ポンコツ天使が王女の代わりに結婚したら溺愛されてしまいました

永江寧々

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天使の集う教会

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「美しい教会……」

 天使の集う教会と呼ばれるアーラ島に建つ教会は全てが白く、それがまるで白銀のように輝いて見えた。

「ここは三百年前に建てられた教会でね、僕の曾祖父がこの島を買って建てた物なんだ」
「そーそふ?」
「僕の祖父の父だね」
「えっと……ヴィンセント様にはお父様がいて、ヴィンセント様のお父様にもお父様がいて、ヴィンセント様のお父様のお父様が祖父といって、そのヴィンセント様のお父様のお父様のおとうさ………えっと……なるほど」

 頭の中で家系図を思い浮かべるがフローリアの頭では限界があり、祖父まではわかったが、その上の父親となるとわからなくなった。
 わからなくてもいいと髪を撫でるヴィンセントはまた外から教会を見上げて美しい彩色のステンドグラスを見つめる。

「曾祖父の時代は誰でも気軽に来れたらしいんだけど、この教会で天使の羽根を拾った人が自慢しまわった事から無信仰者が天使の羽根を拾おうと教会に居座るようになった。教会もこの浜辺も汚されるようになってしまったらしい。それでも曾祖父は教会に多くの人が来てくれるのは良い事だって注意しようとしなかった」
「そーそふ様は教会が汚れても平気だったのですか?」

 教会は何があろうと汚れてはならぬ場所。天使に会えるかもしれないという気持ちで来るのは構わないが、それで大切な場所を汚してしまうなら来るに相応しくないと考えるのが信仰者だ。だが、曾祖父はそれを許した。
一体どういう人物だったのか、フローリアは気になった。

「話でしか聞いた事はないけど、神や天使を崇めるために教会を作ったのではなく、人々が縋り、救われる場所になればと思って建てたらしい」
「でも、人の手によって汚された教会に神や天使は集まりません。祝福には訪れないでしょう」

 生まれてから一度だって荒れた教会に行った事はない。レオは荒れた場所でもそこに信仰者が居れば行くと言っていたがフローリアに与えられた任務の中に荒れた教会はなかった。

「そうだね。だから祖父がこの島を受け継いだ時に閉鎖が決まったんだ」
「閉鎖?」
「島ごとね。この島に入れるのは祖父、祖父が許可した者だけという決まりになった。不満は上がったけど、曾祖父の付き合いを守るより教会を守る事の方が祖父には大事だった。祖父も天使の羽根を見つけたんだよ。幼い頃に一度だけ見せてもらったんだ」
「そうでしたか」

 入ろうと背中に手を添えられると深呼吸をしながら中へと入っていく。

「キレイ……」
「僕もお気に入りなんだ。色がなくて寂しいように思えるかもしれないけど、この方が天使達が落ち着くんじゃないかって全て白に塗り直したのは祖父なんだ」

 外観と同じ色は目を細めたくなるほど眩しいもので、本当に天使達が居そうだと思った。
 おしゃべりなイレギュラー達が集まって仕事をサボって天使長アーウィンへの愚痴を言い合う。想像に難くない光景にふふっと笑うフローリアは高い高い天井を見上げる。

「祖父はもうだいぶ前に亡くなったけど、僕にこの島を譲る前に言ってくれたんだ。お前なら天使に会えるかもしれないって」

 会えたか?という疑問は口にはしなかった。ヴィンセントが言う事は一語一句間違える事なく言い当てられるから。

「そういえばどうしてアーサー様ではなくヴィンセント様に譲られたのですか?」
「兄さんは神は信じてるけど天使の存在はそこまで信じてないんだ。だから天使の集う教会にも興味はなかったし、教会しかない島にも興味はなかった。だから僕がこの島を貰ったんだ」
「羽根は拾えましたか?」
「祖父のを見た事があるだけだよ。触らせてはくれなかったけどね。でもすごいんだ。なんとも言い表せない神秘さがあって、いつもキラキラ光ってるんだ。光の粒子を纏ってるっていうのかな? 夜でも輝いて見えた」

 間違いなく天使の羽根だと確信した。フローリアも夜に地上へ下りた時、自分が光っているのを感じていた。
 落ちた羽根はこの教会でおしゃべりをしている天使のもので間違いなく、ヴィンセントの祖父はこの教会を大切にしていたからこそ天使はそれを回収しなかった。
 曾祖父ではなく曾祖父の知り合いが拾ったのも同じ理由だったのだろう。

「今もお持ちなんですか?」
「祖父の棺に入れたんだ。それだけでいいって言うから」
「そうですか。いつか手に出来るといいですね」
「君がいるからいいんだ」

 天使の羽根より天使が傍にいる方が大事だと求めはしなかった。
 家族が呆れるほど追い続けてきた天使の存在はヴィンセントの中で〝フローリアが天使〟という事で納得し終了した。

「ヴィンセント様はずっとここに?」
「うん。来てから帰るまでずっとこの教会で過ごしてた。でもどうして一目会いたかったんだ」
「食事はどうなさっていたのですか?」
「食べなかった」
「三日も?」
「それぐらい平気だよ。食事をしに帰ってる間に天使が来るかもしれない。眠りに帰った間に天使が来るかもしれない。そう思うと食事も眠る事さえも嫌で、三日間この教会から出なかったんだ。今思えば病気だよね」

 フローリアが何度も首を振る。
 宗教で決められているからではなく、この人はたった一つの願いを胸にここに立ち続けた。人間の欲求である食欲も睡眠欲も『会いたい』という気持ちの前では無に等しく、この教会で祈り続けた。それを邪な願いだと呼ぶ者もいるだろう。だが、フローリアはそうは思わなかった。
 フローリアはヴィンセントを「あの時の赤ん坊」と思い出す事は出来ないが、ヴィンセントはハッキリと覚えていた。赤ん坊の頃に見えたあの一瞬を大人になっても忘れず求め続けたこの人間を笑う事は出来なかった。
 だからこそヨナスはヴィンセントの願いを叶えた。

「今も集まってるのかな?」
「そうかもしれませんね」
「君もどこかに集まるのが好きだった?」
「ええ」
「僕の祝福にも来た?」
「ええ」
「やっぱりね」

 話を合わせてくれていると気付いてはいるが、それでもヴィンセントは嬉しそうに笑う。

「ここで結婚式をしても良かったね」
「国民の皆さんが待っているのに?」
「あー……そうだね」
「もうっ、そんな顔しちゃダメですよ」

 ヴィンセントはアーサーと比べるとどうにも王子としての考えが浅く、国民よりフローリアという優先順位がついてしまっている。
 ここで結婚式を挙げたら素敵だっただろうとは思ったが、それでもあれだけの歓声や拍手は受けられなかっただろう。今思い出しても幸せだと感じる結婚式は経験はもちろんのこと、見るのさえ初めてだった。

「もう一度愛の告白をしてもいい?」
「毎日告白してくださってるのに」
「今日は特別な日だから」

 好きだと、愛してると実感した瞬間は今でも鮮明に思い出せる。
 本当に転ばずにヴィンセントの所まで歩いていけるのか不安だった。ただ真っ直ぐにヴィンセントを見つめ、転ばないよう願うばかりだった結婚式。
 本当に人間として人間と結婚するのだと実感した日。
 この人を愛していると胸が熱くなった日だった。

「フローリア・クロフォード」
「はい」

 膝をついて左手を握るヴィンセントに目を細めながら笑顔を見せると少し感じる緊張にフローリアは小さく息を吐き出して返事をする。

「君への愛は神への信仰より崇高なんだ。最期の瞬間まで君の傍にいたい。フローリア、何があろうと僕は君から離れない。だから君も僕の傍にいてほしい。最期の瞬間まで」

 神に縋り、神を愛し、神だけを信仰してきたヴィンセントから告げられた愛の言葉にフローリアは鼓動が異常に速くなるのを感じた。呼吸まで速くなりそうな感覚に目を閉じて笑えばギュッと手を握り返し目を開けた。

「はい」

 目を潤ませるフローリアに嬉しそうに笑うヴィンセントは立ち上がってキスをした。
 結婚式の日、触れるだけしか出来なかった瞬間と違って今は誰に止められる事なく長いキスが出来る。

「い、祈りませんか?」

 フローリアを除いては。

「もう少しキスしてたかったな」
「祈りましょう」

 拗ねた子供のように呟くのを聞こえなかったフリをして奥へ歩き出すフローリアをヴィンセントが後ろから抱きしめる。

「どうしました?」

 突然ギュッと強く抱きしめられた事に驚いたフローリアが声を向けると小さな息が吐き出された。

「君が飛んでいってしまうような気がして……」

 先に歩いて行ったフローリアの背に羽根が生えて飛んでいく想像をしたヴィンセントは急に恐怖に襲われた。

 天使が集う教会はヴィンセントにとって希望の場所だった。
 実際に祖父は天使の羽根を持っていた。
 この世に神がいるなら神の子である天使もいる。ヴィンセントは周りの薄い信仰心による天使を軽視した発言を気にもせず求め続け毎年この場所で祈り続けた。
 だが、天使と結婚できた今、希望は不安へと変わる。

「天使達が君を連れて帰ってしまうんじゃないかって……」

 天使達は何故この場所に集う?
 待っているのではないか?
 落ちた天使が此処に来るのを。

「私の居場所は天使が連れて行ってくれる場所ではなく、ここなんです。ヴィンセント様の腕の中が私の居場所です。ですから連れて行くと言われても断りますよ、私。この人は私がいなくなったら泣いてしまうからって」

 腕の中で身じろいで反転するとヴィンセントと向き合った。その瞳はどこか怯えているようにも見えた。
 頬を包んで真っ直ぐ見つめればいつもの自信たっぷりな瞳と違って不安に揺れる瞳がそこにある。
 フローリアにとって天界は自分が生まれ育った愛しい場所だが、今はもうそこを居場所だとは言えなくなっており、愛する夫がいる場所が居場所だと実感していた。

「そうだね。きっと僕は泣いてしまうだろうね。君に会いたいと泣くと思うよ」
「だからどこにも行きません。最期の瞬間まで此処にいますから」

 胸に頬を寄せて目を閉じるとまた強く抱きしめられる。今はこの苦しささえ愛おしくて幸せだった。

「祈りましょう」

 奥まで歩いて二人で膝をつくと手を組み、目を閉じ、祈り始めた。

 波の音さえ聞こえない静かな場所で二人は長い時間祈り続けていた。

「フローリアッ」
「え?」

 ヴィンセントの声に驚いて目を開けるとそのまま見開き固まった。

「これって……」

 この小さな島にいるのはヴィンセントとフローリアの二人だけ。管理者もこの一か月間は外へ行ってもらっている。だから誰かがこれを悪戯に置いたということは考えられず、二人は信じられないと驚きにソレから視線を外せないでいる。

「天使の羽根?」

 光の粒子を纏い輝く純白の羽根にフローリアは手を伸ばす。何故震えているのかわからない手を伸ばしては触れていいのか迷って途中で手が止まった。

「触れても壊れないから大丈夫だよ」

 震える手を包むように上から乗せられた手の温もりに震えは少し弱まり、そっと拾い上げた。

「キレイ……」

 羽根が落ちる事など気にした事はなく、自分の羽根もこうして誰かが拾ったりしたのだろうかと考えると妙に感慨深くなる。
 誰かがキレイだと思って喜んでくれたなら嬉しいと。

「独特な手触りだね」
「そう、ですか?」
「とても柔らかで、雲に触れたらこんな感じなのかなって思うよ」

 当たり前にあった羽根の触り心地について特別な何かを感じる事はなく、自分よりも目を輝かせているヴィンセントを見ると不思議と安心した。
 羽根は自分よりもヴィンセントが持っている方が相応しいと手渡せばまじまじと見つめる。どこから見ても変わらないのに何度も角度を変えながら見つめ続ける姿を見ている方がフローリアは楽しかった。

「この上で集まってるのかな? それとも僕達のために置いてくれたのかな?」
「どっちでしょうね」
「ロマンを感じるために置いてくれたと思うことにするよ」
「そうですね」

 どちらか、ではなく二人の間に置かれたのを見れば二人のために置いてくれたと解釈すると納得がいく。だが誰が? イレギュラーな天使でない限りそんな事は絶対にしないだろう。

「……レオ……?」

 思わず口にした名前に慌てて口を押さえてヴィンセントを見るが羽根に夢中で聞こえていなかった。

「ありがとう」

 呟くように感謝を口にすると天井を見上げて微笑んだ。
 見えないだけで傍にいる。怒られてでもレオならそうすると不思議と確信できる事に笑い声が漏れそうになった。

「どうかした?」
「子供みたいにはしゃぐ姿が可愛くて」
「だってこれは冷静じゃいられないよ。天使が僕達のために置いてくれたんだって思うと嬉しくって」
「飾りますか?」
「僕達の誓約書と一緒に入れよう」

 交わされた誓約書は額に入れて飾られている。
 リガルドは呆れ『こんな物を飾る物好きになってしまった事が嘆かわしい』と言っていたがヴィンセントは聞かず、結婚式の写真と一緒に飾られている。その中に羽根を入れて飾るというのだからリガルドは更に嘆くだろう。
 その様子が少し見てみたいと思ったフローリアは止めようとせず、むしろ「素敵ですね」と賛成した。
 バレたら裏切り者扱いは免れないと思いながらも楽しげに笑う。

「帰るまでどうやって保管しようか?」
「砂浜に刺しておくとか?」
「……それはちょっと……」
「じゃあ木に刺しておくとか」
「それも……ちょっと……」
「あ、じゃあ花瓶に……」
「鞄に入れておこう!」

 ヴィンセントの決定に唇を尖らせながらも反対はしなかったフローリアは手を繋いで教会から出ていく。

「え?」
「どうしたんだい?」
「何か聞こえませんでした?」
「何も聞こえなかったけど」

 出ようとした時に吹き抜けた風に乗って声が聞こえたような気がしたが、ヴィンセントには何も聞こえていなかった。
 何を言っていたのかわからなかったが、確かにあれは声だった。懐かしい声。でも姿が見えず言葉もわからない。

「きっと天使が君に囁いたんだね」
「天使の羽根を持っていくなーとか?」
「え、くれたんだと思ってた」
「置いただけかもしれませんよ?」
「返さないけど」
「まあ」

 おかしそうに笑うフローリアはまた吹き抜ける風に目を細めて澄み渡る青空を見上げる。
 この遥か上空に大好きな人達が住む国がある。どんなに手を伸ばしても、どんなに強い魔法が使えても人間ではけして辿り着く事の出来ない聖域。
 今は恋しいというより懐かしいという感情の方が強く、帰りたいという思いも薄れていた。

「君によく似合うよ」
「天使に見えますか?」
「君はずっと天使だよ」

 優しい声にフローリアは嬉しくなる。
 天使でいられなくなった悲しみも、歩けないかもしれないという心配も、結婚生活への不安も全てヴィンセントが取り除いてくれた。
 大きな大きな愛をもって。

「愛してます」
「僕もだよ」

 驚きも見せず笑顔で答えてくれるヴィンセントに抱きついて背伸びをすれば身を屈めてくれる。
 触れるだけのキスのつもりが腰を支えられて逃げられなくなり深いキスへと変わっていく。

 早まった!

 そう思いながらも逃げることはせず、首に腕を回して目を閉じた。
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