俺とバカ共の異世界攻略記

ツノノコ

文字の大きさ
上 下
7 / 15
一章 幼少期成長編

第四話 騒がしくなった我が家 2

しおりを挟む
そいつはそこにいた。
両親と俺の見つめる先。部屋の角に。
顔を真っ赤に膨らませながら。

「男の人に見られたのは初めてです…」
若干俯きながらそう言った。

「あぁ…なんかすみません…」
俺も女の人の見るの初めてだよ!

そんな会話をしている俺達をママンはスルーしてくれなかった。

「ねぇねぇ!あなた!ギルがセリアちゃんになんかしたみたいよ!何をしたのかしら~ウフフッ」

別になんもしてませーん!誤解しないでー!
ママンの顔がなんかめっちゃ楽しそうなんですけどー!?

「あぁ、そうみたいだな!やっぱりギルも男だってことだな! ニヤリッ」

おい。あんた、そんな顔出来るような人じゃなかったろ。変な風に解釈すんなー!

「父様!母様!僕は別に何もしてませんよ!誤解しないで下さい!」

「あぁぁあなた!め!女神のパ!パンツ見ておいて『何もしてないです』なんて!…許せません…一発いいですか…いいですよね?いきますよー」

「ちょ!女神様!なんで暴露してるんですか!ほら!暴露するから両親が興味津々じゃないですか!」

ほらほら~ママンなんかめっちゃ楽しそうじゃん!

「何が『女神様』ですか!前みたいに『セリア』って呼べばいいじゃないですか。そんなに繕わなくてもあなたの両親は、知ってますよ。本当のあなたを。」

「なっ!別に取り繕ってなんか…」
え?待てよ。なんでだ。なんで知ってる。
「知ってるなら。セリア。それはどういう事だ?」

「詳細は後で家族会議で話しましょう。それより…今はあなたの処分が先です!」
この殺女神!まだ、諦めてなかったか!

………

俺が三途の川を見るのはそれから三分後の事だった。


「はぁ…それでは。ジンさん、エリシアさん。お久しぶりです。元気にしてました
か?」

俺は今、我が家のリビングのテーブルに座っている。まだ頭から血が止まらない状態で。

「あぁ、元気だったぞ。こんなに可愛い息子もできたしな!」
違う!俺の父親はこんな事言う人じゃなかった!返して!俺の父様を返して!

「それです!父様!父様はそんなテンションの人じゃなかったはず!どうしちゃったんですか?」
それを聞かなくては他の話しは入って来ない。

「ん?あぁ、それはな……」

短くまとめると、こうなった。
【父様はもともと表情豊かな人である】
【子供が出来ると聞いて、厳格な父になろうと決意】
【その結果、無愛想になった】
【でも、ならないことをしているせいで力の制御にほころびが出て手招きで息子殺害未遂】
【だから、元に戻った】

うん。この人馬鹿だ。

しおりを挟む

処理中です...