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第43話
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エリシアの呼吸は、
もうほとんど音にならなかった。
胸が上下するたびに、
肺が軋むような痛み。
視界は白く霞み、
耳鳴りが世界を覆う。
(……殿下……
わたし……もう……)
精霊たちが必死に叫ぶ。
――エリシア!!
――眠らないで!!
――殿下が来る!!
そのとき――
光が、エリシアの胸元に触れた。
アルベルトは、
エリシアを抱き上げたまま
震える手で彼女の胸元に触れた。
「エリシア……
お願いだ……
呼吸して……!」
彼の魔力が、
エリシアの体へと流れ込む。
ふわり……
淡い金色の光が、
エリシアの胸の奥――肺へと染み込んでいく。
精霊たちが歓喜の声を上げる。
――殿下の魔力!!
――エリシアの呼吸が戻る!!
――もっと、もっと!!
エリシアの胸が、
かすかに上下した。
「……っ……は……」
アルベルトの瞳が潤む。
「エリシア……!
戻ってきて……!」
エリシアは、
薄く目を開けた。
「……で……んか……?」
その声は弱々しいが、
確かに“生きている”声だった。
アルベルトは、
彼女を抱きしめたまま震えた。
「よかった……
本当に……よかった……」
エリシアは、
アルベルトの胸に手を添えた。
「……殿下の……魔力……
あたたかい……」
アルベルトは、
彼女の額にそっと触れた。
「君を失うなんて……
考えられない」
精霊たちが光を散らす。
――殿下。
――エリシアを救った。
――二人は光。
禁術の中心では、
レオンが黒い魔力に飲まれつつあった。
腕に刻まれた禁術の紋様が、
皮膚を焼くように光る。
「……エリシア……
エリシア……
どこだ……
俺の……呼吸……」
黒い魔力が、
レオンの肺から漏れ出すように広がる。
ゴォォォ……ッ
王城の壁が軋み、
床がひび割れる。
魔術師たちが叫ぶ。
「禁術の暴走だ!!」
「このままでは……王城が……!」
「誰が……こんな……!」
レオンは、
自分が何をしているのか
もう理解していなかった。
「エリシア……
返して……
返してよ……
兄上……
返せ……!!」
黒い魔力が爆発する。
エリシアの呼吸が安定し始めたのを確認すると、
アルベルトはゆっくりと立ち上がった。
その瞳は、
怒りと決意で燃えている。
「エリシア。
ここにいて。
絶対に動かないで」
エリシアは、
弱々しく首を振った。
「で、殿下……
危険です……
レオン様は……」
アルベルトは、
エリシアの手をそっと握った。
「君を守るためなら……
どんな危険でも構わない」
エリシアの胸が震える。
(……殿下……
そんな……)
精霊たちが、
アルベルトの周りに集まる。
――殿下。
――行こう。
――“あの人”を止めるのは、あなた。
アルベルトは頷いた。
「レオンを止める。
そして……
君を守るために戻ってくる」
エリシアは、
涙をこらえながら微笑んだ。
「……お待ちしています……
殿下……」
アルベルトは、
最後にエリシアの頬に触れ――
黒い魔力の中心へと向かった。
禁術の中心で、
レオンは叫び続けていた。
「エリシア……
返せ……
返せよ……
兄上……!!」
黒い魔力が暴走し、
王城全体が揺れる。
そのとき――
アルベルトが黒い霧を切り裂いて現れた。
「レオン!!
もうやめろ!!」
レオンは振り返り、
狂気の瞳で笑った。
「兄上……
エリシアを……
返してよ……!!」
最終対決が、
ついに始まる。
もうほとんど音にならなかった。
胸が上下するたびに、
肺が軋むような痛み。
視界は白く霞み、
耳鳴りが世界を覆う。
(……殿下……
わたし……もう……)
精霊たちが必死に叫ぶ。
――エリシア!!
――眠らないで!!
――殿下が来る!!
そのとき――
光が、エリシアの胸元に触れた。
アルベルトは、
エリシアを抱き上げたまま
震える手で彼女の胸元に触れた。
「エリシア……
お願いだ……
呼吸して……!」
彼の魔力が、
エリシアの体へと流れ込む。
ふわり……
淡い金色の光が、
エリシアの胸の奥――肺へと染み込んでいく。
精霊たちが歓喜の声を上げる。
――殿下の魔力!!
――エリシアの呼吸が戻る!!
――もっと、もっと!!
エリシアの胸が、
かすかに上下した。
「……っ……は……」
アルベルトの瞳が潤む。
「エリシア……!
戻ってきて……!」
エリシアは、
薄く目を開けた。
「……で……んか……?」
その声は弱々しいが、
確かに“生きている”声だった。
アルベルトは、
彼女を抱きしめたまま震えた。
「よかった……
本当に……よかった……」
エリシアは、
アルベルトの胸に手を添えた。
「……殿下の……魔力……
あたたかい……」
アルベルトは、
彼女の額にそっと触れた。
「君を失うなんて……
考えられない」
精霊たちが光を散らす。
――殿下。
――エリシアを救った。
――二人は光。
禁術の中心では、
レオンが黒い魔力に飲まれつつあった。
腕に刻まれた禁術の紋様が、
皮膚を焼くように光る。
「……エリシア……
エリシア……
どこだ……
俺の……呼吸……」
黒い魔力が、
レオンの肺から漏れ出すように広がる。
ゴォォォ……ッ
王城の壁が軋み、
床がひび割れる。
魔術師たちが叫ぶ。
「禁術の暴走だ!!」
「このままでは……王城が……!」
「誰が……こんな……!」
レオンは、
自分が何をしているのか
もう理解していなかった。
「エリシア……
返して……
返してよ……
兄上……
返せ……!!」
黒い魔力が爆発する。
エリシアの呼吸が安定し始めたのを確認すると、
アルベルトはゆっくりと立ち上がった。
その瞳は、
怒りと決意で燃えている。
「エリシア。
ここにいて。
絶対に動かないで」
エリシアは、
弱々しく首を振った。
「で、殿下……
危険です……
レオン様は……」
アルベルトは、
エリシアの手をそっと握った。
「君を守るためなら……
どんな危険でも構わない」
エリシアの胸が震える。
(……殿下……
そんな……)
精霊たちが、
アルベルトの周りに集まる。
――殿下。
――行こう。
――“あの人”を止めるのは、あなた。
アルベルトは頷いた。
「レオンを止める。
そして……
君を守るために戻ってくる」
エリシアは、
涙をこらえながら微笑んだ。
「……お待ちしています……
殿下……」
アルベルトは、
最後にエリシアの頬に触れ――
黒い魔力の中心へと向かった。
禁術の中心で、
レオンは叫び続けていた。
「エリシア……
返せ……
返せよ……
兄上……!!」
黒い魔力が暴走し、
王城全体が揺れる。
そのとき――
アルベルトが黒い霧を切り裂いて現れた。
「レオン!!
もうやめろ!!」
レオンは振り返り、
狂気の瞳で笑った。
「兄上……
エリシアを……
返してよ……!!」
最終対決が、
ついに始まる。
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