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4 必要? いいえ、不要です。
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あらやだ困ったわ、とリディアはつぶやいた。
広大な塔の敷地内の一角にある、緑あふれる場所にリディアはいた。
目の前には緩やかな小川が流れ、周りを囲むように植えられた木々の間に、ぽっかりと空いたスペース。そこに小さなイスとテーブルが置かれている。
まさに、一人になりたいときにはうってつけの場所といえる。
そこに座り、リディアはもう一度つぶやく、『困ったわ』と。
だが、その様子を見るものがいれば思っただろう。いったいお前のどこが困ってんだ、と。
そう、背筋を伸ばし、優雅に腰かけ、上品に紅茶を飲むさまを見て『困っている』と思う人はいないだろう。だが、リディアは心底困っている。たとえそうは見えなくても。
「いったい何からやったらいいのかしら……」
実は己がダブル悪役であったとの爆弾発言を聞いたのは昨日の夜のこと。今日が週に一度ある休息日でよかったわと、ため息をつく。
おかげで考える時間だけはたっぷりとある。それが多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだが、それでもリディアにはとても素晴らしい時間に感じた。
なにせ、塔に来てからというもの、一人で静かに過ごす時間というものがない。
自室に帰ってからはネイラとなんやかんやおしゃべりをしていたし、寝室に入ると、酷使された体がすぐさま根を上げるので倒れるように寝てしまう。さらに今迄の休息日と言えば、人一倍体力が無いくせに負けず嫌いなリディアは自主練習。なぜかネイラも付き合って自主練習。よって、通常と変わらない生活サイクルとなっていた。
別にそれが苦痛だったわけではないのだが、やはり慣れない環境に、知らず疲れがたまっていたのだろう。今の静かなこの時間が、ものすごく貴重なものと感じてしまう。
そんなリディアに対し、昨日の今日なので察したネイラは何も言わずティーセットを渡してくれた。さらに軽食まで入っているのだから、うれしい心配りである。
とても心配そうな顔をしてはいたが。
「……ふう」
紅茶を飲み、ぼんやりと緑あふれる景色を見て、少しだけ頭の中が晴れた気がする。
このままぼーっとしていたいところではあるのだが、そういうわけにもいかない。
まずは現状の整理から。
悪役令嬢だと気付いたので、即回避。
塔に転校し、これで安心と思っていたら、同じく思い出したヒロイン来襲。
対攻略者対策を決意、……したとおもったら、これまた別ゲームのヒロイン、勇者の特攻にあう。
魔王を倒す代わりに対攻略者対策を考えることに。もうこれ以上はないだろうと思っていたら、勇者の幼馴染に爆弾を落とされた。
なんとリディアは別ゲームでも悪役であったらしい、と。
以上が昨日までおこった出来事である。
まさに怒涛の展開。
昨夜はどうやって自室まで戻ったのかという、記憶すら飛んでいる。ネイラ曰く、普段と変わりなかったらしいのだが、記憶がないのでわからない。
そんな己の動揺具合を察してほしい。
まあ、それはさておき。
こう、改めて己の現状を考えてみて思った。
「……これは、ないわね」
ない。これはないだろう。そう思ってしまう。
いっそ、塔に転校などせずあのまま学園に通っていたほうがよかったのだろうかと考えるが、即座に却下する。
”ゲーム補正”とやらがあったら困るのだ。いくらヒロインを排除する気はないとはいえ、何らかの力が働いて勝手に動かされないとも限らない。
まあ、その可能性は転校できた段階で薄いとは思うのだが、勇者が現れたことで微妙なものになった。
それに、それは今だから言えることであって、あの時はこれが最善だと思っていたのだから仕方がない。
それに今問題にすべきことは、過去の選択ではなくて、これからのことである。
問題は。
「何をすればいいいのかさっぱりなことよね」
ネイラが聞けば、驚いただろう。どういうわけか、彼女はリディアがなんでもできると思っているところがある。
リディアからすれば、そんなわけないでしょうが、となるのだが。
「……はぁ、やってられない」
はっきり言って、逃げたい。何から逃げたいのかよくわからないが、逃げたい。そう、己を誰も知らないところへ行きたい。
そう思う一方で、頭の片隅では、今後得られる利点を考えている。
ネイラとともに攻略者対策をすることは、今後この国で侯爵家を継ぐ己が持つ力とする為に。
勇者であるレティアに協力するのは、隣国への伝手を得るために。
確かに、悪役回避というのが根底にあるのは間違いないのだが、利点が何もないのならば、リディアは動く気はない。
それは王家の血を継ぎ、侯爵家の跡取りとして育てられたリディアにとって、息を吸うのと同じように当たり前のこと。
いくら頼まれたら断れない性格であろうとも、前世の己ならともかく、リディア・オルコットはただそれだけでネイラやレティアの頼みを聞くことはない。
あの時、瞬時に利点があると思ったからこそ、受け入れた。はたから見れば断れなかっただけに見えるだろうが、それでもリディアは即座に天秤にかけた上で、受け入れている。
だからこそ、考えなければならない。
己にとって、必要なことを。
「……そうね、まずは情報収集かしら」
はっきり言って、リディアの前世の記憶は割と曖昧である。もちろんゲームの内容も、すべては覚えていない。
どちらかというと、ネイラもそうだろう。
ではレティアはどうか。
いや、むしろケインのほうが詳しい気がしてならない。
そもそも勇者に宣託が下るのはいつだ。タイムリミットがわからない。
レティアの性格から言って「あはは、ごめん3日後だ」と言われてもおかしくない気がする。もちろんそれはケインが止めるだろうが。
それはともかく、知らないことが多すぎる。
「……何からにしようかしら」
まずは、知ることから始めなければ。
昼過ぎ、幾分すっきりとしたリディアは、素直に自室に戻った。本当は、ケインに話を聞きたかったのだが、よく考えたらどこにいるのかを知らなかった。それに、男子寮に行くには目立ちすぎる。
「あ、お帰りなさい、リディア様!」
扉を開けた瞬間、ぱっと顔を明るくさせたネイラの歓迎を受けた。
正直、どうして己がこんなに懐かれているのか不思議である。
「戻られたのですね、リディアさん」
「……カトリーナ先生?」
なぜここに。
訳が分からないながらも、向かい合うよう、ネイラの隣に腰かける。
カトリーナの雰囲気は、いつもと変わらず気品にあふれており、知らず背筋が伸びる。
「すみません、何か御用だったでしょうか?」
「休息日だというのに、申し訳ないわね。実は二人に確認を取らなければならないことが発生しました」
「……え?」
「……確認、ですか?」
「ええ、まずは、そうですね、この塔の出入りには制限がかけられているのは知っていますね?」
問いに、頷く。
生徒が出入りできないのはもちろん、教師を含め、ここで働く者たちすべてに制限がかけられている。
そして、外部から入ることができるのは、卒業生と厳選された業者だけ。
「ですが、どうしても必要だと思われるものに関しては、その限りではありません」
「……どういう意味でしょう」
「例えば、生徒に面会を求めるものがいたとします。その場合は生徒及び塔側が必要だと判断すれば、会うことが可能です」
「必要ならば、ですか」
「そうです。まあ、面会者を見て不要だと判断する場合もありますが」
様子からして、むしろそっちの可能性のほうが多そうな気がしてならない。
「率直に言いましょう。リディアさん、あなたには元婚約者様が。ネイラさん、あなたには学園で仲の良かった男子生徒数名が、面会に訪れています」
「「……えっ」」
固まった。
リディアの元婚約者といえば、一人しかいない。
そして、ネイラの仲の良かった、かどうかは微妙だが対外的に見ればそうなのかもしれない、男子生徒数名といえば、攻略者たちしかいない。
暑くも寒くもないのに、嫌な汗が流れているような気がする。
そんな様子を、なんら表情を変えることなく見ていたカトリーナは、それで、と続きを口にする。
「まあ、そうですね。今回の場合、学園での状況を含めておおよそのことは把握しています。ですので、本人の意思を尊重したうえで判断を下そうというのが、こちら側の見解になります」
第二王子が婚約者でない女性に好意を抱き、婚約破棄をされたとか。
一人の女生徒が、身分の高い男子生徒数名に好意を持たれていたとか。
いろいろなことを塔側は知ってはいたが、正直言ってどうでもよかったりする。なにせ塔はより高みを目指すことを目的として作られた学校なので、誰が誰に好意を持とうが婚約を破棄されようが、まったく関係ない。
では、なぜ今回生徒の意思を聞こうと思ったのかといえば、面会を申し込む回数が多すぎてめんどくさくなった、というのが本音だったりする。
だから返答がどちらであろうと、これですっぱりすっきりさせてしまおうという意思のもと、いまだ固まり続ける二人に向かって、問いかけた。
「会って話したいことがある、とのことですが、二人は彼らに会う必要はありますか?」
その問いに、二人は一瞬顔を見合わせた後、きっぱりと述べた。
「「いいえ、まったく会う必要を感じません」」
一切の躊躇もない返答だった。
「わかりました。では、きっぱりと断ってかまいませんね?」
「ええ、きっぱりと断ってください」
「話したいこともないので!」
「わかりました。ではそのように」
では、また明日、とほほ笑んで帰って行ったカトリーナを見送って、リディアは勢いよくネイラを振り返る。
「ネイラ」
「……なんでしょう」
ついっと、視線がそらされる。
どうやら言いたいことはわかったらしい。
これまでここでの生活にまだ慣れていなかったので後回しにしていたせいもあるのだが、これ以上後に回す気はない。
「聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」
情報収集、まずはここから始めましょう。
リディアはにこりと笑った。
広大な塔の敷地内の一角にある、緑あふれる場所にリディアはいた。
目の前には緩やかな小川が流れ、周りを囲むように植えられた木々の間に、ぽっかりと空いたスペース。そこに小さなイスとテーブルが置かれている。
まさに、一人になりたいときにはうってつけの場所といえる。
そこに座り、リディアはもう一度つぶやく、『困ったわ』と。
だが、その様子を見るものがいれば思っただろう。いったいお前のどこが困ってんだ、と。
そう、背筋を伸ばし、優雅に腰かけ、上品に紅茶を飲むさまを見て『困っている』と思う人はいないだろう。だが、リディアは心底困っている。たとえそうは見えなくても。
「いったい何からやったらいいのかしら……」
実は己がダブル悪役であったとの爆弾発言を聞いたのは昨日の夜のこと。今日が週に一度ある休息日でよかったわと、ため息をつく。
おかげで考える時間だけはたっぷりとある。それが多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだが、それでもリディアにはとても素晴らしい時間に感じた。
なにせ、塔に来てからというもの、一人で静かに過ごす時間というものがない。
自室に帰ってからはネイラとなんやかんやおしゃべりをしていたし、寝室に入ると、酷使された体がすぐさま根を上げるので倒れるように寝てしまう。さらに今迄の休息日と言えば、人一倍体力が無いくせに負けず嫌いなリディアは自主練習。なぜかネイラも付き合って自主練習。よって、通常と変わらない生活サイクルとなっていた。
別にそれが苦痛だったわけではないのだが、やはり慣れない環境に、知らず疲れがたまっていたのだろう。今の静かなこの時間が、ものすごく貴重なものと感じてしまう。
そんなリディアに対し、昨日の今日なので察したネイラは何も言わずティーセットを渡してくれた。さらに軽食まで入っているのだから、うれしい心配りである。
とても心配そうな顔をしてはいたが。
「……ふう」
紅茶を飲み、ぼんやりと緑あふれる景色を見て、少しだけ頭の中が晴れた気がする。
このままぼーっとしていたいところではあるのだが、そういうわけにもいかない。
まずは現状の整理から。
悪役令嬢だと気付いたので、即回避。
塔に転校し、これで安心と思っていたら、同じく思い出したヒロイン来襲。
対攻略者対策を決意、……したとおもったら、これまた別ゲームのヒロイン、勇者の特攻にあう。
魔王を倒す代わりに対攻略者対策を考えることに。もうこれ以上はないだろうと思っていたら、勇者の幼馴染に爆弾を落とされた。
なんとリディアは別ゲームでも悪役であったらしい、と。
以上が昨日までおこった出来事である。
まさに怒涛の展開。
昨夜はどうやって自室まで戻ったのかという、記憶すら飛んでいる。ネイラ曰く、普段と変わりなかったらしいのだが、記憶がないのでわからない。
そんな己の動揺具合を察してほしい。
まあ、それはさておき。
こう、改めて己の現状を考えてみて思った。
「……これは、ないわね」
ない。これはないだろう。そう思ってしまう。
いっそ、塔に転校などせずあのまま学園に通っていたほうがよかったのだろうかと考えるが、即座に却下する。
”ゲーム補正”とやらがあったら困るのだ。いくらヒロインを排除する気はないとはいえ、何らかの力が働いて勝手に動かされないとも限らない。
まあ、その可能性は転校できた段階で薄いとは思うのだが、勇者が現れたことで微妙なものになった。
それに、それは今だから言えることであって、あの時はこれが最善だと思っていたのだから仕方がない。
それに今問題にすべきことは、過去の選択ではなくて、これからのことである。
問題は。
「何をすればいいいのかさっぱりなことよね」
ネイラが聞けば、驚いただろう。どういうわけか、彼女はリディアがなんでもできると思っているところがある。
リディアからすれば、そんなわけないでしょうが、となるのだが。
「……はぁ、やってられない」
はっきり言って、逃げたい。何から逃げたいのかよくわからないが、逃げたい。そう、己を誰も知らないところへ行きたい。
そう思う一方で、頭の片隅では、今後得られる利点を考えている。
ネイラとともに攻略者対策をすることは、今後この国で侯爵家を継ぐ己が持つ力とする為に。
勇者であるレティアに協力するのは、隣国への伝手を得るために。
確かに、悪役回避というのが根底にあるのは間違いないのだが、利点が何もないのならば、リディアは動く気はない。
それは王家の血を継ぎ、侯爵家の跡取りとして育てられたリディアにとって、息を吸うのと同じように当たり前のこと。
いくら頼まれたら断れない性格であろうとも、前世の己ならともかく、リディア・オルコットはただそれだけでネイラやレティアの頼みを聞くことはない。
あの時、瞬時に利点があると思ったからこそ、受け入れた。はたから見れば断れなかっただけに見えるだろうが、それでもリディアは即座に天秤にかけた上で、受け入れている。
だからこそ、考えなければならない。
己にとって、必要なことを。
「……そうね、まずは情報収集かしら」
はっきり言って、リディアの前世の記憶は割と曖昧である。もちろんゲームの内容も、すべては覚えていない。
どちらかというと、ネイラもそうだろう。
ではレティアはどうか。
いや、むしろケインのほうが詳しい気がしてならない。
そもそも勇者に宣託が下るのはいつだ。タイムリミットがわからない。
レティアの性格から言って「あはは、ごめん3日後だ」と言われてもおかしくない気がする。もちろんそれはケインが止めるだろうが。
それはともかく、知らないことが多すぎる。
「……何からにしようかしら」
まずは、知ることから始めなければ。
昼過ぎ、幾分すっきりとしたリディアは、素直に自室に戻った。本当は、ケインに話を聞きたかったのだが、よく考えたらどこにいるのかを知らなかった。それに、男子寮に行くには目立ちすぎる。
「あ、お帰りなさい、リディア様!」
扉を開けた瞬間、ぱっと顔を明るくさせたネイラの歓迎を受けた。
正直、どうして己がこんなに懐かれているのか不思議である。
「戻られたのですね、リディアさん」
「……カトリーナ先生?」
なぜここに。
訳が分からないながらも、向かい合うよう、ネイラの隣に腰かける。
カトリーナの雰囲気は、いつもと変わらず気品にあふれており、知らず背筋が伸びる。
「すみません、何か御用だったでしょうか?」
「休息日だというのに、申し訳ないわね。実は二人に確認を取らなければならないことが発生しました」
「……え?」
「……確認、ですか?」
「ええ、まずは、そうですね、この塔の出入りには制限がかけられているのは知っていますね?」
問いに、頷く。
生徒が出入りできないのはもちろん、教師を含め、ここで働く者たちすべてに制限がかけられている。
そして、外部から入ることができるのは、卒業生と厳選された業者だけ。
「ですが、どうしても必要だと思われるものに関しては、その限りではありません」
「……どういう意味でしょう」
「例えば、生徒に面会を求めるものがいたとします。その場合は生徒及び塔側が必要だと判断すれば、会うことが可能です」
「必要ならば、ですか」
「そうです。まあ、面会者を見て不要だと判断する場合もありますが」
様子からして、むしろそっちの可能性のほうが多そうな気がしてならない。
「率直に言いましょう。リディアさん、あなたには元婚約者様が。ネイラさん、あなたには学園で仲の良かった男子生徒数名が、面会に訪れています」
「「……えっ」」
固まった。
リディアの元婚約者といえば、一人しかいない。
そして、ネイラの仲の良かった、かどうかは微妙だが対外的に見ればそうなのかもしれない、男子生徒数名といえば、攻略者たちしかいない。
暑くも寒くもないのに、嫌な汗が流れているような気がする。
そんな様子を、なんら表情を変えることなく見ていたカトリーナは、それで、と続きを口にする。
「まあ、そうですね。今回の場合、学園での状況を含めておおよそのことは把握しています。ですので、本人の意思を尊重したうえで判断を下そうというのが、こちら側の見解になります」
第二王子が婚約者でない女性に好意を抱き、婚約破棄をされたとか。
一人の女生徒が、身分の高い男子生徒数名に好意を持たれていたとか。
いろいろなことを塔側は知ってはいたが、正直言ってどうでもよかったりする。なにせ塔はより高みを目指すことを目的として作られた学校なので、誰が誰に好意を持とうが婚約を破棄されようが、まったく関係ない。
では、なぜ今回生徒の意思を聞こうと思ったのかといえば、面会を申し込む回数が多すぎてめんどくさくなった、というのが本音だったりする。
だから返答がどちらであろうと、これですっぱりすっきりさせてしまおうという意思のもと、いまだ固まり続ける二人に向かって、問いかけた。
「会って話したいことがある、とのことですが、二人は彼らに会う必要はありますか?」
その問いに、二人は一瞬顔を見合わせた後、きっぱりと述べた。
「「いいえ、まったく会う必要を感じません」」
一切の躊躇もない返答だった。
「わかりました。では、きっぱりと断ってかまいませんね?」
「ええ、きっぱりと断ってください」
「話したいこともないので!」
「わかりました。ではそのように」
では、また明日、とほほ笑んで帰って行ったカトリーナを見送って、リディアは勢いよくネイラを振り返る。
「ネイラ」
「……なんでしょう」
ついっと、視線がそらされる。
どうやら言いたいことはわかったらしい。
これまでここでの生活にまだ慣れていなかったので後回しにしていたせいもあるのだが、これ以上後に回す気はない。
「聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」
情報収集、まずはここから始めましょう。
リディアはにこりと笑った。
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