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鉱山での祈り

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エスペラ国につくと、すぐにヘクトル様の案内で鉱山へ向かった。

「聖女様だ!」
「聖女様がいらっしゃった!」

周りには、鉱山の方々が集まってきた。

鉱山の入り口の側には簡素な、家のような建物があり、そこで鉱山で働く方々が休憩したり、怪我人がいた。

「先に怪我人を癒します。」

ヘクトル様にそう伝えて、怪我人の元に行った。

家の中に入ると怪我人が沢山おり、うめき声を出すものもいた。

「怪我人や癒しが必要な方は全員このお家に入って下さい。」

そう言うと、家の中は人で一杯になった。

大丈夫、私ならやれる。
目を閉じ深呼吸をし、集中した。
そして、目を開け、広範囲のヒールを唱えた。
双神様お力をお貸しください。

「エリアヒール!」

一斉に家ごと光に包まれ、外からもわかったらしい。

光と共に怪我人達が癒された。
鉱山の方々が元気を取り戻したように、喜んでくれた。

「まだ痛みのある方はいませんか?遠慮なくおっしゃって下さい。」

喜んでくれる鉱山の方々の手を握り話した。

「ありがとうございます!」
「皆助かりました!」
「ありがとうございます!」

周りに鉱山の方々が集まる中、騎士団長は、次は祈りです、と上手く離してくれた。

鉱山の入り口にいき、膝まづいて祈った。

豊穣と加護の双神様、この国にお力をどうぞ…

祈りに光が現れ、鉱山へ飛び弾けとんだ。

祈りが終わると皆が歓声に包まれた。

そして、私が立ち上がり、振り向くとヘクトル様が、膝をつき挨拶をした。

「聖女エスカ様、言葉もありません。エスペラをお救いありがとうございます。」

私はヘクトル様に近付き手を取った。

「ヘクトル様お顔をあげて下さい。ヘクトル様の国を思う気持ちが双神様に届いたのです。」

本当にそう思った。
ヘクトル様のお気持ちが私をこの鉱山に導いたと思ったからだ。

皆の歓声をあとにし、私達はヘクトル様の城へ行った。

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