サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

第一章 名も無き蝙蝠

第13話 異能

　
　さてさて。
　一刻も早く進化する為に新しくなった体と能力を確かめないと。

　むむ？　むむむむ？
　なんだこれ？　初めて見るぞ？

　【魔眼】Lv1 (解析)

　レベルがついてるのなんて初めてなんだが。
　なんか一気にゲームっぽくなったな。
　ゲームなんて小さい頃にやった以来だからうろ覚えだけど。

　解析か。これは鑑定的なサムシング？
　散々欲しい欲しいって願ってたからくれたらみたいな？
　とりあえず自分に使ってみるか。

　『レッサー・ヴァンパイア
　　名前　　無し
　　【異能】
　　魔眼Lv1 (解析)
　　【魔物能力】モンスタースキル
　　血液魔法
　　音魔法
　　影魔法　　　　　　　』

　
　おお！？
　念願のステータスじゃありませんか！？
　なんてご褒美だ！！　進化して良かった！
　ってか魔法が増えてる！　なんだ今日は！
　蝙蝠に転生して1番幸せな日かもしれん。
　もう蝙蝠じゃないけど。でもまぁ、吸血鬼って蝙蝠みたいなもんだよね。
　これはまず自分のあらゆる事を解析しよう。

　異能
　その魔物だけが持つ世界に1つだけの能力。
　全ての魔物が持っている訳ではなく、強さ、生き方等が反映され、進化時に取得する事がある。
　異能持ちの魔物は魔王として恐れられ、最優先討伐対象として扱われる。
　しかし、現在は魔王が縄張りから出てこない事もあり、基本的に放置。
　魔王の縄張りは立ち入り禁止区域になっている。

　
　ほう？
　俺だけの能力とな？　なんて甘美な響き。
　既に無くなった少年心をくすぐられるよね。
　そして、魔王か。討伐対象ねえ。
　いや、自己判断的にまだそんなに強くないと思うんだが…。だって俺の姿みてよ。裸の幼児だぜ？
　これを見て誰が魔王って思うんだよ。
　逆にこのまま魔王って名乗るのが恥ずかしいわ。
　一刻も早く強くなる事が求められますね。

　血液魔法
　血液を操る事が出来る。
　人間種は特殊な事例を除き、習得する事は出来ない。

　音魔法
　音を操る事が出来る魔法。
　未だに、人間種では確認されていない魔法。

　影魔法
　影を操る事が出来る。
　人間種では使い手がいない。

　魔眼(解析)
　対象を見る事でその対象を解析する事が出来る。熟練度が上がるとレベルが上がり、解析能力が上昇し、新たな魔眼を覚える。



　いやいやいやいや。
　強すぎないかな？　レッサー・ヴァンパイアになって一気に成長し過ぎじゃない？
　現時点で自分がどの程度の立ち位置なんか知りたい。

　まぁ、それはさておきだ。
　軽く魔法の使い方のチェックをしよう。

　まず、血液魔法。
　これは、吸血とか貯血も内包してる魔法かな？
　あ、貯血してる血液を具現化させる事も出来た。
　これでエネルギー補給する時の味気ない感じを解消する事が出来るな。
　貯血してる血液で物理的に攻撃する事も出来る。
　結構良い感じの魔法ではなかろうか。
　実験相手が居ないので他に色々試す事は出来ないけどそんな感じ。

　音魔法は変わってないね。
　相変わらず使い勝手が良くて助かります。これからも俺の生命線として活躍してくれる事だろう。

　影魔法は説明そのまま。
　影を操って色々出来る。
　定番の影に入って隠れる事も、影を具現化させる事も可能。
　なんで影に入れたり、影を触ったり出来るのかは謎だけど。魔法だからと勝手に納得する。

　とりあえず出来る範囲でやれる事はやったかな？
　後は、相手に試してみてって感じで。
　あ、服は影で誤魔化して、真っ黒な服を着てる感じになっている。
　流石に裸は恥ずかしかったので。
　影がない所に行ったら裸に逆戻りだけど。

　よし！　それでは！　念願の外に出るぞー！