冬に出会って春に恋して

永江寧々

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新年会

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「今日は新年会でしたよね?」
「帰りはそこまで遅くはならないと思う……たぶん」
「遅くなっても構いませんので酩酊状態でお帰りになることだけはおやめくださいね」
「わかってる。もう二度とないから大丈夫だ」

 新年会があろうと弁当はいつもどおり。だが今日は夜に飲むために茶漬けにしてもらった。先日買ったばかりのランチジャーの活躍の場。米とおかずと汁を別で入れられる優れ物。
 新年会の日の昼に食べようと思っていたのは出席が気が重いのもあって気分を上げていたかったから。
 専用の袋に入れて持っていく柊を見送った後、椿はいつもどおり動き始めた。朝めくったばかりの日めくりカレンダーの数字は十九。どんなに願っても時間は進んでいく。どれほど強く望んでも時は止まらない。
 動いている時は気にならない秒針の音もこうして立っている間は耳元で鳴っているかのように大きく聞こえる。柊と過ごしている時間の中で一切感じなかったこの音が聞こえると一人なのだと実感する。
 それが寂しいわけではない。朝見送っても夜になれば帰ってくる。

『もうすぐだよ』
『楽しみに待っててね』

 それを最後の言葉として帰らぬ者となった両親とは違う。あの時、一緒に連れて行ってくれれば……何度そう思っただろう。何度押入れの中で泣き叫んだだろう。どれだけ泣こうがどれだけ求めようは現実は変わらない。両親と過ごした時間より両親と離れた時間の方が長くなってしまった。
 両親と一緒にめくるカレンダーが好きだった。一日一日過ぎていくことに楽しみがあった。朝になったら父親に抱き上げてもらって紙を引っ張る。新しい一日だと三人で笑ったあの日が恋しい。
 こんな物を飾って何がしたかったのか。彼は家にカレンダーさえ飾ってはいなかったというのに、こんな物をわがままで買ってもらい家に飾らせてもらった。
 思い出に残る物は買うべきではない。相手にゴミを捨てさせることになる。オシャレな部屋に合わない日めくりカレンダーなんて買うべきじゃなかったのに。
  
「もう少しだけ……」

 両親と違って希望のない言葉をポツリとこぼし、数字に触れる。あと何回こうしてめくることができるだろう。十五回? 十六回? 十七回?
 このまま帰れば彼の辛い顔は見なくて済む。でもそれだけはできない。悠二が言ったように彼はきっと探し続ける。家に帰りたくない思いを知っているから自分から帰るとは思わないだろう。それはあまりにもムダな時間だからお別れを言って別れなければならない。指輪を置いて、感謝を伝えて謝罪する。でもきっと綺麗な終わり方はできないだろう。そのためには予想より早く家を出なければならない。彼を説得して──……できるだろうか。できるはずがない。一秒だって離れたくない思いがあるのに、自分から離れるなどできるはずがないのだ。
 だが、どんな別れ方になっても彼なら大丈夫。神様よりも優しい人だから良い人が見つかる。何も気にせず愛し合える人が。

「お茶漬け、喜んでくれるといいな……」

 出来立てではないお茶漬けを出すのは初めてで少し心配だが、帰ってきた時の感想を楽しみにしようと滲む涙を拭って玄関から各部屋の隅々までいつもどおりの掃除を始めた。



「なにあれ……」

 新年会が始まってすぐ柊の周りには女性社員が集まった。同じ部署でもチームが別では関わることは少ないだけにこういう場でもなければ色仕掛けはできない。この会社に残っている女性は皆それなりの凄腕揃い。新入社員の少ない部署であるため若手の中園が押して入るのが少し難しくあった。

「モテる人生ってどんな気分だろうな」
「先輩は来世に期待するしかないですよね」
「俺は好きになった相手に好きになってもらえればいいし」

 強がりではなく本気でそう思っている瑠璃川の言葉に中園がバカにしたように吹き出す。

「モテない人って皆そう言いますよね。モテた方が人生楽しめるに決まってるのに」
「お前みたいに遊び相手にしか見られないならモテなくていい」
「はあ!?」

 思わず声が大きくなったことに慌てて口を塞ぐも普段から評判が良くない中園だけに睨みが多かった。

「立花さんも立花さんよ! どうして部下がいるテーブルに来ないわけ!?」
「話す機会がないから話すんだよ。それがこういう場だろ。中には転職組もいるわけだし」

 一月から入ってきた転職組。引き抜きか、応募かは知らないが優秀なことには違いない。
 チームとはいつでも話せるからこういう場では絡みのない人間と話す。それは役職を得た柊の義務でもあった。
 笑顔で相手をしてはいるが、柊はもう帰りたい気持ちでいっぱいだった。
 安酒が悪いとは言わない。安い料理がまずいとも言わない。ただ、昼に食べた茶漬けが美味しすぎたことでもっと食べたいと舌が椿の料理になっている。だから何を食べてもこれじゃない感があってすぐに箸を置いた。それが悪夢の始まりの合図となるとは思ってもいなかった。
 酒を飲めば酒を注がれ、仕事のことを聞いたかと思えばほんの少し。すぐにプライベートの話になっていく。

(キャバクラじゃねぇんだぞ)

 一流企業で働いている女性は婚期を気にしないと聞いたが、嘘だ。婚約指輪についてあれこれ聞いてくる上に狙っていたけどいけなかったと酒の勢いもあって暴露する女性社員の多さに引いている。

「あー、そうだ。誕生日って何貰えると嬉しいとかあるか?」

 ちょっとと離れることが許されない状況にムリに抗おうとはせず、最近ずっと調べているが答えが出ないことを女性である彼女達に聞くことにした。

「大体の物は自分で買えちゃうしね」
「むしろ自分で買った方がモチベーション上がるっていうか」
「そーそー! 人に買ってもらったもんじゃイマイチ上がらないよね。自分で買うから頑張って働いたな私って思うのよ」
「わかるわかる!」

 プライドの高い女達の感覚は椿とは真逆。椿も金があれば人に買い与えられるより自分で買うことを望むだろうが、それはモチベーションを上げるためではなく単に誰かに贈り物を貰うことを素直に喜べないから。どうしても遠慮が出てしまうらしい。

「婚約者さんにですか?」
「もうすぐ誕生日だから」
「えー! じゃあとびきりの物贈らなきゃ! 婚約者の関係でいる間に迎える誕生日って貴重ですよ!」
「そう、だな」
「候補は何かあるんですか?」
「それが、何がいいかわからなくてずっと悩んでるんだよ」

 一番に浮かんだのは簪だが、山ほど持っているだろう。簪一本でまとめ髪をどうやって作っているのかが謎だが、いつもそうしているため贈ろうと思うも種類が多過ぎてわからなくなった。値段もピンキリ。椿が持っている物に似た商品を見つけたのだが、一般企業に勤めるサラリーマンの平均小遣いよりも普通に高い金額に一度画面を閉じた。
 高いから買えないわけじゃない。喜んでくれるなら何本でも買う。でも椿は喜ばない。

「彼女さんは何が好きなんですか?」
「料理が好きでプロ並み。包丁でも贈った方が喜ぶかな」
「彼女さんが主に使う物を使わない人が選ぶっていうのはちょっと……」
「使い勝手がありますからね」
「料理するのか?」
「まさか! いつする余裕があるっていうんですか」

 使い勝手だなんだと若干引き気味に言っていたくせにしないのかと心の中でツッコミながらもすぐに女同士盛り上がる空間にいるのがだいぶキツくなってきたこともあって店内を見回すと瑠璃川と目が合った。

「瑠璃川、どうした?」
「え? え? あ、え?」
「そういえばここ来る前に相談あるって言ってたよな? 今聞くわ」

 言ってないし言われてない。でも抜け出すにはこう言うしかなく、直属の部下からの相談ともなれば彼女達も引き止めるわけにはいかなかった。
 立ち上がって向かうは瑠璃川達のテーブルではなく出口。一緒に来いと顎をしゃくって出ていくのを瑠璃川も後からついていった。

「あー……煩わしい」
「モテるって大変ッスね」
「そんないいもんじゃないぞ」
「時と場合によりそうですけど」
「まあな」

 外に出て角を曲がったところで煙草取り出す。ライターとポケットに手を突っ込んだところで瑠璃川が火をつけた。

「お前煙草吸わないだろ」
「なんか舎弟っぽくて良くないッスか?」
「それでいいのか……?」
「立花さんのお役に立てるならいいんスよ」

 その笑顔に瑠璃川の教育担当となった日のことをふと思い出した。

「お前、双子の兄弟いねぇだろうな?」
「いないッスけど? なんですか?」
「いや、入社してきたばっかの時とは見違えるぐらい明るくなったから同じ顔した別人じゃねぇかと思ってな」
「あー……いや、あれはお恥ずかしい。俺、マジで人見知りだったんで、立花さんにも随分とご迷惑おかけしました」

 自覚があるのか苦笑しながら頭を掻く瑠璃川に柊が笑う。

「立花さんが教育係じゃなきゃ俺もうとっくに辞めてましたよ」
「辞めたいって言ってたもんな」
「営業なんて絶対ムリなのに配属されて、絶対人事のミスだって思って……結果も出せないで怒られてばっかだし、俺のせいで立花さんまで怒られるし。朝来るのが嫌で眠れない日もあったりして、でも出社しなきゃいけなくて……空いた時間だと電車に乗る足が止まりそうだったから強制的に流される満員電車の時間帯選んで行ってしました」
「根性だよな」

 いつもシワだらけのスーツを着ていた理由を聞いた時、柊は瑠璃川が気にすると分かっていながらも笑ってしまった。
 自分に自信がなくて、でも会社に行く根性はあって、怒られるとわかっていても絶対に休まなかった。見かけによらず、と感心したほどだ。

「俺が辞めたいって言った時、話聞くぞって言ってくれたじゃないですか。しかも居酒屋じゃなくてコーヒーショップ」
「辞めたいって思うほど抱え込んでる奴連れて酒飲みに行くのおかしいだろ。俺が酔ってもお前が酔ってもダメ。酒の力を借りてぶちまけるって言うけど、俺は逆だと思ってる。酒が入った状態で話すと後悔することもある。上司の暴言、部下の暴言。取り返しがつかなくなることもあるしな。無断退職することもできるのに辞めたいって言ってきた奴の話聞くにはコーヒーショップぐらいがちょうどいいんだよ」

 彼らしいと思った。酒は好きだが量は飲めない。ワインもビールもグラス一杯分ぐらい。それ以上飲むと吐きそうになるから柊が連れていってくれた場所には驚いた。
 いつも責めずに背中を叩いて励ましてくれた柊はミスをする度に『どんどん失敗すればいい。勉強漬けだった大学生活と違うのは当たり前だ。右も左もわからん状態でミスするなって方がおかしいんだよ。ここにいる全員がそうやってミスばっかの新人時代を送ってきたし、ベテランの先輩でもミスはする。お前は入ってきたばっかなんだからミスすりゃいい。ミスを恐れて縮こまる方がダメだ。頭下げるぐらい何百回でもやってやるから気にせず進め』と言ってくれた。そして本当に嫌な顔することなく何度も一緒に頭を下げてくれたし、時には一人で上司に頭を下げる姿も見ていた。
 真面目に本気でやっているのに詰められたり威圧的だと何も言えなくなってしまう。自分の態度のせいで契約が取れないことが辛かった。グラフ化された営業成績。伸びる棒なんてこれっぽっちもなくて、毎月それを見るのが嫌になっていた。

『結果ってのはすぐについてこないもんだよ。お前が競ってる相手は経験者だ。新人がいきなり挑んで勝てるわけねぇ。受験だってそうだろ? 付け焼き刃じゃどうにもならねぇから一年前から塾行ったり猛勉強したりすんじゃねぇか。入ったばっかのお前に結果を望む方が間違ってる』

 上司がそこにいるのに結果を見上げながらそう言った柊の笑顔を瑠璃川は今でも鮮明に思い出せる。

『結果は出さなきゃダメだ。でもそれは今すぐじゃなくていい。まずは仕事を覚えることから始めろ。お前のやり方じゃなくてこの会社のやり方だ。それで結果が出せるようになったらお前のやり方に変えていけ』
『立花、ちょっと来い』
『校舎裏に呼び出されないだけマシだよな』

 確かにと笑ってしまったことを思い出して瑠璃川が笑う。

「お前も大概スケベだな」

 過去に言われた言葉を返す柊のニヤけ顔に唇を尖らせてかぶりを振るもすぐに緩んでいく。

「会社はお前が欲しいと思ったから雇った。お前が望んだ部署じゃなかったのは残念だが、俺はお前に向いてると思う。お前が俯くのやめて前向いて笑えば契約なんざあっという間だぞ。そこまでやってもダメで、もう一回辞めたいって思ったらまた相談に来い。そん時は俺があの部長の顔に退職願叩きつけてお前のせいで優秀な人材が一人いなくなるんだぞって言ってやる」
「覚えすぎだろ。怖いわ」
「嬉しかったんです。ああ、この人に結果が出たところを見てもらいたい。よくやったって褒めてもらいたい。だから全力でやろう。それでもダメなら俺には向いてなかったってことで辞める。そう腹くくったらやれるだけのことやろうって前を向けたんです」
「急成長著しかったもんな。俺も鼻が高かったわ」
「あー、俺のおかげでそんな高い鼻してんスね」

 キレイに通っている鼻筋を指さして笑えば「バーカ、これは元からだよ」と優しい声で返ってくる。

「だから俺はずっと立花さんの部下でいたい。アンタの背中を追いかけたい」
「舎弟ができて嬉しいわ。ちょうどパシリが欲しいと思ってたから」
「焼きそばパン売ってたかなー?」

 大人になって交わす会話ではないだろと二人で声を上げて笑い、柊の指が瑠璃川の額を小突いた。
 胸ポケットに入っている携帯灰皿を出してギュッと押し潰す。

「戻るか。あんま長く出過ぎると俺らの関係が疑われる」
「秘密の関係ッスからね」
「女に困ってもお前は抱かない」
「えー! それはあんまりッスよ!」

 静かな夜から賑やかな夜へ。時計を確認しながらまだまだ帰れそうにないと苦笑した。 
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