41 / 103
二人でいる時間
しおりを挟む
「お、重いので下ろしてください!」
「むしろ軽いぐらいです。僕の剣より軽いのではないですか?」
「じゃあ私の足を持って振り回せますか?」
「できますけど、アーデルが壊れるのでしません」
迷いのない発言に少し怖くなった。自分ぐらいの体重の人間を振り回せると言ってしまう辺り、ラビは力があることを自負している。
唇を重ねるだけだが長いキス。先に唇を離したのはアーデルだったが、それを惜しむようにラビが追いかけたため長い時間外でキスをしていた。そのあとはラビが軽々とアーデルを抱き上げて家の中に入っていく。された事がない抱え方に慌てたアーデルだが、内心はとても嬉しかった。
結婚式でこうして抱き上げられている姿を絵で見た事がある。小説で読んだこともある。いつか自分も、と憧れだけはあったのだが、目を合わせる事も難しかったラビ相手に期待しすぎは良くないと諦めていただけに叶った事が嬉しかった。
ラビはアーデルを離したくなかったし、アーデルも離れたくなかったが、明るい家の中で互いの顔を確認した二人は驚きに目を見開いた。
「「どうしたんですかその顔!!」」
同時に発した同じ言葉に二人が固まる。顔色は悪く、酷い顔をしている。二人の中には互いが顔を見合わせて笑っていた時の顔があったためこんな顔は予想外。
アーデルをソファーに下ろしたラビがそのまま彼女の頬に触れる。
「アーデルがそんな顔をするだなんて……向こうで何があったのですか?」
それはラビも同じだとアーデルも彼の頬に触れる。
「随分と顔色が悪いようですが、シャンディさんと何があったのですか?」
互いに質問を投げかけては気まずい顔をする。何かあったのだと互いに確信して居住まいを正した。
「私のほうは何も」
「ぼ、僕も……」
ラビはこれ以上ないぐらいわかりやすい。頬に触れていた手をポトッと脱力したように膝の上に落として目を逸らす。これで信じろと言うほうが無理だと苦笑する。
「大切な幼馴染の悲しみに寄り添いに行ってそのような顔をして帰るだなんて何かあったのだと誰だってわかります」
「ぼ、僕が先に聞いたので、アーデルが先に答えてください」
珍しく強気なラビに目を瞬かせるもまた苦笑に戻る。いつもはちゃんと話してくれるラビが話さないという事は話したくないという事。無理矢理話させる事ではないかとかぶりを振った。
「パーティーに出席していた多くの方は彼の支援者である貴族ばかりで疲れてしまいました。私は大勢に囲まれてあれこれ話しかけられるのがすごく苦手なんです。どの言葉に返事をすればいいのかわからなくなってしまうし、すぐに人の感情を疑ってしまうから」
「すごくわかります。褒め言葉一つにも疑心を持ってしまうんですよね」
「はい。なので、パーティーはあまり楽しいものではありませんでした」
嘘ではないが、肝心な事も言わない。わざわざ夫が貶された事を正直に言う必要はない。ましてやココに言われた事など尚更。ラビの性格上、気にしてしまうし、ココに苦手意識を持つかもしれない。シャンディとラビの関係に自分がズカズカと入って文句を言わないように、伝えたところでラビもそうはしないのだからとアーデルは隠し通す事にした。
「互いに疲れが出たという事ですね」
「もっと良い顔で出迎えるべきだったのですが……」
「悲しみに暮れる方の傍にいるとダメだとわかっていても疲れが出るものです」
「そうですね」
父親で実感済みであるアーデルの言葉に同意するラビも苦笑する。
「アーデル、来月のあなたの誕生日なのですが、良ければ旅行しませんか?」
「旅行、ですか?」
瓶の中はまだ旅行の費用ほどは貯まっていないと振り返って確認するもラビが自分の胸を叩く。
「ヒュドールに入ったついでに報酬を受け取ってきたのでお金はあります。心配しないでください」
戦争を仕事としているのだから報酬をもらえるのは当然。それを両手放しで喜べないのが複雑ではあるものの、旅行の提案は嬉しいと笑顔になる。
「誕生日に旅行に行けるなんて夢みたいです」
「そう言ってもらえてよかった。あなたの行きたい場所にお連れします。どこがいいですか?」
「スイーデンはどうですか? 世界でも有数の図書館があるとかで、一度行ってみたいなと思っていたんです」
アーデルの希望に早速ラビの顔色が曇る。
「スイーデンは三年前にヒュドールと戦争をして……」
「あ、じゃあ別の場所にしましょう! えっと、じゃあ……」
「ち、地図を持ってきます!」
慌てて地図を取りに行き、テーブルの上に広げる。スイーデンはダメだからと指で地図をなぞりながら他に行ってみたいと思った場所を見つけて指差した。
「少し遠いですけど、カイネルはどうですか? カイネルは食器や花瓶などの……」
ラビの表情から察するにカイネルもダメ。
「アレハス」
「すみません」
「ジューベル」
「すみません……」
「ニューオー……」
「すみません…………」
アーデルは悟った。ビバリーに行けたのは奇跡だったのだと。
ルスよりも遥かに長い歴史を持つヒュドール。交渉決裂という理由で自ら戦争を仕掛ける国だ。敵国が多くて当然。それは理解しているが、ここまでとは思っていなかった。
「と、とりあえず、行けない場所に印を付けてもらえますか? 付いてない場所で考えましょう」
「すみません! 本当にすみません! 僕のせいでアーデルの行きたい場所に行けないなんて!」
戦場に立っているラビが入国を許されるはずがない。行きにくい、のではなく行けないのだ。申し訳ないと何度も頭を下げるラビが小さくなっていく様子に苦笑しながらもアーデルはかぶりを振った。
「あなたと行く事に意味があるんです。ラビ皇子とならどこに行っても素敵な思い出になるでしょうし、どうせなら何も気にせず手を繋いで散歩したいですし。気にしないでください」
だからアーデルが好きなのだとラビは再確認する。これがシャンディならこうはいかない。行きたいと何百回と同じ事を言い続け、ラビに変装させてでも行く事になるだろう。バレないかとヒヤヒヤしながら過ごす楽しくない旅行をこれまでに何度か経験している。それでもシャンディはいつも楽しかったと笑顔を見せるから自分が我慢して相手が喜んでくれるならいいかと思うようになっていた。
でも違った。アーデルは一緒に楽しもうと言ってくれる。それだけなのにラビは涙が出そうなほど嬉しかった。こんな自分と旅行を楽しもうとしてくれるアーデルの存在をありがたいとさえ思っていた。
「でも、本当に大丈夫ですか?」
「何がでしょう?」
頭を上げるラビはアーデルが何について言っているのかわからず、首を傾げる。
「シャンディさんです」
ラビの表情がスッと無に近いものに変わった。
「いいんです」
「ラビ皇子……」
何もないとは言わない。いいんです──その言葉がどこか見放したと言っているようにさえ聞こえ、アーデルは少し心配になった。シャンディを突き放しても結局は心配になって駆けつけたラビが向こうで彼女と何があったのかはわからないが、二人の間には目に見えない磁力があるようにさえ見えていただけにラビの反応が気になった。
父親が死んだのは嘘ではない。だからラビに来てもらうために仕組んだ事ではなく、シャンディは現在も悲しみの真っ只中にいるという事。一ヶ月経ってそれなりに気持ちの整理がついたのに何か嘘をついてラビを傍に居させようとしたシャンディの企みにラビが気付いたのだろうか。いや、疑うのはよくないとかぶりを振って自分の考えを否定するもまたすぐに考えてしまう。
「ラビ皇子、もしシャンディさんと何かあったのであれば──」
「アーデル、旅行の話をしましょう」
アーデルの言葉を遮ってまでラビが話す事はほとんどない。やはり何かあったと確信する。
「ラビ皇子、旅行の話よりも──」
「僕はあなたの誕生日は絶対に旅行に行くと決めていたんです。ここで祝うなんて事は絶対にしたくない。どこか旅行に行きましょう。素敵なレストランを予約して、そこであなたの生まれた日をお祝いさせてください」
「それはとても嬉しいのですが……」
「じゃあ旅行の話をしましょう。どこに行きたいか決めましょう」
焦っているわけではないだろうが、どこか焦っているようにも見えた。一体何があったのだろう。訝しげるアーデルの表情には気付いてるだろうが、ラビは眠るまでシャンディの話は一切しようとはしなかった。
自分があのパーティーであった事を正直に話さなかったように、ラビもきっと話せない事があったのだろうとシャンディの話は出さない事にした。自分もシャンディの事は好きではないし、言ってしまえば何かあった事で彼女が関わらなくなってくれるのであればこれ幸いでもある。
二人で地図をなぞりながら知っている国、知らない国と分けて情報を出し合う。ラビはアーデルの誕生日だから全てアーデルの希望を叶えると言い、アーデルは自分の誕生日だから一緒に考えたいと言った。
紙に希望や見たい買いたい物リストを作って笑顔になる。二人でいられる幸せを噛み締めた夜だった。
「むしろ軽いぐらいです。僕の剣より軽いのではないですか?」
「じゃあ私の足を持って振り回せますか?」
「できますけど、アーデルが壊れるのでしません」
迷いのない発言に少し怖くなった。自分ぐらいの体重の人間を振り回せると言ってしまう辺り、ラビは力があることを自負している。
唇を重ねるだけだが長いキス。先に唇を離したのはアーデルだったが、それを惜しむようにラビが追いかけたため長い時間外でキスをしていた。そのあとはラビが軽々とアーデルを抱き上げて家の中に入っていく。された事がない抱え方に慌てたアーデルだが、内心はとても嬉しかった。
結婚式でこうして抱き上げられている姿を絵で見た事がある。小説で読んだこともある。いつか自分も、と憧れだけはあったのだが、目を合わせる事も難しかったラビ相手に期待しすぎは良くないと諦めていただけに叶った事が嬉しかった。
ラビはアーデルを離したくなかったし、アーデルも離れたくなかったが、明るい家の中で互いの顔を確認した二人は驚きに目を見開いた。
「「どうしたんですかその顔!!」」
同時に発した同じ言葉に二人が固まる。顔色は悪く、酷い顔をしている。二人の中には互いが顔を見合わせて笑っていた時の顔があったためこんな顔は予想外。
アーデルをソファーに下ろしたラビがそのまま彼女の頬に触れる。
「アーデルがそんな顔をするだなんて……向こうで何があったのですか?」
それはラビも同じだとアーデルも彼の頬に触れる。
「随分と顔色が悪いようですが、シャンディさんと何があったのですか?」
互いに質問を投げかけては気まずい顔をする。何かあったのだと互いに確信して居住まいを正した。
「私のほうは何も」
「ぼ、僕も……」
ラビはこれ以上ないぐらいわかりやすい。頬に触れていた手をポトッと脱力したように膝の上に落として目を逸らす。これで信じろと言うほうが無理だと苦笑する。
「大切な幼馴染の悲しみに寄り添いに行ってそのような顔をして帰るだなんて何かあったのだと誰だってわかります」
「ぼ、僕が先に聞いたので、アーデルが先に答えてください」
珍しく強気なラビに目を瞬かせるもまた苦笑に戻る。いつもはちゃんと話してくれるラビが話さないという事は話したくないという事。無理矢理話させる事ではないかとかぶりを振った。
「パーティーに出席していた多くの方は彼の支援者である貴族ばかりで疲れてしまいました。私は大勢に囲まれてあれこれ話しかけられるのがすごく苦手なんです。どの言葉に返事をすればいいのかわからなくなってしまうし、すぐに人の感情を疑ってしまうから」
「すごくわかります。褒め言葉一つにも疑心を持ってしまうんですよね」
「はい。なので、パーティーはあまり楽しいものではありませんでした」
嘘ではないが、肝心な事も言わない。わざわざ夫が貶された事を正直に言う必要はない。ましてやココに言われた事など尚更。ラビの性格上、気にしてしまうし、ココに苦手意識を持つかもしれない。シャンディとラビの関係に自分がズカズカと入って文句を言わないように、伝えたところでラビもそうはしないのだからとアーデルは隠し通す事にした。
「互いに疲れが出たという事ですね」
「もっと良い顔で出迎えるべきだったのですが……」
「悲しみに暮れる方の傍にいるとダメだとわかっていても疲れが出るものです」
「そうですね」
父親で実感済みであるアーデルの言葉に同意するラビも苦笑する。
「アーデル、来月のあなたの誕生日なのですが、良ければ旅行しませんか?」
「旅行、ですか?」
瓶の中はまだ旅行の費用ほどは貯まっていないと振り返って確認するもラビが自分の胸を叩く。
「ヒュドールに入ったついでに報酬を受け取ってきたのでお金はあります。心配しないでください」
戦争を仕事としているのだから報酬をもらえるのは当然。それを両手放しで喜べないのが複雑ではあるものの、旅行の提案は嬉しいと笑顔になる。
「誕生日に旅行に行けるなんて夢みたいです」
「そう言ってもらえてよかった。あなたの行きたい場所にお連れします。どこがいいですか?」
「スイーデンはどうですか? 世界でも有数の図書館があるとかで、一度行ってみたいなと思っていたんです」
アーデルの希望に早速ラビの顔色が曇る。
「スイーデンは三年前にヒュドールと戦争をして……」
「あ、じゃあ別の場所にしましょう! えっと、じゃあ……」
「ち、地図を持ってきます!」
慌てて地図を取りに行き、テーブルの上に広げる。スイーデンはダメだからと指で地図をなぞりながら他に行ってみたいと思った場所を見つけて指差した。
「少し遠いですけど、カイネルはどうですか? カイネルは食器や花瓶などの……」
ラビの表情から察するにカイネルもダメ。
「アレハス」
「すみません」
「ジューベル」
「すみません……」
「ニューオー……」
「すみません…………」
アーデルは悟った。ビバリーに行けたのは奇跡だったのだと。
ルスよりも遥かに長い歴史を持つヒュドール。交渉決裂という理由で自ら戦争を仕掛ける国だ。敵国が多くて当然。それは理解しているが、ここまでとは思っていなかった。
「と、とりあえず、行けない場所に印を付けてもらえますか? 付いてない場所で考えましょう」
「すみません! 本当にすみません! 僕のせいでアーデルの行きたい場所に行けないなんて!」
戦場に立っているラビが入国を許されるはずがない。行きにくい、のではなく行けないのだ。申し訳ないと何度も頭を下げるラビが小さくなっていく様子に苦笑しながらもアーデルはかぶりを振った。
「あなたと行く事に意味があるんです。ラビ皇子とならどこに行っても素敵な思い出になるでしょうし、どうせなら何も気にせず手を繋いで散歩したいですし。気にしないでください」
だからアーデルが好きなのだとラビは再確認する。これがシャンディならこうはいかない。行きたいと何百回と同じ事を言い続け、ラビに変装させてでも行く事になるだろう。バレないかとヒヤヒヤしながら過ごす楽しくない旅行をこれまでに何度か経験している。それでもシャンディはいつも楽しかったと笑顔を見せるから自分が我慢して相手が喜んでくれるならいいかと思うようになっていた。
でも違った。アーデルは一緒に楽しもうと言ってくれる。それだけなのにラビは涙が出そうなほど嬉しかった。こんな自分と旅行を楽しもうとしてくれるアーデルの存在をありがたいとさえ思っていた。
「でも、本当に大丈夫ですか?」
「何がでしょう?」
頭を上げるラビはアーデルが何について言っているのかわからず、首を傾げる。
「シャンディさんです」
ラビの表情がスッと無に近いものに変わった。
「いいんです」
「ラビ皇子……」
何もないとは言わない。いいんです──その言葉がどこか見放したと言っているようにさえ聞こえ、アーデルは少し心配になった。シャンディを突き放しても結局は心配になって駆けつけたラビが向こうで彼女と何があったのかはわからないが、二人の間には目に見えない磁力があるようにさえ見えていただけにラビの反応が気になった。
父親が死んだのは嘘ではない。だからラビに来てもらうために仕組んだ事ではなく、シャンディは現在も悲しみの真っ只中にいるという事。一ヶ月経ってそれなりに気持ちの整理がついたのに何か嘘をついてラビを傍に居させようとしたシャンディの企みにラビが気付いたのだろうか。いや、疑うのはよくないとかぶりを振って自分の考えを否定するもまたすぐに考えてしまう。
「ラビ皇子、もしシャンディさんと何かあったのであれば──」
「アーデル、旅行の話をしましょう」
アーデルの言葉を遮ってまでラビが話す事はほとんどない。やはり何かあったと確信する。
「ラビ皇子、旅行の話よりも──」
「僕はあなたの誕生日は絶対に旅行に行くと決めていたんです。ここで祝うなんて事は絶対にしたくない。どこか旅行に行きましょう。素敵なレストランを予約して、そこであなたの生まれた日をお祝いさせてください」
「それはとても嬉しいのですが……」
「じゃあ旅行の話をしましょう。どこに行きたいか決めましょう」
焦っているわけではないだろうが、どこか焦っているようにも見えた。一体何があったのだろう。訝しげるアーデルの表情には気付いてるだろうが、ラビは眠るまでシャンディの話は一切しようとはしなかった。
自分があのパーティーであった事を正直に話さなかったように、ラビもきっと話せない事があったのだろうとシャンディの話は出さない事にした。自分もシャンディの事は好きではないし、言ってしまえば何かあった事で彼女が関わらなくなってくれるのであればこれ幸いでもある。
二人で地図をなぞりながら知っている国、知らない国と分けて情報を出し合う。ラビはアーデルの誕生日だから全てアーデルの希望を叶えると言い、アーデルは自分の誕生日だから一緒に考えたいと言った。
紙に希望や見たい買いたい物リストを作って笑顔になる。二人でいられる幸せを噛み締めた夜だった。
3
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる