魔法の鏡、DKに転生する〜モブですらない無機物キャラだった筈ですが〜

Q矢(Q.➽)

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7 保護者7人

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「…殴らせろってば!離せよ六!」

透き通るような真っ白い肌なので、額に浮かぶ青筋も限りなくハッキリ見える姫宮君。こないだよりも更にハッキリ浮き出てますね。それだけご立腹って事なんでしょうか。やばいな。
六と呼ばれたのは、姫宮君の視線の動きから察するに、振り上げた右腕を押さえている男子生徒のようです。六と呼ばれたその男子は、困ったような顔で姫宮君に言いました。

「姫、悪い事は言わないからやめときなって。こんなとこで騒ぎを起こしたらあの若王子がうるさいよ。また四六時中、風紀にマークされるかもよ」

「くっ…」

六さん?にそう言われた姫宮君は、急に勢いを失くしたようで、体からはゆっくり力が抜けていきました。良かった、暴力は何も解決しませんもんね!

「あ、ありがとうございます六さん」

僕がお礼を言うと、六さんは微妙な表情をして言いました。

「どういたしまして、六条です。この度はうちの姫がお騒がせしまして」

どういたしましての次に名乗られたのは初めてだな…と思いながら、僕も名乗りを返す事にしました。

「各務です。此方は木崎君」

「まさかと思ってましたが、本当に人間に生まれ変わってたんですね。驚きです。」

六条君は僕の頭のてっぺんから靴の爪先までを見て、溜息を吐いていました。何故だ。
そして六条君の頭上の数字は76。まずまずですね。平均は超えてます。良かったですね。(偉そう)

「だから言ったじゃん。同じ世界出身者の気配はわかるよ。それに僕、鏡が封印される時、見物に行ったもん。その時見た感じと同じだったからさあ」

姫宮君の肩越しから会話に口を挟んで来たのは、姫宮君を後ろから羽交い締めにしていた男子生徒です。こ、これまた76点。そのまた横で姫宮君の左腕をひしと抱きしめて押さえている気弱げな男子生徒は、73という数字。ついでに後ろに居る4人は、74、78、75、77…。何だろう、気の所為かな。何だか粒が揃っているような…??

「うん。でもまさかその人間自体に鏡の魂が入ってるなんて思わなかったけどね。てっきり、鏡が流れ流れて家にでもあるのかと思ってた」

「あはは、そうでしたかぁ。その節は多大なご迷惑をお掛けしまして。ご覧の通り、今回は人間です」

なんてヘラヘラ答えつつ、僕の転生の事に触れている辺り、どうやらこの人達も関係者なのだろうか…なんて脳内で検索。

…あ、もしかして…いや、数からして十中八九。

「あの…違ってたらすいません。小人さん達でいらっしゃる?」

おずおずと聞いてみると、六条君が頷きました。

やっぱり~!

そして、それに倣うようにコクコクと順番に頷いていく6人。計7人。
 
「一ノ宮です」

「二坂だよ」
 
「三苫です」

「四ノ田です」

「五木」
 
「七沢です」

またしても順番に名乗ってくれる元・小人さん達。
今世でも取り巻きにくっついて来たのかぁ。心配だったんでしょうか?保護者的な感じかな?
あの頃とは逆の意味で手が掛かりそうですもんね~、姫様…じゃない、姫宮君。
忠義心なのか保護欲なのかわかんないけど、なんだか凄いなあなんて感心していると、姫宮君がイライラした様子で叫びました。

「人の周りで挨拶するな!」

「すいません、なりゆきで」

「白雪ィ、なんかお前、怒りっぽくなってね?昔の俺みた~い」

「ぅるっせえ!!!」

「「「「「「「姫!!!」」」」」」」

「な、なんだよぉ…」

7人全員に叱られ、流石にシュンとなる姫宮君。
超絶美形のシュン顔に、面食いの僕もシュンとしてしまいます。

「ご迷惑をお掛けしました。姫は回収していきますので…すいませんでした」

そう言って、元・7人の小人さん達は姫宮君を担ぎ上げて行ってしまいました。

「あーあ、せっかく会えたのにもう行っちまった。もっと話したかったのになぁ」

「嵐のようだったね…」

僕と木崎君は、去っていく姫宮君達を見送りながら呆気にとられて呟きました。なんだか狐につままれたような気持ちです…。
姫宮君達が見えなくなるに従って、ウチの生徒達が作っていた包囲網もパラパラと崩れ、薄くなっていきました。ザワザワと話している内容は、すごい美形いたなとか、白ブレザーがあんなに集まってるの初めて見たとか。
みんな僕と同じ感想抱いてるな…。

「僕らも帰りましょうか」

僕がそう言うと、木崎君はウンと返事をしました。なので歩き出したんですが、すぐにぐいっと右肘辺りの袖を引っ張られました。デジャヴ。

「なんですか?」

仕方なく振り返ると、いつになく真剣な顔をした木崎君がじっと僕を見つめていました。

「…どしたの、木崎君」

肩抱かないの?いつもみたいに煩く着いて来ないの?
首を傾げた僕に、木崎君は改まった声で言いました。

「さっき、ありがとな。庇ってくれたんだろ。今はお前だって生身なんだから殴られりゃ痛いに決まってんのに」

「あ、いやそんな…」

「ちょっと感動してる。俺、やっぱお前の事、大好きだわ」

切れ長の綺麗な吊り目がうるうると潤んで僕を映している事に、妙にドキドキしてしまいます。


変だな、木崎君の顔は見慣れている筈なのに、そんな表情は見覚えがありません。
99の数値は変わらないのに、いつもより綺麗に見えてしまうのはどうしてなんでしょうか…。


















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