婚約破棄されたら騎士様に彼女のフリをして欲しいと頼まれました。

屋月 トム伽

文字の大きさ
43 / 53

ハロルド視点

しおりを挟む
「ハロルド様が小作人に?」
「はい、兄には人を雇うお金はありませんから、自分で農業をしてもらいます。勿論、見張りはつけます。」
「どうする?ラケル。」
「そうですね。いいのではないですか。領民の苦労もわかるでしょうし、お金を作ることは大変だと実感するんじゃないですか?」

えっ?俺が農民になっていいのか?
誰も止めてくれないぞ。
父上がずっと睨み付けているから、俺は何も言えないのに!

「では、ハロルドの処遇はそちらに任せよう。」
「寛大なお心に感謝致します。兄ハロルドは朝一で領地に送り、到着次第、小作人として仕事をさせます。私と父上はクロード様とラケル様に明日また謝罪に伺います。」
「では、夜に来てくれ。日中は俺は仕事に行くから。」
「わかりました。明日の夜に伺わせて頂きます。」

えっ!朝一で送る?
まるで護送するような言い方だ!?

「クロード殿、お見送りを…」
「ハーヴィ伯爵…お疲れのようですので、ここで大丈夫ですよ。お体を休めて下さい。騎士達もこれで引き下げます。」
「なんと申していいか…」
「弟君のアーヴィンに感謝をして下さい。利発な方で良かった。」

何故だ!?
何故そこだけ空気が違うんだ!
そこだけ穏やかだぞ!

そして、またラケルの肩に手を回してクロード…様は帰って行った。
邸に来ていた騎士達を引き連れて…。

そして、俺はあまり睡眠が取れてないまま朝一に領地へと連れて行かれた。



しおりを挟む
感想 83

あなたにおすすめの小説

ドレスが似合わないと言われて婚約解消したら、いつの間にか殿下に囲われていた件

ぽぽよ
恋愛
似合わないドレスばかりを送りつけてくる婚約者に嫌気がさした令嬢シンシアは、婚約を解消し、ドレスを捨てて男装の道を選んだ。 スラックス姿で生きる彼女は、以前よりも自然体で、王宮でも次第に評価を上げていく。 しかしその裏で、爽やかな笑顔を張り付けた王太子が、密かにシンシアへの執着を深めていた。 一方のシンシアは極度の鈍感で、王太子の好意をすべて「親切」「仕事」と受け取ってしまう。 「一生お仕えします」という言葉の意味を、まったく違う方向で受け取った二人。 これは、男装令嬢と爽やか策士王太子による、勘違いから始まる婚約(包囲)物語。

大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました

柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」  結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。 「……ああ、お前の好きにしろ」  婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。  ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。  いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。  そのはず、だったのだが……?  離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。 ※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。

「この結婚はなかったことにしてほしい、お互いのためだ」と言われましたが……ごめんなさい!私は代役です

涙乃(るの)
恋愛
男爵家の双子の姉妹のフィオーリとクリスティナは、髪色以外はよく似ている。 姉のフィオーリ宛にとある伯爵家から結婚の申し込みが。 結婚式の1ヶ月前に伯爵家へと住まいを移すように提案されると、フィオーリはクリスティナへ式までの代役を依頼する。 「クリスティナ、大丈夫。絶対にバレないから! 結婚式に入れ替われば問題ないから。お願い」 いえいえいえ、問題しかないと思いますよ。 ゆるい設定世界観です

どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。 無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。 彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。 ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。 居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。 こんな旦那様、いりません! 誰か、私の旦那様を貰って下さい……。

【完結】どうやら時戻りをしました。

まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。 辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。 時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。 ※前半激重です。ご注意下さい Copyright©︎2023-まるねこ

殿下、毒殺はお断りいたします

石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。 彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。 容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。 彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。 「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。 「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。

【完結】契約結婚。醜いと婚約破棄された私と仕事中毒上司の幸せな結婚生活。

千紫万紅
恋愛
魔塔で働く平民のブランシェは、婚約者である男爵家嫡男のエクトルに。 「醜くボロボロになってしまった君を、私はもう愛せない。だからブランシェ、さよならだ」 そう告げられて婚約破棄された。 親が決めた相手だったけれど、ブランシェはエクトルが好きだった。 エクトルもブランシェを好きだと言っていた。 でもブランシェの父親が事業に失敗し、持参金の用意すら出来なくなって。 別れまいと必死になって働くブランシェと、婚約を破棄したエクトル。 そしてエクトルには新しい貴族令嬢の婚約者が出来て。 ブランシェにも父親が新しい結婚相手を見つけてきた。 だけどそれはブランシェにとって到底納得のいかないもの。 そんなブランシェに契約結婚しないかと、職場の上司アレクセイが持ちかけてきて……

優しすぎる王太子に妃は現れない

七宮叶歌
恋愛
『優しすぎる王太子』リュシアンは国民から慕われる一方、貴族からは優柔不断と見られていた。 没落しかけた伯爵家の令嬢エレナは、家を救うため王太子妃選定会に挑み、彼の心を射止めようと決意する。 だが、選定会の裏には思わぬ陰謀が渦巻いていた。翻弄されながらも、エレナは自分の想いを貫けるのか。 国が繁栄する時、青い鳥が現れる――そんな伝承のあるフェラデル国で、優しすぎる王太子と没落令嬢の行く末を、青い鳥は見守っている。

処理中です...