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15 初めてならそういう事もあるある
結局その後、陛下は俺がほんの少しの手淫をしただけで射精してしまった。咥えるまでもなく俺の腹に白濁を撒き散らした、18歳のデカチン...。
流石は童貞、刺激に弱い。
だよな。いくらチート人類のアルファったって、未体験の事を最初から完璧にこなせるなんて嘘だよな。ある意味安心したわ、やっぱ童貞にアルファもベータもオメガもないって。
いやまあ最初からセンスのある奴もいるだろうけど、そんなの人それぞれだと思うし。現にほら、エリアスなんか浮気三昧だった割りに下手クソだったと思う。いくら俺が他を知らないったって、上手いか下手かくらいはわかる。だって全然気持ち良くなかったもん。思えば初めての時が一番マシだったよ。処女だって申告してたからヤツなりに少しは気を使って解してたんだろうな。受け入れ側があんまり固くて狭いと、挿入れる方も痛いって聞くし。
「...すまない、みっともない事になってしまった...」
あっけなくイった事で俺の腹を汚した事に罪悪感でも持ってしまったのか、しょんぼり肩を落とす陛下。ベッドサイドにあるテーブルの上からティッシュを数枚取って陛下のザーメンを腹から拭き取っている俺に、弱々しい声で謝ってきた。それに俺は首を振って答える。
「何もみっともなくなんかありませんよ。俺こそ、上手く出来なくて」
本当なら歳上で、多少は経験者の俺がもう少しタイミングを見て射精を誘導すべきだったんだろうけど、俺自身もフェロモンショックで興奮しちゃってたからつい、我を忘れて煽ってしまった。
でも、陛下がイってしまったせいなのか、陛下のフェロモンの発散も徐々に鎮まっていく。それと共に、半勃ちだった俺のムスコもトーンダウン。
...まあ、残念といえば残念だけど、結果長く乳首弄られてたからそれなりに満足感はある。
俺の胸に抱かれた陛下、可愛かったし。
(ああ~、残念...陛下の良い香りが薄くなってっちゃう...)
片付けながらも名残惜しくなった俺は、胸の辺りに残った残滓を指の腹で掬って口に運んでみる。舌の上に甘さが広がり、俺はとっても後悔した。
ベータ(エリアス)のザーメンとは味も匂いも全然違う。
アルファの精液がこんなに良い匂いで美味いって知ってたら、絶対最初から咥えてた。そしたら、一滴も零さずに味わえたのに。
「...俺、今度は絶対もっとがんばります」
左手でティッシュをちいさなゴミ箱に名残惜しく捨てた後、右手の拳を握りしめながらそういうと、陛下はキョトンとしながら首を傾げた。
「え?何故ユウリンが?今、僕がそのセリフを言おうと思ってたんだが...」
それに俺は、真面目な顔を作ってふるふる首を振った。
「いえ!陛下は寧ろそのままで!!いらしてください!!俺、陛下が俺だけに素のままを見せてくれるの、すごく嬉しいので!!」
「え、そうか...?本当に?」
「本当です。めちゃくちゃ嬉しくて興奮します!」
「こんな情けない僕でも受け入れてくれるなんて...君はやっぱり最高に素敵な人だ...」
握ってた俺の拳を両手で包んで、感動したように言う陛下の、俺を見る目はキラキラしている。本当に純粋なんだなあ。好き。
綺麗で高貴で気位の高い、純血種の大型犬。誰にも尻尾を振らないそんな気難しいワンコが、俺だけには尻尾を振るどころか、腹を見せてるんだよ。そんなのどんだけ可愛いか。
俺は、自分の右手を包む陛下の両手に左手を重ねながら、目をうるうるさせてじっと見つめ返した。
「陛下...これからも俺のところに来てくれますか?」
シュウメイさんからは、繊細な陛下が萎えるようなお強請りは禁止、なんて言われたけど...陛下の様子からしてこれは大丈夫だろうと思い切って聞いてみた。
「当たり前だろう!明日も明後日もずっと来る!」
食い気味に良いお返事をくれた陛下に、俺は少し考えてから答えた。
「あ、それはちょっと...2日おきくらいにしていただけると...」
「む...」
いや、毎日あの風呂儀式は面倒なんだよ。アレが部屋の風呂に省略されるなら考えるけど。動いてるのは女官2人だけど、他人に裸見られてとか気疲れするんだよ。俺、庶民だし。
「...2日おきという事は3日に1度か...」
不満げな顔で呟く陛下は、少し悲しそうな表情で俺も心が痛む。陛下は、お渡りを告げられた側室が数日前から下準備をしたりする事もあるって事を知らないのかもしれないな。側室達も、わざわざそんな苦労がある事なんて言わないだろうし。
どう言ったら納得してもらえるかなあ、なんて考えてた俺の耳に、陛下から意外な言葉が。
「しかし、そうだな...ユウリンにも色々都合があるだろう...。わかった。とりあえず週に2度、ここに訪れる事にしよう」
「えっ...良いんですか?」
「僕との関係がユウリンの負担になるのは望まない。それに週に2日くらいの方が、僕の執務にも大学に通うのにも支障はきたさないと思う」
「あ、そうか...陛下、大学生なんですもんね。凄いなあ...頑張ってらっしゃいますよね」
すっかり忘れてたけど、陛下、学生だったんだっけ。流石だよ。皇帝業と学業の両立なんて。俺なんか勉強あんまり好きじゃなくて、かといって将来何を目指したいなんて目標も無かったから高卒でフリーターになったもん。
俺が尊敬の眼差しで陛下を見つめると、陛下、照れて赤くなった。
「凄いなんて初めて言われた...。頑張ってるなんて、誰にも言われた事はない。 でも、嬉しいものだな」
それを聞いて、俺は少し悲しくなった。
皇族でアルファだから、特別だから。
どんなに頑張っても周囲には出来て当たり前だと取られてしまう。
陛下は孤独だったのかな。だから、親友だったという元カレに拠り所を求めたのかもしれない、なんて思った。
これから、俺は陛下の拠り所になれるだろうか。
(なれたら良いな)
そんな事を思いながら、俺は陛下を抱きしめた。
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