なのだから熱いはずはないが、苦痛を顔に滲ませる演技はさすがだと感心してしまう。

「あとで請求書を送らせていただきますわ」
「誰が弁償なんてするものですか! 安物のカップなら買い直せばいいでしょ!」
「ええ、安物ですから買い直していただけますわよね? ではまた」

 割れたカップを拾い集めて給仕係に渡せば縦ロールを後ろに払ってクスクスと笑い声を残して去っていく。

「ふう」

 奥へと進んでお気に入りの大木に近付くと木陰の中で涼しい風が頬を撫で通り過ぎていく。ドレスが汚れるのも気にせず下に何も敷かずに直接座り込んでは木にもたれかかるのがティファニーは好きだった。

———ヒロインであればここで本を読み、寄ってくる小動物に笑いかけているのを王子が見かけて思わず声をかける。相手が王子である事に気付いたヒロインは慌てながら挨拶をするけれど王子が堅苦しいのはナシだと言って隣に腰かけ、二人は少しの間、楽しくおしゃべりをする。でもわたくしはヒロインではないので本も持っていなければ小動物も寄ってこない。そして周りを見回しても王子はいない。決定ですわね。

 マリエットはヒロインだから王子と親しくなった。近々婚約を結ぶとまで言われ、よく二人で一緒にいるのを見かけるのもヒロインだから。
 ヒロインは何故かいつも王子と一緒にいて、周りは何故かそれを普通に受け入れている。ましてやヒロインはそれを光栄な事とは思っておらず普通の日常として受け止めている図太い神経の持ち主。

「マリエットは適役ですわね」

 図太い神経の持ち主という部分だけで見ればぴったりだと頷くも自分を良く見せるための努力を怠らないというのも並大抵の努力ではムリだとわかっている。思ってもいない事を言い、笑いたくない所で笑い、誰にでも優しく接する。成績は優秀でなければならないし、太るわけにもいかないし、下品な言動は許されない。
 人から良く見られるというのは簡単なようで難しいそれをマリエットは幼い頃からずっと続けている。
そこだけは尊敬していた。

「ん? ……先に行け」

 ザッザッと土を蹴る音と共に聞こえた男の声。

「ティファニー・ヘザリントン」

 名前を呼ばれても目を閉じ静かな寝息を立てるティファニーは意識を覚醒させることなく眠っている。
 日陰の涼しさと風の気持ち良さでいつの間にか眠りに落ち、木にもたれかかっていた身体はズリ落ちて地面に寝転んだ状態となっていた。

「…………」

 隣に腰かけて暫くティファニーの寝顔を見ていた男は上半身を動かしてティファニーの顔に影を落とした。

「ん……」

 小さな声を漏らしたティファニーがゆっくり目を開ける。

「ッ⁉」
「ッ‼」

 ティファニーが目を見開いた直後、ゴンッと鈍い音が響き、二人の顔が苦痛に歪んだ。

「な、ななななななななんですの⁉ 誰ですの⁉」

 起きた時はいつも一人なのに人がいるだけではなく間近に顔があった事にパニックを起こすティファニーが声を上げながら蜘蛛さながらに四肢を使って一気に距離を取った。

「俺だ」
「最近流行りの詐欺……コンラッド……グレンフェル?」

 信じられないと目を見開くティファニーはどうするべきか迷った。驚いて起き上がっただけといえど頭突きをかましたのは間違いなく、赤くなっているのが見える。謝罪すべきか? だが相手が顔を近付けていたせいで、いくら王子であろうと失礼だと思う気持ちもあり、おまけにコンラッドはマリエットの婚約者候補。

「な、何用ですの?」

 問いかけながら辺りを見回すも空の色はお茶会の時からあまり変わっていない。澄みきった青空に映える白い雲。こんな時間に起きるのは珍しいと不思議だった。

「どこでも寝るというのは本当のようだな」
「居眠り病ですもの。または怠け病。どこでだって寝てやりますわ」
「寝てやる、か……ククッ、イイ言い方だな」

 嫌味で言ったつもりが逆に褒められると調子が狂う。

「無防備に寝ているとキスされるぞ」
「そんな気持ち悪い男が存在するとは思いたくありませんけど忠告感謝しま……」

 ふと甦る覚醒直後の記憶。

「どうした?」

 意地の悪い笑みを浮かべるコンラッドと視線が合うとティファニーは思わず口を押さえた。

「あ、あなた……まさか、わっわたくしに……」
「キスした」

 顔が間近にあった理由をあっさり白状するコンラッドに悪びれた様子はない。さもそれが当たり前だったかのような言い方にティファニーは初めて身体が震えるのを感じた。

「なっなっなっ……なんで……」

 餌を求める魚のように口をパクつかせるも上手く言葉が出てこないティファニーに首を傾げながら考える素振りを見せるコンラッド。

「寝顔がタイプだったから」
「は……?」

 理由として納得いくものではない答えにわなわなと身体を震わせながら立ち上がって無礼にも王子を指差した。

「そ、そんな理由でわたくしのファーストキスを……!」
「ああ、初めてだったのか。悪いな。責任でも取ってやろうか?」

 立ち上がって目の前まで寄ってきた王子の言葉にティファニーの手は無意識に動き、パンッと乾いた音を響かせた。

「くたばりあそばせ」

 睨み付けてから去っていくティファニーの姿を見ながら痛む頬を押さえるコンラッドの表情は面白いものを見つけたとでも言うような笑みを浮かべていた。

「何が責任でもよ! 常識知らずの無礼者! あんなのが王子だなんてこの国に未来はありませんわね!」

 ファーストキスは一度しかない。想いが通じ合った相手とするものだったティファニーにとって今回の出来事はショックが大きかった。
 相手の名前と顔は知っていると言っても話した事はなく、初対面と言ってもいい。それなのにコンラッドは「寝顔が好みだった」という理由でキスをした。
 怒りが収まらないティファニーは待っていた馬車に乱暴に乗り込み、御者を驚かせた。

「……ファーストキスだったのに……」

 いつか王子様となどという身分違いな夢を抱いてわけではない。伯爵令嬢には伯爵令嬢に相応しい相手が宛がわれる。それも今ではなく、マリエットが王子と結ばれた後の話。
だが、こんなファーストキスになるとは想像した事もなかった。

「最悪ですわ……」

 人生最悪の出来事に記録されるだろう事件にティファニーは初めて絶望を感じていた。

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