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トライフル町
しおりを挟むあれから結局、メイのおかげでトライフル町へはすんなりと入ることが出来た。
入ってからは、みんなそれぞれに散らばった。
もちろん、自由時間のため!
私はルイとジーンと3人で!!!と言いたいとこだけど、実は密かに影としてリルが数名付いていくと言い張ったので、怪しいくないようにしてくれるなら・・と条件をつけて許した(苦笑)
だって、断っても断っても頷かないんだもん。
まぁ・・安全度も上がるからいっか~って譲歩した。
そんな私の横でルイとジーンは笑っていた・・もうっ!楽しんでるでしょ!!
でも、まだお子様ですからね。
大人の言うことは聞いておく良い子ですのよ!
そんな大人ぶってみた私だけど、ユメイルの町を見ると嫌な気持ちも飛んでいってしまうほど・・
ルナ「なにこの町っ可愛いっ!!」
ジーン「ほんとですね!どこを見ても可愛いですね~」
ルイ「女子はこういの好きだよなぁ。楽しそうでいいこった!(ニカ)」
「「「懐しい・・」」」
そうなのだ、本当に空気とかシトラス領地を思い出す。
駄目・・少しウルっとしてしまう。
両隣の2人はギュッと繋いだ手を握りしめてくれた。
少しの感傷と温もりを抱いて、可愛らしい町を歩いていく。
キョロキョロと大通りを歩いていると、小さな子を中心に行き交う人と良く目が合うことに気づく。
???と思いながら、ニコリと笑って小さく手を振ると喜んでくれる。
私も嬉しくなっちゃうなぁ♪
近くの屋台で可愛らしい軽食が売っているのを見つけて、「食べるのもったいない~!でも食べちゃうっ!」と、ジーンと2人であーんと食べるのをルイは微笑んで見守ってくれてる。
ルナ「ルイは?食べないの??」
ジーン「そうよ~食べたらいいのに~美味しいよ??」
ルイ「うーん、俺みたいなのが食べるには・・可愛すぎてな(笑)」
ルナ「えーそんなことないよ??ルイはカッコいいんだから!何でも似合うよ~」
ジーン「うんうん・・はっ!!コホン、そうだよ~ルナ様の言う通りっ」
ん???ジーン誤魔化したね??
ふふっ
もう~ルイとジーンも焦れったいなぁ(ニヤニヤ)
と、呑気にやり取りしていると。
少し離れたところが騒がしい???
咄嗟にルイとジーンが威嚇体制に入って、私を前後で匿う形に。
もちろん、見えない場所からはリルの影がいる。
な・・なんだろう、無意識にルイの服をぎゅっと掴んでしまう。
その騒ぎのザワザワが段々と近づいてくるのはきっと気のせいじゃない・・
そうして数秒後には、私達の目の前に貴族然とした男と数人の供と見られる者が。
ルイの背中越しにチラリと見ただけだから、あまり風貌は把握出来てないけど・・
相変わらずルイの服を握りしめたまま考えていると、
カチャリと音がしたと同時に声が聞こえてきた。
???「突然失礼します。私、トライフル町代表のリュダストと申します。・・・愛し子様御一行様とお見受けいたしますが、少しお話よろしいでしょうか?」
聞こえたのは、とても穏やかな声だった。
怖い・・人じゃないのかな??
でも、まだ無理っ いまはルイとジーンに任せる・・と意味を込めて、もう一度ルイの服を強く握り、ジーンの手を握りしめた。
ルイ「リュダスト様、初めまして。私、愛し子様の護衛で側近であるルイと申します。
後ろの女性も同じく側近のジーンです。
・・・お話ですか・・我らの主はまだこちらへ到着して、ゆっくりと町を散策していたところですので、本日はお引き取りを。
主が希望しない限り、そちらと面会することはありません。
あくまでも、主が望めば・・叶う対面であること重々承知下さいませ。」
ツイっと冷たい声で応えるルイに、様子を見守っていた町の人々はビクっとなり、対応している相手方はイラっとした空気を漂わせたのを感じる。
やっぱり怖いっっ
いまはまだ、みんなの温もりの中で心を養生したいのだ。
知らない人は・・・
そんな周りの様子ももろともせず、
リュダスト「おや、愛し子様はこの町がお気に召さないと??
代表である私とは会っておいたほうがいいと思うのですが?今夜の宿はお決まりで??
よろしければ、私の屋敷へ招待いたしますよ!
町よりも少し小高い丘に立っておりますゆえ、カラフルな景色が楽しめますよ!!
食事も存分にご馳走させて下さい~
なに・・護衛の方々ももちろん、良き待遇をして差し上げますとも。いかがかな?」
は????
この人っっ
何も言わないで居ると思ったら・・
なんて無礼なのかしら!
私の仲間を・・差し上げます??してあげる??
ふざけないでよっ
私はもちろん、ルイとジーンはただの護衛じゃない・・神からの祝福を受けた身分ある護衛だ・・
それを、ただの護衛と勘違いしているとは。
私に付いている時点で、普通の護衛と違うとは思わないとは頭が悪いのかしら。
後ろでピリっと怒気混じりの空気を感じる・・
リルが怒っている・・彼らは私専属だと名乗るほど、私への無礼は許さない。
ルイとジーンもしかり。
ルイ「おや?申し訳ありませんが、こちらは宿泊先には困りませんので丁重にお断り申し上げます。主もそちらへ招待されることは快く思っておりません。
それから、町は町でこんなに素敵な景色で人々も素敵な方々ばかりです。ご自分の町を卑下なさるとは・・残念なことです。
そして、間違えないでいただきたい。
あなたは町の代表でしかないことを・・我らの主を”神々の愛し子”と認識しているようには到底思えない上から発言、全く持って有りえません。
更には・・何も理解しておられないと見られる・・神々の愛し子の在り方を。
その名の通り、神々に愛されているのですよ。(ニヤリ)」
そうツラツラと述べると、不敵な笑みをして。
ルイ「ちょっと前にリキュアのゼダ町が消滅したこと、知らないのですか?
それがどのような経緯で誰によるものなのか・・
全く、情報とは守りであり武器である。
もう少し慎重さを身に着けたほうがよろしいかと存じますよ。では、主が怖がっておりますので退散いたしますね。」
と伝え、ヒュイとルイの口笛でどこからともなく数名の黒い人物が現れた。
音ない音をさせて跪き、
「「「「「後は我らが」」」」」
ルイ「うん、頼んだよ。主も君等を頼りにしているからね。私達は先に戻るね。」
ジーン「あなた方の好物を用意させておきますからね」
ルナ「みんな・・ありがと」
澄んだ声で小さくお礼を言う声音を受けとったリルは命を遂行する。
立ち去る3人を阻止しようと、リュダストと供たちが追いかけようとすると・・
次は音を出す。
ザザッと地面を踏み鳴らし、行く手を阻む。
「言ったであろう、我が主は対面はしない。」
「その耳はお飾りか?」
「主は完全に貴様を拒否した」
「諦めろ」
「貴様は面会出来る器じゃない」
「「「「「我らの主に近づくな」」」」」
リュダスト「な、なんだと!!私はこの町の代表であるぞ!下っ端風情がそのような対応、許されるわけがないだろう!!
どけっ!!アレは私の側に置くのに相応しい!!!
あの神の色を持つ芸術・・これから更に美しくなるであろう?ソレを手に入れる・・・
至福を逃してなるものか!!!
アレは私のだ!!!貴様らごときが侍るな!!下賤がっっっ」
本物の愛し子を目の辺りにして、その美しさに狂ったのだろうか・・
興奮しすぎて焦点も合わない顔面は、気持ち悪い。
周りで様子を見ていた人々も、いつもは冷静で真面目な代表の代わり様に汚いモノを見るような目で見ている。
「ねぇ・・アレなんなの??」
「代表、いつもと全然違うよ!」
「おかしいんじゃない!?」
「愛し子様への言葉も無礼すぎるだろう」
「あの方は物じゃないのにっ」
「神々への冒涜じゃないか?」
「というか・・ゼダ町の沙汰を知らないっておかしいだろ?」
「そうだな、あのことはもう世界中に伝わっているはずだ」
「なんで代表は知らなかったんだ?」
「大方自分の町は大丈夫と高を括って、話を忘れたんじゃないか?」
「そんなことあるか!?」
「普通は同じ轍を踏むことのないようにと徹底するべきだけどなぁ」
「いや、まさに自分がそうなってるけどな」
「本当だな!」
「あれはもう駄目だな」
「とばっちり受ける前に帰ろうぜ!」
「あんなの町の恥だぜ!」
あちらこちらから痛い言葉の嵐が降り注ぐ。
町の人々はちゃんとゼダ町の沙汰を知っていたのだ・・
ということは、コイツが愚かなだけだな。
放っといたら主に害だなと判断したリルは・・・
闇へ引きずり込み、始末したとさ。
町中を汚すこと無く、いつの間にかリュダストという人間は消えたのだ。
リルのメンバーには、いつの日か創造神から無かったはずの闇の魔法が与えられていたのだ。
それは、彼らが愛し子への絶対的な忠誠を示したあの日の夜のこと。
神々はそれをしっかり見ていた。
愛し子を守るのに相応しい力はいくらあっても足りないのだ・・
リルの13人・・それぞれに闇の魔法を創り出し付与した。
この世界にあるはずのない属性・・彼らだけの特権だ。
それを違えることなく、主を守るためだけに行使する彼らを見て、神々は満足気に微笑んだという。
そうして愛し子の日程を大幅に削ったが、精神的に守るためにトライフル町をすぐに去ったという。
後日、トライフル町の教会からその出来事がユメイル国王都の神殿に伝えられ、そこから城へも報告された。
リキュアのことを伝達されているのに、まだこのような馬鹿が居るのかと頭を抱えたのは言うまでもない。
果たして、ユメイル王都まで足を運んでいただけるのか・・
それが不安になるほどの事であった。
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