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チェックメイト
しおりを挟むコンラッドがマリエットと一緒にいるようになってからティファニーは悪役令嬢として過ごす事が少なくなった。
何もしていない二人に自分から何かを仕掛けようかとも考えるが、このままさっさと二人がくっついてくれればそれでいいとも思う。
マリエットにやり返すのはあくまでも悪役令嬢としてのやり方であって、接点がなければ何も出来ない。
コンラッドが傍にいる時にやればコンラッドに好意を持っているからと思われかねない。それだけは避けたいと願うティファニーはまだ最善の策と呼べるものが頭に浮かんでいなかった。
「ティファニー!」
「あら、なんで……ッ!?」
鴨が葱を背負って来るとはこの事だと振り返るも、顔を見るより先に頬への衝撃に目を見開いた。
手に持っていたサンドイッチが手を離れ、制服のスカートに落ち、汚した。何が何なのかわからないティファニーは目を見開いたまま顔を向けるとマリエットが肩で呼吸をしながら睨み付けている。
「いきなり人の頬をぶつなんて非常識ですわよ!」
「非常識なのはそっちよ! どうして嘘をついたのよ!」
「嘘?」
「しらばっくれるつもり!? これは何よ!」
投げられた紙を拾って読むと手紙だということがわかった。差出人の名前は聞いた事もない男の名でティファニーには心当たりがない。
「誰ですの?」
「いいから読みなさい!」
本気で怒っているような声の大きさに眉を寄せながら手紙を読み進めると口こそ開けなかったが、そこには確かにティファニーの名前が書いてあった。
(あの日、君をダンスに誘って断られた時、僕はてっきり君が高飛車でどうしようもない傲慢な女だからだと思っていたが、どうやら違ったようだ。ティファニー・ヘザリントンという公女から聞いた。君はとてもシャイで僕の手を取れなかったんだね)
これはパーティーの日にクリストファーに言った言葉だが、差出人は違う。
クリストファーが別人を騙って書いた手紙? フラれた友人の代わりに書いた? それともクリストファーから話を聞いた本人が書いた手紙?
違うと言って投げつけて頬を叩き返したかったが、言った覚えのある内容と間違えようのない綺麗な字で書かれた自分の名前にティファニーは反論できなかった。
だが……
(本当は僕の手を取りたがっていたと聞いてとても嬉しかったよ。舞い上がりそうだった)
言った覚えのない言葉まで書かれていた。舞い上がった故の妄想で書かれた事なのか……だとしたらたちが悪い。
「私にではなくコンラッド様の家に届いたのよ!」
この内容をコンラッドが読めば確実に誤解するだろうことは明白で、それらしいことを言われたから釈明する為にこうして怒り狂いながら来たのだと理解する。
頬を叩かれた痛みと苛立ちにティファニーは立ち上がり、マリエットの前まで行って手紙を顔に投げつけた。
「何するのよ!」
「こっちの台詞ですわ! わたくしに何も聞かず一方的にぶつなんて酷いじゃありませんの!」
「あなたが嘘をついたからこんな手紙が来たのよ!」
嘘はついた。マリエットはシャイではない。だが、手を取りたがったとは一言も言っていない。それどころかフォローさえしたのに手紙のせいでそれも台無しになった。
鴨はやってきたが、それをどう料理するかが問題だった。
あのマリエット・ウインクルが怒鳴っていると野次馬が集まり、リングになった舞台の上でティファニーは考えていた。
「わたくしではありませんわ」
「あなたの名前が書いてあるのよ!」
「だからなんですの? わたくしを嫌っている人間なら誰でも書けるものですわ。それこそあなただって書けますわ。わたくしを陥れるために自作自演の可能性もありますものね」
「コンラッド様の家に届いたのよ!?」
「自分で届けた可能性もありますわよね? 自分を可哀相な女に仕立て上げるためにやったとか。わたくしを更に嫌な女にするためにしたとか」
仁王立ちをして少しでも自分を大きく見せながら対峙するも後ろでコンラッドが真っ直ぐこっちを見ているのが視界に入った。それでもティファニーはコンラッドには視線を向けず、怒りで顔を真っ赤に染めるマリエットを見つめながら挑発し続ける。
せっかく作ってくれた舞台を自分の物にするためにはここで弱気になるわけにはいかない。
嫌な悪役令嬢が今更泣いて見せたところで誰も信じはしない。嘘泣きだと言ってマリエットの味方をするだけだ。悪役令嬢には悪役令嬢のやり方がある。
王子が意図的に向こうの味方についているのなら尚更。
「ティファニー・ヘザリントン」
マリエットの前に立ったコンラッドに一歩下がって距離を取れば大きく顔を上げるだけで返事はしなかった。
「残念ながらこの手紙はマレニス王国から配達された事が証明されている。ここに記された日、彼女は俺と一緒にいた」
「それを証明する方はいらっしゃいますの?」
「なんだって?」
「王子とマリエットが二人でいた事を証明する方がいるのかと聞いておりますの」
「私達ですわ!」
「グルの可能性があるあのやかましい取り巻き以外に」
胸を張って前に出てきた三人の取り巻きを無視して証人を出して来いと言うティファニーを『命知らず』『無礼者』『イカれてる』と囁く声が聞こえるも気にはならない。
強気な態度を崩さないティファニーを不愉快そうに見るコンラッドが嫌がらせのためにやった線もティファニーの中にはあったが、さすがに侮辱罪に問われかねないため控えた。
「君が自分で出した可能性は?」
「わたくしが?」
「君はこの日、マレニス王国のクリストファー王子と会っていたらしいじゃないか。マレニス王国にいた君なら手紙を出す事は可能だ。行く前に書いていた手紙をマレニス王国で出すだけなのだから」
———言ってくれますわね。
「どうしてわたくしが自分を窮地に追い込むような真似をしなければなりませんの?」
「俺とマリエットの仲を裂く目的で。ほら、前に言ってくれたじゃないか。俺の事をずっと好きだったと」
周りが一気にザワつき、驚きにティファニーも目を見開いた。
これだけ人が集まる場で王子が言うことを嘘だと疑う者はいない。ましてや関係解消する前までティファニーはコンラッドと親密に見えるように過ごしてきた。そこに好意がないのなら何故マリエットという婚約者がいるのを知りながら一緒にいたのかと生徒達は疑問に思うだろう。
舞台に立って右を出すか左を出すかなど考えている暇などなかったのに悠長に考えていたせいで先手を打たれてしまった。
ギリッと歯を鳴らすティファニーに向けられる張り付けられた満面の笑み。余裕たっぷりなその表情に一度頷いたティファニーは肩を揺らす。
「あっはっはっはっはっはっは! あーっはっはっはっはっはっは!」
大声で笑い始めたティファニーにコンラッドもマリエットも驚きに目を瞬かせる。
「わたくしがあなたを好きだと言ったですって? ご冗談を。わたくしが好きなのはクリストファー・ブレア王子であってコンラッド・グレンフェル王子ではありませんわ。もしわたくしがあなたに好意を寄せているならクリストファー王子からのお誘いを受けるはずありませんわ。好きな人に誤解されるのは嫌ですもの。ふふっ、ふふふふふふっ、おかなし事を言い出しますのね」
生徒達の口から『どっちが本当なんだ?』と混乱の声が聞こえてくることにティファニーは笑みを浮かべる。
このまま二人の思い通りにさせてたまるかと思いきり舌を出してやりたいのを堪えながら地面に落ちた手紙を拾ってその場で大きな音を立てて破いてみせた。
「わたくしは確かに、ここにいる皆が思っている通りの嫌な女ですわ。でも一つだけ覚えていてくださる? わたくし、こういう姑息な手は好きじゃありませんの。やる時はこうして向かい合って正々堂々やってやりますの。今までもそうしてきたようにこれからもそれは変わりませんわ」
聞こえてくる『確かに』という声に取り巻き達が悔し気な顔をする。
「でもあなたが言ったと書いてあるのよ」
「この差出人の名前も知りませんのに。大体、わたくしが異性と仲良くお喋りしているのを見たことがありますの?」
「ない……けど……」
「失礼な話ですけど、わたくし、あの日のパーティーで話していた男性がクリストファー王子という事も知りませんでしたのに。マレニス王国に知り合いがいるはずないでしょう」
ついに反論しなくなったマリエットに思いきり鼻を鳴らしてやりたくなったが、ここはマリエットの決めつけという形で終わりたかったティファニーは破いた手紙をバッと散らした。
「幼馴染だと主張するわりに、わたくしのこと何も知りませんのね」
「疑ってごめんなさい……」
「いいんですのよ。あなたがわたくしに優しくするのは自分の株を上げるためだと知っていますもの」
「違うわティファニー!」
「いいんですのいいんですの。わたくし達は持ちつ持たれつの関係ですもの。わたくしが退学にならないのはあなたの恩恵があってこそ。そしてあなたも……ふふっ、これ以上はやめておきますわね」
マリエットの表情から笑顔が消えた。これが二人きりなら鬼の形相で手を上げてきただろうが、この場には大勢の観客が決着を見守っている。
取り巻き達だけが知っている本性を他の生徒達に知られるわけにはいかないマリエットに打つ手はない。
———チェックメイト、ですわ。
「それからコンラッド王子」
「……なんだ?」
「わたくしがあなたを好きだと言ったという嘘、今後二度とお言いになられないようお願いしますわ。クリストファー王子の耳に入ったらショックを受けられるでしょうから」
「まるで彼が君を好きだとでも言いたげだな?」
「そこまで断言はしませんけど、毎日手紙をくださいますし、来週またお会いしますの。ですから嘘もあなたに好意があるだなんて話、彼のお耳に入れたくありませんの」
クリストファーと親密な関係にある事を示唆しながらコンラッドの言葉が嘘である事を強調すれば返事はなかったが、気に食わないという顔は見せた。それが証拠だと目を細めるティファニーは小さく笑ってその場を後にする。
———勝った!
優雅に去る中で小さくガッツポーズをするティファニー。
今すぐにでも高笑いを響かせて追い打ちをかけてやりたかったが、今日はこれぐらいで満足する事にした。
「ティファニー!」
コンラッドではない男の声に不思議そうに振り返ると見覚えのない男が手を振りながら笑顔で走ってきていた。
「誰ですの?」
馴れ馴れしく名前を呼ばれるような間柄の男はいないと眉を寄せるティファニーの前で立ち止まった男は笑顔のまま手を握ってきた。
「ちょっと! 馴れ馴れしいですわよ!」
「ティファニーだぁ!」
「は?」
嫌悪感丸出しで手を振り払って睨み付けると感動したように目を潤ませる男は両手を広げてそのままティファニーを抱きしめた。
わけがわからず腕の中でもがくも力が強すぎて離れられず、何度も背中を叩いて抵抗すると「いてて」という声と共に離れた笑顔の男。叩かれてでも笑っている異常者にゾッとしながら距離を取ると男は胸に手を当てる。
「僕だよ! アーロンだ!」
「……アーロン?」
「そう! 君の幼馴染のアーロンだよ!」
眉を寄せたまま今度は自分から近付き、ドンッと拳で胸を叩いたティファニーは顔に怒りを滲ませ睨み付けた。
「彼の名を騙って何を企んでいるのかは知りませんけど、許しませんわよ。彼は今、将来のために留学中ですの」
「留学期間が終わったんだよ」
「この嘘つき! この学校には嘘つきしかいませんの!? アーロンはもっと背が低かったし、もっとおデブですの! アーロン・オールストンの名を騙りたければもっと体型を似せてから来ることね!」
幼馴染の名を騙るなど許せないと胸を叩いては突き飛ばすティファニーに目を瞬かせるも男はすぐに嬉しそうに笑って再び強く抱きしめた。
「ちょっと!」
もがくティファニーがヒールで思いきり足を踏んでようやく身体が離れ、距離を取った。
「僕なんだよ、ティファニー。アーロン・オールストン! デーブストンってバカにされてイジメられてたおデブでおバカの泣き虫坊ちゃん! 女々しくて情けない男の風上にも置けない男の」
昔からティファニーがアーロンに言い続けてきた言葉に固まる。
背は見上げるほど高くなり、身体を揺らしていた脂肪はどこにもない。いつだって汗をかいてハンカチが手放せなかった太った子がアーロン・オールストンなのに目の前にいるのは全くの別人で、ティファニーは信じられないと首を振る。
「じゃあ何か質問出して。君しか知らないこと」
自信ありと顔に書いてあるアーロンを見ながらまだ眉を寄せるティファニーは幼い頃を思い出して口を開く。
「アーロンが寝る前に必ずしていたことは?」
「チョコレートドリンクとドーナツを食べること」
「何個?」
「三つ。チョコ、キャラメル、シュガーの三種類」
「アーロンの宝物は?」
「君から初めてもらったバレンタインデーのチョコ」
「食べるまでにかかった日数は?」
「ひっかけだ。食べてない」
「わたくしの宝物は?」
「ユーリティア」
「ユーリティア?」
「ウサギのぬいぐるみ。今もクローゼットの中?」
降参するしかなかった。
アーロンはティファニー同様、友達がいなかった。いつ見てもお菓子を食べて汗をかいている。背は低く、太っていて、丸眼鏡をしている汗っかき。弱虫で泣き虫でティファニーの後ろにいる事が多かった。だから夜の習慣やバレンタインの事を知っている者はティファニーしかいないのだ。
何より、ウサギのぬいぐるみの存在を知っているのはアーロンだけでアビゲイル達も知らないのだ。その名を言われてしまえば信じるしかなかった。
「信じられませんわ。足に木でも移植しましたの?」
「成長しただけだよ。この体型もダイエットしたんだ。ちなみに身長は一年で18㎝伸びたし、体重は35㎏落ちた」
別人としか思えないが、改めて見てみると笑顔にはアーロンの面影が残っている。人懐っこい笑みはいつだってティファニーを笑わせてくれたし、安心させてくれた。
「くせ毛はそのままですのね」
「君が気持ちいいって言ってくれたから」
「よく似合ってますわ」
手を伸ばせば軽く屈んで自ら撫でられにくる犬っぽい所も変わってはいない。
「帰ってくるなら手紙ぐらいくれてもよかったのに」
「驚かせたかったんだ」
「なら大成功ですわね」
「へへっ」
すっかり見た目が変わってしまった相手からの手紙には一言でも痩せたとは書いておらず、今日のためにずっと内緒にし続けていたのだと思うと変わらないサプライズ好きに笑ってしまう。
手紙だけのやり取りだった幼馴染の帰国は素直に嬉しく、アーロンの腕をポンポンと叩いた。
「おかえりなさい、アーロン・オールストン」
「ただいま、ティファニー」
どこかでお茶をしようと誘うティファニーに尻尾を振ってついていくアーロンの姿を見ていた女子生徒の視線が注目しているのを二人は気付いていなかった。
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