神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ

文字の大きさ
117 / 153

ユメイルへの罰

しおりを挟む

駆けつけた先には、見たこともない光景が広がっていた。

屋敷には炎がまだ燃え続けている。
広範囲過ぎて消すのも骨が折れるだろうというのが見ただけでわかる状況だ。

屋敷中の人という人が中庭から出てきた先に転がっていた。

ざっと見ると、怪我人は居ないようだが、みんな呆然としている。
そりゃそうだろう、俺達だって驚きしか無かったからな。

状況把握するように、その場をキョロキョロ見渡していると、ある異変に気づく。
「なぁ、王様と王妃様はどうした?」
「え???」
その声に、周りでへたり込んでいる城仕えの者たちや門兵もキョロキョロしだす。
数人の使用人に囲まれて、王子や王女はみんな無事のようだ。
しかし、どこを見ても王と王妃の姿だけが見当たらない。

「おい、まさか中か?」
「っっ!!」
「うそだろっ!?」
「そんなっ!!父上!母上!!」
「王子っ!危険ですから!!行ってはなりません!」
「しかしっ!!お二人がっ!」
「わかっております!しかし、貴方様は時期国王、貴方がいなくなっては国は立ち行かなくなりますっ」
「っっっわかっているが」
父と母を助けたい!それなのに、自分の命が助からないことは国のためにもならないっ
それは、弟妹たちにも申し訳ない。
やりきれない気持ちに手をギュッと握りしめて耐える。

「兄様っっ」
「ディル、すまないっっ」
「にいさまぁぁ」
「うっぅっっ」
「・・っっ」
弟も妹たちも、強い。
どうにか気を持ってくれているだけでも助かる。
私がしっかりしなくては。
父と母の無事をどうにか知ることは出来ないだろうか。
そう思いながら、同時に使用人たちの無事も確認しようとゆらっと腰を上げた時だった。

近くの木にピシッーっと雷が直撃した。
「うわっ!!」
「きゃーーー!!!」
「ひぃぃっ」
とその場の全員から悲鳴にも似た声が上がる。
頭上に見覚えのある柔らかい光にゆらめいた煙が立ち上り、徐々に姿が顕になった。

っっっ!!!!
ザザっと跪き最敬礼をする。

なぜ、この場に神々が!?

周りも王子の行動に驚きながらも、慌てて同じように礼をする。

ルドリア
「ルドリア・ユメイル、拝顔出来ること恐悦至極にございます。
神々よ、降臨していただけた理由をお聞かせ願えませんでしょうか?」


ルドリアのその言葉に、周りが小さくざわつく。

その様子を目を細めて眺めてから、ラドリスへと向く。

周りにはわからないが、先程から王族にだけピリっと痛みが走る・・顔を顰めてしまうのは仕方ないことなのだが、彼らは周りに気取られないように無表情を貫いている。

”忍耐強いではないか・・どうしてなかなか・・親がちぃーと考えが甘かっただけのようだのう・・”
その心の声は誰に届くわけでもないが・・

創造神
「ちぃと久しいのう・・ラドリスよ。
そなたら、無事屋敷から逃げおおせたようだのう・・ホッホ・・」
チラリとルドリア以外の王族へも視線を向ける。

しかし、誰も神からの視線を受け止めはしても、逃れようとする者はいない。

”うむ・・こやつらならば大丈夫であろう・・”
”しかし、ルナとの縁は切るべきでは?”
”それは私も賛成だ”
”ルナにはもっと相応しい相手がいるではないか!!!”

そうなのだ・・
神々の中ではほぼ目ぼしい相手は決まっている。

が・・2人の想いが交わるかどうかは2人次第なのだ。

創造神
「うむ。先程の雷のことだが・・神の怒りと言えばわかるかのう?・・」

と伝えると、ざわめきは大きくなった。
聡い神官たちは当たりをつけていたのだろう、驚きはしなかった。
神官たちと共にいる民たちも・・

水の「ははっ神官たちとそこの民は聡いなぁ」
風の「本当だね」
土の「稀少だねぇ・・いやぁいいねぇ・・俺は気に入ったよ・・そこの・・後でな」
火の「おぉ、土のが気に入ったのか、珍しいじゃねぇか」
木の「わたしも数人・・ふむ・・うんうん、そうだね後で・・だねぇ」

創造神
「ほっほ・・これ、おまえたち、いまは断罪の時間であろう。まったく・・久しぶりに気に入るのがおったからとはしゃぐとは・・
おほんっ・・すまんな。
して、先程の雷じゃがな。あれは我らの所業だ・・
王族の・・そちらには酷であったな・・すまぬ。」

一旦話を切ると、1人が叫んだ。
ルディ「そんなっ!なぜですか!!父上と母上は無事なのですよねっ」
ルドリア
「こらっルディ!!!!神へ突っかかるとは、不敬にも程があるぞ!!」
ルディ「っっ!でもっでも!!!父上と母上は・・屋敷もこんなことに・・なんでっ」

そう言うと泣きじゃくってしまった・・
実は王女たちよりも泣き虫なのは王子であるルディなのだ。

創造神
「話は最後まで聞けと習わんかったのかのぅ・・はぁ・・ちゃんと理由があってのことに決まっておろう。
我ら神はお主ら人々の安寧で有り続けると共に、悪には罰も下す・・相当酷い奴だけだがの~
だがな、1人だけ・・心を痛めて欲しくない存在がおる・・わかるな?
我らの愛し子だ。
お主らの父と母は、愛し子を悲しませた・・わからんだろうな。
ふふっ
先刻、ルドリアお主と愛し子が王と王妃の元へ行き、婚約の許可をもらいに行って、いまはすべきでは無いと言い渡されておるな。
その裏の真実をお主も知らんであろう??

王と王妃は、そなたたちを婚約させる気などなかったのだ。
子どもを安心させるような言い訳を説明として、その裏ではお主を他国の姫と婚約させようとしておったとのことだ・・
あまりに酷よのう・・
他国の姫だと?笑わせるな・・我らの愛し子の立場をわかっておらんようでのう・・そんなどこぞの姫のことなぞ知らんわ。
我らの愛し子を悲しませておいて、良くもそのような計画を画策しおってからに。
わからんようだからの、罰を与えてやったというまでよ。」



!!!っっ
悲痛な・・でも声にならない声で泣く王子と王女に対して、更なる追い打ちをかける。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。 社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。 孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。 そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。 追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

処理中です...