冬に出会って春に恋して

永江寧々

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愛を知ったことで

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 夜八時を過ぎた頃、インターホンが鳴った。
 どれぐらい寝ていたのだろうと確認するにも部屋が暗過ぎて時計が見えない。

「イテッ!」

 暗闇の中起き上がって立つと目の前のコーヒーテーブルに足をぶつけた。数回撫でて痛みを緩和させてからそのまま玄関へと向かって鍵を開けた。

「うおっ、暗ッ。何やってんだよ」
「昼に部下が餃子パーティーするって家来たから酒飲んで寝てたんだよ」

 勝手にドアを開けた友人にダルそうに答えながらまず廊下の電気をつけるも眩しさに目が痛くなる。眉を寄せながら目を閉じて壁伝いにリビングへと戻ってまた電気をつけた。

「意外と片付いてんな。もっと散らかってると思ってたのに」
「お前と一緒にすんな」
「綺麗好きだもんな」

 椿がいなくなって自堕落な生活を送っていたと思っていたのだろう。隠し撮りをするほど惚れ込んでいたのだ。そう思われても仕方ない。
 再びソファーに腰掛けて悠二に水を要求した。酒を割るために買ってきた炭酸水を渡して飲むと水にはない刺激に咽せた。

「水って言っただろ!」
「水も炭酸水も同じだろ。ガスが入ってるかどうかなだけだっての」
「お前それ男か女かって言ってるようなもんだぞ。同じ人間だ。ついてるかついてないかなだけだろって」
「それはあまりにも極端すぎ」
「それぐらいクソみたいなことしやがったってことだバカ」

 ドンッとテーブルの上にボトルを置いて煙草を探すも見つからない。チッと舌打ちをして重い息を吐き出す。酔いはもうない。素面も同然だ。怒るつもりはないと思っていた感情は嘘のように悠二を見て腹を立て始めている。

「お前の好きな酒持ってきたぜ。飲むか?」
「なんで黙ってた?」

 ボトルを開けようとする悠二に返したのは返事ではなく疑問。それにピタッと身体の動きを止めた悠二が苦笑する。想定していなかったわけじゃない。むしろ自分の方からその話をしようと思って電話したのだ。電話では詳しいことは話さず、柊も聴きはしなかった。電話で話すよりも実際に顔を見合わせて話した方がいいと思っていたから。
 怒っているだろうとは思っていた。でも少しは前置きぐらいあるだろうとも思っていた。酒を交わして「やっぱ美味い」とそれぐらいの会話はあるのではないかと。でも柊はそうじゃなかった。いや、実際はそうするつもりだった。でもできなかった。気がついたら口を突いて出ていたのだ。
 棚から出したグラスに酒を注いで二つ持っていく。いつもなら隣に座るのだが、今日はそれが少し気まずく感じるだけにダイニングテーブルの椅子を引いて腰掛けた。
 ロックで少量入れていた酒を一気に飲んで悠二も重たい息を吐き出す。

「言ったら何かしたか? あの子は鳳雪勿の婚約者で、彼女の誕生日に入籍が決まってるって言ったらお前は手放したか?」

 できたはずがない。どうやってあの幸せを手放せというのか。同様にショックは受けただろう。でもきっと手放せなかった。だからどうしたと開き直ってすらいたはずだ。何も知らないふりをして、いつもどおりの幸せに身を浸していた。

「お前が関係してるって聞いて俺も驚いたしショックだった。面倒事を嫌うお前がまさかあの子を匿ってたなんて。皇って知らなかったのか?」
「知ってた」
「ならなんですぐに追い出さなかった?」
「……わかんねぇよ。最初は婚約者だって嘘ついてここに上がり込んだ厚かましいヤバい女だって思った。でもなんでか追い出そうとは思わなかった。家事が得意だっつーから家政婦として契約したらマジで完璧で……」

 つらつらと出てくるものは全て言い訳だと途中で口を閉じた。ここには悠二以外誰もいない。彼は事情を知っている。昔からの付き合いだ。今更本を隠すような相手でもない。
 グラスに手を伸ばして中の茶色い液体を見つめながら苦笑して一気に酒を煽った。ハーッと大きく息を吐き出してグラスを置いた柊が笑う。

「運命だったんだ、たぶん。俺にとっては、だけど」

 立花柊が運命を口にした。それがどういう意味か悠二にはわかる。恋人もいらない、結婚もしない、金と酒と遊び相手がいればそれでいいと豪語していた男が恥じることなく運命と口にしたのだ。本気だ。冗談ではなく、心からそう思ったのだろう。
 でも相手が悪かった。だから柊も『俺にとっては』と言った。互いに運命の相手であったなら結ばれているはずだ。でもそれはもう叶わぬ願いとなってしまった。本来なら出会うこともなかった相手。諦めるには充分すぎるほどの理由がある。なのに消えない想いに笑いが込み上げてくる。

「好きだったんだ。……というか愛してた」
「柊……」
「ヤバいよな。相手は十七歳だったんだぜ。未成年。犯罪よ、犯罪。抱えて逃げたし、あれは拉致か? 家にずっと居させたし、監禁罪も追加されるっけ?」
「柊」

 ハイテンションに声を出す柊を落ち着かせようと手を伸ばすも「でも」と続いた言葉に動きが止まった。

「どんな罰を受けてもいいから許されたかった」
「何を?」
「……愛し合うことを」

 相手が悪かったとしか言いようがない。誰も逆らえない。
 上手くいけば手が届くはずだったかぐや姫が迎えによって月に帰ってしまったように、椿も迎えによって手が届かない場所に帰ってしまった。

「椿はどうしてる?」
「それは……わからない。俺はあくまでも秘書としてついていくだけで、社長から詳細を教えてもらうわけじゃないからな」
「お前ってマジで嘘が下手な」

 驚きに顔を上げると柊が苦笑している。顔に出さないようにと気をつけていたが出ていたのかと自分の顔を押さえる悠二が首を振った。

「たぶん……蔵に入ってる」

 柊の表情は変わらなかった。そうなのではないかと思っていたから。

「驚かないのか?」
「椿から聞いたことがある。仕置きで入ることがあったと。皇家当主は絶対君主なんだろ? そう呼ばれる人が家出した孫に罰を与えないわけがない」

 椿なら泣きもせず抵抗もせず受け入れているだろう。自分の心情など悟らせてたまるかと言わんばかりに凛として蔵の中でただ時間が過ぎるのを待っているだけ。このまま人生が終わればいいとさえ思っているかもしれない。容易に想像がついてしまう。そしてその凜とした表情を見たいとさえ思う。
 
「こんなこと、言うべきじゃないのかもしれねぇけどさ……」

 顔を向けると悠二が苦しげな笑みを浮かべていた。

「彼女もお前のことすげー愛してたと思うんだわ」

 鳳雪勿の秘書でありながらそういうことはきっと言うべきではないのだろうが、昔から良いことも悪いことも分かち合ってきた悪友が初めて愛を知ったのだ。相手が悪かったとしても、その愛が成就することはないとしても、今更知ったところでどうにもならないことだとしても、伝えておきたかった。

「あの日の帰りの車の中、彼女言ったんだ。メリークリスマスって。もうクリスマスが終わって正月も終わったってのに彼女はそう言ったんだ。クリスマスは実家にはいなかった。お前と一緒に居ただろ? 彼女は流れる景色を見ながらお前と過ごした日々のこと思い出してたんだ。思わず口から出ちまうぐらい彼女にとっては幸せな記憶だったってことだろ」

 クリスマス、一緒に言い合った祝いの言葉。きっと椿の人生でもう二度と口にすることはないだろう言葉だ。
 イルミネーションの下を歩いて、冷えた手を暖め合うように手を握って、幸せを分かち合うように抱き合った幸せな日。彼女をもっと知ることができた特別な日。

「あの子もきっとお前を愛してるんだよな」

 確信したような言い方に驚く柊に悠二が歯を見せて笑う。

「だってさ、あの子めちゃくちゃお前のことこき下ろしてたんだぜ。立花柊に惚れたから帰ってこなかったんじゃないかって疑い向けられた時、笑ったんだ。あの絶対君主を馬鹿にした笑いだった。立花柊が鳳雪勿より勝ってる部分があるならわかるけど、一つもないことは調査したあなたもわかっているはずなのにって」
「それのどこが愛に繋がるんだよ」
「あの子、俺に言ったんだ。ごめんなさいって。ごめんなさいって……俺に……」
「なんでお前に?」

 涙を浮かべて声を震わせる悠二は必死に笑顔を保とうとしているも唇の形が歪んでいく。

「悠二?」
「俺、お前に内緒であの子に会ったんだ」
「いつ……」
「お前に会った翌週の月曜日の昼、ここに来て彼女と話をした」
「なんでそんなこと……」

 勢いよく頭を下げる悠二に戸惑いながらも柊は声を荒げなかった。ごめんなさいと椿が言った理由。それを受けて悠二が泣く理由。その二つが知りたい。

「お前を傷つけないでくれって頼んだんだ。余計なお世話だってわかってた。でも、最後は知ることになって傷つくだろうお前をあの子に更に傷つけてほしくなかったから……! あの子は約束してくれたんだ。お前より優しい人を自分は知らないから絶対に傷つけないって。でも、それができなかったって謝ってたんだ」

 皇家に着いてドアを開けた悠二にボソッと呟くように謝った椿は表情こそ無に見えたが、唇が細かく震えているのが見えた。泣かないように必死なのだとわかった。

「お前を傷つけないでくれなんて言葉じゃなくて……もっと、お前のためにできることがあったはずなのに俺、なんで……言うことしかできなかったんだろって後悔してる! あの子の幸せはここにしかないってわかってたのに! お前のその感情も気まぐれじゃないって気付いてたのに!」

 泣きながら頭を下げる悠二に柊は首を振った。責めるつもりはない。怒りも湧いてこない。それどころか不思議と心は安らいでいる。嬉しささえ感じているほどだ。
 悠二の肩に触れると顔が上がる。

「椿はマジで嘘つきだ」

 わかっていた。あの言葉を真に受けたことは一度もない。あんな状況であんなことを言われて信じる者がどこにいるというのか。
 あの言葉が本音で、この三ヶ月間は本当に自由を謳歌するための嘘だったのであれば悠二にそんなことは言わないだろう。傷つけたことに罪悪感が生まれるはずがないのだから。でも鳳には聞こえないように謝った。互いに大切に思う相手のために約束したことを破ってしまったから。
 
「泣くなら美人の胸で泣けよ」
「ごめん! 本当にごめん!」

 できることはたくさんあったはずなのに保身に走ってできなかった。相手のためを思って、というのは自分に都合の良い言葉でしかない。
 愛を、運命を口にするほどの想いを胸にしていたとは知らなかったから、なんてのも言い訳でしかない。結局は皇家に、鳳雪勿に逆らうのが怖かったのだ。
 笑って許してくれる大切な友人のために何もしなかった自分を恥じていた。

「お前のことなんか微塵も愛してない。中途半端な愛じゃないからそう言えたんだ。当主に気取らせないほどの奥底に沈めることができるのは絶対にバレたくない想いがあるからだって思うんだ。お前が愛したから、愛を教えたから戻る決心がついた。お前が渡した愛で生きていけると思ってるように、俺は感じたんだ」

 慰めにもならない言葉だとわかっていても伝えたかった。自分が見た、柊と別れてからの椿のこと。覚悟を決めた女の凜とした姿を、親友が愛した女の想いを。

「柊、ごめんな」
「もういいって。俺は椿の幸せを祈るしかできないけど、それでも幸せだって思えるから」
「そうか。また、飲みに行こうな」
「女はナシな」
「わかってる」

 互いに酔うことはできなかった。酔うほど酒は飲めず、悠二は涙を流し、失恋した女学生のように目を腫らすほど泣いた。
 十時前ぐらいにタクシーを呼んでもらって玄関まで見送った柊は暫くドアに背を預けていた。
 視界の端に映る鍵入れ。回収したネックレスと指輪が入っていた。今は大事に寝室に置いている。悠二はまだつけたままだ。外すつもりはない。
 椿の指にはもう新しい指輪があるだろうか。
 蔵の中で君は何を思う? 願わくばそれが過去の幸せな思い出であればいい。
 背を離して廊下を歩き、部屋の前で止まった。ずっと開けられなかったドアの向こうを見ようと思った。何もないかもしれない。何もないならそれでいい。でももし、何かあるなら、それを自分が見て見ぬ振りするわけにはいかないから。
 握ることさえできなかったノブに触れて力を入れる。ノブを下げてゆっくりと押した時、まるで彼女がそこにいるように柔らかな香りがした。

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