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一章 幼少期成長編
第九話 試験 1
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何もない荒野に一人と一匹。
乾燥した風が肌を滑る。
(ここ…どこだ…?)
俺は、状況を把握する事に集中した。
こちらをじっと見つめる蛇。コールが鳴ったからいつ襲い掛かって来ても文句は言えない。まぁ、幸いまだ襲ってくる気配は無い。
「さっきの状況から予想して、試験の為の試験会場。そう考えるのが妥当だろうな。で、試験内容としては、あらかた目の前のこいつ《蛇》を倒せって事か。まったく…武器も、こっち《異世界》の知識も無い俺にどうしろと?」
俺は、考察と不満を口に出した。まぁ、どうなる事も無かったけど…。
というか、あの蛇。こっちを見てるだけで特に仕掛けてこないな。なんなんだ?
そう思っていたら、しかけてきやがった。
「シャァァァァ!」
すっごい威嚇してるんだけど!?
蛇の「シャァァァァ!」が異様に大きく、そして長く響いた。いや、そう感じた。それだけだ。なぜか。それは…
「うぉぉぉい!なんでお前動かねーんだよ!!」
…へ!?
俺はいま、喉の空気が途切れる程驚いた。
だって。喋ったんだもん。蛇が。
しかも、「うぉぉぉい!」って。
「うぉぉぉい!」だって。 プッ…
「おい。なに笑ってんだよ。それより早く動けよ。挑戦者が動かないとこっちからは攻撃出来ないんだよ。」
へぇ~何その設定。初見の俺でも安心だね。
委員会の方々に感謝いたします。
俺が感謝の念に浸っていたら、ゴーンと鐘がなった。
(ん?なんの鐘だ?)
「ギル坊、時間だ。早く動かないとペナルティー課せられるぞ」
聞き覚えのある声だった。あいつだ。モドキだ。それより、ペナルティーってなんだろう。
「ギル坊!いいから動け!あと十秒だぞ!」
だって…動いたらくるじゃん。
絶対くるじゃんあいつ!めっちゃ見てるもん。待ってるもん!
「早くしろ!もう時間ないぞ!」
(くそっ!面倒クセェ!)
「あぁぁ!もう!わかった!動くよ!」
俺は、嫌々右に駆け出した。
その瞬間、俺がもといた場所に紫色のドロドロした塊が飛んで来た。その塊は地面を削って飛んで行った。
「え?」
(今のは!?右に駆けていなかったら死んでた!?)
「あークソ!避けるなんて、あのガキ悪運がいいな!クソッ!」
クソクソうるさい声の方を見ると蛇だった。
まぁ、そうだろうと思ったけどな。
呑気に喋りやがって!こっちは命がけだぞ!
蛇がこっちを向く
のんのんと考えていられるのもここまでだった。
(っ!とにかく今は走るしかねぇ!あんなの食らったら確実に死ぬ!)
「も~嫌だ!なんでこんなに理不尽なんだよ!食らったら即死の攻撃に対抗策も武器もないなんて!」
(しかもあの巨体。いくら逃げたって、いつかは絶対追いつかれる!その前に何か対策しなきゃ!)
(けど、今はとにかく逃げなくちゃ!)
逃げることに全力と希望をかけ、走っていたその時、大地が大きく揺れる。そのせいで、バランスを崩れ倒れた。
(クソッ!なんだこれ!)
「はっ!地面が揺れただけで倒れるなんて、さすが二足歩行の種族ってとこだな!お前、そんなんじゃ……死ぬぞ」
「は!?お前が殺しに来なければいいんだ!もう!どうしろっていうんだよ!」
態勢を立て直してもう一度走り出す。
地面はまだ揺れている。ふらふらしながらでも走らなきゃと思った。
(とにかく走らなきゃ死ぬのは嫌だ!だって…だってまだこっちに来たばかりなのに!とにかく走るんだ!でも、何か引っかかる…)
蛇が迫る。そりゃそうだ。身の丈の差に加え、この揺れ動く地面。不利に決まってる…
(でも…何か…何か引っかかる…)
蛇の言葉だ。
あの蛇は、死ぬぞと言った。
「そんなんじゃ死ぬぞ」と。
………
「死ぬぞ」
………
「そんなんじゃ死ぬぞ」
………
「死ぬぞ……」
……
「死ぬ」
……
「死ぬ?」
『殺す』じゃなくて、『死ぬ』
…
その言葉の違和感を解決する前に俺の身体は割れた地面に吸い込まれていった…そう、地面が『割れた』のだ。俺は……
………
……
どのくらい落ちたのだろう。
うっすらと目を開ける。
あまり光を感じられないが、真っ暗ではないようだ。
不思議と身体に痛みがない。だが、身体を動かそうとしても動かない。
(あれ…?俺…死んだのか…?)
意識がはっきりしない…でも、なんだろう…
なんか、とても暖かい。気分が安らぐ…
なんか…とても…
(セリア…)
視界の端で何かが動いた。
しかし、俺の意識はそれを追う事無く途切れた…
………
……
「…おーい……生きてる?」
聞いたことのない声。
でも、静かで緩い声だ。気の抜けたような。落ち着くなこの声…
頬を軽く引っ張られた。
(なんだろう…誰だ…)
「ん……うぅ……」
「あ、生きてた。大丈夫?」
(…ん…?俺は生きてるのか…)
少し、体に力を入れてみる。
動いた。俺は、ゆっくり体を起こしてみる。
あたりを見回す。やっぱり薄暗いままだ。
それに、あの暖かさも感じられない。
そんなことを思っていると声をかけられた。
「お~い ぼーっとしてるけど大丈夫?痛いとことかない~?」
気の抜けた、ふわっとした声で話しかけられた。
「はい…何故か、身体がどこもいたくありません。」
とりあえず、今の状態だけ伝えた。
すると……
「よぉ~し。うまくいったみたいだね~。お姉さんの看病のおかげだぞ~」
そういうと、「えへへ~」と笑った。そういえば、まだまともに顔も見ていない。自分では、お姉さんといっていたけど…そう思い振り向く…
………
…………
違うんだ…
別に狙ったわけではない…
あれだ、俗に言う『ラッキースケベ』ってやつだ。その人が割と近くにいたのと、その人のおっP…胸部が割と大きかった事による偶然だ。
そう。俺の頭部は今、見知らぬ女性の胸部に埋まっている……
乾燥した風が肌を滑る。
(ここ…どこだ…?)
俺は、状況を把握する事に集中した。
こちらをじっと見つめる蛇。コールが鳴ったからいつ襲い掛かって来ても文句は言えない。まぁ、幸いまだ襲ってくる気配は無い。
「さっきの状況から予想して、試験の為の試験会場。そう考えるのが妥当だろうな。で、試験内容としては、あらかた目の前のこいつ《蛇》を倒せって事か。まったく…武器も、こっち《異世界》の知識も無い俺にどうしろと?」
俺は、考察と不満を口に出した。まぁ、どうなる事も無かったけど…。
というか、あの蛇。こっちを見てるだけで特に仕掛けてこないな。なんなんだ?
そう思っていたら、しかけてきやがった。
「シャァァァァ!」
すっごい威嚇してるんだけど!?
蛇の「シャァァァァ!」が異様に大きく、そして長く響いた。いや、そう感じた。それだけだ。なぜか。それは…
「うぉぉぉい!なんでお前動かねーんだよ!!」
…へ!?
俺はいま、喉の空気が途切れる程驚いた。
だって。喋ったんだもん。蛇が。
しかも、「うぉぉぉい!」って。
「うぉぉぉい!」だって。 プッ…
「おい。なに笑ってんだよ。それより早く動けよ。挑戦者が動かないとこっちからは攻撃出来ないんだよ。」
へぇ~何その設定。初見の俺でも安心だね。
委員会の方々に感謝いたします。
俺が感謝の念に浸っていたら、ゴーンと鐘がなった。
(ん?なんの鐘だ?)
「ギル坊、時間だ。早く動かないとペナルティー課せられるぞ」
聞き覚えのある声だった。あいつだ。モドキだ。それより、ペナルティーってなんだろう。
「ギル坊!いいから動け!あと十秒だぞ!」
だって…動いたらくるじゃん。
絶対くるじゃんあいつ!めっちゃ見てるもん。待ってるもん!
「早くしろ!もう時間ないぞ!」
(くそっ!面倒クセェ!)
「あぁぁ!もう!わかった!動くよ!」
俺は、嫌々右に駆け出した。
その瞬間、俺がもといた場所に紫色のドロドロした塊が飛んで来た。その塊は地面を削って飛んで行った。
「え?」
(今のは!?右に駆けていなかったら死んでた!?)
「あークソ!避けるなんて、あのガキ悪運がいいな!クソッ!」
クソクソうるさい声の方を見ると蛇だった。
まぁ、そうだろうと思ったけどな。
呑気に喋りやがって!こっちは命がけだぞ!
蛇がこっちを向く
のんのんと考えていられるのもここまでだった。
(っ!とにかく今は走るしかねぇ!あんなの食らったら確実に死ぬ!)
「も~嫌だ!なんでこんなに理不尽なんだよ!食らったら即死の攻撃に対抗策も武器もないなんて!」
(しかもあの巨体。いくら逃げたって、いつかは絶対追いつかれる!その前に何か対策しなきゃ!)
(けど、今はとにかく逃げなくちゃ!)
逃げることに全力と希望をかけ、走っていたその時、大地が大きく揺れる。そのせいで、バランスを崩れ倒れた。
(クソッ!なんだこれ!)
「はっ!地面が揺れただけで倒れるなんて、さすが二足歩行の種族ってとこだな!お前、そんなんじゃ……死ぬぞ」
「は!?お前が殺しに来なければいいんだ!もう!どうしろっていうんだよ!」
態勢を立て直してもう一度走り出す。
地面はまだ揺れている。ふらふらしながらでも走らなきゃと思った。
(とにかく走らなきゃ死ぬのは嫌だ!だって…だってまだこっちに来たばかりなのに!とにかく走るんだ!でも、何か引っかかる…)
蛇が迫る。そりゃそうだ。身の丈の差に加え、この揺れ動く地面。不利に決まってる…
(でも…何か…何か引っかかる…)
蛇の言葉だ。
あの蛇は、死ぬぞと言った。
「そんなんじゃ死ぬぞ」と。
………
「死ぬぞ」
………
「そんなんじゃ死ぬぞ」
………
「死ぬぞ……」
……
「死ぬ」
……
「死ぬ?」
『殺す』じゃなくて、『死ぬ』
…
その言葉の違和感を解決する前に俺の身体は割れた地面に吸い込まれていった…そう、地面が『割れた』のだ。俺は……
………
……
どのくらい落ちたのだろう。
うっすらと目を開ける。
あまり光を感じられないが、真っ暗ではないようだ。
不思議と身体に痛みがない。だが、身体を動かそうとしても動かない。
(あれ…?俺…死んだのか…?)
意識がはっきりしない…でも、なんだろう…
なんか、とても暖かい。気分が安らぐ…
なんか…とても…
(セリア…)
視界の端で何かが動いた。
しかし、俺の意識はそれを追う事無く途切れた…
………
……
「…おーい……生きてる?」
聞いたことのない声。
でも、静かで緩い声だ。気の抜けたような。落ち着くなこの声…
頬を軽く引っ張られた。
(なんだろう…誰だ…)
「ん……うぅ……」
「あ、生きてた。大丈夫?」
(…ん…?俺は生きてるのか…)
少し、体に力を入れてみる。
動いた。俺は、ゆっくり体を起こしてみる。
あたりを見回す。やっぱり薄暗いままだ。
それに、あの暖かさも感じられない。
そんなことを思っていると声をかけられた。
「お~い ぼーっとしてるけど大丈夫?痛いとことかない~?」
気の抜けた、ふわっとした声で話しかけられた。
「はい…何故か、身体がどこもいたくありません。」
とりあえず、今の状態だけ伝えた。
すると……
「よぉ~し。うまくいったみたいだね~。お姉さんの看病のおかげだぞ~」
そういうと、「えへへ~」と笑った。そういえば、まだまともに顔も見ていない。自分では、お姉さんといっていたけど…そう思い振り向く…
………
…………
違うんだ…
別に狙ったわけではない…
あれだ、俗に言う『ラッキースケベ』ってやつだ。その人が割と近くにいたのと、その人のおっP…胸部が割と大きかった事による偶然だ。
そう。俺の頭部は今、見知らぬ女性の胸部に埋まっている……
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