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エンドレス侯爵邸にて
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ここはエンドレス侯爵の管理する地。
アール国の王都より少し南東寄りの山脈に囲まれた土地。
牧草地帯も多く、家畜の放牧をするのにも困らないことから畜産系を家業にする家も多い。
山の手前には森も多く、木材の輸出なども手掛けている。
特産品は乳製品、チーズ・バター・牛乳・ヤギミルクなどと、数が多い羊の羊毛も貴重な輸出資源となる。
そんな土地を守ってきたエンドレス侯爵の屋敷にて、言い合っている2人。
侯爵「ベリル、して、シトラス領はどうであった?
愛し子様にも会ったのだろう?わしも会いたかったのう~」
様子を聞くようで愚痴るという所業をする夫に、ニコリと微笑んで。
夫人「あなた、今回は私だけが呼ばれたのですから仕方ないでしょう?
どうしようもないことをグチグチ言ってると、せっかく良い報せを持ってきたのに教えてあげまんせからね?」
と、諌められ・・
妻の言葉にビクっとなって必死に言葉を返す。
侯爵「お、おい!
愚痴はすまんかった。だから、そんな事いわんでくれっ
わしが悪かった!この通りだ!」
そう言って、プリプリしている妻に頭を下げる。
夫人「もうっ仕方のない人ね!
いいですか?変な言いがかりつけたり、私の話を遮るようなことをしたらわかっていますよね?」
まったく・・・と言う夫人に頭が上がらない夫は、静かに頷くしかなかった。
夫人「まず、今回あちらに行ってきたのは、愛し子様の要望で他国の言語とマナーを教えて欲しいとのことだったの。
私は王族にも家庭教師として仕えていましたからね、殿下方からの以来で愛し子様の元へ通って欲しいと言われたのよ。
それでね、お会いしてお話してきたのだけど、とっても可愛らしく神々しいお方だったし、何より腰も低くて優しくてね。
私も気に入ったので、そのまま家庭教師のお話をお受けしてきたのよ。
ただね、こちらから通うとなると遠いでしょう?
だからね、あちらの夫人がご提案してくれて、シトラス子爵家の近くに別宅になるくらいのお屋敷が余ってるそうでね、そちらに1年間住んで屋敷へ通うのはどうかと、気に入ったらそのまま別宅として使用するなり住むなりでもいいのでは?と。
それでね、私思ったのだけど。
あなた、そろそろグリドールに家督を継がせようかって言ってたじゃない?
良い機会だからこのまま継がせて、私達はあちらへ移住するのはどうかしら?って思ったのよ。
もしこちらで何か問題が起こっても、1時間半では着くから早馬ならもっと早く行けるでしょう?
だから、こちらにずっと住んでいなくてもなんとかなりそうだと思ったの。
それでいいなら、1週間後にはあちらへ移りたいのだけど?
まぁ、私はお仕事だから1週間後には問答無用で向こうへ行くわよ?
あぁ、屋敷のほうはちゃんと下見してきたわ、内見もさせてもらえて広さも十分だったから、そのまま購入の契約を済ませてきましたよ。
あなたが行かないなら、私だけ移り住むけどそれでもいいかしらね?」
と、スラスラと話す妻を見てどこか懐かしく思った夫は・・
侯爵「ふははっそうか。
ベリルはもうあちらが気に入ったのだな。
そしたら、わしもお前と行くに決まっておろう。
結婚した時に約束しただろう?
死が2人を分かつまでってな(ニヤリ)
よし、いまからグリドールを呼んで、跡継ぎの手続きを済まそう。
ベリルは帰ってきたばかりで疲れているだろうが、せめて今日のうちで使用人にもこの話をして向こうに付いていくのであれば、各自荷物を纏めておくように伝えてくれ。
あと、こちらから抜けた人数分を人員補充するから数の把握を頼む。
わしも、グリドールとのやり取りが終わったらそちらに加勢するから。
っと、ただし疲れてるだろうからな、無理だけはするな。いいなっ」
そう言って、妻を優しく抱きしめてから動き出した。
さっきまで縮こまっていた人とは思えない(笑)
”あなたのそういうところも好きですよ”
と、書斎へ向った夫の姿を見つめて呟いた。
アール国の王都より少し南東寄りの山脈に囲まれた土地。
牧草地帯も多く、家畜の放牧をするのにも困らないことから畜産系を家業にする家も多い。
山の手前には森も多く、木材の輸出なども手掛けている。
特産品は乳製品、チーズ・バター・牛乳・ヤギミルクなどと、数が多い羊の羊毛も貴重な輸出資源となる。
そんな土地を守ってきたエンドレス侯爵の屋敷にて、言い合っている2人。
侯爵「ベリル、して、シトラス領はどうであった?
愛し子様にも会ったのだろう?わしも会いたかったのう~」
様子を聞くようで愚痴るという所業をする夫に、ニコリと微笑んで。
夫人「あなた、今回は私だけが呼ばれたのですから仕方ないでしょう?
どうしようもないことをグチグチ言ってると、せっかく良い報せを持ってきたのに教えてあげまんせからね?」
と、諌められ・・
妻の言葉にビクっとなって必死に言葉を返す。
侯爵「お、おい!
愚痴はすまんかった。だから、そんな事いわんでくれっ
わしが悪かった!この通りだ!」
そう言って、プリプリしている妻に頭を下げる。
夫人「もうっ仕方のない人ね!
いいですか?変な言いがかりつけたり、私の話を遮るようなことをしたらわかっていますよね?」
まったく・・・と言う夫人に頭が上がらない夫は、静かに頷くしかなかった。
夫人「まず、今回あちらに行ってきたのは、愛し子様の要望で他国の言語とマナーを教えて欲しいとのことだったの。
私は王族にも家庭教師として仕えていましたからね、殿下方からの以来で愛し子様の元へ通って欲しいと言われたのよ。
それでね、お会いしてお話してきたのだけど、とっても可愛らしく神々しいお方だったし、何より腰も低くて優しくてね。
私も気に入ったので、そのまま家庭教師のお話をお受けしてきたのよ。
ただね、こちらから通うとなると遠いでしょう?
だからね、あちらの夫人がご提案してくれて、シトラス子爵家の近くに別宅になるくらいのお屋敷が余ってるそうでね、そちらに1年間住んで屋敷へ通うのはどうかと、気に入ったらそのまま別宅として使用するなり住むなりでもいいのでは?と。
それでね、私思ったのだけど。
あなた、そろそろグリドールに家督を継がせようかって言ってたじゃない?
良い機会だからこのまま継がせて、私達はあちらへ移住するのはどうかしら?って思ったのよ。
もしこちらで何か問題が起こっても、1時間半では着くから早馬ならもっと早く行けるでしょう?
だから、こちらにずっと住んでいなくてもなんとかなりそうだと思ったの。
それでいいなら、1週間後にはあちらへ移りたいのだけど?
まぁ、私はお仕事だから1週間後には問答無用で向こうへ行くわよ?
あぁ、屋敷のほうはちゃんと下見してきたわ、内見もさせてもらえて広さも十分だったから、そのまま購入の契約を済ませてきましたよ。
あなたが行かないなら、私だけ移り住むけどそれでもいいかしらね?」
と、スラスラと話す妻を見てどこか懐かしく思った夫は・・
侯爵「ふははっそうか。
ベリルはもうあちらが気に入ったのだな。
そしたら、わしもお前と行くに決まっておろう。
結婚した時に約束しただろう?
死が2人を分かつまでってな(ニヤリ)
よし、いまからグリドールを呼んで、跡継ぎの手続きを済まそう。
ベリルは帰ってきたばかりで疲れているだろうが、せめて今日のうちで使用人にもこの話をして向こうに付いていくのであれば、各自荷物を纏めておくように伝えてくれ。
あと、こちらから抜けた人数分を人員補充するから数の把握を頼む。
わしも、グリドールとのやり取りが終わったらそちらに加勢するから。
っと、ただし疲れてるだろうからな、無理だけはするな。いいなっ」
そう言って、妻を優しく抱きしめてから動き出した。
さっきまで縮こまっていた人とは思えない(笑)
”あなたのそういうところも好きですよ”
と、書斎へ向った夫の姿を見つめて呟いた。
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