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激動! 体育祭!
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「ということで、料理を教えて欲しい」
「どういう風の吹き回しだ」
「さっき話したじゃん……」
喫茶アネラに休日は顔を出すと決めたものの、期待されているほど料理ができるわけではない。もちろん全てを物理的に無に帰すとかはしないけど。あれはもうなんか別のパッシブスキルなのでは?
というわけで、俺の知る中で最も料理が上手い人間に頼ることにした。
「ハァ……テメェで何とかしろ、そういうのは」
「だって会長さまが一番料理上手いし~……」
そう、武藤様である。
いやわかるよ、不敬、お手を煩わすな、帰れコミュ障、寝とけ、そう言いたいのはわかるぞ、脳内の俺。
その事実陳列はもはやイマジナリー水瀬だけど。
「俺も昔飲食店でバイトしてたからわかるんだけど~、もしワンオペで地獄を見てる時に新人指導まで任されたら、労基に駆け込む程度は考えるんだよね~」
「知らん。したことない」
「そういうもんなんだよ飲食は」
ましてやホールではなくキッチンになるわけだし、経験も何もない。キッチンを求めてるのに自炊が全くできない人間に来られても困るというのもある。
「なので、最低限のことは教えてもらいたく」
壊滅的に失敗することはないのだが、慣れておらず料理に時間がかかる。キッチンにおいては戦力外通告を下されるだろう。それだけは避けたい。
頭を下げた俺を見て、武藤様はため息ひとつ。
「……ハァ。真面目にしてるヤツを無碍にしたなんざ知られたら、あのクソヤローに笑われちまう」
「それ風紀委員長さま? 仲悪いよね~」
「教えねぇぞ」
「うそうそ超仲良し羨ましい~!」
そういうことじゃないみたいな顔をされた。風紀委員長とは抱かれたいランキング二位の男であり、堅物で真面目、武藤様と犬猿の仲ということで有名だ。
一応立場としては俺と同じ委員会の長になるのだが、カースト最底辺、ほとんど権力もない園芸委員会とは違い、生徒会執行部と同等かそれ以上の影響力を有している。何? この差は。
やる気満々で台所に立つ。さっきはハードルを上げまくったが、とはいえある程度……自分を食わせてやれる程度に料理の基礎がわかってれば良い話である。
その程度なら俺にだって
ペチンッ
「えっ何これ」
「ニシンだが?」
「ニシン????」
台所に、デンと乗せられたよくわからん魚。いやニシンらしい。ニシンってあの北海道の?
目と目が合う。死んだ魚の目とよくいうが、魚って死んだ後も割と目が輝いている。
「捌く」
「捌く……!?」
「何匹か買ってきてっからお前もやれ」
「難易度高ァ~……」
文句を言うわけではないのだが、自炊が壊滅的にできないと名乗っている人間にやらせる代物ではない。困惑していると、武藤様がため息をついた。
「お前が急に料理教えろっつったんだろうが……簡単な塩焼きにしてやるから文句言うな。そういうのは事前に言え事前に!」
「明日牛乳パック三個いるって言った時の母さんみたいなこと言う」
「お前雑巾とかも直前に言うタイプか?」
「んん……」
母さんが崩れ落ちてたのを思い出す。申し訳のないことをした。
どうやらもう買ってきているというのでメニューの変更は無しらしい。べつにいいんだけど、頑張るんだけど。
「ニシンは足が速いんだよ。とれた現地じゃないから輸入分リミットも近い。今日買ってきたら今日調理する! 鉄則だろうが」
「すっごい詳しい」
専門の方に言われてしまえばもう反論とかはない。武藤様は心なしかウキウキした様子でシンクの収納をいくつか開いていた。
「手洗ったらやってみろ、見ながら教える」
包丁を取り出して、俺に渡してくる。自分用のものがあるのだけれど言わないほうがいいだろうか。
(魚捌く機会、あるかなあの喫茶店……)
まぁ良いんだけど。
表情には全く出ていないが、いつもより少しだけ手際のいい武藤様に扱かれながら夜は更けていった。
「そうじゃねぇ! お前、包丁すら使えねぇのか」
「数の子を捨てるな!!」
「内臓と白子の見分けもつかねぇのかよ」
「おい、手を広げて握るな」
「内臓は捨てろ」
「手を広げて握るな」
「いったん何でその持ち方でいいと思ったか言えるか?」
「猫の手ェ!!!!!!!!!」
ちなみに俺は最低限の実力すらなかったらしい。料理って難しいね!
「どういう風の吹き回しだ」
「さっき話したじゃん……」
喫茶アネラに休日は顔を出すと決めたものの、期待されているほど料理ができるわけではない。もちろん全てを物理的に無に帰すとかはしないけど。あれはもうなんか別のパッシブスキルなのでは?
というわけで、俺の知る中で最も料理が上手い人間に頼ることにした。
「ハァ……テメェで何とかしろ、そういうのは」
「だって会長さまが一番料理上手いし~……」
そう、武藤様である。
いやわかるよ、不敬、お手を煩わすな、帰れコミュ障、寝とけ、そう言いたいのはわかるぞ、脳内の俺。
その事実陳列はもはやイマジナリー水瀬だけど。
「俺も昔飲食店でバイトしてたからわかるんだけど~、もしワンオペで地獄を見てる時に新人指導まで任されたら、労基に駆け込む程度は考えるんだよね~」
「知らん。したことない」
「そういうもんなんだよ飲食は」
ましてやホールではなくキッチンになるわけだし、経験も何もない。キッチンを求めてるのに自炊が全くできない人間に来られても困るというのもある。
「なので、最低限のことは教えてもらいたく」
壊滅的に失敗することはないのだが、慣れておらず料理に時間がかかる。キッチンにおいては戦力外通告を下されるだろう。それだけは避けたい。
頭を下げた俺を見て、武藤様はため息ひとつ。
「……ハァ。真面目にしてるヤツを無碍にしたなんざ知られたら、あのクソヤローに笑われちまう」
「それ風紀委員長さま? 仲悪いよね~」
「教えねぇぞ」
「うそうそ超仲良し羨ましい~!」
そういうことじゃないみたいな顔をされた。風紀委員長とは抱かれたいランキング二位の男であり、堅物で真面目、武藤様と犬猿の仲ということで有名だ。
一応立場としては俺と同じ委員会の長になるのだが、カースト最底辺、ほとんど権力もない園芸委員会とは違い、生徒会執行部と同等かそれ以上の影響力を有している。何? この差は。
やる気満々で台所に立つ。さっきはハードルを上げまくったが、とはいえある程度……自分を食わせてやれる程度に料理の基礎がわかってれば良い話である。
その程度なら俺にだって
ペチンッ
「えっ何これ」
「ニシンだが?」
「ニシン????」
台所に、デンと乗せられたよくわからん魚。いやニシンらしい。ニシンってあの北海道の?
目と目が合う。死んだ魚の目とよくいうが、魚って死んだ後も割と目が輝いている。
「捌く」
「捌く……!?」
「何匹か買ってきてっからお前もやれ」
「難易度高ァ~……」
文句を言うわけではないのだが、自炊が壊滅的にできないと名乗っている人間にやらせる代物ではない。困惑していると、武藤様がため息をついた。
「お前が急に料理教えろっつったんだろうが……簡単な塩焼きにしてやるから文句言うな。そういうのは事前に言え事前に!」
「明日牛乳パック三個いるって言った時の母さんみたいなこと言う」
「お前雑巾とかも直前に言うタイプか?」
「んん……」
母さんが崩れ落ちてたのを思い出す。申し訳のないことをした。
どうやらもう買ってきているというのでメニューの変更は無しらしい。べつにいいんだけど、頑張るんだけど。
「ニシンは足が速いんだよ。とれた現地じゃないから輸入分リミットも近い。今日買ってきたら今日調理する! 鉄則だろうが」
「すっごい詳しい」
専門の方に言われてしまえばもう反論とかはない。武藤様は心なしかウキウキした様子でシンクの収納をいくつか開いていた。
「手洗ったらやってみろ、見ながら教える」
包丁を取り出して、俺に渡してくる。自分用のものがあるのだけれど言わないほうがいいだろうか。
(魚捌く機会、あるかなあの喫茶店……)
まぁ良いんだけど。
表情には全く出ていないが、いつもより少しだけ手際のいい武藤様に扱かれながら夜は更けていった。
「そうじゃねぇ! お前、包丁すら使えねぇのか」
「数の子を捨てるな!!」
「内臓と白子の見分けもつかねぇのかよ」
「おい、手を広げて握るな」
「内臓は捨てろ」
「手を広げて握るな」
「いったん何でその持ち方でいいと思ったか言えるか?」
「猫の手ェ!!!!!!!!!」
ちなみに俺は最低限の実力すらなかったらしい。料理って難しいね!
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