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エリスローズは添寝する
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会話のために二階まで一緒に上ろうとした兵士に首を振って二人で部屋へと行く。
ロイの部屋はどこだと探しているとロイが自分の部屋を指差す。まだ拗ねている様子にエリスローズが笑うと服の肩部分を握られた。
それが可愛くてまた笑ってしまう。
(ここかな?)
部屋を覗き込むも一ヶ月前となんら変わらない部屋があるだけ。
ロイも両親と同じで欲しい物などないのだろう。
街に出て店を見たことがないロイが唯一欲するのは食べ物だけ。
嗜好品など見たこともないためあれやこれやとねだることもないのだ。
これからはいくらでもねだればいいのにと思うが、そう伝えても返ってくるのは両親と同じ言葉であることは容易に想像がつくため何も言わない。
(こんなベッドで寝てて大丈夫かな。ちょっと心配)
ベッドに腰掛けると自分が寝ているベッドと同じ柔らかさであり、今まで床で寝ていた者がこんな贅沢をして貧乏な生活に戻れるのだろうかという心配はあった。
でもそれが心配だからとベッドがあるのに床で眠ることを強制できるはずがない。
これからお金が手に入るのだから貧困街に家を買ってもベッドぐらいはちゃんとした物を買っても罰は当たらないのではないかとほんの少し贅沢を考えていた。
「エリーの声が聞きたい……」
向かい合わせでエリスローズの膝の上に座るロイが首に腕を回したままギュッと抱きついて切実な願いを口にする。
(私もロイとお喋りしたいよ)
だが、声はロイやエリスローズがどんなに願おうとエリーナが戻るまで戻らない。
「一人で寂しくないのかよ」
ロイの問いかけにエリスローズが眉を下げて「寂しい」と口を動かす。
「……エリーがいないと……」
寂しいまでは口にしてくれなかったが、伝わってくる。
父親が言っていたことから察するに、ロイは両親に甘えていない。
エリスローズのお願いであるロイを甘えさせてやってほしいという願いを両親は叶えようとしたのだろうが、ロイがそうしなかった。
「俺はあそこでもよかった。あのままでもよかった」
ロイを抱きしめたままベッドに横になるとロイの腕が首から離れてエリスローズの顔を見上げる。
スラム街で生まれ育ったロイは一生をここで生きるのだと思っていたため変化など望んではいなかった。
それはエリスローズもそうだ。家族と離れてしまう寂しさを予想できなかったわけじゃない。
それでもやらないよりやると決めたのは自分の意思。
「メイとシオンに何かあったら父さんも母さんも耐えられないもんな」
『ロイもだよ』
「俺は平気だよ。頑丈だし……」
首を振るエリスローズがロイの頬を両手で包む。
『ロイのことも守りたいの』
ゆっくりと動くその唇を見つめながらロイは自分の唇を噛んだ。
頭ではわかっていても心がそれを理解しない。
寂しくて寂しくてたまらない感情が乱れて涙を流す。
夜遅く、いつもエリスローズが帰っていた時間になると目が覚めてしまう。体内時計ができてしまっていることにこの一ヶ月、何度泣いたかわからない。
待っていてもエリスローズは帰ってこない。そーっと入ってきて隣に寝転んで抱きしめてはくれない。
エリスローズの温もりも匂いもない夜はあまりにも寂しくてたまらなかった。
期待するな、寝ろと何度自分に言い聞かせても眠れない日々が続いた。
限界を迎えていつの間にか眠っていることはあっても目が覚めてエリスローズがいないことを感じると気分が落ちた。
『ちゃんと甘えなきゃダメ』
「メイとシオンがいるのにそんなことできるわけないだろ」
『甘えるのやめる?』
「今はメイとシオンいないし……」
メイとシオンが昼寝をしている間に両親を独り占めすればいいと言ってもロイはきっとしない。
だからこそ傍にいてやりたいが、それもできない。
エリスローズは何度も自問している。本当にこれが正しいのかと。
「いつ帰ってくる?」
『エリーナ様が戻ってきたら』
「いつ戻る?」
『……わからない』
「ずっと一ヶ月に一度しか会えないの?」
答えるのが心苦しい。だが、どのみち黙っていてもそれが答えになってしまうし、嘘を言えば傷つけるだけ。
ゆっくりとしたその頷きにロイは顔を隠すようにエリスローズの肩に顔を埋めた。
小さく震える身体が訴える感情をエリスローズはどうしてやることもできない。抱きしめて心の中で謝り続けるだけ。
いつものように「ごめんね、ロイ」と言えたらどんなにいいか。
「こんなとこに住めなくていいからエリーといたいよ……」
スラム街の生活はロイにとっても苦しいものではあった。毎日腹の虫が騒ぐのを知らないフリをすることが最も辛かった。
両親や姉はいつだって「もう食べた」と嘘をつく。
外で溜まった雨水を飲んで凌いでいるのを何度も見てきた。
だから早く働いて三人を楽させたいと思ったし、それができない現実に何度も悔しいと一人泣いた。
エリスローズが身代わりとなることを選んだのも全て家族のためだとわかっている。
朝から深夜まで働いても生活は楽にはならない。街で働くことができれば食うに困らないだけの給金がもらえるはずなのに、スラム街の人間は街に出ることさえ許されないから三人は身体に鞭を打って働き続けている。
両親の身体が限界なことにロイでさえ気付いていたのだからエリスローズが気付かないはずがない。
自分も同じ立場なら姉と同じことをする。自分だけが我慢すれば家族が楽になるのなら犠牲になることなど厭わない。
メイやシオンが嫌だと泣いても謝って行ってしまうだろう。
それなのに自分が置いていかれる立場になると自制が効かない。
困らせるようなことばかり言う子供な自分が嫌だったが、それでもエリスローズに知ってほしかった。エリスローズがいないと寂しいんだと。一緒にいたいんだと。
(我慢ばっかりさせてごめんね)
エリスローズが心の中で言っている言葉がわかる。こういう話をするといつだって言っていたから。
「王太子ってイケメン?」
涙を拭って顔を上げたロイの問いかけにエリスローズが瞬きを繰り返す。
そしてすぐに笑って頷くも『タイプじゃない』と答えた。
「結婚してって言われてもするなよ」
『結婚してるから大丈夫』
「二番目って言われてもするなよ」
『しない』
どこでそんな言葉を覚えてくるんだと笑うエリスローズの額にロイが口付ける。
いつもはエリスローズがする側だったため驚きに目を瞬かせるとまたロイが肩に顔を埋めた。
「エリーが結婚できなかったら俺がもらってやるから」
何度もそう言うロイにエリスローズはいつも笑う。
彼らが自立するまで誰とも付き合うつもりはない。それどころか恋もしないと決めているのだから結婚や二番目などあり得ない話。
それでも嬉しかった。それだけ好きでいてくれていることが。
愛おしくてたまらない可愛い弟。エリスローズ自慢の弟。
「俺も字を覚えたい」
呟くように言ったロイの言葉にエリスローズの腕に力が入る。
「苦しいって」
縛られているような感覚だと笑うロイが顔を上げてエリスローズを見つめる。
「エリーに手紙、書きたい」
真っ直ぐなその瞳に目を細めて額にキスを返す。
『お願いしてみる』
王太子なら快諾してくれるだろうが、自分の決定権を誰が持っているのかわからないため約束はできない。
家族と手紙のやりとりができればどんなにいいだろう。
城での生活も少しは癒されるかもしれない。
ダメもとで頼んでみようと決めたエリーは少し身体を下にズラして顔の位置をロイと合わせる。
「近いんだけど……」
文句を言うロイの顔が少し赤い。
柔らかな頬を撫でながら額を合わせるとロイも目を閉じる。
「エリー、大好き」
エリスローズがいつもロイにかける言葉。
ロイにかけるのはいつも大好きとごめんの繰り返し。
今日はそれをかけることもできない。
だからロイが代わりに伝えた。
「ッ!?」
唇に当たった柔らかな感触に目を見開いたエリスローズの目に映ったのは歯を見せて笑う珍しいロイの笑顔。
いたずらっ子のような笑顔を向けるロイが口元を緩ませながら告げる。
「俺のファーストキスはエリーにやったからな。忘れんなよ」
ようやく見えたロイの明るい笑顔に安堵しながら下にズラした身体を戻してロイを抱きしめ直す。
スラム街にいた頃のように胸元で抱き締めるとロイがゆっくり息を吐き出して身体から力を抜いていくのがわかった。
少しすると規則正しい寝息が聞こえてくる。
この小さな寝息がエリスローズの睡眠薬になる。
ロイとエリスローズは久しぶりになんの夢を見ることもなく安眠につくことができた。
ロイの部屋はどこだと探しているとロイが自分の部屋を指差す。まだ拗ねている様子にエリスローズが笑うと服の肩部分を握られた。
それが可愛くてまた笑ってしまう。
(ここかな?)
部屋を覗き込むも一ヶ月前となんら変わらない部屋があるだけ。
ロイも両親と同じで欲しい物などないのだろう。
街に出て店を見たことがないロイが唯一欲するのは食べ物だけ。
嗜好品など見たこともないためあれやこれやとねだることもないのだ。
これからはいくらでもねだればいいのにと思うが、そう伝えても返ってくるのは両親と同じ言葉であることは容易に想像がつくため何も言わない。
(こんなベッドで寝てて大丈夫かな。ちょっと心配)
ベッドに腰掛けると自分が寝ているベッドと同じ柔らかさであり、今まで床で寝ていた者がこんな贅沢をして貧乏な生活に戻れるのだろうかという心配はあった。
でもそれが心配だからとベッドがあるのに床で眠ることを強制できるはずがない。
これからお金が手に入るのだから貧困街に家を買ってもベッドぐらいはちゃんとした物を買っても罰は当たらないのではないかとほんの少し贅沢を考えていた。
「エリーの声が聞きたい……」
向かい合わせでエリスローズの膝の上に座るロイが首に腕を回したままギュッと抱きついて切実な願いを口にする。
(私もロイとお喋りしたいよ)
だが、声はロイやエリスローズがどんなに願おうとエリーナが戻るまで戻らない。
「一人で寂しくないのかよ」
ロイの問いかけにエリスローズが眉を下げて「寂しい」と口を動かす。
「……エリーがいないと……」
寂しいまでは口にしてくれなかったが、伝わってくる。
父親が言っていたことから察するに、ロイは両親に甘えていない。
エリスローズのお願いであるロイを甘えさせてやってほしいという願いを両親は叶えようとしたのだろうが、ロイがそうしなかった。
「俺はあそこでもよかった。あのままでもよかった」
ロイを抱きしめたままベッドに横になるとロイの腕が首から離れてエリスローズの顔を見上げる。
スラム街で生まれ育ったロイは一生をここで生きるのだと思っていたため変化など望んではいなかった。
それはエリスローズもそうだ。家族と離れてしまう寂しさを予想できなかったわけじゃない。
それでもやらないよりやると決めたのは自分の意思。
「メイとシオンに何かあったら父さんも母さんも耐えられないもんな」
『ロイもだよ』
「俺は平気だよ。頑丈だし……」
首を振るエリスローズがロイの頬を両手で包む。
『ロイのことも守りたいの』
ゆっくりと動くその唇を見つめながらロイは自分の唇を噛んだ。
頭ではわかっていても心がそれを理解しない。
寂しくて寂しくてたまらない感情が乱れて涙を流す。
夜遅く、いつもエリスローズが帰っていた時間になると目が覚めてしまう。体内時計ができてしまっていることにこの一ヶ月、何度泣いたかわからない。
待っていてもエリスローズは帰ってこない。そーっと入ってきて隣に寝転んで抱きしめてはくれない。
エリスローズの温もりも匂いもない夜はあまりにも寂しくてたまらなかった。
期待するな、寝ろと何度自分に言い聞かせても眠れない日々が続いた。
限界を迎えていつの間にか眠っていることはあっても目が覚めてエリスローズがいないことを感じると気分が落ちた。
『ちゃんと甘えなきゃダメ』
「メイとシオンがいるのにそんなことできるわけないだろ」
『甘えるのやめる?』
「今はメイとシオンいないし……」
メイとシオンが昼寝をしている間に両親を独り占めすればいいと言ってもロイはきっとしない。
だからこそ傍にいてやりたいが、それもできない。
エリスローズは何度も自問している。本当にこれが正しいのかと。
「いつ帰ってくる?」
『エリーナ様が戻ってきたら』
「いつ戻る?」
『……わからない』
「ずっと一ヶ月に一度しか会えないの?」
答えるのが心苦しい。だが、どのみち黙っていてもそれが答えになってしまうし、嘘を言えば傷つけるだけ。
ゆっくりとしたその頷きにロイは顔を隠すようにエリスローズの肩に顔を埋めた。
小さく震える身体が訴える感情をエリスローズはどうしてやることもできない。抱きしめて心の中で謝り続けるだけ。
いつものように「ごめんね、ロイ」と言えたらどんなにいいか。
「こんなとこに住めなくていいからエリーといたいよ……」
スラム街の生活はロイにとっても苦しいものではあった。毎日腹の虫が騒ぐのを知らないフリをすることが最も辛かった。
両親や姉はいつだって「もう食べた」と嘘をつく。
外で溜まった雨水を飲んで凌いでいるのを何度も見てきた。
だから早く働いて三人を楽させたいと思ったし、それができない現実に何度も悔しいと一人泣いた。
エリスローズが身代わりとなることを選んだのも全て家族のためだとわかっている。
朝から深夜まで働いても生活は楽にはならない。街で働くことができれば食うに困らないだけの給金がもらえるはずなのに、スラム街の人間は街に出ることさえ許されないから三人は身体に鞭を打って働き続けている。
両親の身体が限界なことにロイでさえ気付いていたのだからエリスローズが気付かないはずがない。
自分も同じ立場なら姉と同じことをする。自分だけが我慢すれば家族が楽になるのなら犠牲になることなど厭わない。
メイやシオンが嫌だと泣いても謝って行ってしまうだろう。
それなのに自分が置いていかれる立場になると自制が効かない。
困らせるようなことばかり言う子供な自分が嫌だったが、それでもエリスローズに知ってほしかった。エリスローズがいないと寂しいんだと。一緒にいたいんだと。
(我慢ばっかりさせてごめんね)
エリスローズが心の中で言っている言葉がわかる。こういう話をするといつだって言っていたから。
「王太子ってイケメン?」
涙を拭って顔を上げたロイの問いかけにエリスローズが瞬きを繰り返す。
そしてすぐに笑って頷くも『タイプじゃない』と答えた。
「結婚してって言われてもするなよ」
『結婚してるから大丈夫』
「二番目って言われてもするなよ」
『しない』
どこでそんな言葉を覚えてくるんだと笑うエリスローズの額にロイが口付ける。
いつもはエリスローズがする側だったため驚きに目を瞬かせるとまたロイが肩に顔を埋めた。
「エリーが結婚できなかったら俺がもらってやるから」
何度もそう言うロイにエリスローズはいつも笑う。
彼らが自立するまで誰とも付き合うつもりはない。それどころか恋もしないと決めているのだから結婚や二番目などあり得ない話。
それでも嬉しかった。それだけ好きでいてくれていることが。
愛おしくてたまらない可愛い弟。エリスローズ自慢の弟。
「俺も字を覚えたい」
呟くように言ったロイの言葉にエリスローズの腕に力が入る。
「苦しいって」
縛られているような感覚だと笑うロイが顔を上げてエリスローズを見つめる。
「エリーに手紙、書きたい」
真っ直ぐなその瞳に目を細めて額にキスを返す。
『お願いしてみる』
王太子なら快諾してくれるだろうが、自分の決定権を誰が持っているのかわからないため約束はできない。
家族と手紙のやりとりができればどんなにいいだろう。
城での生活も少しは癒されるかもしれない。
ダメもとで頼んでみようと決めたエリーは少し身体を下にズラして顔の位置をロイと合わせる。
「近いんだけど……」
文句を言うロイの顔が少し赤い。
柔らかな頬を撫でながら額を合わせるとロイも目を閉じる。
「エリー、大好き」
エリスローズがいつもロイにかける言葉。
ロイにかけるのはいつも大好きとごめんの繰り返し。
今日はそれをかけることもできない。
だからロイが代わりに伝えた。
「ッ!?」
唇に当たった柔らかな感触に目を見開いたエリスローズの目に映ったのは歯を見せて笑う珍しいロイの笑顔。
いたずらっ子のような笑顔を向けるロイが口元を緩ませながら告げる。
「俺のファーストキスはエリーにやったからな。忘れんなよ」
ようやく見えたロイの明るい笑顔に安堵しながら下にズラした身体を戻してロイを抱きしめ直す。
スラム街にいた頃のように胸元で抱き締めるとロイがゆっくり息を吐き出して身体から力を抜いていくのがわかった。
少しすると規則正しい寝息が聞こえてくる。
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