悪役令嬢な眠り姫は王子のキスで目を覚ます

永江寧々

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自分のためではなく

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 アビゲイルが部屋を出ると丁度ティファニーが部屋に入る所だった。あからさますぎる落ち込んだ様子に眉を下げながら近付くと肩を抱いて一緒に中へ入っていく。

「どうしたの?」
「……やっぱりわたくしには悪役令嬢がお似合いですわ」
「なにかあった?」

 悪役令嬢の任は終わっていないといえど王子をゲットした妹はもう悪役令嬢を終えてもいいはず。父親がうるさく言わないのもクリストファーから話をされたからだ。狂喜乱舞していた父親の醜さを直視出来なかったのはアビゲイルだけではない。
 まだ十代の半ば。これから人生逆転していくのは何も難しい事ではないのだ。それなのにまた悪役令嬢を口にするティファニーの顔を覗き込めば生気が失われていた。

「クリストファー王子と話をしましたの。ヒロインになりたがっているマリエットに仕返しするには何もやり返さないというのが正しいのではないかと。それでわたくしはそうすると約束しましたのに三日坊主にもなれず、今日、言い返してしまいました……。それも淑女ではなく嫌味たっぷりな挑発めいた言い方で……」

 淑女の生き方を知らないのだから振舞えないのは当然だとアビゲイルは苦笑する。見本にならなければならない姉二人は淑女とは程遠い性格をしていて見本にもなれなかった。何より、悪役令嬢にならなければならない妹に淑女とはこうあるべきだと言ったところで混乱するだけだと何も教えなかったのだ。
 何でも吸収するこの十年に悪役令嬢になりきり、それが染みついたティファニーが今更淑女のように振舞おうとしても無理だとアビゲイルにもわかっている。だが、それを無理だと言ってしまえばティファニーは崩れてしまうだろう。
 クリストファー・ブレアという王子をゲットし、悪役令嬢という役目をしている事を理解してもらえている。その上で自分が出る行動の提案までしてくれるのだから男どころか人間として誇れる相手だ。しかし、だからこそティファニーは日々、不安になっていた。
 伯爵というけして低くはない家柄に生まれながらも公爵の娘と比べられ続けてきたティファニーは伯爵という爵位がネックになっているらしく、王族には王族が相応しいという思い込みが素直になる邪魔をしている。
 覚悟と迷いが二重人格のように浮き沈みを繰り返していた。

「やり返さない事がそんなに大事?」
「だって……それ以外の方法を知りませんもの。同じことの繰り返しは意味がない。いつか本当に怒らせて窮地に立たされた時、わたくしのせいでもしこの家が……」

 アビゲイルはティファニーの口を手で押さえた。そして黙って首を振る。
 ゆっくり手を離して抱きしめるアビゲイルの腕の力は強く、どうしたのかとティファニーは驚きに目を瞬かせた。

「私がどれだけの公子と繋がってると思ってるの? マリエット一人敵に回したぐらいで崩れるような事は絶対にないわ。向こうが一歩踏み出した瞬間にこっちが潰してやるんだから。たかが公爵令嬢一人相手に出来ないわけないでしょ。ウインクル家が一番上なの?」
「いいえ……」
「美貌も顔の広さも私の方が上なの。だからあなたは何も心配しなくていい」

 どうしてまだ十代の末っ子が家の事を気にして動かなければならないのか、アビゲイルは悔しくなった。家の事を一人で背負うには問題が大きすぎる。ただでさえ父親のせいで人生を狂わされた子に、家の将来まで背負わせる事は出来ない。
 約束は破ってもいい。そんな事でクリストファーは怒らない。それどころか破ってしまったと落ち込むティファニーを愛しくさえ思うだろう。それがわかっていないのはティファニーだけで、アビゲイルは何度も背中を叩いた。

「アビーお姉様に負担をかけるわけにはいきませんわ」
「じゃあ私にも言わせて。ティファニー、あなたが全て背負う必要はないし、姉として妹にこれ以上の負担はかけられない」
「マリエットが鬱陶しいならそれをなくす方法があるけど」
「パティ、あなたが言うとなんだか恐ろしいわ」

 いつの間に入ってきたのか、パトリシアがティファニーに提案を持ちかける。
 ティファニーにとってパトリシアは良き姉だが、どこか影があって、アビゲイルはそれを【闇】と呼んでいる。読んでいる本も危ないものが多く、一般人とは違う感性を持っていた。
 そんなパトリシアが言う〝なくす〟という言葉はきっとティファニーの想像からかけ離れたものなのだろうとアビゲイルは読んでいる。

「妹の十年を台無しにした女がまだのさばるつもりならそう出来なくしてしまえばいいだけ」
「……一応聞くけど、命を奪ったりはしないわよね?」
「もちろんよ」
「魂も?」
「呪術はもうしてない」

 過去にした事があると告白するパトリシアの言葉は聞かなかった事にしてティファニーは緩く首を振る。

「ありがとうございます。でも、いいんです。これはわたくしの問題。やれるとこまでやってやりますわ。お二人のおかげでもうマリエットもクラリッサも怖くありませんもの」
「クラリッサ・マーシャルが関わってるの?」

 急にパトリシアの声色が変わった。

「ええ。マリエットの親友ですわ」
「……そう」
「パティお姉様?」
「ティファニー、とにかく我慢はしなくていいからね? 王子との約束が守れなかったとかそんな事であなたが落ち込む必要はないのよ。あなたの人生なんだから堂々とやりたいようにやって生きなさい。今日はもうお風呂に入ってゆっくり休んで」
「え、ええ。そうします」

 パトリシアの肩を抱いて足早に部屋を出ていったアビゲイルに首を傾げながらもティファニーは制服を脱いで風呂に向かう。

 自分らしくとは一体なんなのか、悪役令嬢として生きなければならないとマリエットの言うことに従って生きてきたティファニーにとってそれを見つけ出すのはまだ難しく、もうやめようと思っても染みついた生き方はそう簡単に変えられない事を知った。
 アビゲイルのように自由に生きたいという憧れはあっても踏み出す勇気がない。
 自分に出来るのは嫌味を言われても気にしないぐらいで、人の目を引く容姿も才能もないのだと自覚があるだけに答えは出てこない。

「何故わたくしなの……?」

 まだ信じられないクリストファーの婚約宣言。
 何故あれだけ素敵な男性が自分なんかと婚約宣言をしてくれたのか、それもわからない。
 人間は容姿だけじゃないとわかっている。それでも秀でたものなど何もなく、あるとすれば嫌味を言う事だけ。そんな女を一国の王子が好きになるなど悪趣味としか言いようがなかった。
 考えれば考えるだけわからなくなることに溜息をつくも、抱きしめられた腕の強さ、胸の広さ、笑顔、声……どれも鮮明に覚えていて、急に恥ずかしくなって口元まで湯に浸かってギュッと目を閉じた。



 翌日、ティファニーは学校に着くと皆からの視線に違和感を感じた。

「何ですの?」

 明らかに好意的ではないその視線についキツイ口調になってしまうと慌てて去っていく生徒達。昨日の様子がまるで夢だったかのようにまた悪役令嬢の時と同じように一人になっていた。

「アバズレの姉を持つと大変だな」

 見知らぬ男子生徒の言葉に進む足を止めて振り返るとニヤついた顔がこっちを見ていた。

「なんですって?」
「男を囲うアビゲイル。教師と淫行のパトリシア。どうやって王子に股掛けしたのか謎だったが、淫乱な姉が二人もいりゃ見本にはじゅうぶんだよな」

 何故急に姉の話になるかはわからないが、何かあったのは事実。そうでなければ昨日まで寄って来ていた者達が急に離れるわけがない。だが今はその理由を問い詰める余裕はティファニーにはなかった。

「お? なんだ? 俺に擦り寄ろうってか? さすが男好きの姉妹はちがっ……!」

 不愉快なニヤつきを浮かべ続ける男の頬をティファニーは手ではなく鞄で思いきり叩いた。大きな衝撃音に周りからは悲鳴が上がるもティファニーはそのまま何度も鞄を男に叩きつける。

「やめろ! やめろって!」
「今すぐに発言を訂正しなければ顔が潰れるだけでは済みませんわよ! 歯を全部折ったら次は玉を蹴り潰してやりますわ!」

 地面に落ちた一本の白い歯。口から流れる血がティファニーがどれほどの力と勢いで最初の一撃を喰らわせたのかよくわかる。

「アビーお姉様もパティお姉様も素晴らしい方ですわ! 何も知らないクズが二人を馬鹿にしていいと思ってますの!? 人を見下す事でしか自分を満たせないクズの分際でお姉様を侮辱するなど絶対に許しませんわよ!」
「ティファニー! ティファニーやめるんだ!」

 慌てて駆け付けたアーロンがティファニーの腕を掴んで引き寄せる際、バサバサと地面に落ちた紙にティファニーの目が見開かれる。

「ティファニー見ちゃだめだ!」

 慌ててかき集めるアーロンだが、もう見てしまった。
 新聞のように見出しがついており【ヘザリントン姉妹の淫らな本性】と書かれており、その下には男の膝の上に乗って大勢の男たちとシャンパングラスを掲げている写真や複数の男とキスをしているアビゲイルの写真と、見た事がある教師と抱き合って見つめ合うパトリシアの写真があった。
 何故標的が自分ではなく姉なのか、怒りが収まらないティファニーが鞄を振り上げるもそれより先に男の拳がティファニーの頬に入った。
 平手ではない拳にティファニーが大きくよろめき地面に倒れた。

「ティファニー大丈夫!? 女を殴るなんて最低だぞ!」
「女の分際で男を殴る方が最低だろうが!」

 男は口から血を流しており、顔が赤くなっていた。何度も鞄で殴られ痛む腕をさすりながら怒り冷めやらぬ様子で肩を上下させながら睨み付けている。

「紳士にもなれない男が偉そうに言いやがりますわね……」
「ティファニー、医務室に行こう。血が出てるよ!」
 父親でさえ拳で殴る事はしなかった。いつだって平手打ちだった。だから拳で殴られるという初めての経験に頬に痛みがない事にティファニーは内心感心していた。痛みを通り越して熱さだけを感じる状態は不思議なもので、涙が出てこない。
 殴られた頬を触ると手のひらに血が付き、どうしたって隠し通せないだろう事になる顔にティファニーは笑いがこみ上げる。

「もう一発ぐらい殴らねぇと気が済まねぇんだよ!」
「大声で宣言してないでかかってきたら? それとも今から殴りますよ~と言わなければ行動出来ないのかしら? あなたもしかして家でもそうなの? ママ、ボク今からお風呂に入ってきます~とでも言ってますの?」
「お前も歯ぁ折ってやるよ!」
「いっそ全部入れ替えたらどうだ?」

 ティファニーの挑発に乗った男は顔を真っ赤にして拳を放ったが、それがティファニーまで届くことはなく、重力に逆らうように男の身体が後ろに引っ張られるように下がって『ぷぎゃっ!』と声を漏らし、口と鼻から血を噴き出して地面に倒れた。

「……コンラッド・グレンフェル……」

 男の顔を殴ったコンラッドが拳を左右に揺らしながら振り向くと薄い笑みを浮かべながらティファニーの前でしゃがみ、親指で血を拭うもティファニーはそれを拒むように顔を離して立ち上がる。

「お礼は言いませんわよ」
「助けてやったのにか?」
「うまくいけば彼を退学に追い込めたのを邪魔されていい迷惑ですわ」
「可愛げのない女だな」
「今更ですわね」
「医務室まで連れてってやる」
「結構ですわ! おろして!」

 憎まれ口を叩いてもコンラッドの笑みが消えることはなく、ティファニーを抱えて医務室へと歩きだす。
 降りようと肩を押しても足に力を入れても下ろさないコンラッドが何を考えているのかわからずティファニーは眉を寄せながら睨み付けていた。
 もし、コンラッドが誰かに命じてあんな幼稚なものを書かせたのだとしたら絶対に許さないと疑っていた。だが———

「俺じゃないからな。あんな幼稚な事はしないさ。腐っても王子だ。君の姉を傷つける方法は選ばない。そこまで子供じゃない」

 言いたい事がわかったのだろうコンラッドの言葉をティファニーは信じる事にした。
コンラッドは良くも悪くも嘘をつかない人間だと知っている。もしかかってくるのならティファニーにであって姉達を侮辱して怒らせるような事はしないはず。

「手当してやってくれ。殴られたんだ」

 医務室に入ってベッドに下ろすと女医は女の顔が腫れているという事に憤慨しながら手当てを始めた。

「ティファニー!」
「今は手当てしてるから少し待ってろ」
「う、うん」
「それからそれは捨てろ。お前がそんな物を後生大事に持ってるからややこしい事になったんだろ」
「捨てようとゴミ箱に向かってたら大きな声が聞こえたんだよ……」

 ティファニーが知ってしまったのは自分のせいだと責任を感じているアーロンを横目で見ながら溜息をつくコンラッドは椅子に座って足を組み、その上で頬杖をつく。

「幼馴染なんだろ? 急に現れた王子に奪われて悔しくないのか?」
「え? 何が?」
「だから、クリストファー・ブレアにティファニーを奪われて悔しくないのか?」

 コンラッドはずっと疑問だった。誰の目から見てもアーロンはティファニーが好き。それなのにクリストファーと一緒にいるのを見ても悔しさ一つ滲ませないアーロンが理解出来ず、本心を聞き出そうと問いかけるもアーロンは至極不思議そうな顔で首を傾げた。

「奪われてないよ?」
「は? 奪われただろ。クリストファー・ブレアと婚約したんだぞ」
「うん。でも、ティファニーは僕のじゃないからね。奪われたとは思ってないんだ」

 開いた口が塞がらないコンラッドは信じられないものを見る目でアーロンを見ていた。自分よりも遥かに高い身長と整った顔を持っているアーロンはその気になれば恋愛に免疫のないティファニーをオトすぐらい出来たかもしれないのに実行しようともしなかった。今のこの状況を受け入れつつあることが信じられず眉を寄せた。

「僕にとって一番大切なのは僕がティファニーを手に入れる事じゃなくて、ティファニーが幸せになってくれる事なんだ。クリストファー王子は良い人だし、ティファニーを大事にしてくれる。笑顔にしてくれるし、優しくしてくれるし、愛してくれる。泣かせたりしないんだ」
「よくそこまで言えるな。アイツのこと好きなんだろ?」
「うん。でも、僕はクリストファー王子よりティファニーを幸せに出来る自信があるとは言えないし、頼りないから。だから僕はクリストファー王子で良かったなって思ってるんだ」

 男としてのプライドが微塵も見えないアーロンに呆れた顔を見せるコンラッドだが、ふと引っかかった事に頬杖をやめてアーロンを見た。

「俺じゃダメってことか?」
「泣かしたからね」

 ハッキリ答えたアーロンに返す言葉もなく、コンラッドは顔を逸らして小さく舌打ちをした。

「僕、ティファニーがどれだけ辛い日々を過ごしてきたか知ってるから、せめてイイ人が現れた時は応援しようって決めてたんだ」
「アイツのために痩せたのにか?」
「それは僕が勝手にしただけ。痩せたから僕を見てなんて勝手なこと言えないでしょ?」

 アーロンの答えにコンラッドは溜息しか出ず、別次元の人間だと首を振る。
 コンラッドは手に入れたいと思ったら何が何でも手に入れてきた。アーロンはそういう考えにさえ至らない人間。どういう教育を受ければこういう人間になるのかコンラッドには想像もつかない。

「クリストファーはやめとけって言ってやれ」
「彼はイイ人だよ」
「どうだかな」
「何か知ってるの?」
「さあな」

 意味深な表情を向けてくるコンラッドに不安を感じながら医務室から出ようとするコンラッドを追いかけるもコンラッドがドアを開ける前に誰かがドアを開けた。

「アシェル先生」

 驚いたアーロンに苦笑を滲ませながら軽く会釈をする男。

「ヘザリントン君がここにいると聞いたから……」
「わたくしならここですわ」
「少し話がしたいんだけど、いいかな?」

 控えめな声にティファニーは頷いた。
 自分もあの写真について聞きたい事があるからと。

 カーテンを開けたティファニーの顔は見るのも痛々しいが、それでもティファニーは俯かず、真っ直ぐアシェルを見つめ、話が出来る場所まで歩きだした。

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