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白猫はパニックを起こす
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ノクサス様の求婚を受け入れた。本当の意味で受け入れた気分だ。
あの後に回復魔法をかけている間も、ノクサス様は離れない。
記憶が戻ってから、記憶喪失の時よりも引き締まった顔に見えたけれど、所詮は同じ人間だ。
私には、ひたすら優しく甘い。
食堂の往復でさえも、ピタリとくっつき歩く。そして、耳元で名前を囁かれると私だけが照れている気がする。
「ダリア。あとで部屋に行ってもいいか?」
「ダメに決まっているじゃないですか……湯浴みをして寝るだけですよ。部屋に来ないでくださいね」
いくら求婚をお受けしても、いきなり寝所は共に出来ない。
しかも、さっき初キスしたばかりですよ。
それなのに、背の高いノクサス様は私の頭の上から何度も顔中にくっついてくる。
後ろには、フェルさんとロバートさんがいるのに恥ずかしい。
「フェル。明日は休みを取れないか?」
「無理です。仕事が溜まるだけです」
「ダリアと出かけたいのだ。どこかで休みを取ってくれ」
「今、調整をしていますから……」
微笑ましそうに、私とノクサス様を見ていたフェルさんは、ちょっと困ってしまった。
その間も、ノクサス様は私の頬に唇を落としていた。
「あぁぁぁーーーーーー!!」
ノクサス様が、いちゃついているところで、ミストの叫び声がした。
振り向くと、ミストはアーベルさんに抱っこされて私の部屋に行こうとしていたらしい。
ご飯をくれる人だから、なついているのだろうか。
そして、ミストは喋る猫だとバレないように、人前では鳴き声しか出さないのに、どうやら抑えられなかったようだった。
「うわぁーーん!! 変態男がダリア様を取ったーー!!」
ノクサス様のキスを抵抗しない私が、ミストにはショックだったようだ。
そして、フェルさんとロバートさんが一斉に叫ぶ。
「「猫が喋ったーーーー!?」」
ミストを抱っこしていたアーベルさんは、叫びはしなかったものの、じろりとミストを見ている。
そして、ミストはノクサス様に飛び掛かってきた。
「離れろ!! 変態男!! ダリア様に近づくなーー!!」
「やめろ!」
「ミスト! やめなさい!」
ノクサス様は、素早くバリバリとひっかいてくるミストの首根っこを掴んだ。
そのミストを、受け取り抱っこをすると、じわりと泣き出してしまった。
そして、また叫ぶ。
「うぅ……ダリア様がいなくなったら、僕はまた独りぼっちだーー! うわぁーーん!!」
「ミスト。何を言っているの?」
「とにかく、ひっかくのをやめろ!!」
泣きわめくミストを、腕に包むように抱いていると、フェルさんとロバートさんは目を丸くして見ている。
「ダリア様……猫が喋りましたよ」
フェルさんが、恐る恐る聞いてきた。
「……気のせいですよ」
「気、気のせいでは……」
「ダリア……それは、ちょっと無理があるぞ」
確かに、以前もノクサス様に「気のせいです」と通らなかった。
フェルさんとロバートさんにも、これでスルーしてもらえない感じになっている。
「……アーベルさんは、驚かないのですね」
「驚いてはいますが……実はこの間、魚パイを出した時に『うまかった』と独り言が聞こえたのです。そ、空耳かな、とも思ったのですが……」
「ミスト……バレバレよ。気を付けないと……それに、『うまかった』ではなくて、『おいしかった』と『ごちそうさま』でしょ? 口が悪いわよ」
「ごめんなさいーー。でも、ダリア様に捨てられるなら、ここの魚を食い尽くしてやる!!」
ぐしゅぐしゅと泣きわめくミストに、廊下はどうしていいのか分からずに混沌となりつつあった。
目を丸くしてミストを見ているフェルさんとロバートさんを見て、ノクサス様は、はぁ……とため息を吐いた。
「ダリア。もう、この3人にはバラすぞ」
「気のせいですよ……」
「まだ、言うか……もう、気のせいでは無理だ!」
ノクサス様は、ミストの様子に困ったようだがフェルさんとロバートさんに、「あの時の精霊獣だと」説明を始めていた。
その横で、私はミストを優しく撫でながら聞いた。
「ミストを捨てたりなんかしないから、心配しなくてもいいのよ? どうして急にそう思ったの?」
「だって……変態男と結婚するから接吻をしていたのでは……? 僕と一緒にセフィーロ様の家にもう帰らないのかと……ダリア様の幸せのためなら我慢しますけれど……」
「全っ然我慢できてないけれど……」
やはりノクサス様のさっきのいちゃつきが原因だった。
一人で寂しかったのだろうか。
そして、ミストはキッとノクサス様を睨みつけた。
「譲ったのは一ヶ月のはずだったのに! 変態男め!」
「一ヶ月……?」
「この変態男が、毎日高級魚をくれると言って、一ヶ月だけ夜はダリア様の部屋に行かない約束をしました!」
まさか、ミストが夜にいなかった理由がそれだったとは……。
「……毎日バルコニーの鍵をかけておいて正解でした。ノクサス様。何を考えているのですか」
「ミストがいれば、2人っきりで話ができないだろう。大体、いつも鍵がかかっていて入れなかったんだ」
「ダリア様は、戸締りをちゃんとする人だからな!」
「お前は確信犯か……おかげで、一度もダリアの部屋に入れなかったのだぞ」
「ノクサス様。ミストを魚で買収しないでください。ミストは、まだ子供なのですよ」
その言葉に、ノクサス様たちが驚いた。
「子供!? あんなにデカくなっていたじゃないか!」
「こ、子供ですか!? ずいぶんかしこい猫ですけど……!」
ノクサス様と、アーベルさんがそう言った。でも、まだあどけなさが残っていると思っているのだけれど……。
「あの……はっきりとした年齢はわかりませんが、ミストは、2年ほど前に師匠がどこかから、拾って来たのです。それを私が、育てていたのですが……まさか、精霊獣だとは私も知りませんでしたが……師匠が拾って来たから、魔物かなぁと思っていたぐらいで……」
「拾って来たのはセフィーロなのに、ダリアが育てたのか?」
「師匠に他人のお世話なんか出来ませんよ。師匠に魔法を教わりに行っている時に私がミストの世話もしていたのです」
「それでこんなになついているのか……」
ノクサス様は私が、抱っこしているミストを覗き込むように言った。
「セフィーロ様が、『そのうちダリア様が来るから、家で待っていろ』というから、ずっと待っていたのに……うわぁーーん!!」
「一人で寂しい想いをさせたのね……」
ミストはしおらしくなって、そう言った。
「ミスト。今日は一緒に寝ましょうね。お部屋に行きましょうか。湯浴みも一緒にしましょうね」
「行きます」
ミストは、泣き止むとゴロゴロと喉を鳴らして腕の中で丸くなった。
「ちょっと待て! 約束が違うぞ!」
「ダリア様のお誘いだから良いんだ!」
「ノクサス様。ミストは、一人で寂しかったのですよ」
「くっ……ならば、ミストの部屋も作ってやる。アーベル。ミストの部屋もどこかに作ってやれ。意外と役にも立つ猫だ。どうせ、ずっとここに住むんだからな」
「かしこまりました」
その言葉にミストはピクンと耳を立て、顔を上げた。
「僕を捨てないのか?」
「元々捨てるつもりはない。ダリアの猫だからな。ずっといるものだと思っていた」
ノクサス様がそう言うと、嬉しそうに尻尾を揺らしている。
そして、少しご機嫌になったミストを抱っこしたまま、ノクサス様のエスコートで部屋に帰った。
あの後に回復魔法をかけている間も、ノクサス様は離れない。
記憶が戻ってから、記憶喪失の時よりも引き締まった顔に見えたけれど、所詮は同じ人間だ。
私には、ひたすら優しく甘い。
食堂の往復でさえも、ピタリとくっつき歩く。そして、耳元で名前を囁かれると私だけが照れている気がする。
「ダリア。あとで部屋に行ってもいいか?」
「ダメに決まっているじゃないですか……湯浴みをして寝るだけですよ。部屋に来ないでくださいね」
いくら求婚をお受けしても、いきなり寝所は共に出来ない。
しかも、さっき初キスしたばかりですよ。
それなのに、背の高いノクサス様は私の頭の上から何度も顔中にくっついてくる。
後ろには、フェルさんとロバートさんがいるのに恥ずかしい。
「フェル。明日は休みを取れないか?」
「無理です。仕事が溜まるだけです」
「ダリアと出かけたいのだ。どこかで休みを取ってくれ」
「今、調整をしていますから……」
微笑ましそうに、私とノクサス様を見ていたフェルさんは、ちょっと困ってしまった。
その間も、ノクサス様は私の頬に唇を落としていた。
「あぁぁぁーーーーーー!!」
ノクサス様が、いちゃついているところで、ミストの叫び声がした。
振り向くと、ミストはアーベルさんに抱っこされて私の部屋に行こうとしていたらしい。
ご飯をくれる人だから、なついているのだろうか。
そして、ミストは喋る猫だとバレないように、人前では鳴き声しか出さないのに、どうやら抑えられなかったようだった。
「うわぁーーん!! 変態男がダリア様を取ったーー!!」
ノクサス様のキスを抵抗しない私が、ミストにはショックだったようだ。
そして、フェルさんとロバートさんが一斉に叫ぶ。
「「猫が喋ったーーーー!?」」
ミストを抱っこしていたアーベルさんは、叫びはしなかったものの、じろりとミストを見ている。
そして、ミストはノクサス様に飛び掛かってきた。
「離れろ!! 変態男!! ダリア様に近づくなーー!!」
「やめろ!」
「ミスト! やめなさい!」
ノクサス様は、素早くバリバリとひっかいてくるミストの首根っこを掴んだ。
そのミストを、受け取り抱っこをすると、じわりと泣き出してしまった。
そして、また叫ぶ。
「うぅ……ダリア様がいなくなったら、僕はまた独りぼっちだーー! うわぁーーん!!」
「ミスト。何を言っているの?」
「とにかく、ひっかくのをやめろ!!」
泣きわめくミストを、腕に包むように抱いていると、フェルさんとロバートさんは目を丸くして見ている。
「ダリア様……猫が喋りましたよ」
フェルさんが、恐る恐る聞いてきた。
「……気のせいですよ」
「気、気のせいでは……」
「ダリア……それは、ちょっと無理があるぞ」
確かに、以前もノクサス様に「気のせいです」と通らなかった。
フェルさんとロバートさんにも、これでスルーしてもらえない感じになっている。
「……アーベルさんは、驚かないのですね」
「驚いてはいますが……実はこの間、魚パイを出した時に『うまかった』と独り言が聞こえたのです。そ、空耳かな、とも思ったのですが……」
「ミスト……バレバレよ。気を付けないと……それに、『うまかった』ではなくて、『おいしかった』と『ごちそうさま』でしょ? 口が悪いわよ」
「ごめんなさいーー。でも、ダリア様に捨てられるなら、ここの魚を食い尽くしてやる!!」
ぐしゅぐしゅと泣きわめくミストに、廊下はどうしていいのか分からずに混沌となりつつあった。
目を丸くしてミストを見ているフェルさんとロバートさんを見て、ノクサス様は、はぁ……とため息を吐いた。
「ダリア。もう、この3人にはバラすぞ」
「気のせいですよ……」
「まだ、言うか……もう、気のせいでは無理だ!」
ノクサス様は、ミストの様子に困ったようだがフェルさんとロバートさんに、「あの時の精霊獣だと」説明を始めていた。
その横で、私はミストを優しく撫でながら聞いた。
「ミストを捨てたりなんかしないから、心配しなくてもいいのよ? どうして急にそう思ったの?」
「だって……変態男と結婚するから接吻をしていたのでは……? 僕と一緒にセフィーロ様の家にもう帰らないのかと……ダリア様の幸せのためなら我慢しますけれど……」
「全っ然我慢できてないけれど……」
やはりノクサス様のさっきのいちゃつきが原因だった。
一人で寂しかったのだろうか。
そして、ミストはキッとノクサス様を睨みつけた。
「譲ったのは一ヶ月のはずだったのに! 変態男め!」
「一ヶ月……?」
「この変態男が、毎日高級魚をくれると言って、一ヶ月だけ夜はダリア様の部屋に行かない約束をしました!」
まさか、ミストが夜にいなかった理由がそれだったとは……。
「……毎日バルコニーの鍵をかけておいて正解でした。ノクサス様。何を考えているのですか」
「ミストがいれば、2人っきりで話ができないだろう。大体、いつも鍵がかかっていて入れなかったんだ」
「ダリア様は、戸締りをちゃんとする人だからな!」
「お前は確信犯か……おかげで、一度もダリアの部屋に入れなかったのだぞ」
「ノクサス様。ミストを魚で買収しないでください。ミストは、まだ子供なのですよ」
その言葉に、ノクサス様たちが驚いた。
「子供!? あんなにデカくなっていたじゃないか!」
「こ、子供ですか!? ずいぶんかしこい猫ですけど……!」
ノクサス様と、アーベルさんがそう言った。でも、まだあどけなさが残っていると思っているのだけれど……。
「あの……はっきりとした年齢はわかりませんが、ミストは、2年ほど前に師匠がどこかから、拾って来たのです。それを私が、育てていたのですが……まさか、精霊獣だとは私も知りませんでしたが……師匠が拾って来たから、魔物かなぁと思っていたぐらいで……」
「拾って来たのはセフィーロなのに、ダリアが育てたのか?」
「師匠に他人のお世話なんか出来ませんよ。師匠に魔法を教わりに行っている時に私がミストの世話もしていたのです」
「それでこんなになついているのか……」
ノクサス様は私が、抱っこしているミストを覗き込むように言った。
「セフィーロ様が、『そのうちダリア様が来るから、家で待っていろ』というから、ずっと待っていたのに……うわぁーーん!!」
「一人で寂しい想いをさせたのね……」
ミストはしおらしくなって、そう言った。
「ミスト。今日は一緒に寝ましょうね。お部屋に行きましょうか。湯浴みも一緒にしましょうね」
「行きます」
ミストは、泣き止むとゴロゴロと喉を鳴らして腕の中で丸くなった。
「ちょっと待て! 約束が違うぞ!」
「ダリア様のお誘いだから良いんだ!」
「ノクサス様。ミストは、一人で寂しかったのですよ」
「くっ……ならば、ミストの部屋も作ってやる。アーベル。ミストの部屋もどこかに作ってやれ。意外と役にも立つ猫だ。どうせ、ずっとここに住むんだからな」
「かしこまりました」
その言葉にミストはピクンと耳を立て、顔を上げた。
「僕を捨てないのか?」
「元々捨てるつもりはない。ダリアの猫だからな。ずっといるものだと思っていた」
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