ポンコツ天使が王女の代わりに結婚したら溺愛されてしまいました

永江寧々

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悪魔と言われて

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 穏やかな春の木漏れ日をぶち壊すようなザワつきに廊下で仕事をしていた使用人達はその光景を凝視していた。

「困ります。アポを取ってください」
「アポなんて必要ないじゃない」
「フローリア様はお忙しいんです」
「使用人風情が偉そうに。どいてちょうだい」

 デアとウィルの声に花瓶の花を調節していた手を止めてドアに近付いたフローリアが開ける前にドアは自動的に開いた。

「フローリア様」
「あ、デアさん。こんにちは」
「ごきげんいかがですか?」
「ええ、とてもいいです」

 ノックもなしに入ってきたデアに驚きはしたもののヴィンセントの幼馴染であるためウィルのように強い声で非難する事はしなかった。
 後ろに立つウィルは不愉快を顔に出しながらいつでも追い出せるようにドアは開けっ放しにしている。

「お茶を用意してくれる?」

 鞄を椅子の上に置いてフローリアとヴィンセントのベッドに腰かけるデアの図々しさにウィルは眉を寄せた。

「申し訳ございませんがお茶の時間は終わっておりますのでご用意出来ません」
「じゃあ時間外に来たお客様にはお茶も出さないってわけね? よく躾られた執事だこと。アストルム王国の教育ってホント野蛮よね」
「アポを取らず押し入り、ノックもなしにドアを開けるような方をお客人と認める事は出来ませんので」
「アンタ何様のつもり?」

 立ち上がったデアが強い目つきでウィルを見る事に慌てたフローリアがウィルの背中をそっと押しながらお茶の用意をするよう促した。

「……かしこまりました」

 渋々といった声色で返事をして部屋を出たウィル。感情を表に出す事は多々あってもあんな顔は初めて見た。
 デアの行動を無礼だと思うもののそれに対して同じ態度を貫く事は出来なかった。

「懐かしいわあ。子供の頃からよく来てたのよね」
「そうでしたか」
「よくこのベッドで一緒に寝たわ。手を握り合って向かい合ってね。知ってる? 彼ってばすごい怖がりだったのよ。暗い部屋で寝るのは怖いって言ってよく泣いてたし、雷も怖がってたわ。その度に私が呼び出されて一緒に寝てあげてたの」
「彼って?」
「ヴィンセントのことに決まってるでしょ!」
「ああ」

 自慢気に語るデアが口にする『彼』が誰の事なのか問いかけるフローリアに声を荒げるもすぐにゴホンと咳払いをして落ち着きを見せる。

「キスだってしたわ。ヴィンセントと」
「キスは初めてだとおっしゃられていましたよ? ヴィンセント様は」
「あなたが初めてだったから気を遣ったんでしょ。ヴィンセントってそういう優しい嘘がつける男なの」
「なるほど。私に合わせてくださったのですね。お優しい方」
「私がファーストキスのキスの相手なの。ヴィンセントの」
「私が結婚の相手なんです。ヴィンセント様の」
「知ってるわよ! いちいち張り合ってくんじゃないわよ! 喧嘩売ってんの?」
「いえ、商人ではありませんので売ることは出来ません」

 イラッとが二つ三つと込み上げてくるのはフローリアが何も気にした様子がないから。
 幼い頃から一緒だった異性が自分の夫を誰よりもよく知っている風に語れば苛立ちぐらい見せるだろうにフローリアはそんな様子一切見せずに純粋無垢な表情でデアを見つめていた。
それがまたデアを苛立たせる。

「私とヴィンセントは深い仲なの。子供の頃からずーっと一緒でヴィンセントの事なら何でも知ってるわ。好きな食べ物、好きな祈りの言葉、好きな服装、好きな本。全て知ってる」

 勝ち誇ったような笑みを浮かべるデアは『悔しがれ』と心の中で悪態を吐く。

 デアは幼い頃からずっとヴィンセントの傍に居た。周りが呆れるほどヴィンセント一筋で、何をするにもヴィンセントを第一に考え優先してきた。
 ヴィンセントが好きそうな服を着て、ヴィンセントが好きな食べ物を作れるようになって、信じていなかった神を信じるようになり、いつだってヴィンセントのよき理解者として傍に居た。
 幼い頃から本気で思っていた『結婚する』という想いは突然の婚約話によって絶望まで落ちた。だが、ヴィンセントは結婚には興味がない。ならば結婚したところで仮面夫婦になるに決まっている。
 今まで通り神に祈り、笑顔の仮面をつけて夫婦生活などないも同然の静かな毎日を過ごすだけ。
そうなれば今まで通り一緒にいられる。
そう思っていたのに———

「誰と結婚するの?」
「フローリア・ベル王女だよ」

声が震えそうになるのを堪えて聞いた名前は調べた相手とは違う名前だった。
根暗で、人と目も合わせられない王女としては落ちこぼれのブス女だと聞いていたデアにとって新聞に載ったフローリアの写真を見てデアの淡い期待は砕け散った。
 姉とは似ても似つかない美しさを持つ少女だったから。色気はないが、それでも人を惹きつける美しさは写真からでもじゅうぶんにわかった。
 仮面を剥いで本当の笑顔を思い出させたのはフローリアであってデアではない。それが何より悔しかった。

「どうせ料理なんてしたことないんでしょ?」
「はい。興味はあるのですがヴィンセント様が危ないからダメだとおっしゃるので」
「ふーーーーーーん! でもヴィンセントの好きな本は知らないでしょ」
「昨夜、寝る前に読んでくださいました。一番好きな本だと言って。えっと……ああ、花冠の羊飼いの夢という本ですよね?」
「そ、そうよ!」

 思っていた本と違った事にショックを受けたデアは思わず焦りに言葉を詰まらせそうになった。
 デアはヴィンセントが好きな本は【天使の贈り物】という本だと思っていた。ページがボロボロになるほど読み返していたお気に入りの一冊で、確かにヴィンセントは『大好きな本』と言っていた。それなのにフローリアに読んだ本【花冠の羊飼いの夢】を一番好きな本と言った上、読み聞かせをしたなどと信じられない言葉に耳を疑った。

「じゃあ彼の、ヴィンセントの好きな服は? ドレスばかりじゃ見飽きちゃうでしょうね」

 光沢のある真っ赤なワンピースに黄色のリボンベルトを締めている派手な服装は確かにインパクトが強く、見ていて飽きる事はない。フローリアの好みではないが素敵だと思っていた。

「知らないんです」
「ほらね! やっぱり! 何も知らないんじゃない!」

 パチンと指を鳴らして勝ち誇ったような笑みと高らかに響かせる上機嫌な声色のデアとは正反対にフローリアは頬に手を当て困った顔を見せる。

「知りたいのですけどヴィンセント様はすぐに何を着ても似合うとおっしゃられて好みを教えてくださらないのです」
「……は?」
「フローリアは何を着ても似合うからってそればかりで……。あ、でも白やピンクなどがお好きだと聞きました。赤や紫、黄色は好きじゃないみたいですね。花で見るのは素敵だけど服としては派手すぎると」
「あ……っそ……」

 眩暈を感じるほどのショックにデアは上手く言葉が出てこなかった。
 ヴィンセント・クロフォードのことは誰よりも自分が一番よく知っていると思っていたのは何だったのか……。
『赤が似合うね』と言ってくれたのは嘘だったのか?
 今日着ているワンピースもヴィンセントが似合うと言ってくれたからお気に入りになった勝負服。だから今日こうしてフローリアと対峙するのに着てきたのだ。
 なのにフローリアが言っている事はデアが聞いた事とは正反対の事ばかり。

「デア!」

 急に大きな音を立てて中に入ってきたヴィンセントにフローリアとデアの顔が一斉に向けられるがヴィンセントが向かったのはフローリアの傍だった。迷うことなく一直線に向かって抱きしめる。

「そんな大きな声出さないでよ。話をしていただけじゃない」

 ウィルがチクったのだとすぐにわかった。
 ヴィンセントのすぐ後ろで憎たらしい表情を浮かべながらティーセットが乗ったワゴンを押すウィルを睨み付けた。

「フローリアに何用だい?」
「あなたの事を教えてあげてたの」
「やめてくれ」
「どうして? 何も知らないみたいだから私が———」
「君は何も知らないだろう」

 プツン———

 デアの中で何かが切れる音がした。

 誰よりもヴィンセントの傍に居て、誰よりもヴィンセントを見てきたのに、その本人から言われたのは『何も知らない』という言葉だった。
 確かにフローリアから聞くヴィンセントと自分が知っているヴィンセントは少し違うが、それは成長したからであって幼い頃は自分が知っている事が事実だったと自分を納得させようとしていたのにヴィンセントの言葉に全てが吹き飛んだ。

「僕の事は僕が直接彼女に教える。余計なことしないでくれ」

 余計なこと———

 何故こうも信じられない言葉ばかり聞くのかデアは正常に処理しきれていなかった。
 目の前で話す男は本当にヴィンセントなのか?と問いたくなるような強い口調に険しい表情。

 いつだって向けられる表情は笑顔だったのに———

「悪魔……」
「え?」
「この悪魔!」
「デア!」

 叫ぶような怒声にヴィンセントが怒ったように名前を呼んだ。

「何が天使よ! どこが天使なのよ! アンタなんか人を変える悪魔じゃない!」

 髪を振り乱して叫ぶデアを羽交い絞めのように捕らえたウィルはそのまま部屋から引きずり出した。その間も悪魔だなんだと叫び続けるデアの表情こそ悪魔のようで———

「悪魔……私が……」
「気にしなくていいよフローリア。君は悪魔なんかじゃない。天使だよ」

 天使と悪魔は羽根がある事こそ同じだが、それ以外は何も似ていない。天使であった事はフローリアの誇りであり幸せだった。ヴィンセントに言われる天使が切なくも嬉しくあった。それがここにきて初めて言われた〝悪魔〟の言葉。

「私は……悪魔のようなことをしてしまったのでしょうか……」

 デアが言った『人を変える悪魔』は悪魔にとっては最高の褒め言葉になる。悪魔の力で人間を誑かし人を変えてしまうのが悪魔。〝堕落〟〝失墜〟〝絶望〟を蜜とする悪魔を称賛する言葉。
 デアにとって自分は悪魔の如き所業を行ったのかと呆然とするフローリアの顔をヴィンセントが無理矢理上げさせた。

「僕よりデアの言葉を信じるのかい?」
「……間違いや正しいはそこにはありません。あなたは私を天使だと言ってくれます。それは私があなたが探し求めていた天使とそっくりだから。でもデアさんには悪魔に見えたんです。娯楽で人を変えてしまうあの罪深い悪魔に……」
「フローリア、気にしすぎだよ。言っただろう? 彼女はカッとなりやすいって」
「そうですが……」
「カッとなったら手が付けられない。今日は彼女が悪いよ。言っていい事と悪い事の区別がついてないんだから」

 顔中に降ってくるキスの雨を受け止めながらもフローリアは小さなガラス片が刺さったように軽い痛みが生じる胸を押さえて目を伏せる。
 浮かんでくるのはレオの顔。

『アイツって間違えてコッチに来たんじゃないのか?』
『どう見ても悪魔でしょ』
『見た目も性格もな』

 レオは正真正銘天使だったが一部の天使はレオを悪魔ではないのかと疑っていた。天使にしてはキツすぎる目つきに悪すぎる口と態度。おまけに恋だけではなく性欲まで見せるのは悪魔の証拠だといつも言われていた。
 もしレオが悪魔だったとしてもフローリアにはどうでもよかった。レオはレオ。あんな優しい悪魔がいるのなら悪魔だって悪くないと思えるから。
 地から飛び上がってきては空の領域を侵す悪魔を天使達が受け入れる事はないが、悪魔のように強く賢いものだから疑われた。だがフローリアは違う。
 教科書で習った人間が認知している悪魔。それは天使達が抱いているものと何ら変わりはなく、デアはその悪魔がフローリアだと言ったのだ。

「どうしたら笑ってくれる?」

 くすぐったいと笑わないフローリアに不安な顔を見せるヴィンセントを見上げると自ら手を伸ばして頬を包んだ。

「もし、私が……悪魔になっても、愛してくれますか?」

 驚いた顔を見せるもヴィンセントに迷いはなかった。

「どんな君でも愛してるよ」

 この人が愛してくれるならそれでいいと思った。
 優しい声の囁きにフローリアは背伸びをしながら目を閉じ、キスを求めると当たり前のように応えてくれる柔らかな唇と包み込んでくれる温もり。
 チクリとした痛みは消えないが、フローリアは今は深く考えない事にした。

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