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晩餐会
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生まれて初めての晩餐会の豪華さにエリンシアは息をのんだ。
「すごい光景ですね」
「こんなものは廃止すべきだ。国費の無駄遣いだろう」
「交流の場を設けるのは大事なことです。貴族あっての国ですから」
「貴族は黙って献金だけすればよい」
「そのような傲慢な発言はいけません」
貴族が聞けば憤慨するだろう発言を平気で口にするヴァレンに苦笑しながら他の席よりも一段高い専用席へと座る。
「緊張しているのか?」
「初めての出席ですから」
「ああ、そうか。そうだったな。アルヴェンヌ家はリストになかったのだ」
晩餐会に招待されるのは上流貴族と国に貢献した肩書きを持つ人間。由緒ある貴族であれば子爵でも男爵でも関係なく招待されるのだが、残念ながらアルヴェンヌ家は由緒なき貴族だ。リストには載らず、招待されることはない。
「この国で唯一素晴らしいと思えたのは、五歳の子を持つ貴族をランダムに選んで招待する茶会があるぐらいだろう」
エリンシアは十四年前にそこでヴァレンと出会った。
「あれがなければ僕はお前と出会えていなかった」
南に住んでいたエリンシアにとって城への招待など夢のような話だった。城を見たことすらなかった子爵令嬢に王家からの招待状が届いたのだから。
「続けられるのですか?」
「もちろんだ」
意外だった。ヴァレンなら自分の代になったらやめると言い出すのではないかと思っていた。
「続けていれば毎年思い出せるだろう。お前と出会ったあの日のことを」
その言葉にエリンシアは小さく笑う。彼らしい言葉だと。
「宣言とかはないのですね?」
「先代のときはあったが、僕が招いたわけではないからな。今年からは僕が着席したら晩餐会を始めるよう伝えてある」
乾杯などがあるのではないかと思っていたが、ヴァレンが座ると同時に音楽が流れ、食事が運ばれている。
各々に食事が始まっているわけだが、エリンシアは非常に居心地の悪さを感じていた。
貴族たちの視線。そして、口元を隠しながらの陰口。
王族になったところで、味わうのは貴族の世界だと実感する。
変わった点と言えば、直接文句を言われなくなったことぐらい。良いのか悪いのかわからないまま、できるだけ視界に映さないように食事を始めた。
「美味いか?」
「たぶん」
「僕は不味いと思っている」
晩餐会のメニューはシェフたちが何百回も話し合いを重ね、メニュー表だけヴァレンに提出していた。
執事長の話によると、先代は試食を繰り返していたのだが、ヴァレンはそのつもりがないと言っていたらしい。彼自身、食事に重きを置いていないため、どうでもいいと思っているのだ。
それでも見た目、味ともに素晴らしい出来となっている。ただ、エリンシアは緊張で味がよくわからなくなっているだけで……
「エリンシア、僕は帰りたい」
「ダメです」
本当はエリンシアも帰りたい。
あまりの居心地の悪さと王妃としてどう振る舞えばいいのかわからない状況から逃げ出したい思いでいっぱいだった。
だが、ここで逃げ出せば貴族たちの不満を買うことになる。これ以上はごめんだと座っているのだが、既に二時間が経過している。
「こんな人間たちと食べたところで美味いわけがないのに」
「これも王の仕事の一つです」
食事は王のペースで進んでいく。王が食べ終われば他の貴族がまだ食べていようと皿は下げなければならない。だから王はペースを考えて食べなければならないのだが、ヴァレンは半分食べては終わるのを繰り返した。
それでも彼にとってはゆっくり、そしてよく食べたほうだとエリンシアは思う。
不味いと感じた物を食べる苦痛を味わいながらも晩餐会を早々に切り上げないようにしているのだ。
「帰ろう」
食事が終わるとゲストたちは立ち上がり、社交タイムに入る。
それぞれが話したい相手と話し、令嬢たちはここで相手を見つけることもあるという。
責は果たしたと言わんばかりに立ち上がろうとするヴァレンの手をそっと握ると大人しく座り、手を握り返してくる。
「まだダメなのか?」
「先代はどう過ごされていましたか?」
「僕は二十分で退場していたから知らない。それに僕は彼らと同じ人間ではない。彼らがしていたことを忠実に守る必要はないのだ」
「王という立場は同じです」
なりたくてなったわけではないという言葉は飛んでこなかった。彼はこの地位を手に入れることを望んでいた。一刻も早く。誰も逆らえない権力を欲していたのだから。
エリンシアの言葉に黙り込むヴァレンの前に貴族たちが寄ってきた。
「鬱陶しい奴らだ」
聞こえるのではないかと不安になりながらもエリンシアは握っていた手を離そうとしたが、ヴァレンがそれを許さなかった。
「お招きいただき光栄です、両陛下」
貴族たちがそれぞれ頭を下げる。ヴァレンは何も答えず、貴族たちが誰なのかを確認し、見下す。
「陛下、結婚式はいつ頃をご予定でしょうか?」
「僕たちが決めたとき、お前たちに知らせがいくだろう。それを待っていろ」
ほんの一瞬だったが、男の動きが止まった。癪に触ったのだろう。当然だ。隣で聞いているエリンシアでさえハラハラしている。
それでも男はすぐに笑顔を作って口を開いた。
「しかし、驚きました。まさか陛下が子爵令嬢を王妃に迎えられるとは」
「何が「まさか」なのだ?」
ヴァレンの静かな声に男の身体に緊張が走る。
「い、いえ、先代王妃はミルヴァーナの王女様でしたので、陛下も──」
「僕の結婚相手は僕が愛する女性であって、身分ではない。僕はお前たちのように身分でしか価値を判断できない愚か者ではないからな」
そこに立っている貴族たちの表情が一様に凍りついた。
「僕が彼女を妻にすると決めたのは十四年前だ。彼女が一般市民でも僕は彼女を妻にした」
「……アルヴェンヌ家は名門でいらっしゃいますからね」
痛烈な嫌味に凍りついたのはエリンシアだった。彼らは公爵位の人間で、アルヴェンヌの名など聞いたこともないだろうとエリンシアはわかっている。これは子爵令嬢を妻に迎えたヴァレンと、子爵令嬢であるエリンシアへの嫌味。
しかし、エリンシアは反論できなかった。王妃という立場で言い返すことはできても、エリンシアの中ではまだ子爵令嬢気分が抜けない。公爵位の彼らに言い返すことに怯んでしまう。
「アルヴェンヌ家は名門ではない」
それが聞こえていた後方の令嬢たちがクスッと笑った。エリンシアは思わず俯いてしまう。
十九歳のエリンシアにとって、この晩餐会に参加している十五歳から十八歳の令嬢たちは同世代のようなもの。しかし、誰もがエリンシアよりもこうした華やかな世界を知っている。
爵位階級で育った貴族だからこそ、その嫌味がとても屈辱的に感じ、悔しさと恥ずかしさにまみれていた。
「おお、そのような否定は王妃を傷つけ──」
「そんなことも知らぬなら口にするな。痴者め」
場が凍りついた。
エリンシアは思わず顔を上げ、ヴァレンを見た。
彼は怒っているわけではない。彼らの言葉を事実として受け入れた上で答えただけ。
アルヴェンヌ家は名門ではない。それは変えようのない事実だ。だからそう答えた。そして、間違いを堂々と口にする貴族に冷たく言い放った。
これは庇ったわけではない。エリンシアもわかっている。しかし、それがとても嬉しかった。余計な言葉よりもずっと。
「自分が痴者であることを王に披露しに来たのであれば大成功だな」
「へ、陛下、それは陛下の思い込みでございます! わ、私は決してそのような意図があって来たわけではございません!」
「では聞くが、アルヴェンヌ家はどういう家柄だ?」
「え?」
「名門と言うからには詳しい話を知っているのだろう? アルヴェンヌ家の娘を妻にもつ僕以上に」
エリンシアは人間がこれほどまでに汗をかくことを知らなかった。ダラダラと汗を流し、それを必死にハンカチで拭う様を見ているだけでエリンシアは溜飲が下がっていくのを感じる。
「答えられぬのか?」
「わ、私はエリンシア王妃を──」
「名を呼ぶな。その名は僕のものだ」
「陛下」
「王妃と呼べ」
エリンシアが制しようとしてもヴァレンは聞かない。
「もし今後、僕の前で一度でもお前たちが彼女の名を口にしてみろ。その二枚舌を引っこ抜くぞ」
貴族たちはすぐに俯いた。
ニヤつきを見せていた令嬢たちも顔を逸らし、すぐに場所を移動していく。
淡々としているからこそ、誰もそれを冗談だとは受け取らない。ヴァレンが今だけの感情で言っているのではないと理解しているのは貴族である彼らだから。
「去れ」
慌てて去っていく貴族たちを見送り、エリンシアは小さく息を吐いた。
「すごい光景ですね」
「こんなものは廃止すべきだ。国費の無駄遣いだろう」
「交流の場を設けるのは大事なことです。貴族あっての国ですから」
「貴族は黙って献金だけすればよい」
「そのような傲慢な発言はいけません」
貴族が聞けば憤慨するだろう発言を平気で口にするヴァレンに苦笑しながら他の席よりも一段高い専用席へと座る。
「緊張しているのか?」
「初めての出席ですから」
「ああ、そうか。そうだったな。アルヴェンヌ家はリストになかったのだ」
晩餐会に招待されるのは上流貴族と国に貢献した肩書きを持つ人間。由緒ある貴族であれば子爵でも男爵でも関係なく招待されるのだが、残念ながらアルヴェンヌ家は由緒なき貴族だ。リストには載らず、招待されることはない。
「この国で唯一素晴らしいと思えたのは、五歳の子を持つ貴族をランダムに選んで招待する茶会があるぐらいだろう」
エリンシアは十四年前にそこでヴァレンと出会った。
「あれがなければ僕はお前と出会えていなかった」
南に住んでいたエリンシアにとって城への招待など夢のような話だった。城を見たことすらなかった子爵令嬢に王家からの招待状が届いたのだから。
「続けられるのですか?」
「もちろんだ」
意外だった。ヴァレンなら自分の代になったらやめると言い出すのではないかと思っていた。
「続けていれば毎年思い出せるだろう。お前と出会ったあの日のことを」
その言葉にエリンシアは小さく笑う。彼らしい言葉だと。
「宣言とかはないのですね?」
「先代のときはあったが、僕が招いたわけではないからな。今年からは僕が着席したら晩餐会を始めるよう伝えてある」
乾杯などがあるのではないかと思っていたが、ヴァレンが座ると同時に音楽が流れ、食事が運ばれている。
各々に食事が始まっているわけだが、エリンシアは非常に居心地の悪さを感じていた。
貴族たちの視線。そして、口元を隠しながらの陰口。
王族になったところで、味わうのは貴族の世界だと実感する。
変わった点と言えば、直接文句を言われなくなったことぐらい。良いのか悪いのかわからないまま、できるだけ視界に映さないように食事を始めた。
「美味いか?」
「たぶん」
「僕は不味いと思っている」
晩餐会のメニューはシェフたちが何百回も話し合いを重ね、メニュー表だけヴァレンに提出していた。
執事長の話によると、先代は試食を繰り返していたのだが、ヴァレンはそのつもりがないと言っていたらしい。彼自身、食事に重きを置いていないため、どうでもいいと思っているのだ。
それでも見た目、味ともに素晴らしい出来となっている。ただ、エリンシアは緊張で味がよくわからなくなっているだけで……
「エリンシア、僕は帰りたい」
「ダメです」
本当はエリンシアも帰りたい。
あまりの居心地の悪さと王妃としてどう振る舞えばいいのかわからない状況から逃げ出したい思いでいっぱいだった。
だが、ここで逃げ出せば貴族たちの不満を買うことになる。これ以上はごめんだと座っているのだが、既に二時間が経過している。
「こんな人間たちと食べたところで美味いわけがないのに」
「これも王の仕事の一つです」
食事は王のペースで進んでいく。王が食べ終われば他の貴族がまだ食べていようと皿は下げなければならない。だから王はペースを考えて食べなければならないのだが、ヴァレンは半分食べては終わるのを繰り返した。
それでも彼にとってはゆっくり、そしてよく食べたほうだとエリンシアは思う。
不味いと感じた物を食べる苦痛を味わいながらも晩餐会を早々に切り上げないようにしているのだ。
「帰ろう」
食事が終わるとゲストたちは立ち上がり、社交タイムに入る。
それぞれが話したい相手と話し、令嬢たちはここで相手を見つけることもあるという。
責は果たしたと言わんばかりに立ち上がろうとするヴァレンの手をそっと握ると大人しく座り、手を握り返してくる。
「まだダメなのか?」
「先代はどう過ごされていましたか?」
「僕は二十分で退場していたから知らない。それに僕は彼らと同じ人間ではない。彼らがしていたことを忠実に守る必要はないのだ」
「王という立場は同じです」
なりたくてなったわけではないという言葉は飛んでこなかった。彼はこの地位を手に入れることを望んでいた。一刻も早く。誰も逆らえない権力を欲していたのだから。
エリンシアの言葉に黙り込むヴァレンの前に貴族たちが寄ってきた。
「鬱陶しい奴らだ」
聞こえるのではないかと不安になりながらもエリンシアは握っていた手を離そうとしたが、ヴァレンがそれを許さなかった。
「お招きいただき光栄です、両陛下」
貴族たちがそれぞれ頭を下げる。ヴァレンは何も答えず、貴族たちが誰なのかを確認し、見下す。
「陛下、結婚式はいつ頃をご予定でしょうか?」
「僕たちが決めたとき、お前たちに知らせがいくだろう。それを待っていろ」
ほんの一瞬だったが、男の動きが止まった。癪に触ったのだろう。当然だ。隣で聞いているエリンシアでさえハラハラしている。
それでも男はすぐに笑顔を作って口を開いた。
「しかし、驚きました。まさか陛下が子爵令嬢を王妃に迎えられるとは」
「何が「まさか」なのだ?」
ヴァレンの静かな声に男の身体に緊張が走る。
「い、いえ、先代王妃はミルヴァーナの王女様でしたので、陛下も──」
「僕の結婚相手は僕が愛する女性であって、身分ではない。僕はお前たちのように身分でしか価値を判断できない愚か者ではないからな」
そこに立っている貴族たちの表情が一様に凍りついた。
「僕が彼女を妻にすると決めたのは十四年前だ。彼女が一般市民でも僕は彼女を妻にした」
「……アルヴェンヌ家は名門でいらっしゃいますからね」
痛烈な嫌味に凍りついたのはエリンシアだった。彼らは公爵位の人間で、アルヴェンヌの名など聞いたこともないだろうとエリンシアはわかっている。これは子爵令嬢を妻に迎えたヴァレンと、子爵令嬢であるエリンシアへの嫌味。
しかし、エリンシアは反論できなかった。王妃という立場で言い返すことはできても、エリンシアの中ではまだ子爵令嬢気分が抜けない。公爵位の彼らに言い返すことに怯んでしまう。
「アルヴェンヌ家は名門ではない」
それが聞こえていた後方の令嬢たちがクスッと笑った。エリンシアは思わず俯いてしまう。
十九歳のエリンシアにとって、この晩餐会に参加している十五歳から十八歳の令嬢たちは同世代のようなもの。しかし、誰もがエリンシアよりもこうした華やかな世界を知っている。
爵位階級で育った貴族だからこそ、その嫌味がとても屈辱的に感じ、悔しさと恥ずかしさにまみれていた。
「おお、そのような否定は王妃を傷つけ──」
「そんなことも知らぬなら口にするな。痴者め」
場が凍りついた。
エリンシアは思わず顔を上げ、ヴァレンを見た。
彼は怒っているわけではない。彼らの言葉を事実として受け入れた上で答えただけ。
アルヴェンヌ家は名門ではない。それは変えようのない事実だ。だからそう答えた。そして、間違いを堂々と口にする貴族に冷たく言い放った。
これは庇ったわけではない。エリンシアもわかっている。しかし、それがとても嬉しかった。余計な言葉よりもずっと。
「自分が痴者であることを王に披露しに来たのであれば大成功だな」
「へ、陛下、それは陛下の思い込みでございます! わ、私は決してそのような意図があって来たわけではございません!」
「では聞くが、アルヴェンヌ家はどういう家柄だ?」
「え?」
「名門と言うからには詳しい話を知っているのだろう? アルヴェンヌ家の娘を妻にもつ僕以上に」
エリンシアは人間がこれほどまでに汗をかくことを知らなかった。ダラダラと汗を流し、それを必死にハンカチで拭う様を見ているだけでエリンシアは溜飲が下がっていくのを感じる。
「答えられぬのか?」
「わ、私はエリンシア王妃を──」
「名を呼ぶな。その名は僕のものだ」
「陛下」
「王妃と呼べ」
エリンシアが制しようとしてもヴァレンは聞かない。
「もし今後、僕の前で一度でもお前たちが彼女の名を口にしてみろ。その二枚舌を引っこ抜くぞ」
貴族たちはすぐに俯いた。
ニヤつきを見せていた令嬢たちも顔を逸らし、すぐに場所を移動していく。
淡々としているからこそ、誰もそれを冗談だとは受け取らない。ヴァレンが今だけの感情で言っているのではないと理解しているのは貴族である彼らだから。
「去れ」
慌てて去っていく貴族たちを見送り、エリンシアは小さく息を吐いた。
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