サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

第一章 名も無き蝙蝠

第12話 進化3

　
　約1年振りの待ちに待った進化。
　まぁこれは俺が魔法の練習してたからだけど、この練習が無ければボスに勝てたかはわからんしな。
　意味があった1年と思う事にしよう。
　さてさて、今回の進化先は？

　《条件を満たしました。複数の進化先をお知らせします》

　きたきたー！　なんか進化って凄いわくわくするよね。非現実的だからかな。地球じゃありえなかったもんなあ。

　・エコー・バット
　・ブラッド・バット
　・レッサー・インプ
　・レッサー・ヴァンパイア

　脳内表示には四つの選択肢。
　
　ふむふむ。予想外の選択肢もあるけど一つずつ考察していくか。

　エコー・バットは今のからの正当進化かな？
　ここからどういう成長するのかが読めない。
　スモールが取れて大きくなるだけかもしれん。
　もしかしたら進化打ち止めの可能性あり。

　ブラッド・バットは名前的に血に特化してるっぽい。これは進化してどうなるのかわからんね。
　新しい能力を覚えて、強くなる可能性もあるけど、こちらも進化打ち止めになるかも？

　レッサー・インプはなんだろう？
　インプだから悪魔系なのか。悪魔って魔法が得意なイメージがあるよね。
　魔法系の進化なのかな。
　レッサーがついてるから弱体化の可能性もあるけど、もう一回進化あるのは確定っぽいよね。
　後、人型になれるかもしれない。

　レッサー・ヴァンパイアは、まぁ吸血鬼だろう。
　果たして俺が知ってる伝承の吸血鬼なのか。
　これは知ってる限りでは、結構デメリットあるよね。日光に弱かったり、十字架がダメだったり、にんにくがダメだったり。
　にんにく好きなのでそれは困る。

　メリットは、ラノベでは身体能力が高かったり、魔法が得意だったり。
　後、俺的ポイントは血が美味しくなるかもしれないって事だな。
　こちらもレッサーだから、弱体化するかもだけど進化はするだろうし、人型になれる可能性あり。
　やっぱり人型になりたいよね。
　空飛べるのは良かったけど、まず手がないのが色々不便。


　って事で、レッサー・インプかレッサー・ヴァンパイアの2択かな。
　どっちにすべきか。
　悪魔のデメリットはなんだろう。
　恐らく、人類の敵だろうけど、それはどんと来いだ。喜んで敵になる。
　でもこれは、ヴァンパイアも一緒か。
　後は、聖属性的なのに弱そうって事だけどこれもヴァンパイアは一緒だね。

　うーん、スペック的にはレッサー・インプの方が良さそう。
　でもなあ。
　ヴァンパイアの方が惹かれてるんだよね。
　っていうか、血に惹かれてる。
　迷う、迷うなー。
　強さを取るか、嗜好を取るか。

　…
   ……
   ………

　レッサー・ヴァンパイアにしまーす。
　欲を抑えきれませんでした。
　俺はこっちの世界に来てから我慢する事はやめたのだ！　自分の欲の赴くままに生きてやる！

　さて、進化と。
　おお！　今回も光につつ、、ま、れ、……

　


　《進化が完了しました。二つの魂を確認。一つの魂に異能を付与します》

　《上位存在※※※※の介入を確認。異能が変更されます》


　うおえ！？
　え？　え？　寝てた！？
　進化が始まったと思ったら急に意識が遠のいて、なんか無理やり眠らされた感じ？

　進化は終わってるっぽいねって…

　「なんじゃこりゃー！」

　人型になってるのは嬉しいよ。それはもうね。
　でも、これはないよ。
　裸なのは、まあ良しとしよう。
　問題は身長よ。ショタなんてレベルじゃねえよ。3歳児ぐらいの大きさじゃん。

　え？　これ、進化したら大きくなるよね？
　成人男性ぐらいには大きくなってもらわないと威厳が…もし、人間と出会って「殺す！」なんて意気込んでも「可愛いなぁ」で済まされそう。

　いかん！　これはいかんぞ！
　早急に進化しなくては！
　さっさと、能力の確認をして外に出るぞ！