33 / 55
使用人の計画
しおりを挟む
*前半少しだけ気持ち悪い感じあるかもしれません。
ルティ家の使用人たちの努力とこれからについてを考えてみました。
朝露がきらめく晴れた日。
朝日が見えてきた頃部屋で頭おかしく悶えている姿があった。
部屋の主人マトワである。
ふぅ・・
「ふふふっふふふ~」
・・・
ぐふっ
「あーーーーーははははははは!!!」
なんて素晴らしい。
この世に・・あの子と同じ時代に生まれたこともまた運命ということだな♪
やっぱり、僕とあの子は結ばれる運命なのさ~♪
ずっとご機嫌でまるで、一人歌劇でも披露されているのか??というくらい演技くさい大袈裟な仕草と言葉の羅列、心ここにあらずな目線や常に目の痛くなるようなギラッギラの服に包まれるその人は、
ご執心なご令嬢に対して懲りもせずに何か贈り物をしたらしい。
それを聞いたときの私たちメイドは一同
「「「「うそでしょ!!!またなの」」」」
と開いた口が塞がらなかった。
もう本当にヤバい・・
そんな奴に何も言わない伯爵様もヤバい・・
坊ちゃまの兄上であるセス様も部屋から全然出てこないし・・
一体何を考えていらっしゃるかもわからない・・
なんならお顔もわからないのよ・・
もうこんなお屋敷嫌っっっ
そして夜な夜なみんなで辞める時期と移住先の考察をするのが日課となっていた。
まぁ、つい数日前にやっと辞める時期と移住先の候補は絞ったんだけどね。
ここ2週間ほどで少しずつだけど荷造りをして移住先に送っていたから、出ていくときはトランク1つ持ち出すだけで済むようにしてある。
それは全員で動きやすいようにということを考えて。
まさか使用人が全員一緒に辞めるなど、考えてもいないんだろうな・・
決行はなんと!明日だ。
やっと・・やっとよ。
あの気持ち悪い変な言動や行動に悩まされることもなくなる・・
永遠とわけのわからない惚気を聞かなくても良くなるなんて・・あぁ幸せが待っている!!
使用人同士、仕事中も目を合わせて明日までよ、頑張りましょうと励まし合いながら、どことなくみんな浮足立っているのがわかる。
わかっていないのは、主人達だけ。
希望を胸に平静を装っていつもどおりに動く中、
庭師見習いのティムはあることを思い出した。
ん?
そういえば、師匠が引退する時に話してたな・・
えーっと・・・
と思い出すと、明日ここを去る前に確かめておいたがいいかもと思いたった。
一人で行くと何かあった時に戻れなくなるから、使用人のみんなに話しておいたほうがいいな。
朝食前に話しておこうと決めた。
使用人棟の食堂では、ちょうどみんな居た。
「みんなちょっと話しておきたいことがあって、いいかな?」
「あらティムおはよう、急にどうしたの?でも話は聞くわよ」
「ありがとう・・ふぅ。
実は・・俺の師匠が引退する前日に話してくれたことなんだけど」
と、森の奥に住む魔女の話を師匠から聞いたままに伝えた。
話し終わると食堂はシーンとなる。
「え・・ナニソレ。誰がいるって??魔女?このご時世に魔女っているの?」
「俺も聞いたことないぞ・・」
「というか、誰も行かない場所に住んでるって??伯爵が森に近づいてるのも見たことないぞ」
少し沈黙が流れて、執事長がこぼす。
「もしかして・・
いや、そんなこと・・
考えたくはないが、まさか奥様だったり?するのでは??」
その言葉に全員はっとなる。
まさか・・・
なぁ?・・
でも、お屋敷に居ないってことは・・
みんながゴニョゴニョ言い出す。
「あのさ、それで明日出て行くんだし、心残りは無い方がいい。
だから、俺見てこようと思ってるんだ」
「「「「「え!?」」」」」」
「うん、森の奥にさ。
どうせ出ていくんだから今日は朝から仕事しないで森に入ってくるよ。」
「っ!!ティム一人では何かあったらどーすんだよ!
兄貴分である俺も一緒に行くぞ。」
「おいおい、俺も行くって。」
「僭越ながら、私も一緒しよう」
「いえ、執事長はいつもどおりに業務をこなしてください。
さすがに執事長が居ないのは怪しまれる可能性が高いです」
「む、そうか。そうだな、軽率だった。みんな奥様だった場合、こちらに連れ出して保護して明日一緒に同行させるのはどうだろう?
もしかしたら、奥様の口から語られることが伯爵家のやってきたことの証明になるかもしれない」
「そうじゃなくても、貴族の御婦人が森の中で暮らすことを強いられているなんて、大問題ですよ!!」
「私達も執事長の意見に賛成です!」
「「「「「そうですよ!」」」」」
「はぁーわかった。」
「女性陣は何かあったら大変だから、いつも通りに仕事をしていてくれ、くれぐれも気づかれないように。
残りの男性陣は女性陣のこと気にかけてやってくれ」
・・・
「「「「「もちもんだ、任せてくれ」」」」」
「「「「「わかったわ!!!」」」」」
「その代わり、気をつけて、絶対にみんな無事に戻ってきなさいよね」
「そうよ、明日みんな揃ってここを出るのよ。誰一人欠けること無くよ。」
「あんたたち、ちょっと待ってな。
どれだけ長い時間になるかわからないし、弁当用意するから持っていきなさいな」
「っっ侍女長、それはありがたいです!」
「おかんの持たせてくれる弁当みたいで嬉しいっすっ!」
「おぉ、久しぶりに侍女長お手製とはありがたく味わって食べますね」
「ったく、ピクニックに行くんじゃないんだぞ~」
「侍女長!俺達の仕事盗らないでくださいよ~料理人の名がすたります」
「はいはい、あんたたちにももちろん手伝ってもらうけどね、料理人には日持ちのするクッキーとかお菓子を作ってもらいたいのさ、もしも長期戦になったら弁当は日持ちしないからね・・・」
長期戦なんて・・怖いこと言うなよなぁ・・
「もしもってことがあるからね?備えは大事だよ」
・・・
「そうですね。ありがたく受け取らせて貰います。
では、私たちは一旦通常業務に戻って1時間後にここで集合でいいですね?」
「了解ですっ」
「では一時解散っ」
それぞれ業務に戻っていく。
もちろん俺も。
森の奥・・・魔女って誰なんだよ・・
本当に奥様だったら、そんなことってあるのか???
師匠、俺が謎を解いてきます。
いつか師匠にも話せるといいな。
ルティ家の使用人たちの努力とこれからについてを考えてみました。
朝露がきらめく晴れた日。
朝日が見えてきた頃部屋で頭おかしく悶えている姿があった。
部屋の主人マトワである。
ふぅ・・
「ふふふっふふふ~」
・・・
ぐふっ
「あーーーーーははははははは!!!」
なんて素晴らしい。
この世に・・あの子と同じ時代に生まれたこともまた運命ということだな♪
やっぱり、僕とあの子は結ばれる運命なのさ~♪
ずっとご機嫌でまるで、一人歌劇でも披露されているのか??というくらい演技くさい大袈裟な仕草と言葉の羅列、心ここにあらずな目線や常に目の痛くなるようなギラッギラの服に包まれるその人は、
ご執心なご令嬢に対して懲りもせずに何か贈り物をしたらしい。
それを聞いたときの私たちメイドは一同
「「「「うそでしょ!!!またなの」」」」
と開いた口が塞がらなかった。
もう本当にヤバい・・
そんな奴に何も言わない伯爵様もヤバい・・
坊ちゃまの兄上であるセス様も部屋から全然出てこないし・・
一体何を考えていらっしゃるかもわからない・・
なんならお顔もわからないのよ・・
もうこんなお屋敷嫌っっっ
そして夜な夜なみんなで辞める時期と移住先の考察をするのが日課となっていた。
まぁ、つい数日前にやっと辞める時期と移住先の候補は絞ったんだけどね。
ここ2週間ほどで少しずつだけど荷造りをして移住先に送っていたから、出ていくときはトランク1つ持ち出すだけで済むようにしてある。
それは全員で動きやすいようにということを考えて。
まさか使用人が全員一緒に辞めるなど、考えてもいないんだろうな・・
決行はなんと!明日だ。
やっと・・やっとよ。
あの気持ち悪い変な言動や行動に悩まされることもなくなる・・
永遠とわけのわからない惚気を聞かなくても良くなるなんて・・あぁ幸せが待っている!!
使用人同士、仕事中も目を合わせて明日までよ、頑張りましょうと励まし合いながら、どことなくみんな浮足立っているのがわかる。
わかっていないのは、主人達だけ。
希望を胸に平静を装っていつもどおりに動く中、
庭師見習いのティムはあることを思い出した。
ん?
そういえば、師匠が引退する時に話してたな・・
えーっと・・・
と思い出すと、明日ここを去る前に確かめておいたがいいかもと思いたった。
一人で行くと何かあった時に戻れなくなるから、使用人のみんなに話しておいたほうがいいな。
朝食前に話しておこうと決めた。
使用人棟の食堂では、ちょうどみんな居た。
「みんなちょっと話しておきたいことがあって、いいかな?」
「あらティムおはよう、急にどうしたの?でも話は聞くわよ」
「ありがとう・・ふぅ。
実は・・俺の師匠が引退する前日に話してくれたことなんだけど」
と、森の奥に住む魔女の話を師匠から聞いたままに伝えた。
話し終わると食堂はシーンとなる。
「え・・ナニソレ。誰がいるって??魔女?このご時世に魔女っているの?」
「俺も聞いたことないぞ・・」
「というか、誰も行かない場所に住んでるって??伯爵が森に近づいてるのも見たことないぞ」
少し沈黙が流れて、執事長がこぼす。
「もしかして・・
いや、そんなこと・・
考えたくはないが、まさか奥様だったり?するのでは??」
その言葉に全員はっとなる。
まさか・・・
なぁ?・・
でも、お屋敷に居ないってことは・・
みんながゴニョゴニョ言い出す。
「あのさ、それで明日出て行くんだし、心残りは無い方がいい。
だから、俺見てこようと思ってるんだ」
「「「「「え!?」」」」」」
「うん、森の奥にさ。
どうせ出ていくんだから今日は朝から仕事しないで森に入ってくるよ。」
「っ!!ティム一人では何かあったらどーすんだよ!
兄貴分である俺も一緒に行くぞ。」
「おいおい、俺も行くって。」
「僭越ながら、私も一緒しよう」
「いえ、執事長はいつもどおりに業務をこなしてください。
さすがに執事長が居ないのは怪しまれる可能性が高いです」
「む、そうか。そうだな、軽率だった。みんな奥様だった場合、こちらに連れ出して保護して明日一緒に同行させるのはどうだろう?
もしかしたら、奥様の口から語られることが伯爵家のやってきたことの証明になるかもしれない」
「そうじゃなくても、貴族の御婦人が森の中で暮らすことを強いられているなんて、大問題ですよ!!」
「私達も執事長の意見に賛成です!」
「「「「「そうですよ!」」」」」
「はぁーわかった。」
「女性陣は何かあったら大変だから、いつも通りに仕事をしていてくれ、くれぐれも気づかれないように。
残りの男性陣は女性陣のこと気にかけてやってくれ」
・・・
「「「「「もちもんだ、任せてくれ」」」」」
「「「「「わかったわ!!!」」」」」
「その代わり、気をつけて、絶対にみんな無事に戻ってきなさいよね」
「そうよ、明日みんな揃ってここを出るのよ。誰一人欠けること無くよ。」
「あんたたち、ちょっと待ってな。
どれだけ長い時間になるかわからないし、弁当用意するから持っていきなさいな」
「っっ侍女長、それはありがたいです!」
「おかんの持たせてくれる弁当みたいで嬉しいっすっ!」
「おぉ、久しぶりに侍女長お手製とはありがたく味わって食べますね」
「ったく、ピクニックに行くんじゃないんだぞ~」
「侍女長!俺達の仕事盗らないでくださいよ~料理人の名がすたります」
「はいはい、あんたたちにももちろん手伝ってもらうけどね、料理人には日持ちのするクッキーとかお菓子を作ってもらいたいのさ、もしも長期戦になったら弁当は日持ちしないからね・・・」
長期戦なんて・・怖いこと言うなよなぁ・・
「もしもってことがあるからね?備えは大事だよ」
・・・
「そうですね。ありがたく受け取らせて貰います。
では、私たちは一旦通常業務に戻って1時間後にここで集合でいいですね?」
「了解ですっ」
「では一時解散っ」
それぞれ業務に戻っていく。
もちろん俺も。
森の奥・・・魔女って誰なんだよ・・
本当に奥様だったら、そんなことってあるのか???
師匠、俺が謎を解いてきます。
いつか師匠にも話せるといいな。
0
あなたにおすすめの小説
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。
satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。
殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。
レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。
長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。
レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。
次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる